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難儀
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なんぎ
ふりがな文庫
“
難儀
(
なんぎ
)” の例文
尤
(
もつと
)
も
衣服
(
きもの
)
を
脱
(
ぬ
)
いで
渡
(
わた
)
るほどの
大事
(
おほごと
)
なのではないが、
本街道
(
ほんかいだう
)
には
些
(
ち
)
と
難儀
(
なんぎ
)
過
(
す
)
ぎて、なか/\
馬
(
うま
)
などが
歩行
(
ある
)
かれる
訳
(
わけ
)
のものではないので。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
無論
(
むろん
)
蓋
(
ふた
)
はして
有
(
あ
)
るが
往來
(
わうらい
)
へ
飛出
(
とびだ
)
されても
難儀
(
なんぎ
)
至極
(
しごく
)
なり、
夫等
(
それら
)
を
思
(
おも
)
ふと
入院
(
にふゐん
)
させやうとも
思
(
おも
)
ふが
何
(
なに
)
かふびんらしくて
心
(
こゝろ
)
一
(
ひと
)
つには
定
(
さだ
)
めかねるて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その時分にいろいろ
難儀
(
なんぎ
)
した話やら私がネパールに居った時の話やらがよく私と合いますので、いつもその話を聞きましたが
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
この
子家鴨
(
こあひる
)
が
苦
(
くる
)
しい
冬
(
ふゆ
)
の
間
(
あいだ
)
に
出遭
(
であ
)
った
様々
(
さまざま
)
な
難儀
(
なんぎ
)
をすっかりお
話
(
はな
)
しした
日
(
ひ
)
には、それはずいぶん
悲
(
かな
)
しい
物語
(
ものがたり
)
になるでしょう。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「何があんまりだ。僕の知ったこっちゃない。ひどい
難儀
(
なんぎ
)
をしてあるんだ。旅費さえ返せばそれでよかろう。さあ持って行け。帰れ、帰れ。」
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
「種々御忠言は
深謝
(
しんしゃ
)
仕
(
つかまつ
)
るが、拙者には、いま申したような用がござる。妻や弟の
難儀
(
なんぎ
)
なぞ、致し方ないと諦めるばかりだ」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
夫
(
それ
)
から
最初
(
さいしよ
)
のうちは、
詰
(
つ
)
めて
坐
(
す
)
はるのは
難儀
(
なんぎ
)
だから
線香
(
せんかう
)
を
立
(
た
)
てゝ、それで
時間
(
じかん
)
を
計
(
はか
)
つて、
少
(
すこ
)
し
宛
(
づゝ
)
休
(
やす
)
んだら
好
(
よ
)
からうと
云
(
い
)
ふ
樣
(
やう
)
な
注意
(
ちゆうい
)
もして
呉
(
く
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
兄
(
あに
)
はいつもならわけのないことだと
思
(
おも
)
いました。しかし、
今日
(
きょう
)
は
特別
(
とくべつ
)
に
重
(
おも
)
い
荷
(
に
)
をつけてきたので、このうえ
人間
(
にんげん
)
を
乗
(
の
)
せるということは
難儀
(
なんぎ
)
でした。
村の兄弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
當に行先々の氣配りに
難儀
(
なんぎ
)
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
とも
云
(
いは
)
ん方なき事どもなり漸々にして三州岡崎迄は
來
(
きたれ
)
ども
素
(
もと
)
より
手薄
(
てうす
)
の其上に旅の日數も重なれば手當の
金子
(
かね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そのときには、
巨男
(
おおおとこ
)
も種々
難儀
(
なんぎ
)
をして、大理石の部落に着いていました。部落の人びとは、たいへん親切でしたので、大理石をいくらでもくれました。
巨男の話
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
これだから
菊村宮内
(
きくむらくない
)
も、この
性
(
しょう
)
のあわないふたりを、一つのじぶんの手にすくって、
難儀
(
なんぎ
)
をしているところなのだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その上に
為朝
(
ためとも
)
の
悪口
(
わるくち
)
を
有
(
あ
)
ること
無
(
な
)
いことたくさんにならべて、どうか一
日
(
にち
)
も
早
(
はや
)
く
為朝
(
ためとも
)
をつかまえて、
九州
(
きゅうしゅう
)
の
人民
(
じんみん
)
の
難儀
(
なんぎ
)
をお
救
(
すく
)
い
下
(
くだ
)
さいと
申
(
もう
)
し
上
(
あ
)
げました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
およそ十月より
歳
(
とし
)
を
越
(
こ
)
えて四月のはじめまでは、むなしくやしなひおくのみ也。これ
暖国
(
だんこく
)
にはなき
難儀
(
なんぎ
)
の一ツ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「悪かったというだけではすまないじゃないか、みんながこんなに
難儀
(
なんぎ
)
するようになったのも、おまえが悪かったからだ、こんなはなれ島にみんなを……」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
そうして途中かなりの
難儀
(
なんぎ
)
をして、たっぷり四昼夜かかって、やっと津軽の生家に着いた。生家では皆、笑顔を
以
(
もっ
)
て迎えてくれた。私のお
膳
(
ぜん
)
には、お酒もついた。
庭
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「せっかく、
救
(
たす
)
けて頂いたようなものの、行先の
覚束
(
おぼつか
)
なさ、
途中
(
とちゅう
)
の
難儀
(
なんぎ
)
、もう一足も踏み出す勇気はございません。いっそこの川へ身を投げて死にとうございます」
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
というは、旅は
辛
(
つら
)
い、
難儀
(
なんぎ
)
である、
可愛
(
かわい
)
い子にはこの
辛苦
(
しんく
)
を
甞
(
な
)
めさせ、
鍛錬
(
たんれん
)
させよとの意味である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それどころか、犬はみんなどこかへいってしまって、こうしてこの国の
難儀
(
なんぎ
)
がすくわれたのです。
三つのことば
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
その
外
(
ほか
)
言葉
(
ことば
)
につくせぬ
数々
(
かずかず
)
の
難儀
(
なんぎ
)
なこと、
危険
(
きけん
)
なことに
遇
(
あ
)
われましたそうで、
歳月
(
つきひ
)
の
経
(
た
)
つと
共
(
とも
)
に、そのくわしい
記憶
(
きおく
)
は
次第
(
しだい
)
に
薄
(
うす
)
れては
行
(
い
)
っても、その
時
(
とき
)
胸
(
むね
)
にしみ
込
(
こ
)
んだ
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「きょうは、きのうの
雪
(
ゆき
)
のために、道がひどいぬかるみになっていて、えらい
難儀
(
なんぎ
)
でしたよ」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
もし歴史が
後
(
うしろ
)
に控えていなかったら、あの簡単に見える
草履
(
ぞうり
)
一つだって作るのに
難儀
(
なんぎ
)
をするでありましょう。一枚の紙だとて、どうして作るか、
途方
(
とほう
)
にくれるでありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そして
可
(
か
)
なり速い足どりで歩いて行きました。それが実際また、あまり速かったので、パーシウスは
足早
(
あしばや
)
の友達クイックシルヴァについて行くのが、少し
難儀
(
なんぎ
)
になって来ました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
さもなくば、
此
(
この
)
怖
(
おそろ
)
しい
懷劒
(
くわいけん
)
を
難儀
(
なんぎ
)
の
瀬戸際
(
せどぎは
)
の
行司
(
ぎゃうじ
)
にして、
年
(
とし
)
の
功
(
こう
)
も
智慧
(
ちえ
)
の
力
(
ちから
)
も
如何
(
どう
)
とも
能
(
よ
)
うせぬ
女一人
(
をんなひとり
)
の
面目
(
めんもく
)
を
今
(
いま
)
こゝで
裁決
(
とりさば
)
かす、
見
(
み
)
て
下
(
くだ
)
され。さ、
早
(
はや
)
う
何
(
なん
)
となと
言
(
い
)
うて
下
(
くだ
)
され。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
同
茂兵衛
(
もへゑ
)
の四人の手で銀に換へさせ、飢饉続きのために
難儀
(
なんぎ
)
する人民に
施
(
ほどこ
)
すのだと云つて、
安堂寺町
(
あんだうじまち
)
五丁目の
本屋会所
(
ほんやくわいしよ
)
で、親類や門下生に縁故のある
凡
(
およそ
)
三十三町村のもの一万軒に
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そう云われたッて
腹
(
はら
)
も立てないような年になって、こんなことを云い出しちゃあ可笑いが、
難儀
(
なんぎ
)
をした
旅行
(
たび
)
の
談
(
はなし
)
と同じことで、今のことじゃあ無いからなにもかも笑って
済
(
す
)
むというものだ。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
だが、こいつ等をこの儘じゃあ、後の
難儀
(
なんぎ
)
が思いやられる。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
基康 (考える)どうもわしの身に
難儀
(
なんぎ
)
がかかりそうだ。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
もっとも
衣服
(
きもの
)
を脱いで渡るほどの大事なのではないが、本街道にはちと
難儀
(
なんぎ
)
過ぎて、なかなか馬などが
歩行
(
ある
)
かれる
訳
(
わけ
)
のものではないので。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
云るゝや
只今
(
たゞいま
)
暇
(
いとま
)
は
遣
(
つかは
)
したりと申せし
口
(
くち
)
の下より
人代
(
ひとかは
)
りなき中は
出
(
いだ
)
さずとは
前後
(
ぜんご
)
揃
(
そろ
)
はぬ申
條
(
でう
)
殊更
(
ことさら
)
夫の
難儀
(
なんぎ
)
と
有
(
ある
)
に
人代
(
ひとかは
)
りを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
おじいさんは、
年
(
とし
)
を
取
(
と
)
ったから、もうこうして
歩
(
ある
)
くのは
難儀
(
なんぎ
)
となって、
静
(
しず
)
かに、
故郷
(
こきょう
)
の
圃
(
はたけ
)
でばらの
花
(
はな
)
を
造
(
つく
)
って
暮
(
く
)
らしたいと
思
(
おも
)
っていたからであります。
金魚売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
寝る訳には行かないし、始終障子の
隙
(
すき
)
から睨めているのもつらいし、どうも、こうも心が落ちつかなくって、これほど
難儀
(
なんぎ
)
な思いをした事はいまだにない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
仰
(
おお
)
せながら、ひとたび軍旅を遠くはせて、
木
(
き
)
ノ
芽
(
め
)
峠
(
とうげ
)
や
賤
(
しず
)
ヶ
岳
(
たけ
)
の
険路
(
けんろ
)
を、
吹雪
(
ふぶき
)
にとじこめられるときは、それこそ
腹背
(
ふくはい
)
の
難儀
(
なんぎ
)
、軍馬はこごえ、
兵糧
(
ひょうろう
)
はつづかず
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「イヤそんな事の出来る
訳
(
わけ
)
がない、道のない所を
難儀
(
なんぎ
)
して来た」と話しましたが信じないようでした。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
高橋君のところは
去年
(
きょねん
)
の
旱魃
(
かんばつ
)
がいちばんひどかったそうだから今年はずいぶん
難儀
(
なんぎ
)
するだろう。それへ
較
(
くら
)
べたらうちなんかは半分でもいくらでも
穫
(
と
)
れたのだからいい方だ。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
混用
(
こんよう
)
している、たとえかれらがぼくを侮辱したところが、それは小さな私事なのだ。私事のためにかれらに
難儀
(
なんぎ
)
をかけることは
恥
(
は
)
ずべきことだ、ぼくは連盟の大統領の職責から命じるのだ
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
さんざん
難儀
(
なんぎ
)
をして、
清盛
(
きよもり
)
のいる
京都
(
きょうと
)
の
六波羅
(
ろくはら
)
のやしきに
着
(
つ
)
くと、
常磐
(
ときわ
)
は
牛若と弁慶
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
御前彫刻などには
大抵
(
たいてい
)
刀の進み
易
(
やす
)
いものを用いて短時間に功を
挙
(
あ
)
げることとする。なるほど、火、火とのみ云って、火の芸術のみを
難儀
(
なんぎ
)
のもののように思っていたのは浅はかであったと悟った。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それでなくてさへ
隨分
(
ずゐぶん
)
出入
(
でいり
)
の
者
(
もの
)
の
手
(
て
)
などを
假
(
か
)
りて、
私
(
わたし
)
の
手
(
て
)
もとまで
怪
(
あや
)
しい
遣
(
つか
)
ひ
物
(
もの
)
などをよこして、
斯
(
か
)
ういふ
事情
(
じじやう
)
で
酷
(
ひど
)
く
難儀
(
なんぎ
)
をして
居
(
を
)
ります、
此裁判
(
このさいばん
)
の
判決次第
(
はんけつしだい
)
で
生死
(
しやうし
)
の
分
(
わ
)
け
目
(
め
)
に
成
(
な
)
りますなどゝ
言
(
い
)
つて
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
……
此
(
こ
)
の
航路
(
かうろ
)
も、おなじやうに
難儀
(
なんぎ
)
であつた。もしこれを
陸
(
りく
)
にしようか。
約六十里
(
やくろくじふり
)
に
餘
(
あま
)
つて
遠
(
とほ
)
い。
肝心
(
かんじん
)
な
事
(
こと
)
は、
路銀
(
ろぎん
)
が
高値
(
たか
)
い。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
取らん事思ひも
寄
(
よ
)
らず今云事の
僞
(
いつは
)
りにも
有
(
ある
)
まじ
主
(
しう
)
の爲の出來心にて盜みに來りしと
正直
(
しやうぢき
)
に云ふ事の
憫然
(
あはれ
)
なれば此金を汝に與へん間
主人
(
しゆじん
)
の
難儀
(
なんぎ
)
を
救
(
すく
)
ひ妻を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
もし
父親
(
ちちおや
)
が、こんな
嵐
(
あらし
)
の
強
(
つよ
)
い
晩
(
ばん
)
に、
海
(
うみ
)
をこいで
帰
(
こえ
)
ってこられたなら、
方角
(
ほうがく
)
もわからないので、どんなにか
難儀
(
なんぎ
)
をなされるだろうと、こう
考
(
かんが
)
えると、
娘
(
むすめ
)
はもはや
ろうそくと貝がら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「そら、カン蛙さん。取ってお呉れ。ひどい
難儀
(
なんぎ
)
をしたよ。大へんな手数をしたよ。命がけで心配したよ。僕はお前のご恩はこれで
払
(
はら
)
ったよ。少し払い過ぎた位かしらん。」
蛙のゴム靴
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
明
(
あく
)
る
朝
(
あさ
)
目が
覚
(
さ
)
めると、外は白い
霜
(
しも
)
だ。文鳥も眼が覚めているだろうが、なかなか起きる気にならない。枕元にある新聞を手に取るさえ
難儀
(
なんぎ
)
だ。それでも
煙草
(
たばこ
)
は一本ふかした。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
陣屋陣屋もござりますゆえ、ここを破ってまいるのもひとかたならぬご
難儀
(
なんぎ
)
かとぞんじまする
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
履
(
くつ
)
を脱いでこの冷たい川を渡るのは
難儀
(
なんぎ
)
だなあと考えて居りますと、下僕はまず荷物を先に渡しまたこちらに
後戻
(
あともど
)
りをして私を渡してくれましたので、その冷たい水へ入らずに
済
(
す
)
みました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
げたのはなおが切れて
難儀
(
なんぎ
)
してるのを見てチビ公はてぬぐいをさいてはなおをすげてやったことがある。そのとき肩につかまって片足をチビ公の片足の上に
載
(
の
)
せたことをかれは記憶している。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
世間
(
せけん
)
の
親
(
おや
)
たちの
難儀
(
なんぎ
)
をお
救
(
すく
)
い
下
(
くだ
)
さるようにとお
願
(
ねが
)
い
申
(
もう
)
し
上
(
あ
)
げました。
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
先
(
さき
)
へ
行
(
ゆ
)
きても
有
(
あ
)
るか
無
(
な
)
きか
知
(
し
)
れませねば
何
(
なに
)
にてもよし
此
(
こ
)
の
車
(
くるま
)
お
頼
(
たの
)
みなされてよと
俄
(
にはか
)
に
足元
(
あしもと
)
重
(
おも
)
げになりぬあの
此樣
(
こん
)
な
車
(
くるま
)
にお
乘
(
め
)
しなさるとかあの
此樣
(
こん
)
な
車
(
くるま
)
にと
二度
(
にど
)
三度
(
さんど
)
お
高
(
たか
)
輕
(
かろ
)
く
點頭
(
うなづ
)
きて
詞
(
ことば
)
なし
我
(
わ
)
れも
雪中
(
せつちゆう
)
の
隨行
(
ずゐかう
)
難儀
(
なんぎ
)
の
折
(
をり
)
とて
求
(
もと
)
むるまゝに
言附
(
いひつ
)
くる
那
(
くだん
)
の
車
(
くるま
)
さりとては
不似合
(
ふにあひ
)
なり
錦
(
にしき
)
の
上着
(
うはぎ
)
につゞれの
袴
(
はかま
)
つぎ
合
(
あは
)
したやうなと
心
(
こゝろ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
幾度
(
いくたび
)
か
越前街道
(
ゑちぜんかいだう
)
の
往來
(
ゆきき
)
に
馴
(
な
)
れて、
賃
(
ちん
)
さへあれば、
俥
(
くるま
)
はひとりで
驅出
(
かけだ
)
すものと
心得
(
こゝろえ
)
て
居
(
ゐ
)
たからである。しかし、
此
(
こ
)
の
上下
(
じやうげ
)
には、また
隨分
(
ずゐぶん
)
難儀
(
なんぎ
)
もした。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
月
(
つき
)
のいい
晩
(
ばん
)
には、
往来
(
おうらい
)
する
船
(
ふね
)
も、なんとなく
安全
(
あんぜん
)
に
思
(
おも
)
われますが、
海
(
うみ
)
が
怒
(
いか
)
って、
真
(
ま
)
っ
暗
(
くら
)
な、
波音
(
なみおと
)
のすさまじいときには、どんなに
航海
(
こうかい
)
をする
船
(
ふね
)
は
難儀
(
なんぎ
)
をしたかしれません。
ろうそくと貝がら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
難
常用漢字
小6
部首:⾫
18画
儀
常用漢字
中学
部首:⼈
15画
“難儀”で始まる語句
難儀仕
難儀相