ふぢ)” の例文
かはつてかへつてたのはくま膏薬かうやく伝次郎でんじらう、やちぐさんだかさかむたぬき毛皮けがはそでなしをて、糧切まぎりふぢづるでさや出来できてゐる。
神樂囃子かぐらばやし踊屋臺をどりやたい町々まち/\山車だしかざり、つくりもの、人形にんぎやう、いけばな造花ざうくわは、さくら牡丹ぼたんふぢ、つゝじ。いけばなは、あやめ、姫百合ひめゆり青楓あをかへで
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さうした着物きものは、やまふぢ纎維せんいつたものがおほかつたので、藤江ふぢえのふぢをおこすために、あらたへのといふ言葉ことばを、ゑたのであります。ぎのうた
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
右手の方にきれいなふぢいろの寛衣をつけた若い男が立ってだまって私をさぐるやうに見てゐた。私とひとみが合ふやにはかに顔色をゆるがしまゆをきっとあげた。
花椰菜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
山には、ふぢかづらがありました。その藤かづらをきつて、それを、わにして木のえだに、ひつかけました。
源八栗 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
ふぢ山吹やまぶきの花早くも散りて、新樹のかげ忽ち小暗をぐらく、さかり久しき躑躅つゝじの花の色も稍うつろひ行く時、松のみどりの長くのびて、金色こんじきの花粉風きたれば烟の如く飛びまがふ。
来青花 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
その制作しかたは木のえだふぢつるにて穴に倚掛よせかけたなつくり、たなのはしに付てくひを以てこれをしばり、たなの横木にはしらありてたなの上に大石をつみならべ、横木よりなはを下し縄にむすびてあなのぞま
今年ことし芍薬しやくやくが早いとか、茶摘歌ちやつみうたいてゐるとねむくなる時候だとか、何所どことかに、大きなふぢがあつて、其花の長さが四尺らずあるとか、はなし好加減いゝかげんな方角へ大分だいぶ長くびてつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
奪取うばひとりたれば江戸は面倒めんだうなるべししかず此より上方に取てかへし中國より九州へわたらんにはとつひに四國に立越たちこえしが伊豫國なるふぢはらと云ふ山中に來り爰に一個ひとつ隱家かくれがを得て赤川大膳あかがはだいぜんと姓名をへんじ山賊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
龍華寺りうげじ信如しんによ大黒屋だいこくや美登利みどり二人ふたりながら學校がくこう育英舍いくえいしやなり、りし四ぐわつすゑつかた、さくらりて青葉あをばのかげにふぢ花見はなみといふころ春季しゆんき大運動會だいうんどうくわいとてみづはらにせしことありしが、つなひき
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それから妹のおふぢは、透き通るやうな娘で、笑ふとそりや可愛らしい顏になる、あんなのは多分臟腑ざうふの代りにゼンマイが入つて居て、竹田人形のやうに、カラクリで動くんぢやないかと思ひますがね
かけきやは川瀬の波もたちかへり君が御禊みそぎふぢのやつれを
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
うながされてみぎはやみに車おりぬほの紫の反橋そりはしふぢ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
しば/\ふぢすな
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
ひさしたゞよ羽目はめなびいて、さつみづつる、はゞ二間にけんばかりのむらさきを、高樓たかどのき、欄干らんかんにしぶきをたせてつたもえる、ふぢはななるたきである。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かくて熊の身動みうごきをしたるに目さめてみれば、穴の口見ゆるゆゑ夜のあけたるをしり、穴をはひいで、もしやかへるべき道もあるか、山にのぼるべきふぢづるにてもあるかとあちこち見れどもなし
聞何と云る熊谷にて世話に成し者だと夫れはへんな事なり其者大方おほかたふぢつぼねであらうがそれがしは是まで女に心安き者はなきはずなりと淨瑠璃じやうるり狂言きやうげん洒落しやれを云ゆゑ門弟には少しもわからず當惑たうわくして居るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わが書斎にふぢむらさき。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
たなにつくれるふぢはな
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
ふく姿すがた高下かうげなくこゝろへだてなくかきにせめぐ同胞はらからはづかしきまでおもへばおもはるゝみづうをきみさまくはなんとせんイヤわれこそは大事だいじなれとたのみにしつたのまれつまつこずゑふぢ花房はなぶさかゝる主從しゆうじうなかまたとりや梨本なしもと何某なにがしといふ富家ふうかむすめ優子いうこばるゝ容貌きりやうよし色白いろじろほそおもてにしてまゆかすみ遠山とほやまがたはなといはゞと比喩たとへ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
岩角いはかどまつまつにはふぢき、巌膚いははだには、つゝじ、山吹やまぶきちりばめて、御仏みほとけ紫摩黄金しまわうごんおにした、またそう袈裟けさ、また将軍しやうぐん緋縅ひおどしごとく、ちら/\とみづうつつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふぢのもとなる低き椅子いす
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
あふげばふかふぢたな
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
むかしは兩岸りやうがん巨木きよぼくて、これふぢつな十條とすぢき、つないたわたしたとふ、いちじるしき由緒ゆゐしよがあつて、いまも古制こせいならつた、てつ釣橋つりばしだとふ……おまけにうたまである。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふぢとつつじの咲きつづく
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
竹屋たけやふぢ時節じせつにあらず、金格子きんがうし東海樓とうかいろうとほつたみち青樓おちややさの、ところ今日けふ腹工合はらぐあひと、懷中くわいちう都合つがふつて、天利てんりといふので午餉ひるにしよう、しろうめとやれ
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あゝ、大分だいぶおそうござります。さあ、おしなさりまし。御存ごぞんじの、あのあか大蜈蚣おほむかでうねつた、さがふぢそろひの軒提灯のきぢやうちん御覽ごらうじながら、徐々そろ/\かへりなさいませんか。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かつじやうぬまふち旅僧たびそうくちから魔界まかい暗示あんじつたへられたゝめに——いたいまはしかつたので、……権七ごんしち取寄とりよせさした着換きがえきぬは、あたかほこら屋根やねふぢはなきかゝつたのを
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うをもすら/\およぐだらうし、まつにはふぢいてるさうだし、つゝじ、山吹やまぶき、とり/″\だとふ、あひだを、ふねかげおどろいて、パツとれて水鳥みづとりつたり、かもめおよいでたり……
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふぢはなむらさきは、眞晝まひる色香いろかおぼろにして、白日はくじつゆめまみゆる麗人れいじん面影おもかげあり。憧憬あこがれつゝもあふぐものに、きみかよふらむ、高樓たかどのわた廻廊くわいらうは、燃立もえた躑躅つゝじそらかゝりて、宛然さながらにじへるがごとし。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
相州さうしう小田原をだはらまち電車鐵道でんしやてつだう待合まちあひの、茶店ちやみせ亭主ていしゆことばれば、土地とち鹽辛しほから蒲鉾かまぼこ外郎うゐらうおよ萬年町まんねんちやう竹屋たけやふぢ金格子きんがうし東海棲とうかいろう料理店れうりてん天利てんりしろ石垣いしがきおよ外廓そとぐるわ梅林ばいりんは、およ日本一につぽんいちなり
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
旦那だんな、あのふぢでの、むかしはしけたげだ。」
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
菖蒲あやめよ、ふぢよ。』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)