“藤棚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふじだな76.9%
ふぢだな23.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
子供がいたずらに小石でも投げたかと思ったが、そうではなくて、それは庭の藤棚ふじだな藤豆ふじまめがはねてその実の一つが飛んで来たのであった。
藤の実 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
といいながら、先に立ったのは目明しの釘勘で、法蔵院の池の前から八ツ橋をスタスタと渡り、向うの藤棚ふじだなの人なきところで待ちました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
池から家へ帰つて来ると、三人は心もからだも、くたくたに疲れてしまつたので、藤棚ふぢだなの下の縁台えんだいに、お腹をぺこんとへこませて腰かけてゐました。
(新字旧仮名) / 新美南吉(著)
大正十二年八月、僕は一游亭いちいうていと鎌倉へき、平野屋ひらのや別荘の客となつた。僕等の座敷の軒先のきさきはずつと藤棚ふぢだなになつてゐる。その又藤棚の葉のあひだにはちらほら紫の花が見えた。