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背中
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せなか
ふりがな文庫
“
背中
(
せなか
)” の例文
そこで
一寸法師
(
いっすんぼうし
)
は、
象
(
ぞう
)
の
背中
(
せなか
)
へくるりとしゃっちょこ立ちをしました。かと思うとまたまたくるりと起き上がり、行列を見かえって
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
いろんな事を
云
(
い
)
つてやアがる、
待
(
ま
)
て/\、ウームアヽ痛いウム、オイお
熊
(
くま
)
躯中
(
からだぢゆう
)
しびれて……こつちへ
入
(
はい
)
つて
背中
(
せなか
)
を二ツ三ツ
叩
(
たゝ
)
いてくれ。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
母
(
はは
)
の
背中
(
せなか
)
で、
目
(
め
)
をさました、
小
(
ちい
)
さな
弟
(
おとうと
)
が、
頭
(
あたま
)
といっしょにからだをゆり
動
(
うご
)
かしているのに
気
(
き
)
づいて、
清吉
(
せいきち
)
は、
弟
(
おとうと
)
のほうをば、
見
(
み
)
ました。
戦争はぼくをおとなにした
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其時
(
そのとき
)
小犬
(
こいぬ
)
ほどな
鼠色
(
ねづみいろ
)
の
小坊主
(
こばうず
)
が、ちよこ/\とやつて
来
(
き
)
て、
啊呀
(
あなや
)
と
思
(
おも
)
ふと、
崖
(
がけ
)
から
横
(
よこ
)
に
宙
(
ちゆう
)
をひよいと、
背後
(
うしろ
)
から
婦人
(
をんな
)
の
背中
(
せなか
)
へぴつたり。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
わたしはむかしいつも冬の
晩
(
ばん
)
になるとすわったそのいすの上にかけた。わたしはできるだけ小さく見えるように、
背中
(
せなか
)
を
丸
(
まる
)
くしていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
▼ もっと見る
しかし、ものをいうと、歯がカチカチ鳴って、みょうに力が
背中
(
せなか
)
に集まるような気がした。動くとつめたさがいっそうひどく感じられた。
川
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
すると富田六段は、
背中
(
せなか
)
を
心棒
(
しんぼう
)
にしてくるくるまわり、けっして頭の方へこさせない。そのからだの動かしようのす速さといったらない。
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
おとめはひもをといて、お
妃
(
きさき
)
さまの
背中
(
せなか
)
から小さな男の子をおろしました。そして、お妃さまの
乳房
(
ちぶさ
)
にあてがって、お
乳
(
ちち
)
をのませました。
手なしむすめ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
同
(
おな
)
じ
不正
(
ふせい
)
を
企
(
くわだて
)
るのならば、百三十六
個
(
こ
)
の
麻雀牌
(
マアジヤンパイ
)
の
背中
(
せなか
)
の
竹
(
たけ
)
の
木目
(
もくめ
)
を
暗記
(
あんき
)
するなどは、その
努力感
(
どりよくかん
)
だけでも
僕
(
ぼく
)
には
寧
(
むし
)
ろ
氣持
(
きもち
)
がいい。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
運慶は頭に小さい
烏帽子
(
えぼし
)
のようなものを乗せて、
素袍
(
すおう
)
だか何だかわからない大きな
袖
(
そで
)
を
背中
(
せなか
)
で
括
(
くく
)
っている。その様子がいかにも古くさい。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから
乾菓子
(
ひぐわし
)
を
食
(
た
)
べました。
大
(
おほ
)
きな
鳥
(
とり
)
は
其味
(
そのあぢ
)
が
解
(
わか
)
らないと
云
(
い
)
つて
訴
(
こぼ
)
す、
小
(
ちひ
)
さな
鳥
(
とり
)
は
哽
(
む
)
せて
背中
(
せなか
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
貰
(
もら
)
う、それは/\
大騷
(
おほさわ
)
ぎでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そういえばなるほど、ひらめというお
魚
(
さかな
)
は、目が
背中
(
せなか
)
についています。ですから
今
(
いま
)
でも、
親
(
おや
)
をにらめると、
平目
(
ひらめ
)
になるといっているのです。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
俺
(
お
)
ら
家
(
ぢ
)
の
婆奴等
(
ばゝめら
)
構
(
かま
)
あななんて
云
(
ゆ
)
つけが、えゝから
汝等
(
わツら
)
默
(
だま
)
つて
見
(
み
)
てろ、なんてそれから
俺
(
おれ
)
ぐうつと
頭
(
あたま
)
ふん
掴
(
づか
)
めえて、
斯
(
か
)
う
俺
(
お
)
れ
背中
(
せなか
)
こすつたな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ヒラヒラと落ちいく手紙へ、思わず口走りながら身をのばしたせつな、竹童のからだまで、あやうく鷲の
背中
(
せなか
)
からふりおとされそうになった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
矢
(
や
)
がすりの
袷
(
あはせ
)
に、
赤
(
あか
)
の
帶
(
おび
)
の
竪矢
(
たてや
)
の
字
(
じ
)
を
背中
(
せなか
)
に
負
(
お
)
うた
侍女
(
じぢよ
)
が、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
に
手
(
て
)
を
支
(
つか
)
へて、キッパリと
耳
(
みゝ
)
に
快
(
こゝろよ
)
い
江戸言葉
(
えどことば
)
で
言
(
い
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
命
(
みこと
)
は、それをもすかさず、
階段
(
かいだん
)
の下に追いつめて、手早く
背中
(
せなか
)
をひっつかみ、ずぶりとおしりをお突き
刺
(
さ
)
しになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
くまと自分ははじめと同じ
位置
(
いち
)
にもどったわけだ。すみのかべ
板
(
いた
)
に
背中
(
せなか
)
をこすりつけて、立ったくまは、まるでまねきねこみたいなかっこうだった。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
僧
(
そう
)
は
徐
(
しづ
)
かに
鉢
(
はち
)
に
殘
(
のこ
)
つた
水
(
みづ
)
を
床
(
ゆか
)
に
傾
(
かたむ
)
けた。そして「そんならこれでお
暇
(
いとま
)
をいたします」と
云
(
い
)
ふや
否
(
いな
)
や、くるりと
閭
(
りよ
)
に
背中
(
せなか
)
を
向
(
む
)
けて、
戸口
(
とぐち
)
の
方
(
はう
)
へ
歩
(
ある
)
き
出
(
だ
)
した。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼はそちらに
背中
(
せなか
)
を向けると、もう一度人ごみの中へ帰り出した。しかしまだ十歩と歩かないうちに、ふと赤革の手袋を一つ落していることを発見した。
寒さ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ぽんと
背中
(
せなか
)
をたたかれて、
立
(
た
)
て
続
(
つづ
)
けに
聞
(
き
)
かされたのが、
柳湯
(
やなぎゆ
)
で、
金蔵
(
きんぞう
)
がしゃべったという、
橘屋
(
たちばなや
)
の一
件
(
けん
)
であった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そしてぼんやり人形を
眺
(
なが
)
めていますと、その
背中
(
せなか
)
が、むくむく
動
(
うご
)
きだして、中から、
猿
(
さる
)
が
飛
(
と
)
びだしてきました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
あれとおどろくまもなくその
背中
(
せなか
)
でさしずをしていたピエールはいきなりジャンの背中から飛びおりるなり、足早にすたこらと門の反対の方に歩きだしました。
かたわ者
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
婦人
稀
(
まれ
)
には小児を
背中
(
せなか
)
にむすびつけて
押
(
おす
)
も
有
(
あれ
)
ども、この小児
啼
(
なく
)
ことなきも常とするの
不思議
(
ふしぎ
)
なり。
況
(
いはんや
)
此堂押にいさゝかも
怪瑕
(
けが
)
をうけたる者むかしより一人もなし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
浦島太郎が、
亀
(
かめ
)
の
背中
(
せなか
)
から振り落されて、ザブツと水にもぐりました。そして、ふんどしをしたお尻だけが、プクツと水の上に、チヨンまげ頭のやうに浮びました。
プールと犬
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
蒙りたるも
最前
(
さいぜん
)
まで
澄
(
すむ
)
か
濁
(
にごる
)
か分らざりしが今は
譯
(
わか
)
れど
濡衣
(
ぬれぎぬ
)
を
干
(
ほす
)
よしもなき身の
因果
(
いんぐわ
)
と思ひ廻せば廻すほど又も
泪
(
なみだ
)
の種なるを思ひ返へしてゐる
節
(
をり
)
から後の方より
背中
(
せなか
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私どもが、島だとばかり思っていたのは、ほんとうは、ねむっていた、くじらの
背中
(
せなか
)
だったのです。
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それでも、
背中
(
せなか
)
や胸を
拭
(
ふ
)
いてやるまい、噫
木魂精
(
こだま
)
よ、おまへは腕を
伸
(
の
)
して勝ち誇る夢を捧げてゐる。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
それからも一人おくれてひどく
心配
(
しんぱい
)
そうに
背中
(
せなか
)
をかがめて下りていく。
斉藤貞一
(
さいとうていいち
)
かな。
一寸
(
ちょっと
)
こっちを見たところには
栗鼠
(
りす
)
の
軽
(
かる
)
さもある。ほんとうに心配なんだ。かあいそう。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
おかみさんは
悲鳴
(
ひめい
)
をあげて、にげまどった。いすはおかみさんの
背中
(
せなか
)
にぴたっとくっついた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
そうして自分は夢の
覚
(
さ
)
めたように立ちあがった。
背中
(
せなか
)
の着物がぽかぽか暖かくなっていた。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
と
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けました。この
馬
(
うま
)
は
背中
(
せなか
)
に
荷物
(
にもつ
)
をつけて
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
へ
來
(
き
)
たこともある
馬
(
うま
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
中村
(
なかむら
)
さんと
唐突
(
だしぬけ
)
に
背中
(
せなか
)
たゝかれてオヤと
振
(
ふ
)
り
返
(
か
)
へれば
束髪
(
そくはつ
)
の一
群
(
むれ
)
何
(
なに
)
と
見
(
み
)
てかおむつましいことゝ
無遠慮
(
ぶゑんりよ
)
の一
言
(
ごん
)
たれが
花
(
はな
)
の
唇
(
くちびる
)
をもれし
詞
(
ことば
)
か
跡
(
あと
)
は
同音
(
どうおん
)
の
笑
(
わら
)
ひ
声
(
ごゑ
)
夜風
(
よかぜ
)
に
残
(
のこ
)
して
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
くを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
船頭の三吉は、稼業柄にもなく、水に落ちて死んだといふだけのことですが、
野幇間
(
のだいこ
)
の七平の死骸には、
背中
(
せなか
)
から突いた傷が一つ、水に
晒
(
さら
)
されて、凄まじい口を開いて居ります。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お
前
(
まえ
)
さん、
背中
(
せなか
)
を
高
(
たか
)
くしたり、
喉
(
のど
)
をごろつかせたり、
火
(
ひ
)
の
子
(
こ
)
を
出
(
だ
)
したり
出来
(
でき
)
るかい。」
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
〔所で〕
動
(
やや
)
もするとその男が病気とか何とか
云
(
い
)
う時には、男の
代
(
だい
)
をして水も汲む。
朝夕
(
あさゆう
)
の掃除は
勿論
(
もちろん
)
、先生が湯に
這入
(
はい
)
る時は
背中
(
せなか
)
を流したり湯を
取
(
とっ
)
たりして
遣
(
や
)
らなければならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
穉
(
おさな
)
い時私はよくかういふ子守唄をきかされた、さうして恐ろしい夜の闇にをびえながら、乳母の
背中
(
せなか
)
から手を出して例の首の赤い螢を握りしめた時私はどんなに好奇の心に顫へたであらう。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
いつも
滑※
(
こつけい
)
と
失策
(
しつさく
)
との
本家本元
(
ほんけほんもと
)
で——
今
(
いま
)
は
私
(
わたくし
)
の
傍
(
そば
)
に、
威勢
(
ゐせい
)
よく
話
(
はなし
)
の
相槌
(
あひづち
)
を
打
(
う
)
つて
居
(
を
)
る
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は、
幾度
(
いくたび
)
か
軍艦
(
ぐんかん
)
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
水兵等
(
すいへいら
)
に、
背中
(
せなか
)
叩
(
たゝ
)
かれ、
手
(
て
)
を
叩
(
たゝ
)
かれて、
艦中
(
かんちう
)
第一
(
だいいち
)
の
愛敬者
(
あいけふもの
)
とはなつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
何から何まで皆手掛りでは無いか第一顔の面長いのも一ツの手掛り左の頬に
痣
(
あざ
)
の有るのも
亦
(
また
)
手掛り
背中
(
せなか
)
の傷も矢張り手掛り先ず傷が有るからには鋭い
刃物
(
はもの
)
で
切
(
きっ
)
たには違い無い
左
(
さ
)
すれば差当り刃物を
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
振りましたわ。それにあなたつたら未だ
背中
(
せなか
)
を向けてらつしやる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
馬
(
うま
)
の
背中
(
せなか
)
に
鞍
(
くら
)
おいて
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
荷物
(
にもつ
)
を
背中
(
せなか
)
に
負
(
お
)
って、
薬売
(
くすりう
)
りの
少年
(
しょうねん
)
は、
今日
(
きょう
)
も
知
(
し
)
らぬ
他国
(
たこく
)
の
道
(
みち
)
を
歩
(
ある
)
いていました。
北
(
きた
)
の
町
(
まち
)
から
出
(
で
)
た
行商群
(
ぎょうしょうぐん
)
の
一人
(
ひとり
)
であったのです。
薬売りの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ヘリオトロープらしい
香
(
かお
)
りがぷんとする。香が高いので、小春日に照りつけられた
袷羽織
(
あわせばおり
)
の
背中
(
せなか
)
からしみ込んだような気がした。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わたしたちはうまやの戸の前のこしかけにこしをかけて、昼間の太陽のぬくもりのまだ
残
(
のこ
)
っているかべに
背中
(
せなか
)
をおしつけていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
すると、すぐさまこん棒がとびだして、
上着
(
うわぎ
)
といわず、ジャケツといわず、つぎからつぎへと相手の
背中
(
せなか
)
をぽかぽかなぐりつけるのでした。
「テーブルよ、ごはんの用意」と、金貨をうむロバと、「こん棒、ふくろから」
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
かと思うと、くるりと
宙
(
ちゅう
)
がえりを打つようにして、象の
背中
(
せなか
)
の三人の少女たちの中へ、すっぽりとのっかってしまいました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
トなだらかな、
薄紫
(
うすむらさき
)
の
崖
(
がけ
)
なりに、
桜
(
さくら
)
の
影
(
かげ
)
を
霞
(
かすみ
)
の
被衣
(
かつぎ
)
、ふうわり
背中
(
せなか
)
から
裳
(
すそ
)
へ
落
(
おと
)
して、
鼓草
(
たんぽゝ
)
と
菫
(
すみれ
)
の
敷満
(
しきみ
)
ちた
巌
(
いは
)
を
前
(
まへ
)
に、
其
(
そ
)
の
美女
(
たをやめ
)
が
居
(
ゐ
)
たのである。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、ある日、おとうさんは
背中
(
せなか
)
をたたきながら、
地主
(
じぬし
)
の長者
屋敷
(
やしき
)
へ納める
小作米
(
こさくまい
)
の
俵
(
たわら
)
を、せっせとくらにつけていました。
たにしの出世
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
巨男
(
おおおとこ
)
は立ちあがって、
背中
(
せなか
)
から白鳥をおろしました。白鳥は、とめようとして、
巨男
(
おおおとこ
)
の着物のはしを引きました。
巨男
(
おおおとこ
)
は、白鳥と最後の
頬
(
ほお
)
ずりをして
巨男の話
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
十
分
(
ぶん
)
に
酩酊
(
よつぱら
)
つた
足
(
あし
)
を
大股
(
おほまた
)
に
踏
(
ふ
)
んで、
肌
(
はだ
)
を
脱
(
ぬ
)
いだ
兩方
(
りやうはう
)
の
手
(
て
)
をぎつと
握
(
にぎ
)
つて、
手拭
(
てぬぐひ
)
で
背中
(
せなか
)
を
擦
(
こす
)
るやうな
形
(
かたち
)
をして
見
(
み
)
せた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
どやしつけられた、
背中
(
せなか
)
の
痛
(
いた
)
さもけろりと
忘
(
わす
)
れて、
伝吉
(
でんきち
)
は、
元結
(
もとゆい
)
が
輪
(
わ
)
から
抜
(
ぬ
)
けて
足元
(
あしもと
)
へ
散
(
ち
)
らばったのさえ
気付
(
きづ
)
かずに
夢中
(
むちゅう
)
で
長兵衛
(
ちょうべえ
)
の
方
(
ほう
)
へ
膝
(
ひざ
)
をすり
寄
(
よ
)
せた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
“背中”の解説
背中(せなか、en: back)とは、背の中央。
人間(ヒト)の背の中央あたり。頸部の下あたりから胴のくびれあたりまで。動物の体の地面に面している側(腹)の反対側を「背」と言うが、その面の中央あたり。
(出典:Wikipedia)
背
常用漢字
小6
部首:⾁
9画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“背中”で始まる語句
背中当
背中合
背中打
背中中
背中越