たゝか)” の例文
新字:
つまり河流かりゆう上汐あげしほとが河口かこう暫時ざんじたゝかつて、つひ上汐あげしほかちめ、海水かいすいかべきづきながらそれが上流じようりゆうむかつていきほひよく進行しんこうするのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しかし、いち自動車じどうしや手負ておひごときは、もののかずでもない、たゝかへば驕將けうしやうは、張中ちやうちうせつれなかつた。ゆうなり、またけんなるかな。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぼく、このあそびをおぼえてから足掛あしかけ五ねんになるが、食事しよくじ時間じかんだけはべつとしてたゝかひつづけたレコオドはやく三十時間じかんといふのが最長さいちやうだ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
きツイ先頃はお互にむしの居所のわるい所から言葉たゝかたれども考へ見れば吾儕わしが惡いとかう謝罪あやまつた上からは主は素より舍兄あにのこと心持を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「こんなに年老としよるまで、自分じぶんこづゑで、どんなにお前のためにあめかぜをふせぎ、それとたゝかつたかれない。そしておまへ成長せいちやうしたんだ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
バルタ 最前さいぜんこの水松いちゐかげ居眠ゐねむってゐますうちに、ゆめうつゝに、主人しゅじんとさるひととがたゝかうて、主人しゅじん其人そのひとをばころしたとました。
ねむらないで南京蟲なんきんむしたゝかつてゐるものらう、あるひつよ繃帶はうたいめられてなやんでうなつてゐるものらう、また患者等くわんじやら看護婦かんごふ相手あいて骨牌遊かるたあそびてゐるものらう
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
競技者プレーヤーみん自分じぶんばんるのをたずして同時どうじあそたはむれ、えずあらそつて、針鼠はりねずみらうとしてたゝかつてゐますと、やが女王樣ぢよわうさまいたくお腹立はらだちになり、地鞴踏ぢだんだふみながら
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それほどになさつても、なんのやくにもちません。あのくにひとれば、どこのもみなひとりでにいて、たゝかはうとするひとたちもえしびれたようになつてちからません
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
たゝかひ進むものゝふの
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかもジリリと心にかぶさつてくる生くわつ問題もんだいの重あつを一方にになひながら、むしろより悲壯ひそうたゝかひをたゝかつてゐると見られぬ事はない。
かくてたがひにいつっつのをりから、おひ/\多人數たにんず馳加はせくははり、左右さいふわかれてたゝかところへ、領主とのえさせられ、左右さうなく引別ひきわけ相成あひなりました。
相手にたゝかひ居によりかくたすけんと存じ宵闇よひやみ暗紛くらまぎれに切付たるは女の聲ゆゑ偖は女房を切たるかと狼狽うろたへたる處に傍邊かたはらより男一人打て掛りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あらず、あをしろ東雲しのゝめいろくれなゐえて、眞黒まつくろつばさたゝかふ、とりのとさかにたのであつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それたっ」と、武士ぶしたちが得物えものをとつてむかはうとすると、だれもかれもものおそはれたようにたゝかもなくなり、ちからず、たゞ、ぼんやりとしてをぱち/\させてゐるばかりであります。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
したがつて、今度のじつ力主の名人せい度は、たとへいく分えげつないかんじはあつても、たしかに棋界きかいしん歩といふべきであらう。何も勝負せうふだ、たゝかひだ。
サンプソンとエブラハムとけんいてたゝかふ。ベンヺーリオーこのていきたり、けんき、ってはひる。
づは重疊ちようでふむかつて齒向はむかつてでもられようものなら、町内ちやうない夜番よばんにつけても、竹箒たかばうき押取おつとつてたゝかはねばらないところを、とき敵手あひてげてくれるにかぎる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
か包み申さん只今惣内が申上しに相違御座なくかれが藥を調とゝのへに參りし跡にて女の泣聲なきごゑ致すにより里が勾引かどはかされ候事と存じ惡者とたゝかひ居候中惣内立戻たちもどり來兩人にて其者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それにしても將棋せうきがああまでもたゝかはなければならぬものになつて來た事は正しく時代の推移すいいしからしむる所であらう。
むかしから、落人おちうど七騎しちき相場さうばきまつたが、これは大國たいこく討手うつてである。五十萬石ごじふまんごくたゝかふに、きりもちひとつはなさけない。が、討死うちじに覺悟かくごもせずに、血氣けつきまかせて馳向はせむかつた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
張作霖ちやうさくりんはず、如何いか支那人しなじん麻雀マアジヤンくかといふことはいろいろはなしくが、おどろくことは彼等かれらも三不眠不休ふみんふきうたゝかひつづけて平氣へいきだといふことだ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
わたし薪雜棒まきざつぽうつてて、亞鉛トタン一番いちばんしのぎけづつてたゝかはうかな。」と喧嘩けんくわぎてのぼうちぎりで擬勢ぎせいしめすと、「まあ、かつたわね、ありがたい。」とうれしいより、ありがたいのが
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして、二三にちそのつかれのらないのに今更いまさら自分じぶんおろかさをいたやうな始末しまつだつたが、支那人しなじんが二も三たゝかひつづけて平氣へいきだといふのは、ひとつはたしか體力たいりよくのせゐにちがひない。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
なんぢ炎威えんゐたゝかへ、うみやまくさいし白熱はくねつして、なんぢまなこくらまんとす。て、痩躯そうくをかつて、そでかざして病魔びやうまたてせよ。隻手せきしゆはらつてれ。たゝかひはよわし。あしはふるふとも、こゝろそらはせよ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なんぢ炎威えんゐたゝかへ。うみやまも、くさいし白熱はくねつしてなんぢまなこくらまんとす。て……
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
のち煬帝やうだい遼東れうとうむるとき梯子はしごつくりててき城中じやうちう瞰下みおろす。たかまさ十五丈じふごぢやう沈光ちんくわう尖端とつさきぢてぞくたゝかうて十數人じふすうにんる。城兵じやうへい這奴しやつにくきものの振舞ふるまひかなとて、競懸きそひかゝりてなかばより、梯子はしごくじく。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
積薪せきしんおもはず悚然ぞつとして、たゞちに衣冠いくわんつくろひ、わかよめはゞかりあり、しうとねやにゆき、もし/\とこゑけて、さて、一石いつせきねがひませう、とすなはたしなところふくろより局盤きよくばんいだし、黒白こくびやく碁子きしもつしうとたゝかふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
緋鯉ひごひふなとがたゝかふんだよ。」
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)