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髪
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かみ
ふりがな文庫
“
髪
(
かみ
)” の例文
旧字:
髮
「ほんとうに
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
が
長
(
なが
)
くおなりだこと。せめてもう二、三
年
(
ねん
)
長生
(
ながい
)
きをして、あなたのすっかり
大人
(
おとな
)
になったところを
見
(
み
)
たかった。」
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
あなたの言葉は
田舎
(
いなか
)
の女学生丸出しだし、
髪
(
かみ
)
はまるで、
老嬢
(
ろうじょう
)
のような、ひっつめでしたが、それさえ、なにか
微笑
(
ほほえ
)
ましい魅力でした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
彼
(
かれ
)
は、この
話
(
はなし
)
をきくと、なんとなく
体
(
からだ
)
じゅうが、ぞっとしました。
女
(
おんな
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
ると、
長
(
なが
)
い
黒
(
くろ
)
い
髪
(
かみ
)
は
結
(
むす
)
ばずに、
後
(
うし
)
ろに
垂
(
た
)
れていました。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「その金は、いったいどこに使うのです?」と、マイダーノフは、平べったい
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を後ろへ
払
(
はら
)
いながら、鼻の穴をひろげて
訊
(
き
)
いた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
先に立ちたるは、かち色の
髪
(
かみ
)
のそそけたるを
厭
(
いと
)
はず、幅広き
襟飾
(
えりかざり
)
斜
(
ななめ
)
に結びたるさま、
誰
(
た
)
が目にも、ところの美術
諸生
(
しょせい
)
と見ゆるなるべし。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
浴衣
(
ゆかた
)
を
着
(
き
)
た
髪
(
かみ
)
の白い
老人
(
ろうじん
)
であった。その着こなしも
風采
(
ふうさい
)
も
恩給
(
おんきゅう
)
でもとっている古い
役人
(
やくにん
)
という風だった。
蕗
(
ふき
)
を
泉
(
いずみ
)
に
浸
(
ひた
)
していたのだ。
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
とせい/\、
肩
(
かた
)
を
揺
(
ゆすぶ
)
ると、
其
(
そ
)
の
響
(
ひゞ
)
きか、
震
(
ふる
)
へながら、
婦
(
をんな
)
は
真黒
(
まつくろ
)
な
髪
(
かみ
)
の
中
(
なか
)
に、
大理石
(
だいりせき
)
のやうな
白
(
しろ
)
い
顔
(
かほ
)
を
押据
(
おしす
)
えて、
前途
(
ゆくさき
)
を
唯
(
たゞ
)
熟
(
じつ
)
と
瞻
(
みまも
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
花嫁は、王子の黒い
髪
(
かみ
)
の毛をなでました。そして、花嫁と花婿は手に手をとって、りっぱなテントの中にはいって、やすみました。
人魚の姫
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
目、鼻、口、それから頭の
髪
(
かみ
)
の毛までそっくりついて、怪塔王の顔の皮はまるで、豆の皮を
剥
(
は
)
ぐようにくるくると剥がれたのであった。
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
黒
(
くろ
)
い
髪
(
かみ
)
と、
淡紅色
(
ときいろ
)
のリボンと、それから黄色い
縮緬
(
ちりめん
)
の帯が、
一時
(
いちじ
)
に風に吹かれて
空
(
くう
)
に流れる
様
(
さま
)
を、
鮮
(
あざや
)
かに
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
に刻み込んでゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
女
(
おんな
)
にもしてみたいほどの
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い
児
(
こ
)
で、
優
(
やさ
)
しい
眉
(
まゆ
)
、すこし
開
(
ひら
)
いた
脣
(
くちびる
)
、
短
(
みじか
)
いうぶ
毛
(
げ
)
のままの
髪
(
かみ
)
、
子供
(
こども
)
らしいおでこ——すべて
愛
(
あい
)
らしかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
すがすがしい
初日
(
はつひ
)
の光りがうしろからさして、ひっつめた
髪
(
かみ
)
を
照
(
て
)
らすのが、まるで頭のまわりに光りの
輪
(
わ
)
をかけたように見えた。
美しき元旦
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
しかも、
涼霄
(
りょうしょう
)
の花も恥ずらん色なまめかしい
粧
(
よそお
)
いだった。
髪
(
かみ
)
匂
(
にお
)
やかに、
黄金
(
きん
)
の
兜巾簪
(
ときんかんざし
)
でくくり締め、
鬂
(
びん
)
には一
対
(
つい
)
の
翡翠
(
ひすい
)
の
蝉
(
せみ
)
を止めている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのしぶとさが余計胸の中に来ると、僕は彼女の
髪
(
かみ
)
をひきつかんで、まるで、泥魚のように、地べたに引きずって帰って来た。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
おばあさんは、
腹
(
はら
)
だちまぎれに、ラプンツェルの美しい
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
をひっつかむと、それを
二巻
(
ふたま
)
き
三巻
(
みま
)
き左の手にまきつけました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
籐
(
とう
)
の
寝椅子
(
ねいす
)
に一人の
淡青色
(
たんせいしょく
)
のハアフ・コオトを着て、ふっさりと
髪
(
かみ
)
を
肩
(
かた
)
へ垂らした少女が
物憂
(
ものう
)
げに
靠
(
もた
)
れかかっているのを認め、のみならず
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
言葉でもろくに通じないくらいだのに、男は
烏帽子
(
えぼし
)
もかぶらず女は
髪
(
かみ
)
もさげず、はだしで山川を歩くさまはまるで
獣
(
けもの
)
のようではありませんか。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
夫にしたがって毎日沖に出ている漁師の妻は、女とは思えぬほど陽にやけた顔をし、
潮風
(
しおかぜ
)
にさらされて
髪
(
かみ
)
の毛は赤茶けてぼうぼうとしていた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
髪
(
かみ
)
を長くしてみたり、赤い着物で外出したり、一本歯の下駄を
履
(
は
)
いたりすることは、馬鹿でもやり得ることで、心の独立を
崇
(
あが
)
める値いはない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ふん、
物
(
もの
)
の
値打
(
ねうち
)
のわからねえ
奴
(
やつ
)
にゃかなわねえの。
女
(
おんな
)
の
身体
(
からだ
)
についてるもんで、
年
(
ねん
)
が
年中
(
ねんじゅう
)
、
休
(
やす
)
みなしに
伸
(
の
)
びてるもなァ、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
と
爪
(
つめ
)
だけだぜ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
さわやかにもたげた頭からは黄金の
髪
(
かみ
)
が肩まで
垂
(
た
)
れて左の手を
帯刀
(
おはかせ
)
のつかに置いて
屹
(
きっ
)
としたすがたで町を見下しています。
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
大久保
(
おほくぼ
)
が、
奈美子
(
なみこ
)
の
美
(
うつく
)
しい
髪
(
かみ
)
を、
剃刀
(
かみそり
)
や
鋏
(
はさみ
)
でぢよき/\
根元
(
ねもと
)
から
全
(
まつた
)
く
切
(
き
)
り
取
(
と
)
つてしまつたことは、
大分
(
だいぶ
)
たつてから
知
(
し
)
つた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
女神はまず急いで
髪
(
かみ
)
をといて、男まげにおゆいになり、両方のびんと両方の
腕
(
うで
)
とに、
八尺
(
やさか
)
の
曲玉
(
まがたま
)
というりっぱな玉の
飾
(
かざ
)
りをおつけになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
其妾と云う
髪
(
かみ
)
を
乱
(
みだ
)
した女は、都の女等を
憎
(
に
)
くさげに
睨
(
にら
)
んで居た。彼等は先住の出で去るを待って、畑の枯草の上に
憩
(
いこ
)
うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
つやつやした
髪
(
かみ
)
を七三にわけて、青白い
額
(
ひたい
)
にたらし、きちんと背広を着こんだところは、どう見ても小都会のサラリーマンとしか思えなかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
髪
(
かみ
)
美
(
うるわ
)
しく長くこぼれかからせて、添いいるのならば、さぞ釣り合ってよかろうに、年とった女の自分が髪なども散り乱れて、
薄鈍
(
うすにび
)
の喪服をつけて
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
と、
或朝
(
あるあさ
)
早
(
はや
)
く
非常
(
ひじょう
)
に
興奮
(
こうふん
)
した
様子
(
ようす
)
で、
真赤
(
まっか
)
な
顔
(
かお
)
をし、
髪
(
かみ
)
も
茫々
(
ぼうぼう
)
として
宿
(
やど
)
に
帰
(
かえ
)
って
来
(
き
)
た。そうして
何
(
なに
)
か
独語
(
ひとりごと
)
しながら、
室内
(
しつない
)
を
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
へと
急
(
いそ
)
いで
歩
(
ある
)
く。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
わたしたちが通ったつぎの村で、わたしは美しい
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
と、青い目をしたかわいらしい人形をかの女のために買った。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
年は十四ぐらいで、からだは大きくアマ色の
髪
(
かみ
)
の毛をしていました。この子は、たいして役にもたちませんでした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
髪
(
かみ
)
はひっつめに
結
(
ゆ
)
って、
黒
(
くろ
)
の
肩
(
かた
)
マントをしていらっしゃる、もうそれだけで、
先生
(
せんせい
)
を
敬
(
うやま
)
う
気持
(
きもち
)
がおこると一しょに、
先生
(
せんせい
)
がどことなく
好
(
す
)
きになるのです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
娵
(
よめ
)
はうちゑみつゝ
姑
(
しうとめ
)
にかくといへば、姑は
俄
(
にはか
)
に
土産
(
みやげ
)
など取そろへる
間
(
うち
)
に
娵
(
よめ
)
髪
(
かみ
)
をゆひなどして
嗜
(
たしなみ
)
の
衣類
(
いるゐ
)
を
着
(
ちやく
)
し、
綿入
(
わたいれ
)
の
木綿帽子
(
もめんばうし
)
も
寒国
(
かんこく
)
の
習
(
ならひ
)
とて見にくからず
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
光
(
ひかり
)
の中につらつら
御気色
(
みけしき
)
を見たてまつるに、
朱
(
あけ
)
をそそぎたる
竜顔
(
みおもて
)
に、
一二八
荊
(
おどろ
)
の
髪
(
かみ
)
膝
(
ひざ
)
にかかるまで乱れ、
白眼
(
しろきまなこ
)
を
吊
(
つ
)
りあげ、
熱
(
あつ
)
き
嘘
(
いき
)
をくるしげにつがせ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
鉄砲玉のようにとびこんできた
壮漢
(
そうかん
)
! 雨にうたれた伸びほうだいの
髪
(
かみ
)
は、ものすごく顔にへばりつき、ひげは草むらのように乱生し、水玉がたれている
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
たね子はがっかりして本を投げ出し、大きい
樅
(
もみ
)
の
鏡台
(
きょうだい
)
の前へ
髪
(
かみ
)
を
結
(
ゆ
)
いに立って行った。が、洋食の食べかただけはどうしても気にかかってならなかった。……
たね子の憂鬱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二番目は菊五郎の「
紙治
(
かみじ
)
」これは
丸本
(
まるほん
)
の「紙治」を舞台に演ずるやう
河竹新七
(
かわたけしんしち
)
のその時
新
(
あらた
)
に
書卸
(
かきおろ
)
せしものにて
一幕目
(
ひとまくめ
)
小春
(
こはる
)
髪
(
かみ
)
すきの
場
(
ば
)
にて
伊十郎
(
いじゅうろう
)
一中節
(
いっちゅうぶし
)
の小春を
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
紀昌は再び家に
戻
(
もど
)
り、
肌着
(
はだぎ
)
の
縫目
(
ぬいめ
)
から
虱
(
しらみ
)
を一匹探し出して、これを
己
(
おの
)
が
髪
(
かみ
)
の毛をもって
繋
(
つな
)
いだ。そうして、それを南向きの窓に
懸
(
か
)
け、終日
睨
(
にら
)
み
暮
(
く
)
らすことにした。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
いつか、きたないなりをして、
髪
(
かみ
)
をもじゃもじゃにしたそれはそれは小さな女の子が、よごれた
風呂敷
(
ふろしき
)
づつみをぶらさげて、店の前にたっていたことがありました。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
その男は、ガラス窓の外のやみの中から、
髪
(
かみ
)
の毛をダランと下にたらし、まっかにのぼせた顔で、さかさまの目で、部屋の中のようすをジロジロとながめています。
少年探偵団
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
文化文政には正式な
髪
(
かみ
)
は
丸髷
(
まるまげ
)
と
島田髷
(
しまだまげ
)
とであった。かつ島田髷としてはほとんど
文金高髷
(
ぶんきんたかまげ
)
に限られた。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
妻
(
つま
)
は三つになる
次男
(
じなん
)
を、さもかわいらしそうに
胸
(
むね
)
に
抱
(
だ
)
きよせ子どものもじゃもじゃした
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
に、白くふっくらした髪をひつけてなんの
苦
(
く
)
もない
面持
(
おもも
)
ちに眠っている。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
髪
(
かみ
)
の毛はどうしたのと聞いてみたり、
父親
(
ちちおや
)
メルキオルの
露骨
(
ろこつ
)
な
常談
(
じょうだん
)
におだてられて、
禿
(
はげ
)
をたたくぞとおどしたりして、いつもそのことで
彼
(
かれ
)
をからかってあきなかった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
よく
搦手
(
からめて
)
を守りおおさせたいわゆるオカミサンであったのであるし、それに元来が
古風実体
(
こふうじってい
)
な
質
(
たち
)
で、身なり
髪
(
かみ
)
かたちも余り気にせぬので、まだそれほどの年では無いが
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そこへ追つて来たおくまは岩に片足をかけて
狙
(
ねらひ
)
を
定
(
さだ
)
めて
引
(
ひ
)
きがねを引くとズドーンとこだまして
筒
(
つゝ
)
をはなれた
弾丸
(
たま
)
は
旅人
(
たびゞと
)
の
髪
(
かみ
)
をかすつて
向
(
むか
)
うの
岩角
(
いはかど
)
にポーンと
当
(
あた
)
りました。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
肩揚
(
かたあげ
)
のある
羽織
(
はおり
)
には、
椿
(
つばき
)
の
模様
(
もやう
)
がついてゐた。
髪
(
かみ
)
はおたばこぼんにゆつてゐたやうに
思
(
おも
)
はれる。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
近寄って艫を
漕
(
こ
)
ぐ女の姿が見えて来た。いよいよ近く漕ぎ寄って来た。片手を挙げて
髪
(
かみ
)
のほつれを掻き上げる仕草が見える。
途端
(
とたん
)
に振り上げた顔を月光で
検
(
あらた
)
める。秀江だ。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
髪
(
かみ
)
をふりみだし、
息
(
いき
)
をはずませて、
上着
(
うわぎ
)
のえりもはだけてしまっている。れいの
古
(
ふる
)
びたシルクハットは、とっくにどこかへすっとんだらしく、頭へのっかっていなかった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
その
頃
(
ころ
)
の女はきぬかずきと云う
面被
(
おもておおい
)
をつける例であったが、それをぬがせて、諸人に顔を見せた。二十七、八ばかりのほそやかな
身体
(
からだ
)
つき、
髪
(
かみ
)
なども美しいよい女であった。
女強盗
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
櫛
(
くし
)
の
歯
(
は
)
が引っかかる処を少し
力
(
ちから
)
を入れて引くとゾロゾロゾロゾロと細い
髪
(
かみ
)
が抜けて来る。
秋毛
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
血走
(
ちばし
)
った
眼
(
まなこ
)
に
洗
(
あら
)
い
髪
(
かみ
)
をふり
乱
(
みだ
)
して
居
(
い
)
る
様子
(
ようす
)
は、
何
(
ど
)
う
見
(
み
)
ても
只事
(
ただごと
)
とは
思
(
おも
)
われないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
すこし
大人気
(
おとなげ
)
なかった。が、あの場合、行き掛りもあった。調子に乗って手を伸ばし、ムンズと喬之助の
髪
(
かみ
)
を
握
(
にぎ
)
ってグイ! 力まかせに引っ張り上げたのは、この大迫玄蕃だった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
“髪”の意味
《名詞》
(かみ)かみ、頭部を覆う体毛。
(出典:Wiktionary)
“髪(
頭髪
)”の解説
頭髪(とうはつ)は、ヒトの頭部に生える毛である。毛髪(もうはつ)、髪の毛(かみのけ)、また単に髪(かみ)ともいう。
(出典:Wikipedia)
髪
常用漢字
中学
部首:⾽
14画
“髪”を含む語句
頭髪
結髪
白髪
垂髪
黒髪
毛髪
束髪
髪毛
鬢髪
髪結
下髪
理髪店
御髪
散髪
理髪師
理髪床
剃髪
髪結床
額髪
前髪
...