トップ
>
起上
>
おきあが
ふりがな文庫
“
起上
(
おきあが
)” の例文
見るなと
固
(
かた
)
く
制
(
せい
)
せしは如何なる
譯
(
わけ
)
かと
頻
(
しき
)
りに其奧の間の見ま
欲
(
ほし
)
くて
密
(
そつ
)
と
起上
(
おきあが
)
り忍び足して
彼座敷
(
かのざしき
)
の
襖
(
ふすま
)
を
押明
(
おしあけ
)
見れば此はそも如何に金銀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ハヾトフは
其間
(
そのあひだ
)
何故
(
なにゆゑ
)
か
默
(
もく
)
した
儘
(
まゝ
)
、さツさと六
號室
(
がうしつ
)
へ
這入
(
はひ
)
つて
行
(
い
)
つたが、ニキタは
例
(
れい
)
の
通
(
とほ
)
り
雜具
(
がらくた
)
の
塚
(
つか
)
の
上
(
うへ
)
から
起上
(
おきあが
)
つて、
彼等
(
かれら
)
に
禮
(
れい
)
をする。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
本
(
ほん
)
に
商賣人
(
しようばいにん
)
とて
憎
(
に
)
くらしい
物
(
もの
)
と
次第
(
しだい
)
におもふ
事
(
こと
)
の
多
(
おほ
)
くなれば、いよ/\
寢
(
ね
)
かねて
奧方
(
おくがた
)
は
縮緬
(
ちりめん
)
の
抱卷
(
かいまき
)
打
(
うち
)
はふりて
郡内
(
ぐんない
)
の
蒲團
(
ふとん
)
の
上
(
うへ
)
に
起上
(
おきあが
)
り
給
(
たま
)
ひぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
怒鳴
(
どな
)
つて、
笠
(
かさ
)
を
拂
(
はら
)
つて、むつくりと
半身
(
はんしん
)
起上
(
おきあが
)
つて、
透
(
す
)
かして
見
(
み
)
ると、
何
(
なに
)
も
居
(
を
)
らぬ。
其
(
そ
)
の
癖
(
くせ
)
、
四邊
(
あたり
)
にかくれるほどな、
葉
(
は
)
の
伸
(
の
)
びた
草
(
くさ
)
の
影
(
かげ
)
もない。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
気が
注
(
つ
)
いて見ると、自分の手は獣のような重太郎に握られていた。驚いて
振放
(
ふりはな
)
して
起上
(
おきあが
)
ると、重太郎は再び
其
(
その
)
手を掴んだ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
筵をハネ除けて
起上
(
おきあが
)
ったのは、まだ若い乞食でした。朧の月が橋の下の浅ましい世界を夢の国のように照し出しました。
奇談クラブ〔戦後版〕:04 枕の妖異
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「よかろうよかろう」と、一同も
起上
(
おきあが
)
り、着のみ着のままで寝たので身仕度の手間は入らず、顔を洗おうにも水はない。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
仰向に寝たが寝られませんから、又
此方
(
こっち
)
を向くと、それでも寝られませんから又
起上
(
おきあが
)
って見たりいろ/\して居ります。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
足
(
あし
)
をばた/\やつて
大聲
(
おほごゑ
)
を
上
(
あ
)
げて
泣
(
な
)
いて、それで
飽
(
あ
)
き
足
(
た
)
らず
起上
(
おきあが
)
つて
其處
(
そこ
)
らの
石
(
いし
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ、四方八方に
投
(
な
)
げ
付
(
つ
)
けて
居
(
ゐ
)
た。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
それでも私が躊躇していると、彼はじれて、ベッドの上に
起上
(
おきあが
)
り相になる。そんなことされては大変だ。身動きさえ禁じられている身体ではないか。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
女中が
午飯
(
ひるめし
)
を知らせに来たのも知らず、午後三時近くまで眠って、ふと眼が覚めたので
起上
(
おきあが
)
ろうと、顔の上の冊子を取ろうとした時、何をみつけたか
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
直
(
す
)
ぐ
床
(
とこ
)
から
起上
(
おきあが
)
って、急いでその戸棚をガラリ開けて見ると、こは
如何
(
いか
)
に、内には、油の
染潤
(
にじ
)
んだ枕が一つあるばかり、これは驚いて、男は
暫時
(
しばし
)
茫然としていたが
一つ枕
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
女も眼を
覚
(
さま
)
して
起上
(
おきあが
)
ると見る間に、一人は消えて一人は残り、何に
驚
(
おど
)
ろいて
起
(
おき
)
たのかと
聞
(
きか
)
れ、実は
斯々
(
これこれ
)
と
伍什
(
いちぶしじゅう
)
を語るに、女
不審
(
いぶかし
)
げにこのほども或る客と
同衾
(
どうきん
)
せしに
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
車には黒い高い帽子を
冠
(
かぶ
)
って、
温
(
あった
)
かそうな黄ろい襟の附いた外套を
被
(
き
)
た立派な人が乗っていたが、私が
面
(
かお
)
を
顰
(
しか
)
めて
起上
(
おきあが
)
るのを尻眼に掛けて、
髭
(
ひげ
)
の中でニヤリと笑って
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
夜中
(
よなか
)
に
起上
(
おきあが
)
って、戸の下に
鍵
(
かぎ
)
をおき、
梱
(
こり
)
をかついで出ていってしまうのだった。そして
幾月
(
いくつき
)
も
姿
(
すがた
)
を見せなかった。それからまた
戻
(
もど
)
ってきた。
夕方
(
ゆうがた
)
、誰かが戸にさわる
音
(
おと
)
がする。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
かう云つた女の様子は、女中を呼びさうなけはひがあるので、男はつと
起上
(
おきあが
)
つた。
瘢痕
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
中根
(
なかね
)
は
水
(
みづ
)
の
中
(
なか
)
で二三
度
(
ど
)
よろけたが、
直
(
す
)
ぐに
起上
(
おきあが
)
つた。
深
(
ふか
)
さは
胸程
(
むねほど
)
あつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
森君は急いで這い出して来て
起上
(
おきあが
)
ると、泥を払う暇もなく
贋紙幣事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
起上
(
おきあが
)
つて
玄関
(
げんくわん
)
の
方
(
はう
)
へ
走
(
はし
)
つて出ようとすると
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
ハバトフはその
間
(
あいだ
)
何故
(
なにゆえ
)
か
黙
(
もく
)
したまま、さッさと六
号室
(
ごうしつ
)
へ
這入
(
はい
)
って
行
(
い
)
ったが、ニキタは
例
(
れい
)
の
通
(
とお
)
り
雑具
(
がらくた
)
の
塚
(
つか
)
の
上
(
うえ
)
から
起上
(
おきあが
)
って、
彼等
(
かれら
)
に
礼
(
れい
)
をする。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「随分酷いのね。」と、お葉は落葉を掴んで
起上
(
おきあが
)
ったが、やがて
畜生
(
ちきしょう
)
と叫んで、
其
(
その
)
葉を七兵衛の
横面
(
よこつら
)
に叩き付けた。
眼潰
(
めつぶ
)
しを食って
老爺
(
じじい
)
も慌てた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
千之は黙っていたが、他の三人は馴れ馴れしく、まるで手を
執
(
と
)
らん
許
(
ばか
)
りに
起上
(
おきあが
)
って来る。志津子は冷やかに
海浜荘の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
毛布
(
けつと
)
を
撥
(
は
)
ねてむつくり
起上
(
おきあが
)
つた——
下宿
(
げしゆく
)
を
燒
(
や
)
かれた
避難者
(
ひなんしや
)
の
濱野君
(
はまのくん
)
が、「
逃
(
に
)
げると
極
(
き
)
めたら
落着
(
おちつ
)
きませう。いま
火
(
ひ
)
の
樣子
(
やうす
)
を。」とがらりと
門口
(
かどぐち
)
の
雨戸
(
あまど
)
を
開
(
あ
)
けた。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そっと蚊帳の
中
(
うち
)
を
差覗
(
さしのぞ
)
くと、伴藏が
起上
(
おきあが
)
り、ちゃんと坐り、両手を膝についていて、蚊帳の外には
誰
(
だれ
)
か来て話をしている様子は、
何
(
なん
)
だかはっきり分りませんが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
堪
(
こらへ
)
て吉兵衞
漸々
(
やう/\
)
起上
(
おきあが
)
り大事を
抱
(
かゝ
)
へし身の爰にて
空
(
むな
)
しく
凍死
(
こゞえしな
)
んも
殘念
(
ざんねん
)
なりと氣を
勵
(
はげ
)
まし四方を
見廻
(
みまは
)
せば
蔦葛
(
つたかつら
)
下
(
さが
)
りて
有
(
ある
)
を見付是ぞ天の
與
(
あた
)
へなりと二
品
(
しな
)
の包みを
脊負
(
せおひ
)
纒
(
まと
)
ふ葛を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
なに
)
お
峯
(
みね
)
が
來
(
き
)
たかと
安兵衛
(
やすべゑ
)
が
起上
(
おきあが
)
れば、
女房
(
つま
)
は
内職
(
ないしよく
)
の
仕立物
(
したてもの
)
に
餘念
(
よねん
)
なかりし
手
(
て
)
をやめて、まあ/\
是
(
こ
)
れは
珍
(
めづ
)
らしいと
手
(
て
)
を
取
(
と
)
らぬばかりに
喜
(
よろ
)
ばれ、
見
(
み
)
れば六
疊
(
でう
)
一
間
(
ま
)
に一
間
(
けん
)
の
戸棚
(
とだな
)
只
(
たゞ
)
一つ
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
船長
(
せんちやう
)
は
周章
(
あは
)
てゝ
起上
(
おきあが
)
つたが、
怒氣
(
どき
)
滿面
(
まんめん
)
、けれど
自己
(
おの
)
が
醜態
(
しゆうたい
)
に
怒
(
おこ
)
る
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
ず、ビール
樽
(
だる
)
のやうな
腹
(
はら
)
に
手
(
て
)
を
當
(
あ
)
てゝ、
物凄
(
ものすご
)
い
眼
(
まなこ
)
に
水夫
(
すゐふ
)
共
(
ども
)
を
睨
(
にら
)
み
付
(
つ
)
けると、
此時
(
このとき
)
私
(
わたくし
)
の
傍
(
かたはら
)
には
鬚
(
ひげ
)
の
長
(
なが
)
い、
頭
(
あたま
)
の
禿
(
はげ
)
た
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
前後の分別もなく、脅かされた鳥のようにパッと
起上
(
おきあが
)
って、麓の方へ——
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私は
起上
(
おきあが
)
ってブラリと廊下へ出た。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
森君は犬を放して
起上
(
おきあが
)
った。
贋紙幣事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
『
何
(
なん
)
だと
畜生
(
ちくしやう
)
!』と、
此時
(
このとき
)
イワン、デミトリチは
急
(
きふ
)
にむツくりと
起上
(
おきあが
)
る。『
何
(
なん
)
で
彼奴
(
きやつ
)
が
出
(
だ
)
さんと
云
(
い
)
ふ
法
(
はふ
)
がある、
我々
(
われ/\
)
を
此
(
こゝ
)
に
閉込
(
とぢこ
)
めて
置
(
お
)
く
譯
(
わけ
)
は
無
(
な
)
い。 ...
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ようよう
起上
(
おきあが
)
って道の五六町も行くと、またおなじように、
胴中
(
どうなか
)
を乾かして尾も首も見えぬのが、ぬたり!
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
力を入れて無理に剥そうと思い、グッと手を
引張
(
ひっぱ
)
る拍子に、梯子がガクリと揺れるに驚き、足を踏み
外
(
はず
)
し、
逆
(
さか
)
とんぼうを打って畑の中へ
転
(
ころ
)
げ落ち、
起上
(
おきあが
)
る力もなく
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
取直して
快
(
こゝろ
)
よく
獻
(
さし
)
つ
酬
(
さゝ
)
れつ
飮
(
のみ
)
居
(
ゐ
)
たりしが何時しか日さへ
暮果
(
くれはて
)
て兩人共
睡眠
(
ねむり
)
の氣ざし
肱
(
ひぢ
)
を
枕
(
まくら
)
にとろ/\と
睡
(
まどろ
)
むともなしに
寢入
(
ねいり
)
しが早三
更
(
かう
)
の
頃
(
ころ
)
靱負は
不※
(
ふと
)
起上
(
おきあが
)
り其のまゝ爰を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
船長閣下
(
せんちやうかくか
)
、
起
(
お
)
き
玉
(
たま
)
へ、
難破船
(
なんぱせん
)
がある!
難破船
(
なんぱせん
)
がある!』と
叫
(
さけ
)
ぶと、
此時
(
このとき
)
船長
(
せんちやう
)
は
既
(
すで
)
に
寢臺
(
ベツド
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこたは
)
つて
居
(
を
)
つたが、『
何
(
な
)
んですか。』とばかり
澁々
(
しぶ/\
)
起上
(
おきあが
)
つて
扉
(
ドーア
)
を
開
(
ひら
)
いた。
私
(
わたくし
)
はツト
進
(
すゝ
)
み
入
(
ゐ
)
り
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
芳年はその小粒には目もくれず、襦袢一つの姿で泥の中に
起上
(
おきあが
)
りました。
芳年写生帖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
新田青年はそっと
起上
(
おきあが
)
った。
廃灯台の怪鳥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
起上
(
おきあが
)
つて
聲限
(
こゑかぎ
)
りに
※
(
さけ
)
び、
而
(
さう
)
して
此
(
こゝ
)
より
拔出
(
ぬけい
)
でて、ニキタを
眞先
(
まつさき
)
に、ハヾトフ、
會計
(
くわいけい
)
、
代診
(
だいしん
)
を
鏖殺
(
みなごろし
)
にして、
自分
(
じぶん
)
も
續
(
つゞ
)
いて
自殺
(
じさつ
)
して
終
(
しま
)
はうと
思
(
おも
)
ふた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其時
(
そのとき
)
荒坊主
(
あらばうず
)
岸破
(
がば
)
と
起上
(
おきあが
)
り、
舳
(
へさき
)
に
突立
(
つゝた
)
ツて、はつたと
睨
(
ね
)
め
付
(
つ
)
け、「いかに
龍神
(
りうじん
)
不禮
(
ぶれい
)
をすな、
此
(
この
)
船
(
ふね
)
には
文覺
(
もんがく
)
と
云
(
い
)
ふ
法華
(
ほつけ
)
の
行者
(
ぎやうじや
)
が
乘
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
るぞ!」と
大音
(
だいおん
)
に
叱
(
しか
)
り
付
(
つ
)
けたと
謂
(
い
)
ふ。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
漸
(
やうやく
)
の
事
(
こと
)
で
起上
(
おきあが
)
つた
水兵
(
すいへい
)
は、
新月
(
しんげつ
)
の
微
(
かすか
)
なる
光
(
ひかり
)
に
其
(
その
)
穴
(
あな
)
を
眺
(
なが
)
めたが
忽
(
たちま
)
ち
絶叫
(
ぜつけう
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
起上
(
おきあが
)
った仙太郎は、中年男の手で静かにベッドに戻されました。
奇談クラブ〔戦後版〕:11 運命の釦
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と云って、
起上
(
おきあが
)
りながらズンと金太郎の額へ
突掛
(
つっか
)
けたから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
何
(
なん
)
だと
畜生
(
ちくしょう
)
!』と、この
時
(
とき
)
イワン、デミトリチは
急
(
きゅう
)
にむッくりと
起上
(
おきあが
)
る。『
何
(
なん
)
で
彼奴
(
きゃつ
)
が
出
(
だ
)
さんと
云
(
い
)
う
法
(
ほう
)
がある、
我々
(
われわれ
)
をここに
閉込
(
とじこ
)
めて
置
(
お
)
く
訳
(
わけ
)
は
無
(
な
)
い。 ...
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
枕をおさえて
起上
(
おきあが
)
りますと、女中の声で、御病気なんだからと、こそこそいうのが聞えました。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
は
起上
(
おきあが
)
って
声限
(
こえかぎ
)
りに
呌
(
さけ
)
び、そうしてここより
抜出
(
ぬけい
)
でて、ニキタを
真先
(
まっさき
)
に、ハバトフ、
会計
(
かいけい
)
、
代診
(
だいしん
)
を
鏖殺
(
みなごろし
)
にして、
自分
(
じぶん
)
も
続
(
つづ
)
いて
自殺
(
じさつ
)
して
終
(
しま
)
おうと
思
(
おも
)
うた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
漸
(
やうや
)
う
起上
(
おきあが
)
つて
道
(
みち
)
の五六
町
(
ちやう
)
も
行
(
ゆ
)
くと
又
(
また
)
同一
(
おなじ
)
やうに、
胴中
(
どうなか
)
を
乾
(
かは
)
かして
尾
(
を
)
も
首
(
くび
)
も
見
(
み
)
えぬが、ぬたり!
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いけ
可煩
(
うるせ
)
え
畜生
(
ちくしやう
)
ぢやねえか、
畜生
(
ちくしやう
)
!」と、
怒鳴
(
どな
)
つて、
笠
(
かさ
)
を
拂
(
はら
)
つてむつくりと
半身
(
はんしん
)
起上
(
おきあが
)
つて、
透
(
す
)
かして
見
(
み
)
ると
何
(
なに
)
も
居
(
を
)
らぬ。
其
(
そ
)
の
癖
(
くせ
)
四邊
(
あたり
)
にかくれるほどな、
葉
(
は
)
の
伸
(
の
)
びた
草
(
くさ
)
の
影
(
かげ
)
もなかつた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
死力
(
しりよく
)
を
籠
(
こ
)
めて、
起上
(
おきあが
)
らうとすると、
其
(
そ
)
の
渦
(
うづ
)
が、
風
(
かぜ
)
で、ぐわうと
卷
(
ま
)
いて、
捲
(
ま
)
きながら
亂
(
みだ
)
るゝと
見
(
み
)
れば、
計知
(
はかりし
)
られぬ
高
(
たか
)
さから
颯
(
さつ
)
と
大瀧
(
おほだき
)
を
搖落
(
ゆりおと
)
すやうに、
泡沫
(
あわ
)
とも、しぶきとも、
粉
(
こな
)
とも、
灰
(
はひ
)
とも
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
微細
(
こまか
)
い奴は蚊帳の目をこぼれて、むらむら
降懸
(
ふりかか
)
るものですから、
当初
(
はな
)
一旦寝たのが、
起上
(
おきあが
)
って、妹が働いて、線を
手繰
(
たぐ
)
って、次の
室
(
ま
)
へ電燈を持って行ったので、それなり一枚
開
(
あ
)
けてあります。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
起
常用漢字
小3
部首:⾛
10画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“起上”で始まる語句
起上り