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しあん
ふりがな文庫
“
思案
(
しあん
)” の例文
小鳥
(
ことり
)
は、まず
屋根
(
やね
)
の
上
(
うえ
)
に
止
(
と
)
まりました。そして、これからどっちへ
向
(
む
)
かって
逃
(
に
)
げていったらいいかと、しばし
思案
(
しあん
)
にふけったのです。
めくら星
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
梅窓院通りから、百人町へ足を速めて行く伝七は、獅子っ鼻の竹を、いい加減にあしらいながら、何か
思案
(
しあん
)
に耽っている様子だった。
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そうされないうちに、とびだしては来たが、さていい
思案
(
しあん
)
はないしさ、いったいどこへどう行ったものかと、あぐねているのだよ。
ブレーメンの町楽隊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「ははあおこぞうさん、大さわぎをやらないのはわけがわかっているのだな。小さい
胸
(
むね
)
で
思案
(
しあん
)
をしているのだな。それであしたは……」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
丁度同時に
硯友社
(
けんゆうしゃ
)
の『
我楽多文庫
(
がらくたぶんこ
)
』が創刊された。
紅葉
(
こうよう
)
、
漣
(
さざなみ
)
、
思案
(
しあん
)
と
妍
(
けん
)
を競う中にも美妙の「情詩人」が
一頭
(
いっとう
)
地
(
ち
)
を
抽
(
ぬき
)
んでて評判となった。
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
とうとう
思案
(
しあん
)
に
余
(
あま
)
りまして、
私
(
わたくし
)
は
指導役
(
しどうやく
)
のお
爺
(
じい
)
さんに
御相談
(
ごそうだん
)
をかけますと、お
爺
(
じい
)
さんからは、
斯
(
こ
)
んな
御返答
(
ごへんじ
)
がまいりました。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其方
(
そちら
)
に
思
(
おも
)
ひ
寄
(
より
)
もあらば
言
(
い
)
つて
見
(
み
)
て
呉
(
く
)
れとてくる/\と
剃
(
そり
)
たる
頭
(
つむり
)
を
撫
(
な
)
でゝ
思案
(
しあん
)
に
能
(
あた
)
はぬ
風情
(
ふぜい
)
、はあ/\と
聞
(
きゝ
)
居
(
ゐ
)
る
人
(
ひと
)
は
詞
(
ことば
)
は
無
(
な
)
くて
諸共
(
もろとも
)
に
溜息
(
ためいき
)
なり。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
船長が、とつおいつ、
覆面
(
ふくめん
)
の敵に対してこののちどうしようかと、
思案
(
しあん
)
にくれていたとき、そばにいた古谷局長が、
暗闇
(
くらやみ
)
の中から声をかけた。
幽霊船の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
集めて
相談
(
さうだん
)
すれども是ぞと云
能
(
よき
)
思案
(
しあん
)
も出ざれば
先
(
まづ
)
今
(
いま
)
暫時
(
しばし
)
江戸を尋ね夫にても
手係
(
てがか
)
りなくは其時何國にも
行
(
ゆく
)
べしと是より又心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
富士男はとほうにくれて、
甲板
(
かんぱん
)
をゆきつもどりつ
思案
(
しあん
)
にふけっていた。とこのときかれはドノバンが大きな声で何かののしっているのをきいた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
谷間の
途極
(
ゆきとまり
)
にて
甕
(
かめ
)
に落たる
鼠
(
ねずみ
)
のごとくいかんともせんすべなく
惘然
(
ばうぜん
)
として
胷
(
むね
)
せまり、いかゞせんといふ
思案
(
しあん
)
さヘ出ざりき。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
今
(
いま
)
から
穀
(
こく
)
の
用意
(
ようい
)
もしなくては
成
(
な
)
らぬと
思
(
おも
)
ふと
自分
(
じぶん
)
の
身上
(
しんしやう
)
から一
俵
(
ぺう
)
の
米
(
こめ
)
を
減
(
げん
)
じては
到底
(
たうてい
)
立
(
た
)
ち
行
(
ゆ
)
けぬことを
深
(
ふか
)
く
思案
(
しあん
)
して
彼
(
かれ
)
は
眠
(
ねむ
)
らないこともあつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それらのことを、平助は
始終
(
しじゅう
)
胸をどきつかせて眺めていました。晩になると、困ったことになったと
思案
(
しあん
)
にくれました。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
と、お祖母さんは、気のあるような、ないような返事をして、しばらく
思案
(
しあん
)
していたが、ふと何かを思いついたように
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「だから心配になるんですわ。いくら東京にいるときめたって、きめただけの
思案
(
しあん
)
じゃ仕方がないじゃありませんか」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
思案
(
しあん
)
をしなほすつもりで、
折
(
をり
)
から近所の子供を得意にする
粟餅屋
(
あはもちや
)
の
爺
(
ぢゝ
)
がカラカラカラと
杵
(
きね
)
をならして来る
向
(
むか
)
うの
横町
(
よこちやう
)
の方へと
遠
(
とほざ
)
かつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それは幸之助で、なにか
思案
(
しあん
)
しているような足取りで、力なげに表へ出て行くのを、長三郎は殆ど無意識に
尾
(
つ
)
けて行こうとすると、お冬は又ひきとめた。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
俺
(
おれ
)
が
死
(
し
)
んでゐると、
姫
(
ひめ
)
が
來
(
き
)
て、
俺
(
おれ
)
の
脣
(
くちびる
)
に
接吻
(
せっぷん
)
して
命
(
いのち
)
の
息
(
いき
)
を
吹込
(
ふきこ
)
んでくれたと
見
(
み
)
た……
死
(
し
)
んだ
者
(
もの
)
が
思案
(
しあん
)
するとは
不思議
(
ふしぎ
)
な
夢
(
ゆめ
)
!……すると、
即
(
やが
)
て
蘇生
(
いきかへ
)
って
帝王
(
ていわう
)
となった
夢
(
ゆめ
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
白鹿
(
はくろく
)
は
神
(
かみ
)
なりという
言
(
い
)
い
伝
(
つた
)
えあれば、もし
傷
(
きず
)
つけて殺すこと
能
(
あた
)
わずば、必ず
祟
(
たたり
)
あるべしと
思案
(
しあん
)
せしが、
名誉
(
めいよ
)
の
猟人
(
かりうど
)
なれば
世間
(
せけん
)
の
嘲
(
あざけ
)
りをいとい、思い切りてこれを
撃
(
う
)
つに
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
暫時
(
しばらく
)
の
間
(
あひだ
)
愛
(
あい
)
ちやんは
立
(
た
)
つて
其家
(
そのいへ
)
を
眺
(
なが
)
めながら、さてこれから
何
(
ど
)
うしたものだらうと
思案
(
しあん
)
最中
(
さいちゆう
)
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
やがて奥から、色の白い、眼の細い、
意地
(
いじ
)
の悪そうな
女中
(
じょちゅう
)
が、手に大きい
皿
(
さら
)
を持って出て来たが、その時もまだ二人は、どうしたものかと
思案
(
しあん
)
にくれて
土間
(
どま
)
につったっていた。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
しばらくは
思案
(
しあん
)
に沈んでいましたが、やがてちょいと次の間の柱時計を
覗
(
のぞ
)
きながら
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
警官
(
けいかん
)
は、ちょっと
思案
(
しあん
)
していたが、いきなりかんぬきを、さっとひきぬいた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
「斯んなことを申上げて宜いのか惡いのか、私も
思案
(
しあん
)
に餘りましたが——」
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
新聞
(
しんぶん
)
や
雜誌等
(
ざつしなど
)
を
繰廣
(
くりひろ
)
げて
見
(
み
)
たが
何
(
なに
)
も
手
(
て
)
に
着
(
つ
)
かない、
寧
(
いつ
)
そ
晝寢
(
ひるね
)
せんか、
市街
(
まち
)
でも
散歩
(
さんぽ
)
せんかと、
思案
(
しあん
)
とり/″\
窓
(
まど
)
に
倚
(
よ
)
つて
眺
(
なが
)
めると、
眼下
(
がんか
)
に
瞰
(
み
)
おろす子ープルス
灣
(
わん
)
、
鏡
(
かゞみ
)
のやうな
海面
(
かいめん
)
に
泛
(
うか
)
んで、
出
(
で
)
る
船
(
ふね
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
糟谷はある夜また
例
(
れい
)
のごとく、心細い
思案
(
しあん
)
にせめられて
寝
(
ね
)
られない。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「まだ見えない」さびしくつぶやいて、なにかふかく
思案
(
しあん
)
していた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
杢
(
もく
)
逸早
(
いちはや
)
くこれを
悟
(
さと
)
りて、きつと
思案
(
しあん
)
し、
上
(
かみ
)
に
向
(
むか
)
ひて
手
(
て
)
を
支
(
つか
)
へ
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どうしたらいいだろうと、
思案
(
しあん
)
にくれるのでした。
超人ニコラ
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
思案
(
しあん
)
のほか
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
紅
(
べに
)
すずめは、だまって、しばらく
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れていましたが、やがて、
南
(
みなみ
)
の
故郷
(
こきょう
)
へは
帰
(
かえ
)
らずに、
北
(
きた
)
をさして
飛
(
と
)
び
去
(
さ
)
ってしまいました。
紅すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
父親
(
てゝおや
)
は
先刻
(
さきほど
)
より
腕
(
うで
)
ぐみして
目
(
め
)
を
閉
(
と
)
ぢて
有
(
あり
)
けるが、あゝ
御袋
(
おふくろ
)
、
無茶
(
むちや
)
の
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふてはならぬ、
我
(
わ
)
しさへ
始
(
はじ
)
めて
聞
(
き
)
いて
何
(
ど
)
うした
物
(
もの
)
かと
思案
(
しあん
)
にくれる
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
殺さば殺さるゝ其條目は
脱
(
のが
)
れ難し如何はせんと計りにて
霎時
(
しばし
)
思案
(
しあん
)
に
暮
(
くれ
)
たるがやう/\思ひ
附
(
つく
)
ことありてや
一個
(
ひとり
)
點頭
(
うなづき
)
有司
(
いうし
)
に命じ庄兵衞の母お
勝
(
かつ
)
。
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
はてどうしたものかと甚兵衛は
思案
(
しあん
)
にあぐんで、この上は馬と相談の上だと考えて、馬の首をなでながら、どうしたものだろうとたずねてみました。
天下一の馬
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
さうすると
婆
(
ばあ
)
さん
等
(
ら
)
は
思案
(
しあん
)
しつゝ
然
(
しか
)
も
速
(
すみや
)
かに
綱
(
つな
)
の
一
(
ひと
)
つを
抓
(
つま
)
んでは
放
(
はな
)
したり
又
(
また
)
抓
(
つま
)
んだり
極
(
きは
)
めて
忙
(
いそが
)
しげに
其
(
そ
)
の
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かす。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
長吉はとにかく
思案
(
しあん
)
をしなおすつもりで、折から近所の子供を得意にする
粟餅屋
(
あわもちや
)
の
爺
(
じじ
)
がカラカラカラと
杵
(
きね
)
をならして来る向うの
横町
(
よこちょう
)
の
方
(
ほう
)
へと
遠
(
とおざ
)
かった。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
さァさ
来
(
き
)
た
来
(
き
)
た、こっちへおいで、
高
(
たか
)
い
安
(
やす
)
いの
思案
(
しあん
)
は
無用
(
むよう
)
。
思案
(
しあん
)
するなら
谷中
(
やなか
)
へござれ。
谷中
(
やなか
)
よいとこおせんの
茶屋
(
ちゃや
)
で、お
茶
(
ちゃ
)
を
飲
(
の
)
みましょ。
煙草
(
たばこ
)
をふかそ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
僕は、
象牙
(
ぞうげ
)
のように真白な夫人の
頸筋
(
くびすじ
)
に、
可憐
(
かれん
)
な
生毛
(
うぶげ
)
の
震
(
ふる
)
えているのを、何とはなしに見守りながら、この
厄介者
(
やっかいもの
)
から、どうして巧くのがれたものかと
思案
(
しあん
)
した。
人造人間殺害事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
孤峭
(
こしょう
)
なおもしろい男だった。どうした拍子か僕が正岡の気にいったとみえて、打ちとけて交わるようになった。上級では川上
眉山
(
びざん
)
、石橋
思案
(
しあん
)
、尾崎
紅葉
(
こうよう
)
などがいた。
僕の昔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
斯
(
こ
)
うかけ
離
(
はな
)
れて
住
(
す
)
んで
居
(
い
)
ては、
看護
(
みとり
)
に
手
(
て
)
が
届
(
とど
)
かんで
困
(
こま
)
るのじゃが……。』めっきり
小鬢
(
こびん
)
に
白
(
しろ
)
いものが
混
(
まじ
)
るようになった
父
(
ちち
)
は、そんな
事
(
こと
)
を
申
(
もう
)
して
何
(
なに
)
やら
深
(
ふか
)
い
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「一人じゃ行けんしなあ」と木之助が
思案
(
しあん
)
しながらいうと、松次郎が風呂から出て
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
が、ここに一つの難事が
出来
(
しゅったい
)
した、それは雪が深くなるにつれて、年少組は川へ水をくみにゆくことができなくなったことである。ゴルドンは
思案
(
しあん
)
にあまって、まず第一に工学博士に相談をした。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
したが、
嫁入
(
よめいり
)
をせぬとならば、
赦
(
ゆる
)
してもくれう。
好
(
す
)
きな
處
(
ところ
)
で
草食
(
くさは
)
みをれ、
此處
(
こゝ
)
には
住
(
すま
)
さぬわい。やい、よう
思
(
おも
)
へ、よう
考
(
かんが
)
へをれ、
戲言
(
たはぶれごと
)
は
言
(
い
)
はぬ
乃公
(
おれ
)
ぢゃ。
木曜日
(
もくえうび
)
は
今
(
いま
)
の
間
(
ま
)
、
胸
(
むね
)
に
手
(
て
)
を
置
(
お
)
いて
思案
(
しあん
)
せい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
『生きるだけの為なら、何とか
思案
(
しあん
)
がありそうなものじゃないか』
人間山水図巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから、しばらく何か
思案
(
しあん
)
していたが、急に俊亮を見て
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
しかし、いいだしたうえは、なんでもそのことを
通
(
とお
)
す
主人
(
しゅじん
)
の
気質
(
きしつ
)
をよく
知
(
し
)
っていましたので、
彼
(
かれ
)
は、
急
(
きゅう
)
に
返事
(
へんじ
)
をせずに
思案
(
しあん
)
をしていました。
北の国のはなし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
固
(
かた
)
め種々に
思案
(
しあん
)
を
廻
(
めぐら
)
し
如何
(
いか
)
にも天一坊
怪敷
(
あやしき
)
振舞
(
ふるまひ
)
なれば是非とも再吟味せんものと思へど御重役方は取上られず此上は是非に及ばず
假令
(
たとへ
)
此身は
御咎
(
おとがめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
青菜
(
あをな
)
の
下葉
(
したば
)
はもうよく/\
黄色
(
きいろ
)
に
枯
(
か
)
れて
居
(
ゐ
)
た。お
品
(
しな
)
は
二人
(
ふたり
)
を
出
(
だ
)
し
薄暗
(
うすぐら
)
くなつた
家
(
いへ
)
にぼつさりして
居
(
ゐ
)
ても
畑
(
はたけ
)
の
收穫
(
しうくわく
)
を
思案
(
しあん
)
して
寂
(
さび
)
しい
不足
(
ふそく
)
を
感
(
かん
)
じはしなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
胸
(
むね
)
はわくわくと
上氣
(
じようき
)
して、
何
(
ど
)
うでも
明
(
あ
)
けられぬ
門
(
もん
)
の
際
(
きわ
)
にさりとも
見過
(
みすご
)
しがたき
難義
(
なんぎ
)
をさま/″\の
思案
(
しあん
)
盡
(
つく
)
して、
格子
(
かうし
)
の
間
(
あいだ
)
より
手
(
て
)
に
持
(
も
)
つ
裂
(
き
)
れを
物
(
もの
)
いはず
投
(
な
)
げ
出
(
いだ
)
せば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
足
(
あし
)
を
停
(
と
)
めて
思案
(
しあん
)
しても、今の自分には、行くのが
悪
(
わる
)
いと云ふ意味はちつとも
見出
(
みいだ
)
せなかつた。けれども、
気
(
き
)
が
咎
(
とが
)
めて
行
(
い
)
かれなかつた。勇気を
出
(
だ
)
せば
行
(
い
)
かれると思つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“思案”の意味
《名詞》
思 案(しあん)
あれこれと考えること。
心配。
(出典:Wiktionary)
思
常用漢字
小2
部首:⼼
9画
案
常用漢字
小4
部首:⽊
10画
“思案”で始まる語句
思案顔
思案橋
思案外史
思案顏
思案投首
思案外史石橋