兵士へいし)” の例文
こう注意ちゅういしてやると、後方こうほうから、前線ぜんせんおくられたばかりの、わか兵士へいし一人ひとりが、目前もくぜんで、背嚢はいのうをおろして、そのうちあらためていました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
御前ごぜんつてゐました、左右さいうから二人ふたり兵士へいし護衞ごゑいされて、王樣わうさまのおそばには、片手かたて喇叭らつぱ片手かたて羊皮紙やうひし卷物まきものつた白兎しろうさぎました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
誠にしづまりかへつて兵士へいしばかりでは無い馬までもしづかにしなければいかないとまうところが、馬は畜生ちくしやうの事で誠に心ない物でございますから、じれつたがり
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ですから部下ぶか兵士へいしたちも田村麻呂たむらまろしたいきって、そのためには火水ひみずの中にもとびむことをいといませんでした。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
となりの国は、この国より大きくって、新しい兵士へいしを、どんどん、戦場せんじょうへ送ってよこすので、この国のほうは、だんだん、負けぎみになってきました。
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
何分なんぷんつた。突然とつぜん一人ひとり兵士へいしわたしからだひだりからたふれかかつた。わたしははつとしてひらいた。その瞬間しゆんかんわたしひだりほほなにかにやとほどげられた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
ふと何百というねずみが、一連隊れんたい兵士へいしの走るように、すぐそばをかけ出して来た。すると地面と坑道こうどうのかべにずしんと当たるきみょうな音が聞こえて、水の走る音がした。
れつ先頭せんとう日章旗につしやうき揚々やう/\として肥馬ひままたが将軍しやうぐんたち、色蒼いろざざめつかてた兵士へいしむれ
足下あしもとには、広いしろ玩具おもちゃのように小さくなって、一足ひとあしまたげそうでした。にわもり城壁じょうへきほりなどが、一目ひとめに見て取れて、練兵場れんぺいじょう兵士へいしたちが、あり行列ぎょうれつくらいにしか思われませんでした。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
そして、その壁のいただきには、かがやくばかりの武装ぶそうをした兵士へいしが歩いていました。
このゆゑに市にちゞみを持ゆくは兵士へいし戦場せんじやうにむかふがごとし。さてちゞみの相場は大やうは穀相場こくさうばにおなじうして事は前後ぜんごす。としきようすればこくは上りちゞみは下る。年ゆたかなればちゞみは上りこくは下る。
「実は皇后が急におなくなりになったので、われわれはもういくさをする気はない」と申し入れながら、その目の前で全軍ぜんぐん兵士へいしたちにゆみつるをことごとくらせて、さもほんとうのように
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
すると、「すわ、大事だいじだ!」と、いって、三まん兵士へいしは、るものもとりあえず、いくさ仕度したくをして、御殿ごてんのまわりにあつまりました。
春の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
見渡みわたかぎり、あいちやんが針鼠はりねずみおくらうとおもところにはすべ畦畝うねがあつて、二れつになつた兵士へいしつねきて、毬投場グラウンド部分々々ぶゝん/\あるいてゐました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
むらほうから行列ぎょうれつが、しんたのむねをりてました。行列ぎょうれつ先頭せんとうにはくろふくくろ帽子ぼうしをかむった兵士へいし一人ひとりいました。それが海蔵かいぞうさんでありました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
兵士へいし軍楽ぐんがくそうしますのはいさましいものでございますが、の時は陰々いん/\としてりまして、くつおともしないやうにお歩行あるきなさる事で、これはどうも歩行あるにくい事で
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
たちまよる暗闇くらやみなかはげしい水煙みづけむりつて、一人ひとり兵士へいし小川をがはなかにバチヤンとんでしまつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
たけりって兵士へいしらをなだめかねてやつらのひとりが自殺じさつせうと、よし
しかし、この町は、こうして地上にとどまることをゆるされてはいますが、この町の塔には屋根がなくて、うつろで、がらんとしています。門にはとびらもないし、番兵ばんぺいや、兵士へいしの姿も見えません。
かねをきくと、兵士へいしたちは、るものもとりあえず、いくさ装束しょうぞくかためて、まえおなじように、御殿ごてんのまわりにあつまってまいりました。
春の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
にん兵士へいしはそれをながら二三分間ぷんかん彷徨うろ/\してましたが、やがてしづかにものあといてすゝんできました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
混亂こんらん隊伍たいごなかおこつた。寢呆ねぼけて反對はんたい兵士へいしもゐた。ポカンとそら見上みあげてゐる兵士へいしもゐた。隊列たいれつ後尾こうびにゐた分隊長ぶんたいちやう高岡軍曹たかをかぐんそうぐにきしつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
うちにどうも兵士へいしとほる事は千人だか数限かずかぎりなく、また音楽おんがくきこえますると松火たいまつけてまゐりますが、松火たいまつをモウちとしいとぞんじましたが、どうもトツプリれて
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
どろのやうにぱらはせた兵士へいしらを御用船ごようせんみ込んでおくさうと
あちらの地平線ちへいせんをほどちかい、にぎやかなまち燈火ともしびが、ぽうとやみめているのをて、兵士へいしなかには、戦場せんじょうおもすものもあったでしょう。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのときが、くちのききはじめで、徳蔵とくぞうさんと、この兵士へいしとは、そのたがいになんでもはなすようにしたしくなりました。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、旅人たびびとは、ちいさなくにけて、そのくに兵士へいしはみなごろしになって、戦争せんそうわったということをげました。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)
戦闘せんとうあとで、徳蔵とくぞうさんは、あの兵士へいしは、無事ぶじだったかとあるきました。けれど、その姿すがたが、つかりませんでした。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、蒼白あおじろかおをして、一人ひとり兵士へいしが、部隊長ぶたいちょうまえすすて、自分じぶんもぜひこのなかくわえてくださいといったのです。それは、徳蔵とくぞうさんでした。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)
先刻さっき二人ふたり兵士へいしが、はらばいになって、はなしをしていた場所ばしょから、さらに前方ぜんぽう、三百メートルぐらいへだたったところで
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
きさきは、かねらしただけで、あのさきあらそってあつまった兵士へいしたちのようすを、もう一たいとおもわれました。
春の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いや、おれたちのからだ弾丸だんがんになるのだ。みんなててしまえ!」と、老兵士ろうへいしは、くちまでたが、無理むりに、だまって、じっとわか兵士へいしかお見返みかえしました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太郎たろうは、げたで、良二りょうじは、運動うんどうぐつをはいていました。やっと停車場ていしゃばくと、もう出征しゅっせい兵士へいしってしまったあととみえて、あたりは、しんとしていました。
昼のお月さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
はるかに、このようすをていましたこうくに大将たいしょうは、このときだとおもいました。けた兵士へいし勇気ゆうきづけて逆襲ぎゃくしゅうをいたし、さんざんによわったおつくに軍勢ぐんぜいやぶりました。
酒倉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ここはみやこからとおい、国境こっきょうであります。そこには両方りょうほうくにから、ただ一人ひとりずつの兵隊へいたい派遣はけんされて、国境こっきょうさだめた石碑せきひまもっていました。おおきなくに兵士へいし老人ろうじんでありました。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)
てんわりて不義ふぎつ、忠勇無双ちゅうゆうむそうへいは……。」と、まるはたった、子供こどもがうたっていました。きっと、さっきった兵士へいし見送みおくった子供こどもたちでありましょう。
昼のお月さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「みんなは三げん酒倉さかぐらさけめ、そのほかは、どれもどくはいっているぞ。」とさけびました。兵士へいしたちはあらそって、その三げん酒倉さかぐらみました。大将たいしょうもいってさけみました。
酒倉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今夜こんやは、まっていらっしゃい。」と、主人しゅじんはしんせつにいってくれたけれど、おじいさんは、戦争せんそうにいっている息子むすこのことをおもえば、また息子むすこおなじような兵士へいしたちのことをおもえば
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちがったあたらしいえきに、汽車きしゃくと、そこは入隊にゅうたいする兵士へいし見送みおくりで、構内こうないがにぎわっていました。しろ上衣うわぎ国防婦人こくぼうふじんのたすきをかけた婦人ふじんたちがたくさん、かよはいりました。
汽車は走る (新字新仮名) / 小川未明(著)
その中隊長ちゅうたいちょうは、兵士へいしらを面前めんぜんにおいて、おごそかに、一じょう訓示くんじをしました。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなははらいてのどがかわきますものですから、大将たいしょうはじめ兵士へいしは、いずれもさけみ、みずをがぶがぶんだのであります。すると、きゅうはらいたみだしてきて、みんなはくるしみはじめました。
酒倉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
前線ぜんせんへ、伝令でんれいにいった兵士へいしが、かえりのやまなかみちまよってしまった。
たましいは生きている (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうして、ちいさなくに兵士へいし青年せいねんでありました。
野ばら (新字新仮名) / 小川未明(著)