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横手
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よこて
ふりがな文庫
“
横手
(
よこて
)” の例文
横手
(
よこて
)
の
桟敷裏
(
さじきうら
)
から
斜
(
なゝめ
)
に
引幕
(
ひきまく
)
の
一方
(
いつぱう
)
にさし込む
夕陽
(
ゆふひ
)
の光が、
其
(
そ
)
の進み入る
道筋
(
みちすぢ
)
だけ、空中に
漂
(
たゞよ
)
ふ
塵
(
ちり
)
と
煙草
(
たばこ
)
の
煙
(
けむり
)
をばあり/\と眼に見せる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
おつたは
稍
(
やゝ
)
褐色
(
ちやいろ
)
に
腿
(
さ
)
めた
毛繻子
(
けじゆす
)
の
洋傘
(
かうもり
)
を
肩
(
かた
)
に
打
(
ぶ
)
つ
掛
(
か
)
けた
儘
(
まゝ
)
其處
(
そこ
)
らに
零
(
こぼ
)
れた
蕎麥
(
そば
)
の
種子
(
み
)
を
蹂
(
ふ
)
まぬ
樣
(
やう
)
に
注意
(
ちうい
)
しつゝ
勘次
(
かんじ
)
の
横手
(
よこて
)
へ
立
(
た
)
ち
止
(
どま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
……おかあさんたちも、ひとり
残
(
のこ
)
らずその
横手
(
よこて
)
に立っていて、さめざめと
涙
(
なみだ
)
を流しながら、めいめい自分のむす子や
娘
(
むすめ
)
を、目でさぐりあてる。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
宗助
(
そうすけ
)
が
霜
(
しも
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
此
(
この
)
記念
(
きねん
)
の
多
(
おほ
)
い
横手
(
よこて
)
へ
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
、
彼
(
かれ
)
の
眼
(
め
)
は
細長
(
ほそなが
)
い
路次
(
ろじ
)
の
一點
(
いつてん
)
に
落
(
お
)
ちた。さうして
彼
(
かれ
)
は
日
(
ひ
)
の
通
(
かよ
)
はない
寒
(
さむ
)
さの
中
(
なか
)
にはたと
留
(
と
)
まつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ト
其
(
そ
)
の
色
(
いろ
)
も……
薄
(
うす
)
いながら、
判然
(
はつきり
)
と
煤
(
すゝ
)
の
中
(
なか
)
に、
塵
(
ちり
)
を
拂
(
はら
)
つてくつきりと
鮮麗
(
あざやか
)
な
姿
(
すがた
)
が、
二人
(
ふたり
)
が
机
(
つくゑ
)
に
向
(
むか
)
つた
横手
(
よこて
)
、
疊數
(
たゝみかず
)
二
疊
(
でふ
)
ばかり
隔
(
へだ
)
てた
處
(
ところ
)
に、
寒
(
さむ
)
き
夜
(
よ
)
なれば
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
ちい
子
(
こ
)
ちゃんは、
坊
(
ぼう
)
やをつれて、
教会堂
(
きょうかいどう
)
の
横手
(
よこて
)
の
方
(
ほう
)
へいきました。そこには、
桜
(
さくら
)
の
木
(
き
)
があって、
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
いていました。
腰
(
こし
)
かけや、すべり
台
(
だい
)
などがありました。
鳥鳴く朝のちい子ちゃん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから
横手
(
よこて
)
の
坂
(
さか
)
の
方
(
はう
)
へ
掛
(
かゝ
)
つて
見
(
み
)
ると、
有
(
あ
)
るわ/\、
打石斧
(
だせきふ
)
が、
宛然
(
ちやうど
)
、
砂利
(
じやり
)
を
敷
(
し
)
いた
樣
(
やう
)
に
散布
(
さんぷ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
巴且杏
(
はたんきやう
)
の
生
(
な
)
る
時分
(
じぶん
)
には、お
家
(
うち
)
の
裏
(
うら
)
のお
稻荷
(
いなり
)
さまの
横手
(
よこて
)
にある
古
(
ふる
)
い
木
(
き
)
にも、あの
實
(
み
)
が
密集
(
かたま
)
つて
生
(
な
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
家の
横手
(
よこて
)
をお宮の方へ登って行く、上阪という
細逕
(
ほそみち
)
があって、それを隔てたすぐ西隣の田のへりに、この記念すべき植物が、毎年三、四
株
(
かぶ
)
自生していたのである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
見て此品は一昨夜我等方へ
盜賊
(
たうぞく
)
忍
(
しのび
)
入
(
いつ
)
て
盜
(
ぬす
)
まれし娘が
簪
(
かんざ
)
しなり如何して手に入しやと問ければ與兵衞大に肝を潰し彼旅籠屋の
客人
(
きやくじん
)
より
買
(
かひ
)
たりと答ふるに利兵衞
礑
(
はた
)
と
横手
(
よこて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さて
此
(
この
)
世辞屋
(
せじや
)
は
角店
(
かどみせ
)
にして
横手
(
よこて
)
の
方
(
はう
)
を
板塀
(
いたべい
)
に
致
(
いた
)
し、
赤松
(
あかまつ
)
のヒヨロに
紅葉
(
もみぢ
)
を
植込
(
うゑこ
)
み、
石燈籠
(
いしどうろう
)
の
頭
(
あたま
)
が少し見えると
云
(
い
)
ふ
拵
(
こしらへ
)
にして、
其此方
(
そのこなた
)
へ
暖簾
(
のれん
)
を
懸
(
か
)
け
之
(
これ
)
を
潜
(
くゞ
)
つて
中
(
なか
)
へ
這入
(
はい
)
ると
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そっと居間へ帰って、いくらかのお
鳥目
(
ちょうもく
)
を帯のあいだへはさむがはやいか、庭下駄のまま植えこみをぬって、ひそかに
横手
(
よこて
)
のくぐりから、夜更けの妻恋坂を立ちいでました。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そこでとうとう
私
(
わたくし
)
から
指導役
(
しどうやく
)
のお
爺
(
じい
)
さんにお
話
(
はな
)
しすると、
意外
(
いがい
)
にも
産土
(
うぶすな
)
の
神様
(
かみさま
)
の
方
(
ほう
)
ではすでにその
手筈
(
てはず
)
が
整
(
ととの
)
って
居
(
お
)
り、
神社
(
じんじゃ
)
の
横手
(
よこて
)
に
小屋
(
こや
)
も
立派
(
りっぱ
)
に
出来
(
でき
)
て
居
(
い
)
るとの
事
(
こと
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
もうそして天の川は汽車のすぐ
横手
(
よこて
)
をいままでよほど
激
(
はげ
)
しく
流
(
なが
)
れて来たらしく、ときどきちらちら光ってながれているのでした。うすあかい
河原
(
かわら
)
なでしこの花があちこち
咲
(
さ
)
いていました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
横手
(
よこて
)
の市日などに山と積んで売っている「
通草籠
(
あけびかご
)
」は、その地方の誰でもが背負うものでありますが、形になかなか力があります。また竹で編んだ大きな籠に「よこだら」と呼ぶものがあります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
矢張草葺だが、さすがに家内何処となく
潤
(
うるお
)
うて、屋根裏には一ぱい玉蜀黍をつり、土間には寒中
蔬菜
(
そさい
)
を
囲
(
かこ
)
う
窖
(
あなぐら
)
を設け、
農具
(
のうぐ
)
漁具
(
ぎょぐ
)
雪中用具
(
せっちゅうようぐ
)
それ/″\
掛
(
か
)
け
列
(
なら
)
べて、
横手
(
よこて
)
の馬小屋には馬が高く
嘶
(
いなな
)
いて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
娘
(
むすめ
)
にも
祕
(
ひ
)
め
同氣
(
どうき
)
求
(
もと
)
むる
番頭
(
ばんとう
)
の
勘藏
(
かんざう
)
にのみ
割
(
わつ
)
て
明
(
あ
)
かせば
横手
(
よこて
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
素早
(
すばや
)
く
横手
(
よこて
)
の
小路
(
こみち
)
に
身
(
み
)
を
躍
(
をど
)
らせた
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
彼
(
かれ
)
は
少
(
すこ
)
しばかり
餘
(
あま
)
してあつた
蓄
(
たくは
)
へから
蝕
(
むしくひ
)
でも
何
(
なん
)
でも
柱
(
はしら
)
になる
木
(
き
)
やら
粟幹
(
あはがら
)
やらを
求
(
もと
)
めて、
家
(
いへ
)
の
横手
(
よこて
)
へ
小
(
ちひ
)
さな二
間
(
けん
)
四
方
(
はう
)
位
(
ぐらゐ
)
な
掘立小屋
(
ほつたてごや
)
を
建
(
た
)
てる
計畫
(
けいくわく
)
をした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
堀割
(
ほりわり
)
づたひに
曳舟通
(
ひきふねどほり
)
から
直
(
す
)
ぐさま左へまがると、土地のものでなければ
行先
(
ゆくさき
)
の
分
(
わか
)
らないほど
迂囘
(
うくわい
)
した
小径
(
こみち
)
が
三囲稲荷
(
みめぐりいなり
)
の
横手
(
よこて
)
を
巡
(
めぐ
)
つて
土手
(
どて
)
へと通じてゐる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
ついて
曲
(
まが
)
ると、
眞晝間
(
まつぴるま
)
の
幕
(
まく
)
を
衝
(
つ
)
と
落
(
おと
)
した、
舞臺
(
ぶたい
)
横手
(
よこて
)
のやうな、ずらりと
店
(
みせ
)
つきの
長
(
なが
)
い、
廣
(
ひろ
)
い
平屋
(
ひらや
)
が、
名代
(
なだい
)
の
團子屋
(
だんごや
)
。
但
(
たゞ
)
し
御酒肴
(
おんさけさかな
)
とも
油障子
(
あぶらしやうじ
)
に
記
(
しる
)
してある。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あの
土藏
(
どざう
)
の
横手
(
よこて
)
の
石垣
(
いしがき
)
の
間
(
あひだ
)
には、
土藏
(
どざう
)
の
番
(
ばん
)
をする
年
(
とし
)
とつた
蛇
(
へび
)
が
居
(
ゐ
)
て、
今
(
いま
)
でも
居眠
(
ゐねむ
)
りをして
居
(
ゐ
)
ます。
私達
(
わたしたち
)
はみんなお
前
(
まへ
)
さんのお
友達
(
ともだち
)
です。
私達
(
わたしたち
)
をよく
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
さいよ。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
最後
(
さいご
)
の
日
(
ひ
)
に、
偶然
(
ぐうぜん
)
にも、それは
鶴見驛
(
つるみえき
)
から
線路
(
せんろ
)
を
起
(
こ
)
して、
少許
(
すこし
)
行
(
ゆ
)
つた
畑中
(
はたなか
)
の、
紺屋
(
こうや
)
の
横手
(
よこて
)
の
畑中
(
はたなか
)
から
掘出
(
ほりだ
)
しつゝあるのを
見出
(
みいだ
)
した。
普通
(
ふつう
)
貝塚
(
かひづか
)
などの
有
(
あ
)
るべき
個所
(
かしよ
)
ではない、
極
(
きは
)
めて
低地
(
ていち
)
だ。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
洗
(
あら
)
ふ
節
(
をり
)
に見染て
箇樣々々
(
かやう/\
)
と
息子
(
せがれ
)
が寢言兩親がことより
自己
(
おのれ
)
が來りたれど
只
(
たゞ
)
一向
(
ひとむき
)
にも言入かね實は
斯々
(
かく/\
)
計
(
はから
)
ひて
御懇意
(
ごこんい
)
になり此話しを言出したりといと
事實
(
じじつ
)
を明して
演
(
のべ
)
たるに
主個
(
あるじ
)
は
礑
(
はた
)
と
横手
(
よこて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
秋田県に入ると、
平鹿郡
(
ひらかぐん
)
横手
(
よこて
)
の町のネブリ流しがまず有名である。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と
湯気
(
ゆげ
)
の
中
(
なか
)
に、ビール、
正宗
(
まさむね
)
の
瓶
(
びん
)
の、
棚
(
たな
)
に
直
(
ひた
)
と
並
(
なら
)
んだのが、むら/\と
見
(
み
)
えたり、
消
(
き
)
えたりする。……
横手
(
よこて
)
の
油障子
(
あぶらしやうじ
)
に、
御酒
(
おんさけ
)
、
蕎麦
(
そば
)
、
饂飩
(
うどん
)
と
読
(
よ
)
まれた……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
荒町
(
あらまち
)
、みつや、
横手
(
よこて
)
、中のかや、
岩田
(
いわた
)
、
峠
(
とうげ
)
などの部落がそれだ。そこの宿はずれでは
狸
(
たぬき
)
の
膏薬
(
こうやく
)
を売る。名物
栗
(
くり
)
こわめしの看板を軒に掛けて、往来の客を待つ
御休処
(
おやすみどころ
)
もある。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
巡査
(
じゆんさ
)
はぶらりと
家
(
いへ
)
の
横手
(
よこて
)
へ
行
(
い
)
つて
壁際
(
かべぎは
)
の
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
を
見
(
み
)
た。
勘次
(
かんじ
)
は
巡査
(
じゆんさ
)
の
後
(
あと
)
から
跟
(
つ
)
いて
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
四日目の朝いつものやうに七時前に
家
(
うち
)
を出て
観音
(
くわんおん
)
の
境内
(
けいだい
)
まで歩いて来たが、
長吉
(
ちやうきち
)
はまるで疲れきつた
旅人
(
たびびと
)
が
路傍
(
みちばた
)
の石に
腰
(
こし
)
をかけるやうに、本堂の
横手
(
よこて
)
のベンチの上に
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
した。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
りました
重
(
かさ
)
ねて此義をも御吟味下さる
樣
(
やう
)
願
(
ねが
)
ひ上奉つると言に大岡殿
横手
(
よこて
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
母屋
(
もや
)
の
石垣
(
いしがき
)
の
下
(
した
)
にある
古
(
ふる
)
い
池
(
いけ
)
の
横手
(
よこて
)
から、ひつそりとした
木小屋
(
きごや
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
り、
井戸
(
ゐど
)
の
側
(
わき
)
の
石段
(
いしだん
)
を
馳
(
か
)
け
登
(
のぼ
)
るやうにしまして、
祖母
(
おばあ
)
さん
達
(
たち
)
の
居
(
ゐ
)
る
方
(
はう
)
へ
急
(
いそ
)
いで
歸
(
かへ
)
つて
行
(
い
)
つた
時
(
とき
)
のことを
忘
(
わす
)
れません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
普請小屋
(
ふしんごや
)
と、
花崗石
(
みかげいし
)
の
門柱
(
もんばしら
)
を
並
(
なら
)
べて
扉
(
とびら
)
が
左右
(
さいう
)
に
開
(
ひら
)
いて
居
(
ゐ
)
る、
門
(
もん
)
の
内
(
うち
)
の
横手
(
よこて
)
の
格子
(
かうし
)
の
前
(
まへ
)
に、
萌黄
(
もえぎ
)
に
塗
(
ぬ
)
つた
中
(
なか
)
に
南
(
みなみ
)
と
白
(
しろ
)
で
拔
(
ぬ
)
いたポンプが
据
(
すわ
)
つて、
其
(
その
)
縁
(
ふち
)
に
釣棹
(
つりざを
)
と
畚
(
ふご
)
とがぶらりと
懸
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
る、
眞
(
まこと
)
にもの
靜
(
しづ
)
かな
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
横
常用漢字
小3
部首:⽊
15画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“横手”で始まる語句
横手村