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ゆくわい
しかしあの
逞しいムツソリニも一
椀の「しるこ」を
啜りながら、
天下の
大勢を
考へてゐるのは
兎に
角想像するだけでも
愉快であらう。
それで
他國の
立派な
堂々たる
小學校に
居て
急に
其樣見すぼらしい
學校に
來た
僕は
子供心にも
決して
愉快な
心地は
爲なかつたのです。
勘次には
主人の
家が
愉快に
能く
働くことが
出來た。
彼の
體躯は
寧ろ
矮小であるが、
其きりつと
緊つた
筋肉が
段々仕事を
上手にした。
武村兵曹も
其仲間に
入つて、
頻りに
愉快だ/\と
騷いで
居つたが、
何時何處から
聞知たものか、
例の
轟大尉の
虎髯はぬつと
進み
出て
「そら
今度こさ
雪子の
勝だ」と
云つて
愉快さうに
綺麗な
齒を
露はした。
子供の
膝の
傍には
白だの
赤だの
藍だのゝ
硝子玉が
澤山あつた。
主人は
何が
樂しみに
轅棒をにぎつて、
何が
望みに
牛馬の
眞似をする、
錢を
貰へたら
嬉しいか、
酒が
呑まれたら
愉快なか、
考へれば
何も
彼も
悉皆厭やで
でつかんしよに、
愉快ぶし、
妓夫臺談判破裂して——
進めツ——いよう、
御壯、どうだい
隊長と、
喚き
合ふ。——どうも
隊長。……まことに
御壯。
初めの
壜は
二人共無言の
行で
呑乾して
了ふ。
院長は
考込んでゐる、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
何か
面白い
話を
爲やうとして、
愉快さうになつてゐる。
しかし、いろ/\
合せて、もう千
余枚を數へる
印畫のアルバムを時
折繰眺めるのは、
樂く
愉快である。
斯くして
翌朝起出でた
時には、
腦の
爽快なる
事、
拭へる
鏡の
如く、
磨ける
玉の
如く、
腦漿が
透明であるかの
樣に
感じるので、
極めて
愉快に
其日の
業務が
執れるのである。
而も其の
覗ツたところは、
彼自ら
神來の
響と信じてゐたので、描かぬ前の彼の元氣と内心の誇と
愉快と謂ツたら無かツた。彼の頭に描かれた作品は確に
立派なものであツたのだ。
大に
愉快の色を
現はし、
且つ未だ
耳にだもせざる「ぶらんでー」の
醇良を味ふを得、
勇気頓に百倍したり、
実に其
愉快なる人をして
雪点近き山上にありて
露宿するなるかを
忘れしむ。
飛んだり
跳ねたり
愉快だなあ!
一方ならず
愉快を
感じました。
彼等は
寧ろ
自分の
家で
造つたものゝ
方が
佳味いにも
拘らず
大勢と
共に
騷ぐのが
愉快なので、
水許りのやうな
甘酒を
幾杯も
傾けるのである。
アンドレイ、エヒミチはやつと
一人になつて、
長椅子の
上にのろ/\と
落着いて
横になる。
室内に
自分唯一人、と
意識するのは
如何に
愉快で
有つたらう。
さりながら
應が
影をも
止めざる
時だに、
厭ふべき
蛇喰を
思ひ
出さしめて、
折角の
愉快も
打消され、
掃愁の
酒も
醒むるは、
各自が
伴ひ
行く
幼き
者の
唱歌なり。
彼は
頭を
上げては
水車を
見、
又畫板に
向ふ、そして
折り/\
左も
愉快らしい
微笑を
頬に
浮べて
居た
彼が
微笑する
毎に、
自分も
我知らず
微笑せざるを
得なかつた。
けれど、
實際はそれこそ
麻雀が
人達を
魅惑する
面白さなので、
誰しも
少しそれに
親しんでくるといつとなくその
日その
時の
縁起まで
擔ぐやうになるのも
愉快である。
朝之助は
寢ころんで
愉快らしく
話しを
仕かけるを、お
力はうるさゝうに
生返事をして
何やらん
考へて
居る
樣子、どうかしたか、
又頭痛でもはじまつたかと
聞かれて
彼は
斯うして
新らしい
所へ
行つて、
新らしい
物に
接するのが、
用向の
成否に
關はらず、
今迄眼に
付かずに
過ぎた
活きた
世界の
斷片を
頭へ
詰め
込む
樣な
氣がして
何となく
愉快であつた。
此一
日の
運動は、
骨の
髓まで
疲勞する
樣に
感じるのであるが、
扨て
其洗ひ
上げたる
破片を
食卓の一
隅に
並べて、
然うして、一
杯やる
時の
心持といふものは、
何んとも
云はれぬ
愉快である。
此処に
着して
初めて社会に
出でたるの
心地せられ、其
愉快実に言ふべからず。
大きな
藏々の
建物が
空しく
成る
程一
切の
傭人が
桃畑に一
日の
愉快を
竭すやうになれば
病氣もけそりと
忘れるのが
例であつた。
今は
無上に
愉快な
時だぞ、
今一層の
望みには、
新に
鑄へた
此速射砲で、
彼奴等惡つくき
海賊共を
鏖殺にして
呉れんに。
愉快!
電車が
景氣よく
走り
出す、
函嶺諸峰は
奧ゆかしく、
嚴かに、
面を
壓して
近いて
來る!
輕い、
淡々しい
雲が
沖なる
海の
上を
漂ふて
居る、
鴎が
飛ぶ、
浪が
碎ける
貧窮な
友人に
扶助を
與へぬのを
恥としてゐたとか、
愉快な
行軍や、
戰爭などの
有つたこと、
面白い
人間、
面白い
婦人の
有つたこと、
又高加索と
云ふ
所は
實に
好い
土地で
當たるべからずといつた
愉快さだつた。