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ゆくわい
武村兵曹も
其仲間に
入つて、
頻りに
愉快だ/\と
騷いで
居つたが、
何時何處から
聞知たものか、
例の
轟大尉の
虎髯はぬつと
進み
出て
「そら
今度こさ
雪子の
勝だ」と
云つて
愉快さうに
綺麗な
齒を
露はした。
子供の
膝の
傍には
白だの
赤だの
藍だのゝ
硝子玉が
澤山あつた。
主人は
何が
樂しみに
轅棒をにぎつて、
何が
望みに
牛馬の
眞似をする、
錢を
貰へたら
嬉しいか、
酒が
呑まれたら
愉快なか、
考へれば
何も
彼も
悉皆厭やで