部分ぶぶん)” の例文
わがくにける三階建さんがいだて勿論もちろん二階建にかいだて大抵たいてい各階かくかいはしらとこ部分ぶぶんおいがれてある。すなはとほはしらもちひないで大神樂造だいかぐらづくりにしてある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
またその内容ないよう古今ここんわたり、顕幽けんゆうまたがり、また部分ぶぶんは一般的ぱんてきまた部分ぶぶん個人的こじんてきった具合ぐあいに、随分ずいぶんまちまちにみだれてります。
最もほそく作られたるものは其原料げんれう甚だ見分みわけ難けれどややふときもの及び未成みせいのものをつらね考ふれば、あかがひのへり部分ぶぶんなる事を知るを得。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
形容詞けいようし=〔一〕Belonging to all parts of the world(世界せかいすべての部分ぶぶんぞくする)
そのひかりよわ電燈でんとうは、やみなかをわずかにまるく一部分ぶぶんだけいたもののように、ほんのりとあかるくしていました。
うして龕燈がんどう横穴よこあな突出つきだして、内部ないぶらしてやうとしたが、そのひかりあた部分ぶぶんは、白氣はくき濛々もう/\として物凄ものすごく、なになにやらすこしもわからぬ。
と、きれぎれになっていたからだの部分ぶぶんが、たちまちつなぎあわさったかと思うと、ヘビはピクピクうごきだして、生きかえったではありませんか。
およしん化物ばけものといふものは、何處どこ部分ぶぶんはなしても、一しゆ異樣いやう形相げうさうで、全體ぜんたいとしては渾然こんぜんしゆまとまつたかたちしたものでなければならない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
なぜなら、人間は、この湖がえたゆたかな平野へいやの大きな部分ぶぶんに、ひろがっていることを忘れてはいないからです。
らされた部分ぶぶんあかるい灰色はひいろ斷片だんぺんとなつてくらなかにほつかりちた。さうして二人ふたりかげうごくにれてうごいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
勘次かんじたけもつ茶碗ちやわんみづを三まはしてそつとはなした。ランプのひかりたけみづから部分ぶぶんあをく、みづぼつした部分ぶぶん水銀すゐぎんのやうにしろひかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これが毎年まいねんくりかへされると、その一年いちねんごとに生長せいちようした部分ぶぶんだけが、まるになつて區分くわけがつくのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
このとなごとのうちのある部分ぶぶんが、ことわざとなり、ものがたりの肝腎かんじん部分ぶぶんが、うたとなつたのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
あの支那しなではかん時代じだいごろには、圓瓦まるがはらさき模樣もよう文字もじがつけてありました。かはらのこの部分ぶぶん瓦當がとうんでゐます。なかにはまたまんまるでなく半圓形はんえんけいのものもあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
其箪笥そのたんすの二番目ばんめ抽斗ひきだしから喰出はみだしてゐるのは、小豆色あづきいろ友染縮緬いうぜんちりめん背負揚しよいあげはしで、える部分ぶぶんに、鉄扇花てつせんくわでゞもあらうか、キザ/″\のはな図案化づあんくわされた模様もやうえて、それにつくと
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
われ/\は最初さいしよよわ部分ぶぶん初期微動しよきびどうづけ、中頃なかごろつよ部分ぶぶん主要動しゆようどうあるひ主要部しゆようぶをはりのよわ部分ぶぶん終期部しゆうきぶづけてゐる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
シベリヤ東北の住民ぢうみん、アメリカ極北の住民及びグリーンランドのエスキモは眼の部分ぶぶんに細き横線を截り透かしたる眼蔓樣のものをもちゐる事有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
彼等かれら自己じここゝろのある部分ぶぶんに、ひとえない結核性けつかくせいおそろしいものがひそんでゐるのを、ほのかに自覺じかくしながら、わざとらぬがほたがひつてとしすごした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わかりやすくへば、地球上ちきゆうじよう部分ぶぶん部分ぶぶんが、赤道せきどう沿うておびのように細長ほそながくわかれてをり、そのひとつ/\に、それ/″\ちがつた植物しよくぶつがそだつてゐることをいふのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
まだ、わたし皮膚ひふには、あのはやしなかにあったころをおもわせるような、あお部分ぶぶんのこっている。じつに、あのはやしなかにあった時分じぶんは、なんという、青々あおあおとしたからだであったろう……。
河水の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほねといつても、たゞ頭蓋骨ずがいこついたゞき、いはゆるあたまさら部分ぶぶんひだりもゝほね一部分いちぶぶん臼齒きゆうしたばかりでありますが、これを調しらべてると、どうしても今日こんにち類人猿るいじんえんとはちがつて
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
かれ風呂敷包ふろしきづゝみからつゝあつた金錢きんせん些少すこしのものであつたが、それはときとしてかれこはばつたしたてきした食料しよくれうあるものもとめるほかに一部分ぶぶん與吉よきちちひさなおとされるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
このふたつの言葉ことばは、もと日本につぽん古代こだい神樣かみさまのおつしやつた言葉ことばとして、しんじられてゐたのですが、そのうち、だん/\その言葉ことばのうちにもつと、しつめたみじか部分ぶぶんを、神樣かみさま言葉ことばかんが
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ところが、それから十ねんつて日露戰爭にちろせんさうおこつたときわたしすで非戰論者ひせんろんしやとして×國心こくしん嘲笑てうせうしてゐた。わたし日本國民にほんこくみんとして、日本國土にほんこくど極小ごくせうの一部分ぶぶんすらもわかあたへられてないことつてゐた。
それでも、西面南部せいめんなんぶの二横穴よこあなは、大概たいがい發掘はつくつをはり、其岩壁そのがんぺき欠壞けつくわいして、おく貫通くわんつうしてこと判明はんめいし、また石灰分せきくわいぶん岩面がんめん龜裂きれつ部分ぶぶんから漏出らうしゆつして、小鐘乳石せうしやうにふせき垂下すいかしてるのを發見はつけんした。
入り口と周壁しうへきの或る部分ぶぶんにはむしろを下げ置きしなるべく、地上ちじやうには木材をならべ、其上に席、もの獸皮じうひ木皮抔もくひなどつらねて座臥の塲所とせしなるべし。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
しかも其燒失區域そのしようしつくいきまちもつと重要じゆうよう部分ぶぶんめてゐたので、損失そんしつ實際じつさい價値かちさら重大じゆうだいなものであつたのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それが實生活じつせいくわつおごそかな部分ぶぶんをかやうになつたのは、まつためづらしいとはなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いままでは食物しよくもつることをらなかつた人間にんげんが、土器どきによつて動物どうぶつにくでも植物しよくぶつでも、自由じゆうることが出來できるようになつたので、いままでべられなかつた品物しなもの食物しよくもつ部分ぶぶん
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
じひしんちょう(慈悲心鳥じひしんちよう)のこゑ山中さんちゆうでなければかれません。これは灰黒色かいこくしよくむねはら淡赤茶色うすあかちやいろで、おなじその部分ぶぶんしろいほとゝぎすやかっこうと區別くべつすることが出來できます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
すべをはつたときには畦畔くろにもみじかくさえてつちくろ部分ぶぶん何處どこにもえなくる。自然しぜんはじめて自己じこ滿足まんぞくやうにからりとこゝろよいそらぬぐうてあつひかりける。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ると、としちゃんは、いしで、いしって、その部分ぶぶんだけをろうとしています。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
limited or resitricted to no one part of the social, political, economical, or intellectual world(社交界しやかうかい政治界せいぢかい經濟界けいざいかいまた知識界ちしきかい如何いかなる部分ぶぶんにも制限せいげんされざる)
そこは、まちをはなれてから、いく十マイルとなくきたところでした。あるのこと、汽車きしゃおも荷物にもつや、たくさんな人間にんげんせてぎていきましたときに、レールのある部分ぶぶんきずがついたのであります。
負傷した線路と月 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あさからばんまで、ひるからよるまで——いや、そういう区別くべつもなく、永久えいきゅうに、くらく、ただ、見得みうるかぎりの世界せかいというものは、けずられた赤土あかつち断層だんそうの一部分ぶぶん煉瓦れんが堆積たいせきと、そのれめからわきして