トップ
>
見物
>
けんぶつ
ふりがな文庫
“
見物
(
けんぶつ
)” の例文
こゝかしこにたくさんにありますから、これ
等
(
ら
)
を
一
(
ひと
)
とほり
見物
(
けんぶつ
)
して
歩
(
ある
)
くだけでも、ロンドンで
一週間
(
いつしゆうかん
)
ぐらゐは、
大丈夫
(
だいじようぶ
)
かゝるでせう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
とうとうとムダ口をしゃべって
大人
(
おとな
)
の
見物
(
けんぶつ
)
をけむにまいた
蛾次郎
(
がじろう
)
は、そこでヤッと気合いをだして、右手の
独楽
(
こま
)
を
虚空
(
こくう
)
へ高くなげた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これまたシンミリしたその場面に一種異様な効果をあたえ、
見物
(
けんぶつ
)
はげらげら笑いだした。見物が笑ったから悪いというのではない。
翻訳のむずかしさ
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
「ほかに、
見物
(
けんぶつ
)
しているやじうまもあったろう。」と、お
父
(
とう
)
さんは、おききになりました。これに
対
(
たい
)
して、しばらく
返事
(
へんじ
)
はなかったが
火事
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見
(
み
)
るとそれは
思
(
おも
)
いもつかない、大きな
茶
(
ちゃ
)
がまに
手足
(
てあし
)
の
生
(
は
)
えた
化
(
ば
)
け
物
(
もの
)
でしたから、
見物
(
けんぶつ
)
はみんな「あっ。」と
言
(
い
)
って目をまるくしました。
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
垣根
(
かきね
)
の
中
(
なか
)
へ
突
(
つ
)
ンのめったばっかりに、ゆっくり
見物
(
けんぶつ
)
出来
(
でき
)
るはずのおせんの
裸
(
はだか
)
がちらッとしきゃのぞけなかったんだ。——
面白
(
おもしろ
)
くもねえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
諭吉
(
ゆきち
)
は、お
母
(
かあ
)
さんに、
京都
(
きょうと
)
や
大阪
(
おおさか
)
などを、ゆっくり
見物
(
けんぶつ
)
させて、よろこばせてあげようとおもっていただけに、がっかりしました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
犬
(
いぬ
)
はまたなめた。
其舌
(
そのした
)
の
鹽梅
(
あんばい
)
といつたらない、いやにべろ/\して
頗
(
すこぶ
)
るをかしいので、
見物
(
けんぶつ
)
が
一齊
(
いつせい
)
に
笑
(
わら
)
つた。
巡査
(
じゆんさ
)
も
苦笑
(
にがわらひ
)
をして
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この点ではこの若者たちも
闘鶏
(
とうけい
)
や
闘犬
(
とうけん
)
の
見物
(
けんぶつ
)
同様、残忍でもあれば冷酷でもあった。彼等はもう猪首の若者に特別な好意を持たなかった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其
(
そ
)
の
踊
(
をどり
)
の
周圍
(
しうゐ
)
には
漸
(
やうや
)
く
村落
(
むら
)
の
見物
(
けんぶつ
)
が
聚
(
あつま
)
つた。
混雜
(
こんざつ
)
して
群集
(
ぐんしふ
)
と
少
(
すこ
)
し
離
(
はな
)
れて
村落
(
むら
)
の
俄商人
(
にはかあきんど
)
が
筵
(
むしろ
)
を
敷
(
し
)
いて
駄菓子
(
だぐわし
)
や
梨
(
なし
)
や
甜瓜
(
まくはうり
)
や
西瓜
(
すゐくわ
)
を
並
(
なら
)
べて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
見物
(
けんぶつ
)
しければハヤ五月も
過
(
すぎ
)
六月の初旬となり炎暑強き頃なれば凉風の
立迄
(
たつまで
)
當所に逗留して秋にもならば江戸へ下り
主取
(
しゆどり
)
せんと云を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
薄暗い草原の中で、人形とばかり思い込んでいた轢死女の首だけが、ニヤニヤ笑うのを見たら、大抵の
見物
(
けんぶつ
)
は腰を抜かしてしまうであろう。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
リスもテンも、キツネのいるのには気がつきませんでした。キツネはじっとして、木のあいだでおこなわれているこの
狩
(
か
)
りを
見物
(
けんぶつ
)
していました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
それで
汝
(
そち
)
の
母人
(
ははびと
)
は、
今日
(
きょう
)
爰
(
ここ
)
へ
来
(
き
)
た
序
(
ついで
)
に
俺
(
わし
)
の
本体
(
ほんたい
)
を
見物
(
けんぶつ
)
して、それを
土産
(
みやげ
)
に
持
(
も
)
って
帰
(
かえ
)
りたいということのようであるが、これは
少々
(
しょうしょう
)
困
(
こま
)
った
註文
(
ちゅうもん
)
じゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そうすると、いつのまにか、いなかのおとうさんや
妹
(
いもうと
)
たちの顔が、それをとりまいてめずらしそうに
見物
(
けんぶつ
)
しています。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
其
(
そ
)
れから
二人
(
ふたり
)
は
其處
(
そこ
)
を
出
(
で
)
て、クレムリに
行
(
ゆ
)
き、
大砲王
(
たいはうわう
)
(巨大な砲)と
大鐘王
(
たいしようわう
)
(巨大な鐘、モスクワの二大名物)とを
見物
(
けんぶつ
)
し、
指
(
ゆび
)
で
觸
(
さは
)
つて
見
(
み
)
たりした。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
これは
人形
(
にんぎやう
)
のやうに
動
(
うご
)
かない、
風呂
(
ふろ
)
の
中
(
なか
)
の
少年
(
せうねん
)
も
同
(
おな
)
じくこれを
見物
(
けんぶつ
)
して
居
(
ゐ
)
るのだといふことが
自分
(
じぶん
)
にやつと
解
(
わか
)
つた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
それらの一つ一つが、半日立ちつくして
見物
(
けんぶつ
)
していても、けっしてあかせないだけの
魅力
(
みりょく
)
を持っていたのである。
空気ポンプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
お銀様とお角の一行も、その
見物
(
けんぶつ
)
の群集に交って、歩きにくい道を進んで行くと、後ろが
遽
(
にわ
)
かに物騒がしい。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
牛込館のお客様は、西洋物の
見物
(
けんぶつ
)
だけに上品でおとなしい。矢張り大方学生のようで、近所に
芸者街
(
げいしゃまち
)
があるのだが、それらしい姿はあまり見かけられなかった。
牛込館:映画館めぐり(十)
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
たしかにじぶんは「骸骨の一」とか「骸骨の二」とか札のついていたものを
見物
(
けんぶつ
)
した。それは、すこぶるかんたんな
立体幾何学的
(
りったいきかがくてき
)
な
模型
(
もけい
)
のような形をしていた。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さあそれが
評判
(
ひょうばん
)
になりまして、「甚兵衛の人形は
生人形
(
いきにんぎょう
)
」といいはやされ、町の人たちはもちろんのこと、
遠
(
とお
)
くの人まで、甚兵衛の人形
小屋
(
ごや
)
へ
見物
(
けんぶつ
)
に
参
(
まい
)
りました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
じいさんは
見物
(
けんぶつ
)
するつもりで、若者のそばにならんで立っていました。白いひげは長くたれていました。
こわいことを知りたくて旅にでかけた男の話
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
菊の培養法が違ふとか何とかいふ所で、三四郎は
外
(
ほか
)
の
見物
(
けんぶつ
)
に
隔
(
へだ
)
てられて、一間ばかり離れた。美禰子はもう三四郎より
先
(
さき
)
にゐる。見物は概して町家のものである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
歌舞伎年代記などに記載されているが、昔の芝居には、
獄門首
(
ごくもんくび
)
が恨みを述べたり、親子の名乗りをしたりするのは、普通の事件で、
見物
(
けんぶつ
)
がそういうものを喜んでいた。
武州公秘話:02 跋
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
あるべき筈はないという事は、なんぼ愚かな私にでも、わかっていた。けれども、来て見ないうちは、気がかりなのだ。
見物
(
けんぶつ
)
の心理とは、そんなものではなかろうか。
佐渡
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
歌舞伎年代記などに記載されているが、昔の芝居には、
獄門首
(
ごくもんくび
)
が恨みを述べたり、親子の名乗りをしたりするのは、普通の事件で、
見物
(
けんぶつ
)
がそういうものを喜んでいた。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
新吉
(
しんきち
)
は
見物
(
けんぶつ
)
したくてたまらないのですが、そうは出来ません。十
幾
(
いく
)
頭という馬のかいばをつくらねばなりません。何十
種
(
しゅ
)
という動物の食べものをつくらねばなりません。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
それより
洞中
(
どうちゆう
)
の
造船所
(
ぞうせんじよ
)
内
(
ない
)
を
殘
(
のこ
)
る
隈
(
くま
)
なく
見物
(
けんぶつ
)
したが、ふと
見
(
み
)
ると、
洞窟
(
どうくつ
)
の
一隅
(
いちぐう
)
に、
岩
(
いわ
)
が
自然
(
しぜん
)
に
刳
(
えぐ
)
られて、
大
(
だい
)
なる
穴倉
(
あなぐら
)
となしたる
處
(
ところ
)
、
其處
(
そこ
)
に、
嚴重
(
げんぢう
)
なる
鐵
(
てつ
)
の
扉
(
とびら
)
が
設
(
まう
)
けられて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ロミオ (從者にむかひ)
俺
(
おれ
)
には
炬火
(
たいまつ
)
を
與
(
く
)
れ。
氣
(
き
)
の
輕
(
かる
)
い
陽氣
(
やうき
)
な
手合
(
てあひ
)
は、
舞踏靴
(
をどりぐつ
)
の
踵
(
かゝと
)
で
澤山
(
たんと
)
無感覺
(
むかんかく
)
な
燈心草
(
とうしんぐさ
)
を
擽
(
こそぐ
)
ったがよい。
俺
(
おれ
)
は、
祖父
(
ぢゝい
)
の
訓言通
(
をしへどほ
)
り、
蝋燭持
(
らうそくもち
)
をして
高見
(
たかみ
)
の
見物
(
けんぶつ
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
ズッと出て太い手をついて
斯
(
こ
)
う拳を握り詰めますると、
力瘤
(
ちからこぶ
)
というのが腕一ぱいに満ちます、
見物
(
けんぶつ
)
は今角力と剣術遣との喧嘩が有るというので近村の者まで喧嘩を見に参る
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
之
(
これ
)
にはクック
社
(
しや
)
の
桑港支社長
(
さうかうししやちやう
)
ストークス
君
(
くん
)
やら、
朝日新聞社
(
あさひしんぶんしや
)
桑港特派員
(
さうかうとくはゐん
)
清瀬規矩雄君
(
きよせきくをくん
)
などが
便乗
(
びんじよう
)
して
来
(
き
)
たので、
陸上
(
りくじやう
)
の
模様
(
もやう
)
明日
(
あす
)
の
見物
(
けんぶつ
)
の
次第
(
しだい
)
などを
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
つて、
大方
(
だいぶ
)
賑
(
にぎ
)
やかになつて
来
(
き
)
た。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
師走
(
しはす
)
の
月
(
つき
)
は
世間
(
せけん
)
一
躰
(
たい
)
物
(
もの
)
せわしき
中
(
なか
)
を、こと
更
(
さら
)
に
選
(
ゑ
)
らみて
綾羅
(
きら
)
をかざり、
一昨日
(
おとゝひ
)
出
(
で
)
そろひしと
聞
(
き
)
く
某
(
それ
)
の
芝居
(
しばゐ
)
、
狂言
(
けうげん
)
も
折
(
をり
)
から
面白
(
おもしろ
)
き
新物
(
しんもの
)
の、これを
見
(
み
)
のがしてはと
娘共
(
むすめども
)
の
騷
(
さわ
)
ぐに、
見物
(
けんぶつ
)
は十五日
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
芝居のことでいえば、どんな芝居を見せても、
見物
(
けんぶつ
)
は何ともいわずに見ている。もしあったところで、その見物人にとってはどうでもいいことなのであるから、結局なんでもないことになる。
国民性の問題
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
『
然
(
さ
)
うだ/\、
全體
(
ぜんたい
)
杉村君
(
すぎむらくん
)
は、
我々
(
われ/\
)
の
蠻勇
(
ばんいう
)
を
見
(
み
)
て
驚
(
おどろ
)
いて
了
(
しま
)
つたのだ。
迚
(
とて
)
も
太刀打
(
たちうち
)
が
出來
(
でき
)
ないから、それで
見物
(
けんぶつ
)
へ
廻
(
まは
)
つたのだ。
人間
(
にんげん
)
は
利口
(
りこう
)
に
出來
(
でき
)
てる。
我々
(
われ/\
)
は
馬鹿
(
ばか
)
に
出來
(
でき
)
てるよ』と
水谷氏
(
みづたにし
)
も
言
(
い
)
ふ。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
やがて
急
(
きゅう
)
に、さびしい
気味
(
きみ
)
のわるい気がしてきて、心
細
(
ぼそ
)
くなったが、そのとたんに、ああ、これはまた、どうしたことだろう。黒山のように人だかりがして、みんな目をまるくして
見物
(
けんぶつ
)
している。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
『
凧
(
たこ
)
も
見物
(
けんぶつ
)
で
草臥
(
くたび
)
れました。もうそろ/\
降
(
おろ
)
して
下
(
くだ
)
さい。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
なぞえ ほかの
見物
(
けんぶつ
)
は、そいでも笑つてたわ。
雅俗貧困譜
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
(半ば
見物
(
けんぶつ
)
に背を向けて藁椅子に腰を掛く。)
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
風をきって一
直線
(
ちょくせん
)
に手をはなれた独楽は、ゆくところまでゆくとビューッとうなりをあげて
見物
(
けんぶつ
)
の頭の上へ
落下
(
らっか
)
してきそうなようす。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だから、
勇蔵
(
ゆうぞう
)
は、ボールを
投
(
な
)
げる
仲間
(
なかま
)
に
入
(
はい
)
ることもできなかったので、ぼんやり
立
(
た
)
ってほかの
子供
(
こども
)
たちの
投
(
な
)
げるのを
見物
(
けんぶつ
)
していました。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
或一年
(
あるひとゝせ
)
春
(
はる
)
の
末
(
すゑ
)
つ
方
(
かた
)
遠乗
(
とほのり
)
かた/″\
白岩
(
しらいは
)
の
塔
(
たふ
)
を
見物
(
けんぶつ
)
に、
割籠
(
わりご
)
吸筒
(
すゐづゝ
)
取持
(
とりも
)
たせ。——で、
民情視察
(
みんじやうしさつ
)
、
巡見
(
じゆんけん
)
でないのが
先
(
ま
)
づ
嬉
(
うれ
)
しい。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この中へ置けば、我々のように蚊帳をまくって見る
見物
(
けんぶつ
)
なんかありやしないから、急に発見される心配はないと思ったのだ
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
でも、お
母
(
かあ
)
さんに、ほんとうのことをはなしたら
心配
(
しんぱい
)
するので、きゅうな
用事
(
ようじ
)
ができたことにして、
見物
(
けんぶつ
)
をやめ、いそいで
東京
(
とうきょう
)
にかえりました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
廻
(
まは
)
り夫より所々を
見物
(
けんぶつ
)
しける内一
疋
(
ぴき
)
の
鹿
(
しか
)
を
追駈
(
おつかけ
)
しが鹿の
迯
(
にぐ
)
るに寶澤は
何地迄
(
いづくまで
)
もと思あとを
慕
(
したひ
)
しも
終
(
つひ
)
に鹿は見失ひ
四方
(
あたり
)
を
見廻
(
みめぐ
)
らせば
遠近
(
をちこち
)
の山の
櫻
(
さくら
)
今を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それから
二人
(
ふたり
)
はそこを
出
(
で
)
て、クレムリに
行
(
ゆ
)
き、
大砲王
(
たいほうおう
)
(巨大な砲)と
大鐘王
(
たいしょうおう
)
(巨大な鐘、モスクワの二大名物)とを
見物
(
けんぶつ
)
し、
指
(
ゆび
)
で
触
(
さわ
)
って
見
(
み
)
たりした。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
一
度
(
ど
)
行
(
い
)
ったことのある
境地
(
ところ
)
でございますから、
道中
(
どうちゅう
)
の
見物
(
けんぶつ
)
は
一切
(
いっさい
)
ヌキにして、
私達
(
わたくしたち
)
は
一
(
ひ
)
と
思
(
おも
)
いに、あのものすごい
竜神
(
りゅうじん
)
の
湖水
(
こすい
)
の
辺
(
ほとり
)
へ
出
(
で
)
て
了
(
しま
)
いました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
博物館
(
はくぶつかん
)
の
見物
(
けんぶつ
)
も、だいぶ
長
(
なが
)
くなつて
皆
(
みな
)
さんも
疲
(
つか
)
れたでせうが、
私
(
わたし
)
も
話
(
はな
)
しくたびれました。まづこれで
見物
(
けんぶつ
)
をやめて、お
茶
(
ちや
)
でも
飮
(
の
)
むことにいたしませう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
『
此處
(
こゝ
)
は
可
(
か
)
なり
釣
(
つ
)
れます。』と
老爺
(
ぢいさん
)
は
僕
(
ぼく
)
の
直
(
す
)
ぐ
傍
(
そば
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
して
煙草
(
たばこ
)
を
喫
(
す
)
ひだした。けれど
一人
(
ひとり
)
が
竿
(
さを
)
を
出
(
だ
)
し
得
(
う
)
る
丈
(
だけ
)
の
場處
(
ばしよ
)
だからボズさんは
唯
(
たゞ
)
見物
(
けんぶつ
)
をして
居
(
ゐ
)
た。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
立
(
た
)
ちながら
袴
(
はかま
)
の
裾
(
すそ
)
を
踏
(
ふ
)
んで
蹌踉
(
よろ
)
けては
驚
(
おどろ
)
いた
容子
(
ようす
)
をして
周圍
(
あたり
)
を
見
(
み
)
るのもあつた。
恁
(
か
)
ういふ
作法
(
さはふ
)
をも
見物
(
けんぶつ
)
の
凡
(
すべ
)
ては
左
(
さ
)
も
熱心
(
ねつしん
)
らしい
態度
(
たいど
)
で
拜殿
(
はいでん
)
に
迫
(
せま
)
つて
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“見物”で始まる語句
見物人
見物席
見物場
見物日
見物連
見物順序
見物の場所
見物人自身
見物自動車