夕方の神楽坂通りは散歩の学生や帰りがけの勤め人なぞでいつもいっぱいである。 私は久し振りで坂を上って牛込館を見に行った。 錦輝館だの豊玉館だの——矢張りそんな時分に栄えた牛込館がそのまま取り残されている。窓のところに客寄せの楽隊でもいてくれ …
著者 | 渡辺温 |
ジャンル | 芸術・美術 > 演劇 > 映画 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「時事新報」時事新報社、1928(昭和3)年10月14日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約3分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約5分(300文字/分) |