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渦
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うづ
ふりがな文庫
“
渦
(
うづ
)” の例文
さて私の結婚
後
(
ご
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は、
渦
(
うづ
)
のやうにぐる/\と私どもを
弄
(
もてあそ
)
ばうとしました、今猶
多少
(
たせう
)
の渦はこの
身邊
(
しんぺん
)
を取り
圍
(
かこ
)
みつゝあるけれども
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
一枚の
扉
(
ドア
)
が開いてゐるのだ、それはロチスター氏の部屋の扉であつた。そして
渦
(
うづ
)
まく煙は一
團
(
かたまり
)
になつて其處から吹き出してゐるのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
かさ/\と
乾
(
かわ
)
いて、
渦
(
うづ
)
に
成
(
な
)
つて、
稱
(
よ
)
ぶ
如
(
ごと
)
く
眞中
(
まんなか
)
に
穴
(
あな
)
のあいた、こゝを
一寸
(
ちよつと
)
束
(
たば
)
にして
結
(
ゆは
)
へてある……
瓦煎餅
(
かはらせんべい
)
の
氣
(
き
)
の
拔
(
ぬ
)
けたやうなものである。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
燬
(
や
)
く
樣
(
やう
)
な
日
(
ひ
)
の
下
(
した
)
に、
渦
(
うづ
)
を
捲
(
ま
)
いて
狂
(
くる
)
ひ
出
(
だ
)
しさうな
瓦
(
かはら
)
の
色
(
いろ
)
が、
幾里
(
いくり
)
となく
續
(
つゞ
)
く
景色
(
けしき
)
を、
高
(
たか
)
い
所
(
ところ
)
から
眺
(
なが
)
めて、
是
(
これ
)
でこそ
東京
(
とうきやう
)
だと
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
さへあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
応接室へ帰つてから、一同雑談で持切つて、室内に籠る
煙草
(
たばこ
)
の
烟
(
けぶり
)
は丁度白い
渦
(
うづ
)
のやう。茶でも出すと見えて、小使は出たり入つたりして居た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
袖襟
(
そでえり
)
へ雪を吹入れて
全身
(
みうち
)
凍
(
こゞえ
)
て
息
(
いき
)
もつきあへず、大風四面よりふきめぐらして雪を
渦
(
うづ
)
に
巻揚
(
まきあぐ
)
る、是を雪国にて雪吹といふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
川の向うに見えてゐる大きな煙突から
渦
(
うづ
)
まきあがる
煤烟
(
ばいえん
)
、——ふと、「あれ、あれ!」とけたゝましい声が起つた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
一番若くて、一番綺麗なお
蔦
(
つた
)
は、颱風の眼のやうに移動する動亂の
渦
(
うづ
)
を
避
(
さ
)
けて、お
燗番
(
かんばん
)
の卯八の懷に飛込んだり、
伽羅
(
きやら
)
大盡の貫兵衞の
背後
(
うしろ
)
に隱れたりしました。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「述懐は一種の
慰藉
(
ゐしや
)
なりサ、人誰か愚痴なからんやダ、君とても口にこそ
雄
(
えら
)
いことを吐くが、雄いことを吐くだけ腹の底には不平が、
渦
(
うづ
)
を
捲
(
ま
)
いて居るんだらう」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
鉾杉の
渦
(
うづ
)
成
(
な
)
す霧に、
涯
(
はて
)
知れぬ海も見わかず、ひさかたの空もえわかね、時をりは渡りの鳥のはぐれ
鳥
(
どり
)
ちりぢりと落ち、
羽重
(
はねおも
)
の一羽鴉も飛びなづみややに来て揺る。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
絶壁の下をのぞくと、川の水勢と精神とが清い油となつてうどみかかり、おほきな
潭
(
ふち
)
となつて幾重にも
渦
(
うづ
)
を卷いてゐる。このところ深さを量り得たものがないと云ふ。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
谷
(
たに
)
の
奧
(
おく
)
には
墓場
(
はかば
)
もあるだらう、
人生
(
じんせい
)
悠久
(
いうきう
)
の
流
(
ながれ
)
が
此處
(
こゝ
)
でも
泡立
(
あわだた
)
ぬまでの
渦
(
うづ
)
を
卷
(
ま
)
ゐて
居
(
ゐ
)
るのである。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
人間が見たかつたし、
切
(
せつ
)
ない感情が胸の中に
渦
(
うづ
)
を巻いて、ここまで、戻つてゐるのだつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
我が此川を見た
最初
(
さいしよ
)
の記憶は、きみが背中に
負
(
お
)
ぶさつて
野桑
(
のぐは
)
を摘みに來た時、ほらこれ大川だよと指さして教へられた。小さな
渦
(
うづ
)
が
黄
(
き
)
いろぽい
泡
(
あぶく
)
を載せた儘すい/\と流れてゐた。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
劫
(
おびや
)
かされたやうに、私は枕から顔を放して、兄の顔を
視守
(
みまも
)
つた。二言三言眠り足らない自分を云ひ訳しようとでもする言葉が、ハツキリした形にならないまま鈍い頭の中で
渦
(
うづ
)
を巻いてゐた。
イボタの虫
(新字旧仮名)
/
中戸川吉二
(著)
そこは水も深く大石が幾つもならんでゐて、激して泡立つた流れの余勢が、石と石との間で
蕩揺
(
たうえう
)
したり
渦
(
うづ
)
を作つたりしてゐた。そしてさういふ石陰の深みの一つに赤蛙は落ち込んでゐるのだつた。
赤蛙
(新字旧仮名)
/
島木健作
(著)
チョイと
渦
(
うづ
)
を卷いて、忽ち海風に散つてゆく、浪は
相不變
(
あひかわらず
)
、活動寫眞の
舞踊
(
ダンス
)
の
歩調
(
あしどり
)
で、
重
(
かさな
)
り重り沖から寄せて來ては、雪の舌を銀の齒車の樣にグルグルと卷いて、ザザーッと
怒
(
ど
)
鳴り散らして颯と
退
(
ひ
)
く
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
又その淵には、時々四畳半位な大きな
碧瑠璃
(
へきるり
)
の
渦
(
うづ
)
が幾つも幾つも渦巻いたのを、彼はよく夢心地で眺め入つた。さうしてそれを夢そのもののなかでも時折見た。この頃は八つか九つででもあつたらう。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
それ/″\人の
渦
(
うづ
)
を作つてゐるのであつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
あともなく
渦
(
うづ
)
まきいるる。
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
時めきの、さとこそ
渦
(
うづ
)
に
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
まだ、
朝早
(
あさまだ
)
き、
天守
(
てんしゆ
)
の
上
(
うへ
)
から
野
(
の
)
をかけて
箕
(
み
)
の
形
(
かたち
)
に
雲
(
くも
)
が
簇
(
むらが
)
つて、
処々
(
ところ/″\
)
物凄
(
ものすさま
)
じく
渦
(
うづ
)
を
巻
(
まい
)
て、
霰
(
あられ
)
も
迸
(
ほとばし
)
つて
出
(
で
)
さうなのは、
風
(
かぜ
)
が
動
(
うご
)
かすのではない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
父
(
とう
)
さんも、そんな
大
(
おほ
)
きな
川
(
かは
)
を
見
(
み
)
るのは
初
(
はじ
)
めてでした。
青
(
あを
)
い、どろんとした
水
(
みづ
)
は
渦
(
うづ
)
を
卷
(
ま
)
いて、
大
(
おほ
)
きな
岩
(
いは
)
の
間
(
あひだ
)
を
流
(
なが
)
れて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
二人
(
ふたり
)
が表てゞ
並
(
なら
)
んだ時、美禰子は
俯向
(
うつむい
)
て右の手を
額
(
ひたひ
)
に
当
(
あ
)
てた。周
囲
(
ゐ
)
は人が
渦
(
うづ
)
を
捲
(
ま
)
いてゐる。三四郎は女の耳へ
口
(
くち
)
を寄せた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
袖襟
(
そでえり
)
へ雪を吹入れて
全身
(
みうち
)
凍
(
こゞえ
)
て
息
(
いき
)
もつきあへず、大風四面よりふきめぐらして雪を
渦
(
うづ
)
に
巻揚
(
まきあぐ
)
る、是を雪国にて雪吹といふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
が、御新造のお仙は何んにも言はなかつたにしても、お勝手近くなると、緊張と騷ぎの
渦
(
うづ
)
は次第に強大になつて、通る人達の顏も、容易ならぬものを感じさせます。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
品川で降りると、省線のホームの前に、ダンスホールの裏窓が見えて、暗い燈火の下で、幾組かが
渦
(
うづ
)
をなして踊つてゐる頭がみえた。光つて降る
糠雨
(
ぬかあめ
)
のなかに、物哀しいジャズが流れてゐる。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
其
(
その
)
場所
(
ばしよ
)
が
全
(
まつ
)
たく
僕
(
ぼく
)
の
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
つたのである、
後背
(
うしろ
)
の
崕
(
がけ
)
からは
雜木
(
ざふき
)
が
枝
(
えだ
)
を
重
(
かさ
)
ね
葉
(
は
)
を
重
(
かさ
)
ねて
被
(
おほ
)
ひかゝり、
前
(
まへ
)
は
可
(
かな
)
り
廣
(
ひろ
)
い
澱
(
よどみ
)
が
靜
(
しづか
)
に
渦
(
うづ
)
を
卷
(
まい
)
て
流
(
なが
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
足場
(
あしば
)
はわざ/\
作
(
つく
)
つた
樣
(
やう
)
に
思
(
おも
)
はれる
程
(
ほど
)
、
具合
(
ぐあひ
)
が
可
(
い
)
い。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
渦
(
うづ
)
まく
黄金色
(
わうごんしよく
)
の光ばかりが響き
廻
(
まは
)
る。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
渦
(
うづ
)
ぞ卷く
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
重
(
かさ
)
なる
雲
(
くも
)
が
一
(
ひと
)
つ
所
(
ところ
)
で
渦
(
うづ
)
を
捲
(
ま
)
いて、
次第
(
しだい
)
に地面の
上
(
うへ
)
へ押し
寄
(
よ
)
せるかと怪しまれた。其時
雨
(
あめ
)
に
光
(
ひか
)
る
車
(
くるま
)
を
門
(
もん
)
から
中
(
うち
)
へ引き込んだ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ざつ/\と、あの
續
(
つゞ
)
いた
渦
(
うづ
)
が、
一
(
ひと
)
ツづゝ
數萬
(
すうまん
)
の
蛾
(
が
)
の
群
(
むらが
)
つたやうな、
一人
(
ひとり
)
の
人
(
ひと
)
の
形
(
かたち
)
になつて、
縱隊一列
(
じうたいいちれつ
)
に
入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
ました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
兩國廣小路の人混みの中に
渦
(
うづ
)
を卷いた喧嘩の輪が、
雪崩
(
なだれ
)
を打つて柳橋の方へ
碎
(
くだ
)
けて來たのでした。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
四杯目の酒を富岡は口に持つて行つてゐる。ゆき子は鍋を降ろした。
渦
(
うづ
)
を巻いたコンロの火が寒々とした部屋に、
賑
(
にぎ
)
やかだつた。ゆき子は、いまごろになつておせいが憎くてたまらなかつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
黒
(
くろ
)
き
悩
(
なやみ
)
の
旋律
(
せんりつ
)
ぞ
渦
(
うづ
)
巻
(
ま
)
き起る。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
辿
(
たど
)
りかゝつた
其
(
そ
)
のたら/\
上
(
あが
)
りの
長
(
なが
)
い
坂
(
さか
)
の、
下
(
した
)
から
丁
(
ちやう
)
ど
中央
(
なかば
)
と
思
(
おも
)
ふ
處
(
ところ
)
で、
靄
(
もや
)
のむら/\と、
動
(
うご
)
かない
渦
(
うづ
)
の
中
(
なか
)
を、
見
(
み
)
え
隱
(
がく
)
れに、
浮
(
う
)
いつ
沈
(
しづ
)
みつする
體
(
てい
)
で
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから親分に頼まれた、あの晩の人の動きを、事細かに訊き出しましたが、何しろ祝言の後の酒盛りで、まるで人間が
渦
(
うづ
)
を卷いたやうで、訊き出しやうもありませんよ。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼等の
肩
(
かた
)
から
脊
(
せ
)
へかけて、
肉塊
(
にくくわい
)
と
肉塊
(
にくくわい
)
が落ち合つて、其間に
渦
(
うづ
)
の様な
谷
(
たに
)
を
作
(
つく
)
つてゐる模様を見て、
其所
(
そこ
)
にしばらく肉の
力
(
ちから
)
の快感を認めたが、やがて、画帖を
開
(
あ
)
けた儘、
眼
(
め
)
を
放
(
はな
)
して
耳
(
みゝ
)
を
立
(
た
)
てた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
火
(
ひ
)
の
氣
(
け
)
を
考
(
かんが
)
へ、
考
(
かんが
)
へつゝ、
雨戸
(
あまど
)
を
繰
(
く
)
つて、
衝
(
つ
)
と
裏窓
(
うらまど
)
をあけると、
裏手
(
うらて
)
の
某邸
(
ぼうてい
)
の
廣
(
ひろ
)
い
地尻
(
ぢじり
)
から、ドス
黒
(
ぐろ
)
いけむりが
渦
(
うづ
)
を
卷
(
ま
)
いて、もう/\と
立
(
た
)
ちのぼる。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
傘
(
かさ
)
の色が、又代助の
頭
(
あたま
)
に飛び込んで、くる/\と
渦
(
うづ
)
を
捲
(
ま
)
いた。四つ
角
(
かど
)
に、大きい真赤な風船玉を売つてるものがあつた。電車が急に
角
(
かど
)
を
曲
(
まが
)
るとき、風船玉は
追懸
(
おつかけ
)
て
来
(
き
)
て、代助の
頭
(
あたま
)
に飛び
付
(
つ
)
いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あと、ものの
一町
(
いつちやう
)
ばかりは、
眞白
(
まつしろ
)
な
一條
(
いちでう
)
の
路
(
みち
)
が
開
(
ひら
)
けました。——
雪
(
ゆき
)
の
渦
(
うづ
)
が
十
(
と
)
ヲばかりぐる/\と
續
(
つゞ
)
いて
行
(
ゆ
)
く。……
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
もしくは詩的感興がある。尤も恐るべきは
孔
(
あな
)
の
先
(
さき
)
の
渦
(
うづ
)
である。
渦
(
うづ
)
が
出
(
で
)
ると、大変に
叱
(
しか
)
られる。与次郎の云ふ事だから、三四郎は無論
当
(
あて
)
にはしない。然し此際だから気を
付
(
つ
)
けて
烟
(
けむ
)
りの
形状
(
かたち
)
を眺めてゐた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
女中
(
ぢよちう
)
も
一荷
(
ひとに
)
背負
(
しよ
)
つてくれようとする
處
(
ところ
)
を、
其處
(
そこ
)
が
急所
(
きふしよ
)
だと
消口
(
けしぐち
)
を
取
(
と
)
つた
處
(
ところ
)
から、
再
(
ふたゝ
)
び
猛然
(
まうぜん
)
として
煤
(
すゝ
)
のやうな
煙
(
けむり
)
が
黒焦
(
くろこ
)
げに
舞上
(
まひあが
)
つた。
渦
(
うづ
)
も
大
(
おほき
)
い。
幅
(
はゞ
)
も
廣
(
ひろ
)
い。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なん
)
だか
此池
(
このいけ
)
を
仕切
(
しき
)
つた
屋根
(
やね
)
のあたりで
頻
(
しきり
)
に
礫
(
つぶて
)
を
打
(
う
)
つやうな
音
(
おと
)
がしたが、ぐる/\
渦
(
うづ
)
を
卷
(
ま
)
いちやあ
屋根
(
やね
)
の
上
(
うへ
)
を
何十
(
なんじふ
)
ともない
礫
(
つぶて
)
がひよい/\
駈
(
か
)
けて
歩行
(
ある
)
く
樣
(
やう
)
だつた。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ト
長雨
(
ながあめ
)
のあとで、
水勢
(
すゐせい
)
どう/\として、
渦
(
うづ
)
を
巻
(
まい
)
て
流
(
なが
)
れ、
蛇籠
(
じやかご
)
も
動
(
うご
)
く、とある。
備中
(
びつちう
)
馬
(
うま
)
を
立
(
た
)
てゝ
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
大犬
(
おほいぬ
)
の
勢
(
いきほひ
)
は
衰
(
おとろ
)
へません。——
勿論
(
もちろん
)
、
行
(
ゆ
)
くあとに/\
道
(
みち
)
が
開
(
ひら
)
けます。
渦
(
うづ
)
が
續
(
つゞ
)
いて
行
(
ゆ
)
く……
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
中
(
なか
)
を
縫
(
ぬ
)
ひつゝ、
渦
(
うづ
)
を
重
(
かさ
)
ねて、
燃上
(
もえあが
)
つて
居
(
ゐ
)
るのは、われらの
借家
(
しやくや
)
に
寄
(
よ
)
せつゝある
炎
(
ほのほ
)
であつた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
取
(
と
)
ると、……むら/\と
一巻
(
ひとまき
)
、
渦
(
うづ
)
を
巻
(
ま
)
くやうに
成
(
な
)
つて、
湯気
(
ゆげ
)
が、
鍋
(
なべ
)
の
中
(
なか
)
から、
朦
(
もう
)
と
立
(
た
)
つ。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
最
(
も
)
う
此
(
こ
)
の
渦
(
うづ
)
がこんなに
捲
(
ま
)
くやうに
成
(
な
)
りましては
堪
(
た
)
へられません。
此
(
こ
)
の
渦
(
うづ
)
の
湧立
(
わきた
)
つ
處
(
ところ
)
は、
其
(
そ
)
の
跡
(
あと
)
が
穴
(
あな
)
に
成
(
な
)
つて、
其處
(
そこ
)
から
雪
(
ゆき
)
の
柱
(
はしら
)
、
雪
(
ゆき
)
の
人
(
ひと
)
、
雪女
(
ゆきをんな
)
、
雪坊主
(
ゆきばうず
)
、
怪
(
あや
)
しい
形
(
かたち
)
がぼツと
立
(
た
)
ちます。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
又
(
また
)
あとより
枝一枝
(
えだひとえだ
)
、
桂
(
かつら
)
の
葉
(
は
)
の
茂
(
しげ
)
りたるが、
藍
(
あゐ
)
に
緑
(
みどり
)
を
飜
(
ひるがへ
)
し、
渦
(
うづ
)
を
捲
(
ま
)
いてぞ
流
(
なが
)
れ
來
(
く
)
る。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“渦”の意味
《名詞》
水などの流体が作る回転した流れ。
(出典:Wiktionary)
渦
常用漢字
中学
部首:⽔
12画
“渦”を含む語句
巴渦
渦巻
渦紋
旋渦
渦潮
渦流
盤渦
渦巻毛
渦中
渦卷
渦動
渦毛
大渦
大渦巻
渦環
渦福
渦捲
人渦
渦高
対流渦
...