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奥
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おく
ふりがな文庫
“
奥
(
おく
)” の例文
旧字:
奧
あちらで、それを
見
(
み
)
た
奥
(
おく
)
さまは、
女
(
おんな
)
はだれでも、
鏡
(
かがみ
)
があれば、しぜんに
自分
(
じぶん
)
の
姿
(
すがた
)
を
写
(
うつ
)
して
見
(
み
)
るのが、
本能
(
ほんのう
)
ということを
知
(
し
)
らなそうに
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、その郡の大領(郡長)の
奥
(
おく
)
さんであった。あるとき、主人の郡長のために、
麻
(
あさ
)
の布を織って、それを着物に仕立てて着せた。
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
森
(
もり
)
の
奥
(
おく
)
の
住
(
す
)
まいには、
毎日
(
まいにち
)
木枯
(
こが
)
らしが
吹
(
ふ
)
いて、
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
も
落
(
お
)
ちつくすと、やがて
深
(
ふか
)
い
雪
(
ゆき
)
が
森
(
もり
)
をも
谷
(
たに
)
をもうずめつくすようになりました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
やがて
盗賊
(
とうぞく
)
どもは、
生人形
(
いきにんぎょう
)
を
奥
(
おく
)
から
持
(
も
)
ってきましたが、
首
(
くび
)
はぬけ手足はもぎれて、さんざんな
姿
(
すがた
)
になっていました。それも
道理
(
もっとも
)
です。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
大河無門の近眼鏡の
奥
(
おく
)
に光っている大きな眼は、特異な眼ではあったが、それもふだんと変わった表情をしているとは思えなかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
ここだろうと、いい加減に見当をつけて、ご
免
(
めん
)
ご免と二返ばかり云うと、
奥
(
おく
)
から五十ぐらいな
年寄
(
としより
)
が古風な
紙燭
(
しそく
)
をつけて、出て来た。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、
奥
(
おく
)
へいって持ってきたのは、ふるい二つの
仮面
(
めん
)
である。あおい
烏天狗
(
からすてんぐ
)
の
仮面
(
めん
)
を
蛾次郎
(
がじろう
)
にわたし、白い
尊
(
みこと
)
の
仮面
(
めん
)
を竹童にわたした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
背伸
(
せの
)
びをして、三
尺
(
じゃく
)
の
戸棚
(
とだな
)
の
奥
(
おく
)
を
探
(
さぐ
)
っていた
春重
(
はるしげ
)
は、
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
から
重
(
おも
)
い
声
(
こえ
)
でこういいながら、もう一
度
(
ど
)
、ごとりと
鼠
(
ねずみ
)
のように
音
(
おと
)
を
立
(
た
)
てた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
やがて目がさめてみますと、どうやら谷間の
奥
(
おく
)
にいるようでした。あたりを見まわしても、大ワシのゴルゴの
姿
(
すがた
)
がどこにも見えません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
A
氏
(
し
)
は一
度
(
ど
)
R
国
(
こく
)
へ
行
(
ゆ
)
く
友人
(
ゆうじん
)
の
送別会席上
(
そうべつかいせきぜう
)
で
見知
(
みし
)
りになつたR
国人
(
こくじん
)
であつたので、
私
(
わたし
)
はいさゝか
心強
(
こゝろつよ
)
く
感
(
かん
)
じて、
導
(
みちび
)
かるゝまゝに
奥
(
おく
)
へ
通
(
とほ
)
つた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
町の
奥
(
おく
)
さんになって、気持のよい、楽しい
暮
(
くら
)
しをしていたのです。よそへ出かけるときには、ちゃんと、
帽子
(
ぼうし
)
をかぶって行ったものです。
アンネ・リスベット
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
青ひげは、ある日、
奥
(
おく
)
がたにむかって、これから、あるたいせつな用むきで、どうしても六
週間
(
しゅうかん
)
、いなかへ旅をしてこなければならない。
青ひげ
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
往還
(
わうくわん
)
よりすこし
引入
(
ひきい
)
りたる
路
(
みち
)
の
奥
(
おく
)
に
似
(
に
)
つかぬ
幟
(
のぼり
)
の
樹
(
た
)
てられたるを何かと問へば、
酉
(
とり
)
の
市
(
まち
)
なりといふ。
行
(
ゆ
)
きて見るに
稲荷
(
いなり
)
の
祠
(
ほこら
)
なり。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
(おっかさんねむられないよう。)と
仰
(
お
)
っしゃりまする、
須利耶
(
すりや
)
の
奥
(
おく
)
さまは立って行って
静
(
しず
)
かに頭を
撫
(
な
)
でておやりなさいました。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
此
(
こ
)
の
折
(
をり
)
から
聞
(
きこ
)
えはじめたのは
哄
(
どツ
)
といふ
山彦
(
やまひこ
)
に
伝
(
つた
)
はる
響
(
ひゞき
)
、
丁度
(
ちやうど
)
山
(
やま
)
の
奥
(
おく
)
に
風
(
かぜ
)
が
渦巻
(
うづま
)
いて
其処
(
そこ
)
から
吹起
(
ふきおこ
)
る
穴
(
あな
)
があいたやうに
感
(
かん
)
じられる。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
子どもたちがふしぎがるそのわけを、一ばんよく知っている男先生の
奥
(
おく
)
さんは、ひそかに心配して、それとなく男先生を助けようとした。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
二つも三つも掛けて
貰
(
もら
)
っていましたが、ぼくが洋装をした田舎の
小母
(
おば
)
さん然たる
奥
(
おく
)
さんに、にこにこ笑いながら掛けて貰ったレイの花は
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
やがて
行
(
ゆ
)
きついた
所
(
ところ
)
はそそり
立
(
だ
)
つ
大
(
おお
)
きな
巌
(
いわ
)
と
巌
(
いわ
)
との
間
(
あいだ
)
を
刳
(
えぐ
)
りとったような
狭
(
せま
)
い
峡路
(
はざま
)
で、その
奥
(
おく
)
が
深
(
ふか
)
い
深
(
ふか
)
い
洞窟
(
どうくつ
)
になって
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
彼は食い荒された
鰊
(
にしん
)
の背骨を
一
(
ひと
)
つ
皿
(
さら
)
に
載
(
の
)
せていたが、
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
へ通ずるドアを後ろ足で閉めながら、
突拍子
(
とっぴょうし
)
もない声でいきなり
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
心の
底
(
そこ
)
では、小父の
方
(
ほう
)
が
正
(
ただ
)
しいとわかっていた。ゴットフリートの言葉が
胸
(
むね
)
の
奥
(
おく
)
に
刻
(
きざ
)
みこまれていた。彼は
嘘
(
うそ
)
をついたのがはずかしかった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
なんとも珍妙な風態だけれど、いつものことだから、行き
交
(
か
)
う
奥
(
おく
)
女中、茶坊主、お傍御用の侍たちも、さわらぬ神に
祟
(
たた
)
りなしと、知らん顔。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「いかにもいささか会得してござる……俗称は天狗飛切りの術、武道における名称は、小太刀潜入飛燕術! これこそ
某
(
それがし
)
の
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
でござる」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
千穂子は今は一日が長くて、住み
辛
(
づら
)
かった。
姑
(
しゅうとめ
)
の
膳
(
ぜん
)
をつくって
奥
(
おく
)
へ持って行くと、姑のまつは
薄目
(
うすめ
)
を明けたまま
眠
(
ねむ
)
っていた。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
山門の所からは
杉
(
すぎ
)
森は暗いほどに
繁
(
しげ
)
り、
奥
(
おく
)
へ行くにしたがって
肌
(
はだ
)
がひやりとするような寒い風が流れるように
吹
(
ふ
)
いて来た。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
「これは水気が来ておりますから、……
綿
(
わた
)
を
含
(
ふく
)
ませたせいもあるのでございましょう。」——
奥
(
おく
)
さんは
僕
(
ぼく
)
にこういった。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
奥
(
おく
)
では
殿様
(
とのさま
)
が
手襷掛
(
たすきがけ
)
で、
汗
(
あせ
)
をダク/\
流
(
なが
)
しながら
餡拵
(
あんごしら
)
へか
何
(
なに
)
かして
居
(
ゐ
)
らつしやり、
奥様
(
おくさま
)
は鼻の先を、
真白
(
まつしろ
)
にしながら
白玉
(
しらたま
)
を丸めて
居
(
ゐ
)
るなどといふ。
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
窟
(
うろ
)
にのぞんで
焚
(
たき
)
たてしに熊はさらに
出
(
いで
)
ず、
窟
(
うろ
)
の
深
(
ふかき
)
ゆゑに
烟
(
けふり
)
の
奥
(
おく
)
に
至
(
いた
)
らざるならんと
次日
(
つぎのひ
)
は
薪
(
たきゞ
)
を
増
(
ま
)
し山も
焼
(
やけ
)
よと
焚
(
たき
)
けるに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そのあいだにも花前はすこしでも、わが
行為
(
こうい
)
の
緊張
(
きんちょう
)
をゆるめない。やがて主人は
奥
(
おく
)
に
客
(
きゃく
)
があるというので
牛舎
(
ぎゅうしゃ
)
をでた。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
大空の神のお子よ、ここから
奥
(
おく
)
へはけっしてはいってはいけませんよ。この向こうには
荒
(
あ
)
らくれた神たちがどっさりいます。今これから私が
八咫烏
(
やたがらす
)
を
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
種吉では話にならぬから素通りして路地の
奥
(
おく
)
へ行き種吉の
女房
(
にょうぼう
)
に
掛
(
か
)
け合うと、女房のお
辰
(
たつ
)
は種吉とは大分
違
(
ちが
)
って、借金取の動作に注意の目をくばった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
私が
大和
(
やまと
)
の吉野の
奥
(
おく
)
に遊んだのは、
既
(
すで
)
に二十年ほどまえ、明治の末か大正の初め
頃
(
ころ
)
のことであるが、今とは
違
(
ちが
)
って交通の不便なあの時代に、あんな山奥
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
注意をしてそれらの店の
奥
(
おく
)
に
坐
(
すわ
)
っている花屋の主人たちに目を止めた者は、一層の
愕
(
おどろ
)
きのためにその眸をもっと大きくせずにはいられなかったであろう。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
さりながら
人気
(
じんき
)
の
奴隷
(
どれい
)
となるも
畢竟
(
ひつきやう
)
は
俗物
(
ぞくぶつ
)
済度
(
さいど
)
といふ
殊勝
(
しゆしよう
)
らしき
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
があれば
強
(
あなが
)
ち
無用
(
むよう
)
と
呼
(
よ
)
ばゝるにあらず、
却
(
かへつ
)
て
之
(
こ
)
れ
中々
(
なか/\
)
の
大事
(
だいじ
)
決
(
けつ
)
して
等閑
(
なほざり
)
にしがたし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
いつか僕のいる方を向て、「ナニ、
奥
(
おく
)
さまがナ、えらい遠方へ旅に
行
(
いら
)
しッて、いつまでも帰らっしゃらないんだから、
逢
(
あい
)
に
来
(
こ
)
いッてよびによこしなすったよ」
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
「
到来
(
とうらい
)
ものやなんかが
多
(
おお
)
くって、
奥
(
おく
)
でめし上がらなかったもんで、しまっといてくさらしちゃったのさ。」
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
三日の
餅
(
もち
)
でも祝って、立派な
奥
(
おく
)
の
方
(
かた
)
になってから、公然と皆のものを
羨
(
うらやま
)
しがらせようと云う気持なのです。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
車におくれじと千三も走った、かれが医者の玄関に着いたとき、
奥
(
おく
)
ではやはり
囲碁
(
いご
)
の音が聞こえていた。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
礼に往って見ると、
奥
(
おく
)
は正月前らしく奇麗に
掃
(
は
)
かれて、
土間
(
どま
)
にはちゃんと
塩鮭
(
しおざけ
)
の二枚もつるしてある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「いやです。私はまず井戸を掘らんければなりません。でないと夏分のお客さんは水にこまるし、あのかわいそうな
奥
(
おく
)
さんと子ども衆もいなくなってしまいますからね」
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
道子
(
みちこ
)
は
廊下
(
らうか
)
の
突当
(
つきあた
)
りに
襖
(
ふすま
)
のあけたまゝになつた
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
へ、
客
(
きやく
)
と
共
(
とも
)
に
入
(
はい
)
ると、
枕
(
まくら
)
二
(
ふた
)
ツ
並
(
なら
)
べた
夜具
(
やぐ
)
が
敷
(
し
)
いてあつて、
窓
(
まど
)
に
沿
(
そ
)
ふ
壁際
(
かべぎは
)
に
小形
(
こがた
)
の
化粧鏡
(
けしやうかゞみ
)
とランプ
形
(
がた
)
のスタンドや
灰皿
(
はひざら
)
。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
おとめはもとよりこの武士がわかいけれども勇気があって強くってたびたびの戦いで
功名
(
こうみょう
)
てがらをしたのをしたってどうかその
奥
(
おく
)
さんになりたいと思っていたのですから
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
大衆はのっけに打ってかかってもいいようなものの、昭青年の意気込みには、鯉魚と答える一筋の
奥
(
おく
)
に、男が女一人を全面的に
庇
(
かば
)
って立った
死物狂
(
しにものぐる
)
いの力が
籠
(
こも
)
っています。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
例
(
れい
)
の通り
奥
(
おく
)
の
一間
(
ひとま
)
にて先生及び夫人と
鼎坐
(
ていざ
)
し、
寒暄
(
かんけん
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
了
(
おわ
)
りて先生先ず口を開き、この
間
(
あいだ
)
、十六歳の時
咸臨丸
(
かんりんまる
)
にて
御供
(
おとも
)
したる人
来
(
きた
)
りて夕方まで
咄
(
はな
)
しましたと、夫人に
向
(
むか
)
われ
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
やがて、わたしがその林のしげみをわけてずんずん
奥
(
おく
)
へはいって行くと、そこからほど近い林のあいだのあき地で、
百姓
(
ひゃくしょう
)
がたったひとりで
畑
(
はたけ
)
を起している音が聞えてきました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
三人が
息
(
いき
)
をころしてドアを見つめていると、
奥
(
おく
)
の
部屋
(
へや
)
から、ひょいとトーマスが頭をだし
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
既
(
すで
)
に他の波斯兵の掠奪にあった後であることは、一見して明らかである。古い
埃
(
ほこり
)
のにおいが冷たく鼻を
襲
(
おそ
)
う。
闇
(
やみ
)
の
奥
(
おく
)
から、大きな鷹頭神の立像が、
硬
(
かた
)
い表情でこちらを
覗
(
のぞ
)
いている。
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
これほどに思っている自分親子をも胸の
奥
(
おく
)
の奥では
袖
(
そで
)
にしている源三のその心強さが
怨
(
うら
)
めしくもあり、また自分が源三に
隔
(
へだ
)
てがましく思われているのが悲しくもありするところから
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
私は
床
(
とこ
)
の上に
起直
(
おきなお
)
って見ていると、またポッと出て、
矢張
(
やっぱり
)
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
の方へフーと行く、すると間もなくして、また出て来て消えるのだが、そのぼんやりとした
楕円形
(
だえんけい
)
のものを見つめると
子供の霊
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
あとの試合には
頓着
(
とんちゃく
)
なく、机竜之助は、いったん控えの宿へ引取って着物を着換え、
夕餉
(
ゆうげ
)
を済ましてから、また宿を出て雲深き杉の木立を分けて
奥
(
おく
)
の
宮道
(
みやみち
)
の方へブラリと出かけました。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
母は
家庭向
(
かていむ
)
きの
奥
(
おく
)
さんという
性
(
たち
)
の人で、
家
(
うち
)
の中の用事にかかりっきりだった。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
奥
常用漢字
中学
部首:⼤
12画
“奥”を含む語句
奥様
奥州
奥方
奥所
陸奥
蘊奥
奥深
奥州路
奥許
奥処
奥床
奥羽
奥義
陸奥守
秘奥
奥向
深奥
奥殿
陸奥国
奥庭
...