“奥向”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おくむき77.8%
おくむ22.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奥向おくむきの女性たちにも、稽古事や、掃除や、また、籠城攻戦の場合の習練などもさせて、起きるから寝るまで、暇のない生活規律を立てさせた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ここら辺にはお邸も多い。若い女子も沢山いる。お邸方の奥向おくむきへ参って若い姫達のお目にかけたら喜んで飛び付いて参ろうぞ」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
國「本当にまアあきれますよ、夜夜中よるよなか奥向おくむきの庭口へ這入はいり込んで済みますかえ」
また長崎から取り寄せた伽羅きゃらで櫛をかせ、そのみねに銀の覆輪ふくりんをかけて「源内櫛げんないぐし」という名で売出したのが大当りに当って、かみは田沼様の奥向おくむきからしもは水茶屋の女にいたるまで、これでなければ櫛でないというべら棒な流行はやりかた。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
聞けばこの母親娘がある屋敷やしき奥向おくむき奉公中ほうこうちう臨時りんじ頂戴物てうだいものもある事なればと不用分ふようぶんの給料を送りくれたる味の忘られず父親のお人よしなるに附込つけこみて飽迄あくまで不法ふはふちんじたるものゝよしそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
「藩士ではありませぬ。奥向おくむきに仕えておる女子おなごでござる」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「見し夜の夢」の作者である妙覚尼と云う尼がどう云う素性すじょうの人間で、どう云う時にくの如きものを書いたのかくわしいことは知るよしもないが、前後の文意から察すると、此の婦人は武州公ぶしゅうこう奥向おくむきに勤めていた侍女であったことは明かである。
役所へ曳いて参るまでは、至って神妙でござりましたが、取調べにかかると、頑として、姓名も生国しょうごくもいわず、ただ当所の奉行ぶぎょう森殿に会えば申そう。怪しい者ではない。御城内の奥向おくむきには、自分の縁故ある婦人も、清洲きよす御在城の頃から長く勤めておる。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)