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飛
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とび
ふりがな文庫
“
飛
(
とび
)” の例文
懸賞百兩と
聞
(
きい
)
て其日から河にどぶん/\
飛
(
とび
)
込む者が日に
幾十人
(
なんじふにん
)
さながらの
水泳場
(
すゐえいぢやう
)
を
現出
(
げんしゆつ
)
したが
何人
(
だれ
)
も百兩にあり
着
(
つ
)
くものは
無
(
なか
)
つた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
北をさすを、北から吹く、逆らう風はものともせねど、海洋の
濤
(
なみ
)
のみだれに、雨一しきり、どっと降れば、
上下
(
うえした
)
に
飛
(
とび
)
かわり、
翔交
(
かけまじ
)
って
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
前岸
(
むこうぎし
)
はもとのままの湖の縁で
飛
(
とび
)
とびに生えた
白楊
(
はこやなぎ
)
が黒く立っていて、その白楊の下の暗い処からそこここに燈の光が見えている。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
年頃
(
としごろ
)
愛
(
めで
)
玉ひたる梅にさへ別れををしみたまひて「
東風
(
こち
)
吹
(
ふか
)
ば匂ひをこせよ梅の花
主
(
あるじ
)
なしとて春な
忘
(
わすれ
)
ぞ」此梅つくしへ
飛
(
とび
)
たる事は
挙世
(
よのひと
)
の知る処なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
主人
(
あるじ
)
の留守に
断
(
ことはり
)
なしの外出、これを
咎
(
とが
)
められるとも申訳の詞は有るまじ、少し時刻は遅れたれど車ならばつひ一ト
飛
(
とび
)
、話しは重ねて聞きに行かう
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
孝「困りますな、みす/\鼻の先へ
敵
(
かたき
)
が出れば仕方がございませんから、立派な侍でも
何
(
なん
)
でもかまいません、
飛
(
とび
)
ついて
喉笛
(
のどぶえ
)
でも喰い取ってやります」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼は、ギャッという様な、不思議な叫び声を発しながら、歯をむき出して、本物のゴリラそっくりの恐ろしい相好になって、係長に
飛
(
とび
)
かかって来た。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ヒラリと身を翻すと、屏風岩から一足
飛
(
とび
)
に降りて、あっと言う間もなく、小僧の影は
杣道
(
そまみち
)
に消えました。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は何かしゃべっているうちに、少年が少しでも油断して隙を見せたら、
飛
(
とび
)
かかってピストルを奪い取ろうという考えなのです。しかし、少年はその手には乗りません。
計略二重戦:少年密偵
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
添
(
そへ
)
て此方へ
送
(
おく
)
られ
拙者迄
(
せつしやまで
)
に
落度
(
おちど
)
をさせ
重々
(
ぢう/\
)
の
不調法
(
ぶてうはふ
)
斯樣
(
かやう
)
の
不埓
(
ふらち
)
にて御役が
勤
(
つと
)
まるべきや
不屆
(
ふとゞ
)
き
至極
(
しごく
)
なり
揚屋
(
あがりや
)
入
(
いり
)
申付ると
有
(
あ
)
りしかば同心
飛
(
とび
)
かゝり
粂之進
(
くめのしん
)
の
肩衣
(
かたぎぬ
)
を
刎
(
はね
)
たちまち
繩
(
なは
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
鉄の牢屋へ這入ってから、雲雀の国から蛙の国から、この口を利かない人間の国まで来る間、なんにもたべなかったおシャベリ姫は、もう今にも
飛
(
とび
)
ついて飲みたい位に思いました。
オシャベリ姫
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
かぐつちみどり
(著)
『
飛
(
とび
)
つチョ』とは
蝗
(
いなご
)
のことで、土工夫仲間では脱走の事をさう呼んでゐる、この蝗のやうにみごとに部屋を跳躍してしまつた、さうした出来事は山間の一飯場の出来事として、それを秘密にするとか
小熊秀雄全集-15:小説
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
燕
(
つばくろ
)
は
反橋
(
そりはし
)
なりに
飛
(
とび
)
にけり 助叟
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
我は
飛
(
とび
)
来
(
き
)
ぬ
他化自在天宮
(
たけじざいてんぐう
)
に
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
飛
(
とび
)
の魚すべりて
安
(
やす
)
し。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
年頃
(
としごろ
)
愛
(
めで
)
玉ひたる梅にさへ別れををしみたまひて「
東風
(
こち
)
吹
(
ふか
)
ば匂ひをこせよ梅の花
主
(
あるじ
)
なしとて春な
忘
(
わすれ
)
ぞ」此梅つくしへ
飛
(
とび
)
たる事は
挙世
(
よのひと
)
の知る処なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
本流から
岐
(
わか
)
れた
一条
(
ひとすじ
)
の流れが
斜
(
ななめ
)
に来て
磧
(
かわら
)
の
裾
(
すそ
)
で岸の
竹藪
(
たけやぶ
)
に迫っていたが、そこには二三
艘
(
そう
)
の小舟が
飛
(
とび
)
とびに
繋
(
つな
)
いであった。四人はその小舟の方へ往った。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
言
(
い
)
ふうちに、
飛
(
とび
)
かゝつて、
三疋四疋
(
さんびきしひき
)
、
就中
(
なかんづく
)
先頭
(
せんとう
)
に
立
(
た
)
つたのには、
停車場
(
ていしやば
)
近
(
ぢか
)
く
成
(
な
)
ると、
五疋
(
ごひき
)
ばかり、
前後
(
ぜんご
)
から
飛
(
と
)
びかゝつた。
叱
(
しつ
)
、
叱
(
しつ
)
、
叱
(
しつ
)
!
畜生
(
ちくしやう
)
、
畜生
(
ちくしやう
)
、
畜生
(
ちくしやう
)
。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
要
(
えう
)
なき
胸
(
むね
)
は
痛
(
いた
)
めけん、
愚
(
おろ
)
かしさよと
一人
(
ひとり
)
笑
(
ゑ
)
みして、
竹椽
(
ちくえん
)
のはしに
足
(
あし
)
を
休
(
やす
)
めぬ、
晩風
(
ばんぷう
)
凉
(
すゞ
)
しく
袂
(
たもと
)
に
通
(
かよ
)
ひて、
空
(
そら
)
に
飛
(
とび
)
かふ
蝙蝠
(
かはほり
)
のかげ二つ三つ、
夫
(
それ
)
すら
漸
(
やうや
)
く
見
(
み
)
えず
成
(
なり
)
ゆく
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
音「能く掃除仕やすねえ、墓の間の草ア取って、
跨
(
まて
)
えで向うへ出ようとする時にゃアよく
向脛
(
むこうずね
)
を
打
(
ぶ
)
ッつけ、
飛
(
とび
)
っ
返
(
けえ
)
るように
痛
(
いて
)
えもんだが、
若
(
わけ
)
えに能く掃除しなさるのう」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
押伏
(
おしふせ
)
忽ち高手小手に
縛
(
くゝ
)
し上れば富右衞門は
魂
(
たまし
)
ひ天外に
飛
(
とび
)
茫然
(
ばうぜん
)
として
惘
(
あき
)
れしが是は
抑
(
そも
)
何科
(
なにとが
)
有て此
繩目
(
なはめ
)
私し身に取て
聊
(
いさゝ
)
かも御
召捕
(
めしとり
)
になるべき
覺
(
おぼ
)
え無しと云せも果ず役人は富右衞門を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
相手が
飛
(
とび
)
道具を持っていて、しかもそれが単なるおどかしでないことが分っていたものだから、私達は犯人を追跡するどころか、私も書生も婆やも、青くなってその部屋を逃げ出し
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
光
(
ひかり
)
白駒
(
しろこま
)
、
飛
(
とび
)
ぐるま
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そのあたりに
飛
(
とび
)
とびに
据
(
す
)
えたベンチには、腰をかけている人の細ぼそと話す声もしていた。中には
蛍火
(
ほたるび
)
のような煙草の火で鼻の
端
(
さき
)
を赤く見せている者もあった。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
運八の方では、まだそうでもない、隙を見て
飛
(
とび
)
ついて、一鏨、——そこへ掛けては
手錬
(
てだれ
)
だから——一息に銘を入れはしまいかと、袴の膝に、
拳
(
こぶし
)
を握って
睨
(
にら
)
んでいる。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此村に
潟
(
かた
)
あるゆゑ、水鳥
潟
(
かた
)
を
慕
(
した
)
ひてきたり、山の
凹
(
くぼみ
)
を
飛
(
とび
)
きたり、かならず天の網にかゝる。大抵は
𪃈
(
あぢ
)
といふ
鴨
(
かも
)
に
似
(
に
)
たる鳥也、
美味
(
びみ
)
なるゆゑ赤塚の
冬至鳥
(
とうじとり
)
とて
遠
(
とほ
)
く
称美
(
しようび
)
す。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
あんたさまは何とハア御運の
悪
(
わり
)
いお方だかえ、
併
(
しか
)
し今に勇助どんが
帰
(
けえ
)
って来たら
飛
(
とび
)
ッ
返
(
けえ
)
るように悦びましょう、
私
(
わし
)
も附いて居やすから
御心配
(
ごしんぱえ
)
なさらねえでいらっしゃいましよ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
合點
(
がてん
)
が
行
(
い
)
つたら
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
歸
(
かへ
)
れ、
主人
(
あるじ
)
の
留守
(
るす
)
に
斷
(
ことはり
)
なしの
外出
(
ぐわいしゆつ
)
、これを
咎
(
とが
)
められるとも
申譯
(
まをしわけ
)
の
詞
(
ことば
)
は
有
(
あ
)
るまじ、
少
(
すこ
)
し
時刻
(
じこく
)
は
遲
(
おく
)
れたれど
車
(
くるま
)
ならば
遂
(
つ
)
ひ一ト
飛
(
とび
)
、
話
(
はな
)
しは
重
(
かさ
)
ねて
聞
(
き
)
きに
行
(
ゆ
)
かう
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
も云ず忽ち一人の盜賊の
腕首
(
うでくび
)
掴
(
つか
)
んで瀬戸川へ
眞逆
(
まつさかさ
)
まに投込ば
生死
(
しやうし
)
は知れず成にけり後に殘りし惡漢
共
(
ども
)
我等が仕事の
邪魔
(
じやま
)
爲
(
す
)
るなと兩人
等
(
ひと
)
しく
飛
(
とび
)
掛るを彼男は
引捕
(
ひつとら
)
へ汝等は往來に
網
(
あみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れかゝると
彼方
(
あつち
)
に
一
(
ひと
)
ならび、
此方
(
こつち
)
に
一
(
ひと
)
ならび
縦横
(
じうわう
)
になつて、
梅
(
うめ
)
の
樹
(
き
)
が
飛
(
とび
)
々に
暗
(
くら
)
くなる。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
二人は笑いながら
伴
(
つ
)
れだって
仁王門
(
におうもん
)
から出て、区役所のほうへ折れて往き、その傍にある小さなバーへ入った。六箇ばかり
据
(
す
)
えた
食卓
(
テーブル
)
に十人ばかりの客が
飛
(
とび
)
とびに向っていた。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
赤裸
(
あかはだか
)
になりて水に
飛
(
とび
)
入りつゞをはづし、
鮏
(
さけ
)
あればつゞのまゝ舟に入れさけをいだす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
容貌
(
きりよう
)
のわるい
妻
(
つま
)
を
持
(
も
)
つぐらゐ
我慢
(
がまん
)
もなる
筈
(
はづ
)
、
水呑
(
みづの
)
みの
小作
(
こさく
)
が
子
(
こ
)
として一
足
(
そく
)
飛
(
とび
)
のお
大盡
(
だいじん
)
なればと、やがては
實家
(
じつか
)
をさへ
洗
(
あえあ
)
はれて、
人
(
ひと
)
の
口
(
くち
)
さがなし
伯父
(
そぢ
)
伯母
(
おば
)
一つになつて
嘲
(
あざけ
)
るやうな
口調
(
くてう
)
を
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いきなり
飛
(
とび
)
かゝって、娘の上に乗し掛っている奴の
褌
(
ふんどし
)
の結び目と
領首
(
えりくび
)
を
取捕
(
とッつか
)
まえて
後
(
うしろ
)
の方へ
投
(
なげ
)
ると、松の
樹
(
き
)
へ
打附
(
ぶッつ
)
けられ、
脊筋
(
せすじ
)
が痛いからくの字なりになって尻餅を
搗
(
つ
)
き、腰を
撫
(
さす
)
って居りまする。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(再び
太刀
(
たち
)
を抜き、片手に幣を振り、
飛
(
とび
)
より、
煽
(
あお
)
りかかる人々を激しくなぎ払い打ち払う
間
(
あいだ
)
、やがて惑乱し次第に
昏迷
(
こんめい
)
して——ほうほう。——思わず
袂
(
たもと
)
をふるい、腰を
刎
(
は
)
ねて)
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
例
(
いつも
)
は
威勢
(
いせい
)
よき
黒
(
くろ
)
ぬり
車
(
くるま
)
の、それ
門
(
かど
)
に
音
(
おと
)
が
止
(
と
)
まつた
娘
(
むすめ
)
ではないかと
兩親
(
ふたおや
)
に
出迎
(
でむか
)
はれつる
物
(
もの
)
を、
今宵
(
こよひ
)
は
辻
(
つぢ
)
より
飛
(
とび
)
のりの
車
(
くるま
)
さへ
歸
(
かへ
)
して
悄然
(
しよんぼり
)
と
格子戸
(
かうしど
)
の
外
(
そと
)
に
立
(
た
)
てば、
家内
(
うち
)
には
父親
(
ちゝはゝ
)
が
相
(
あひ
)
かはらずの
高聲
(
たかごゑ
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ばったではないが、
飛
(
とび
)
っかえるほどに思い
候
(
そうろう
)
と書け
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(
何
(
あに
)
お
前様
(
めえさま
)
、学校で体操するだ。おたま
杓子
(
じゃくし
)
で球をすくって、ひるてんの
飛
(
とび
)
っこをすればちゅッて、手毬なんか突きっこねえ、)と、先生様の前だけんど、
私
(
わし
)
一ツ威張ったよ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
例
(
いつも
)
は威勢よき黒ぬり車の、それ
門
(
かど
)
に音が止まつた娘ではないかと
両親
(
ふたおや
)
に出迎はれつる物を、
今宵
(
こよひ
)
は
辻
(
つぢ
)
より
飛
(
とび
)
のりの車さへ帰して
悄然
(
しよんぼり
)
と
格子戸
(
かうしど
)
の外に立てば、
家内
(
うち
)
には父親が相かはらずの高声
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
住職も非常に困って
檀家
(
だんか
)
を
狩集
(
かりあつ
)
めて
見張
(
みはる
)
となると、見ている前で、障子がめらめらと、燃える、ひゃあ、と
飛
(
とび
)
ついて消す間に、
梁
(
うつばり
)
へ炎が絡む、ソレ、と云う内羽目板から火を
吐出
(
ふきだ
)
す
一寸怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三五
郎
(
らう
)
は
居
(
ゐ
)
るか、
一寸
(
ちよつと
)
來
(
きて
)
くれ
大急
(
おほいそ
)
ぎだと、
文次
(
ぶんじ
)
といふ
元結
(
もとゆひ
)
よりの
呼
(
よぶ
)
に、
何
(
なん
)
の
用意
(
ようい
)
もなくおいしよ、よし
來
(
きた
)
と
身
(
み
)
がるに
敷居
(
しきゐ
)
を
飛
(
とび
)
こゆる
時
(
とき
)
、
此
(
この
)
二タ
股
(
また
)
野郎
(
やらう
)
覺悟
(
かくご
)
をしろ、
横町
(
よこてう
)
の
面
(
つら
)
よごしめ
唯
(
たゞ
)
は
置
(
お
)
かぬ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しばらくして、どつと
下
(
おろ
)
いて、少年に
飛
(
とび
)
かゝつて、顔の皮を
毮
(
むし
)
りくらはんとする
処
(
ところ
)
を、一生懸命
脇差
(
わきざし
)
でめくら
突
(
づ
)
きにして助かつた。人に
介抱
(
かいほう
)
されて、
後
(
のち
)
に、所を聞くと、此の方は近かつた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
磯
(
いそ
)
を横ッ
飛
(
とび
)
の時は、その
草鞋
(
わらじ
)
を脱いだばかりであったが、やがて
脚絆
(
きゃはん
)
を取って、膝まで入って、静かに立っていたと思うと、
引返
(
ひきかえ
)
して
袴
(
はかま
)
を脱いで、今度は
衣類
(
きもの
)
をまくって腰までつかって、二
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
喚
(
わめ
)
くや否や、狼のように
人立
(
じんりつ
)
して、
引包
(
ひッつつ
)
んで
飛
(
とび
)
かかった。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何、一度味をしめると
飛
(
とび
)
ついて露も吸いかねぬ。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まげの
上
(
うへ
)
を
飛
(
とび
)
おりたか
知
(
し
)
らない。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
筆者は炬燵から
飛
(
とび
)
しさった。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
飛
常用漢字
小4
部首:⾶
9画
“飛”を含む語句
飛沫
飛行
飛鳥
飛退
一飛
飛出
飛込
一足飛
突飛
蹴飛
飛翔
飛々
早飛脚
飛魚
飛散
飛交
飛車
飛脚
飛行機
張飛
...