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尚
>
なほ
ふりがな文庫
“
尚
(
なほ
)” の例文
併
(
しか
)
し、其は我々の想像の領分の事で、
而
(
しか
)
も、歴史に見えるより新しい時代にも、
尚
(
なほ
)
村々・国々の主権者と認められた巫女が多かつた。
国文学の発生(第二稿)
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
又
御身
(
おんみ
)
の位地として相当の準備なくては
叶
(
かな
)
はず、第一病婦の始末だに、
尚
(
なほ
)
付
(
つ
)
きがたき今日の場合、
如何
(
いかん
)
ともせんやうなきを察し給へ。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
凡
(
およそ
)
雪九月末より
降
(
ふり
)
はじめて雪中に春を
迎
(
むかへ
)
、正二の月は雪
尚
(
なほ
)
深
(
ふか
)
し。三四の月に
至
(
いた
)
りて次第に
解
(
とけ
)
、五月にいたりて雪全く
消
(
きえ
)
て
夏道
(
なつみち
)
となる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「お父さんはもうあんなに遠くまでお出でになりましたよ。あそこに。」と、おくみは家の門口で
尚
(
なほ
)
しばらくあちらを見送つてゐた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
平次は
尚
(
なほ
)
も家の中を搜しましたが、やがて、奧の一と間の床下に、嚴重な
蒸籠
(
せいろう
)
を組んで、其處に千兩箱が三つあることを發見しました。
銭形平次捕物控:302 三軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
こそならべて
見
(
み
)
たしと
我
(
われ
)
すら
思
(
おも
)
ふに
御自身
(
ごじしん
)
は
尚
(
なほ
)
なるべし
及
(
およ
)
ぶまじきこと
打出
(
うちだ
)
して
年頃
(
としごろ
)
の
中
(
なか
)
うとくもならば
何
(
なに
)
とせん
夫
(
それ
)
こそは
悲
(
かな
)
しかるべきを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ですけれど、あの、お
手
(
て
)
で
招
(
まね
)
かれたら、
懐中
(
ふところ
)
へなら
尚
(
なほ
)
の
事
(
こと
)
だし、
冥土
(
めいど
)
へでも、
何処
(
どこ
)
へでも
行
(
ゆ
)
きかねやしますまい……と
真個
(
ほんとう
)
に
思
(
おも
)
ひました。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
モン長 なう、
情
(
なさけ
)
なや、
我君
(
わがきみ
)
!
我子
(
わがこ
)
の
追放
(
つゐはう
)
を
歎悲
(
なげき
)
の
餘
(
あま
)
りに
衰
(
おとろ
)
へて、
妻
(
つま
)
は
昨夜
(
やぜん
)
相果
(
あひはて
)
ました。
尚
(
なほ
)
此上
(
このうへ
)
にも
老人
(
らうじん
)
をさいなむは
如何
(
いか
)
なる
不幸
(
ふかう
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
詮ずるところ人間主義の小説界に入りしは、十九世紀に於ける特相といふも
誣言
(
ふげん
)
にあらじ。
尚
(
なほ
)
いと
穉
(
をさな
)
きほどの顯象なり云々。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
要するに
廢
(
すた
)
れて放擲られた都會の生活の
糟
(
かす
)
と
殘骸
(
ざんがい
)
………雨と風とに
腐蝕
(
ふしよく
)
した
屑
(
くづ
)
と切ツぱしとが、
尚
(
なほ
)
しも
淋
(
さび
)
しい
小汚
(
こぎた
)
ない
影
(
かげ
)
となツて
散亂
(
ちらば
)
ツてゐる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
尚
(
なほ
)
又
(
また
)
一
方
(
ぱう
)
から
考
(
かんが
)
へると、
投機思惑
(
とうきおもわく
)
が
圓貨
(
ゑんくわ
)
に
向
(
むか
)
つて
行
(
おこな
)
はるれば、それだけ
爲替相場
(
かはせさうば
)
が
急激
(
きふげき
)
に
上
(
あが
)
ると
云
(
い
)
ふことは
當然
(
たうぜん
)
の
義
(
ぎ
)
であり、
急激
(
きふげき
)
に
上
(
あが
)
る
場合
(
ばあひ
)
には
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
我見るに、今より後程なく來る一の時あり、この時到らば
他
(
ほか
)
のカルロは己と己が
族
(
やから
)
の事を
尚
(
なほ
)
よく人に知らせんとてフランスを出づべし 七〇—七二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
朕
黎元
(
れいぐわん
)
を
撫育
(
むいく
)
する
事
(
こと
)
梢
(
やや
)
に
年歳
(
とし
)
を経たり。
風化
(
ふうくわ
)
尚
(
なほ
)
壅
(
よう
)
して、
囹圄
(
れいご
)
未
(
いま
)
だ
空
(
むな
)
しからず。
通旦
(
よもすがら
)
寝
(
しん
)
を忘れて
憂労
(
いうらう
)
茲
(
ここ
)
に
在
(
あ
)
り。
頃者
(
このごろ
)
天
(
てん
)
頻
(
しきり
)
に
異
(
い
)
を
見
(
あら
)
はし、地
数
(
しばしば
)
震動す。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
止
(
とゞ
)
め此處にても
尚
(
なほ
)
種々
(
いろ/\
)
に療治せしかば友次郎の
病
(
やまひ
)
は全く
快
(
こゝろ
)
よくなりければ夫よりは忠八と
諸倶
(
もろとも
)
所々
(
しよ/\
)
方々
(
はう/″\
)
を
廻
(
めぐ
)
り敵の
行方
(
ゆくへ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
才人の官、
晉
(
しん
)
の武帝に
創
(
はじま
)
り、宋時に至つて
尚
(
なほ
)
之を沿用す。然れども才子を才人と称しても差支へなきは勿論なり。辞源にも「有才之人曰才人。
猶言才子
(
なほさいしといふ
)
」
念仁波念遠入礼帖
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あたし何だか氣味が惡くなつて來て、「だつて、これは姐さんのでせう。」つて、
懷
(
ふところ
)
から紙入を出して見せたの。すると姐さんは
尚
(
なほ
)
と恐い顏になつてよ。
梅龍の話
(旧字旧仮名)
/
小山内薫
(著)
それかといつて、
貴方
(
あなた
)
のやうなお母さんの秘蔵息子を
瞞
(
だま
)
せば
尚
(
なほ
)
罪が深いでせう。先のある人を、学校でもしくじらせてごらんなさい、それこそ大変だわ。
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
尚
(
なほ
)
其前
(
そのまへ
)
に
溯
(
さかのぼ
)
つて
申
(
まうし
)
ますると、
太閤殿下
(
たいかふでんか
)
の
御前
(
ごぜん
)
にて、
安楽庵策伝
(
あんらくあんさくでん
)
といふ人が、小さい
桑
(
くは
)
の
見台
(
けんだい
)
の上に、
宇治拾遺物語
(
うじしふゐものがたり
)
やうなものを
載
(
の
)
せて、お話を
仕
(
し
)
たといふ。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
尚
(
なほ
)
化物
(
ばけもの
)
に一の
必要條件
(
ひつえうぜうけん
)
は、
文化
(
ぶんくわ
)
の
程度
(
ていど
)
と
非常
(
ひぜう
)
に
密接
(
みつせつ
)
の
關係
(
くわんけい
)
を
有
(
いう
)
する
事
(
こと
)
である。
化物
(
ばけもの
)
を
想像
(
さうざう
)
する
事
(
こと
)
は
理
(
り
)
にあらずして
情
(
ぜう
)
である。
理
(
り
)
に
走
(
はし
)
ると
化物
(
ばけもの
)
は
發達
(
はつたつ
)
しない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
彼はこの色を売るの
一匹婦
(
いつひつぷ
)
も、知らず
誰
(
たれ
)
か
爾
(
なんぢ
)
に教へて、死に
抵
(
いた
)
るまで
尚
(
なほ
)
この
頼
(
よ
)
り
難
(
がた
)
き義に
頼
(
よ
)
り、守り
難
(
かた
)
き節を守りて、
終
(
つひ
)
に奪はれざる者あるに泣けるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
尚
(
なほ
)
去
(
さ
)
らざる
時
(
とき
)
は
全身
(
ぜんしん
)
に
冷水
(
れいすゐ
)
を
灌
(
そゝ
)
ぎて
其
(
その
)
痛
(
いたみ
)
全
(
まつた
)
く
去
(
さ
)
りし
故
(
ゆゑ
)
に、
其後
(
そのご
)
頭痛
(
づつう
)
の
起
(
おこ
)
る
毎
(
ごと
)
に
全身
(
ぜんしん
)
冷水灌漑
(
れいすゐくわんがい
)
を
行
(
おこな
)
ひしが、
遂
(
つひ
)
に
習慣
(
しふくわん
)
となり、
寒中
(
かんちゆう
)
にも
冷水灌漑
(
れいすゐくわんがい
)
に
耐
(
た
)
ゆるを
得
(
え
)
たり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
それを
謂
(
い
)
ふのである。
尚
(
なほ
)
今雑誌を調べて見ると改造に出した歌をアララギでは少しづつ直してゐる。
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
斯
(
かく
)
なして
尚
(
なほ
)
貧民等は市街を横行なせる事は日を追つて
熾
(
さかん
)
なりしが、其頃品川宿に於て
施行
(
せぎよう
)
を出すを
左右
(
かにかく
)
と拒みたる者ありとて忽ち其家を
打毀
(
うちこは
)
せしより人気いよいよ
荒立
(
あらだつ
)
て
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
鬼怒川
(
きぬがは
)
の
土手
(
どて
)
に
繁茂
(
はんも
)
した
篠
(
しの
)
の
根
(
ね
)
に
纏
(
まつ
)
はつて
居
(
ゐ
)
る
短
(
みじか
)
い
鴨跖草
(
つゆぐさ
)
も
葉
(
は
)
から
莖
(
くき
)
から
泥
(
どろ
)
に
塗
(
まみ
)
れて
居
(
ゐ
)
ながら
尚
(
なほ
)
生命
(
せいめい
)
を
保
(
たも
)
ちつゝ
日毎
(
ひごと
)
に
憐
(
あは
)
れげな
花
(
はな
)
をつけた。
蛼
(
こほろぎ
)
が
滅入
(
めい
)
る
樣
(
やう
)
に
其
(
そ
)
の
蔭
(
かげ
)
に
鳴
(
な
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
大きにさうかも知れない。然しこの間違つた、滑稽な、
鵺
(
ぬえ
)
のやうな、
故意
(
こい
)
になした奇妙の形式は、
寧
(
む
)
しろ
言現
(
いひあらは
)
された叙事よりも、内容の思想を
尚
(
なほ
)
能く窺ひ知らしめるのである。
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
何となれば其の作中に現れたる理想は馬琴、京伝の描きたる理想、言ひ換ふれば多くは過去の理想を再現したるに過ぎざれば也、(弦斎の作には
尚
(
なほ
)
読者を
惹
(
ひ
)
く他の一面あれど)
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
格闘は
尚
(
なほ
)
続いた。組み合ひながら、座敷中をのたくつてゐる恐ろしい物音が絶えなかつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
そこで
内心
(
ないしん
)
非常
(
ひじやう
)
に
驚
(
おどろ
)
いたけれど
尚
(
なほ
)
も石を
老叟
(
らうそう
)
に
渡
(
わた
)
すことは
惜
(
をし
)
いので
色々
(
いろ/\
)
と
言
(
い
)
ひ
爭
(
あらそ
)
ふた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
水が
涸
(
か
)
れて細く——その細い溝の一部分を
尚
(
なほ
)
細く流れて男帯よりももつと細く、水はちよろちよろ
喘
(
あへ
)
ぎ喘ぎ通うてゐた。じめじめとした場所を、一面に空色の花の月草が生え茂つて居た。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
天は不幸なるこの重右衛門にこの
纔
(
わづ
)
かなる
恩恵
(
めぐみ
)
をすら惜んで与へなかつたので、尋常よりも
尚
(
なほ
)
数等愚劣なるかれの妻は、この危機に際して、あらう事か、
不貞腐
(
ふてくされ
)
にも、夫の留守を幸ひに
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
といひながらも、そこらにもしや魚が来て居るかと
尚
(
なほ
)
一
際
(
きわ
)
湖水の面へ顔をさし出して、
頻
(
しき
)
りに
眺
(
なが
)
めて居り升たが、見える物とては自分の小さなポツチヤリした丸顔の、水に映る
処
(
ところ
)
計
(
ばか
)
りでした。
鼻で鱒を釣つた話(実事)
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
尚
(
なほ
)
能く聞くと、北の廊下の雨戸でも明けて、
屋外
(
そと
)
を
眺
(
なが
)
めて居るものらしい。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
又其唇を開けり「君等には篠田主筆の心が知れないか、先生が……先生が貧苦を忍び、侮辱を忍び、迫害を忍び、
年歯
(
ねんし
)
三十、
尚
(
なほ
)
独身生活を
守
(
まもつ
)
て社会主義を唱導せらるゝ血と涙とが見えないか——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
深井の二君は
精密
(
せいみつ
)
なる地図を
製
(
せい
)
せられたり、利根河上流の
模様
(
もやう
)
は将来
頗
(
すこぶ
)
る改正を
要
(
えう
)
するなり、上越国界に
至
(
いた
)
りても同じく改正を要すれども、
尚
(
なほ
)
精確
(
せいかく
)
を得んには向後尚一国上越及岩代の三ヶ国より
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
尚
(
なほ
)
堪へ難く思はれることは町で金魚を見ねばならぬことであつた。
哀しき父
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
此には、一つ前の民謡の型として、
尚
(
なほ
)
勢力を持ち続けて居た
結集
(
ケツジフ
)
唱歌出身の
旋頭歌
(
セドウカ
)
の口拍子が、さうした第三句游離の形と発想とを誘うたのである。
短歌本質成立の時代:万葉集以後の歌風の見わたし
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
御月番の御老中へ
宛
(
あて
)
急飛
(
きふひ
)
を差立らる
爰
(
こゝ
)
に又天一坊の
旅館
(
りよくわん
)
には山内伊賀亮常樂院赤川大膳藤井左京等
尚
(
なほ
)
も
密談
(
みつだん
)
に及び大坂は
餘程
(
よほど
)
に
富
(
とむ
)
地
(
ち
)
なり此處にて
用金
(
ようきん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ヂュリ さうしてゐて
欲
(
ほ
)
しいから、わたしゃ
尚
(
なほ
)
と
忘
(
わす
)
れませう。一しょにゐたい、といふ
事
(
こと
)
ばかりは
忘
(
わす
)
れずに。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
彼等はその無分別を
慙
(
は
)
ぢたりとよりは、この
死失
(
しにぞこな
)
ひし見苦しさを、天にも地にも
曝
(
さら
)
しかねて、
俯
(
ふ
)
しも仰ぎも得ざる
項
(
うなじ
)
を
竦
(
すく
)
め、
尚
(
なほ
)
も為ん方無さの目を閉ぢたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
おくみはそれから
尚
(
なほ
)
三十分ばかり青木さんの方のいろんなお話しを聞いた後、そこ/\においとまをした。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
内證
(
ないしよう
)
で
婦人
(
ふじん
)
などお
戲
(
たはむ
)
れで、それで
座敷
(
ざしき
)
へ
通
(
とほ
)
せぬのであらう。
其
(
そ
)
の
儀
(
ぎ
)
なら
尚
(
なほ
)
の
事
(
こと
)
、
斷
(
たつ
)
てとおつしやる。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
尚
(
なほ
)
又
(
また
)
財政
(
ざいせい
)
の
膨脹
(
ぼうちやう
)
は
中央政府
(
ちうあうせいふ
)
に
限
(
かぎ
)
らず、
地方
(
ちはう
)
の
公共團體
(
こうきようだんたい
)
の
財政
(
ざいせい
)
はより
以上
(
いじやう
)
に
膨脹
(
ぼうちやう
)
して
居
(
を
)
つて
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
「皇太后御入内後も薫子は特別の御優遇を賜つたが、明治十四年に
讃岐
(
さぬき
)
の丸亀において安らかに歿し、その遺蹟は今も
尚
(
なほ
)
残つてゐる」と書かれて居るが、その拠る処を
明
(
あきらか
)
にしがたい。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
尚
(
なほ
)
も追及する
刄
(
やいば
)
、それは實に火の出るやうな激しさですが、平次は
巧
(
たく
)
みに逃げて
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
弁ずるものは
曰
(
い
)
はく、詩材は必しも国民の美質に限れりとは言はず、唯〻しかするにあらざれば以て国民的性情を満足せしむる、能はざるが故のみと、されど吾人は
尚
(
なほ
)
問ふことを得べし
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
尚
(
なほ
)
も、瞳を見据ゑると——さうすると眉と眉との間が少し痛かつたが——其処には、小さな小さな一寸法師が居て、腰をかがめては
蠢動
(
しゆんどう
)
しながら、せつせとその緑色を収穫して居るのであつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
将来
尚
(
なほ
)
如何なる惨状を呈するに至るやも
測
(
はか
)
り知るべからず。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
虫干の縁先には
尚
(
なほ
)
いろ/\の面白いものがあつた。
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
今
(
いま
)
茲
(
こゝ
)
で
己
(
おれ
)
が
行
(
い
)
くと
尚
(
なほ
)
沢山
(
たんと
)
貰
(
もら
)
へる
訳
(
わけ
)
だが。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
尚
(
なほ
)
、日の御子の御職分としては、色々の聖なる行事のあつたことは考へられるが、其すべてをこめて、食国政と云ふ立場から解決してゐたのは、事実だ。
日本文学の発生:――その基礎論――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
“尚(尚(姓))”の解説
尚(しょう)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
尚
常用漢字
中学
部首:⼩
8画
“尚”を含む語句
和尚
高尚
尚更
好尚
尚々
大和尚
今尚
和尚様
兵部尚書
尚武
尚書
光尚
布袋和尚
沢庵和尚
尚古
洪川和尚
尚且
尚々書
尚少
尚質
...