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子細
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しさい
ふりがな文庫
“
子細
(
しさい
)” の例文
露子
(
つゆこ
)
の
家
(
うち
)
は
貧
(
まず
)
しかったものですから、いろいろ
子細
(
しさい
)
あって、
露子
(
つゆこ
)
が十一のとき、
村
(
むら
)
を
出
(
で
)
て、
東京
(
とうきょう
)
のある
家
(
うち
)
へまいることになりました。
赤い船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
家
(
うち
)
に
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
は
齋藤
(
さいとう
)
の
娘
(
むすめ
)
、
嫁入
(
よめい
)
つては
原田
(
はらだ
)
の
奧方
(
おくがた
)
ではないか、
勇
(
いさむ
)
さんの
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
る
樣
(
やう
)
にして
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
を
納
(
おさ
)
めてさへ
行
(
ゆ
)
けば
何
(
なん
)
の
子細
(
しさい
)
は
無
(
な
)
い
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「どうという
子細
(
しさい
)
はなけれど、いつまでかくてあるも不本意なれば、金を得て身を立てんとも思うなり」「和主には金より命の惜しからずや」
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
ただそれだけならば別に
子細
(
しさい
)
はありませんが、わたくしが松島さんの缶をのぞいて、それからふと——まったく何ごころなしに川の方へ眼をやると
鰻に呪われた男
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかし諸君が、
北海
(
ほっかい
)
の地図をひき、ユトランド諸島のあたりを
子細
(
しさい
)
に検討するなら、そこに或る暗示を得るだろう。
沈没男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
「その記録を
選
(
よ
)
って盗んだというのは、
子細
(
しさい
)
のあることだろう、何かの手掛かりと思ってわざ/\呼んだのだ」
銭形平次捕物控:239 群盗
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
格別
子細
(
しさい
)
があるわけでもない、年々歳々同じ星祭の行事を繰返すうちに、自然そういう習慣を生じたのである。この句の裏面にはかなり長い時間が含まれている。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
その時あま人
申様
(
もうすよう
)
、もしこのたまを取得たらば、この
御子
(
みこ
)
を世継の
御位
(
みくらい
)
になしたまえと
申
(
もうし
)
しかば、
子細
(
しさい
)
あらじと領承したもう、さて我子ゆえに捨ん命、露ほども
惜
(
おし
)
からじと
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、ゆうゆうと
冷凍菓子
(
グラス
)
をすすっているのは、どうやら
子細
(
しさい
)
ありげな有様であった。
ノンシャラン道中記:04 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
なお
子細
(
しさい
)
に注意すると、花の形でも
萼
(
がく
)
でも、注意に
値
(
あたい
)
せぬものはほとんどない。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
子細
(
しさい
)
を明めずしては、「
将棊
(
しようぎ
)
の殿様」の流かとも想はるべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
もしや、それでないかと、じっと
眼鏡
(
めがね
)
をその
船
(
ふね
)
の
上
(
うえ
)
に
向
(
む
)
けて
子細
(
しさい
)
に
見
(
み
)
ますと、いつかこの
港
(
みなと
)
に
入
(
はい
)
った、
彼
(
か
)
の
見慣
(
みな
)
れない
船
(
ふね
)
でありました。
薬売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夫
(
そ
)
れは
何
(
ど
)
ういふ
子細
(
しさい
)
でと
父
(
ちゝ
)
も
母
(
はゝ
)
も
詰寄
(
つめよ
)
つて
問
(
とひ
)
かゝるに
今
(
いま
)
までは
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
ましたれど
私
(
わたし
)
の
家
(
うち
)
の
夫婦
(
めをと
)
さし
向
(
むか
)
ひを
半日
(
はんにち
)
見
(
み
)
て
下
(
くだ
)
さつたら
大底
(
たいてい
)
が
御解
(
おわか
)
りに
成
(
なり
)
ませう
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それだけならば別に
子細
(
しさい
)
もないのであるが、その老婆は乗物におくれまいとするように急いで来るのである。
経帷子の秘密
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ある
日
(
ひ
)
のことでございます。
身分
(
みぶん
)
の
高
(
たか
)
いお
役人
(
やくにん
)
が、
店頭
(
てんとう
)
にお
見
(
み
)
えになりました。お
役人
(
やくにん
)
は
主人
(
しゅじん
)
を
呼
(
よ
)
び
出
(
だ
)
されて、
陶器
(
とうき
)
を
子細
(
しさい
)
に
見
(
み
)
られまして
殿さまの茶わん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さる
子細
(
しさい
)
あればこそ
此處
(
こゝ
)
の
流
(
なが
)
れに
落
(
おち
)
こんで
嘘
(
うそ
)
のありたけ
串談
(
じようだん
)
に
其日
(
そのひ
)
を
送
(
おく
)
つて
情
(
なさけ
)
は
吉野紙
(
よしのがみ
)
の
薄物
(
うすもの
)
に、
螢
(
ほたる
)
の
光
(
ひかり
)
ぴつかりとする
斗
(
ばかり
)
、
人
(
ひと
)
の
涕
(
なみだ
)
は百
年
(
ねん
)
も
我
(
が
)
まんして
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
なにが何だかちっとも判らないので、使いは舟びとにその
子細
(
しさい
)
をただすと、かれらは初めて説明した。
中国怪奇小説集:10 夷堅志(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
こういって、
彼
(
かれ
)
は、
顔
(
かお
)
を
上
(
あ
)
げて、もう一
度
(
ど
)
子細
(
しさい
)
に
若
(
わか
)
い
女
(
おんな
)
を
見
(
み
)
ようとしますと、どこにも
女
(
おんな
)
の
影
(
かげ
)
は、
見
(
み
)
えなかったのです。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
旦那
(
だんな
)
や
御新造
(
ごしんぞ
)
に
宜
(
よ
)
くお
禮
(
れい
)
を申て
來
(
こ
)
いと
父
(
とゝ
)
さんが
言
(
い
)
ひましたと、
子細
(
しさい
)
を
知
(
し
)
らねば
喜
(
よろこ
)
び
顏
(
かほ
)
つらや、まづ/\
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
され、
少
(
すこ
)
し
用
(
よう
)
もあればと
馳
(
は
)
せ
行
(
ゆ
)
きて
内外
(
うちと
)
を
見廻
(
みまは
)
せば
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しかも鎌倉の
名刹
(
めいさつ
)
で十六年の修業を積みながら、たとい故郷とはいえ、若い身空でこんな山奥に引籠っているのは、何かの
子細
(
しさい
)
がなくてはならないと叔父は想像した。
くろん坊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
勇
(
ゆう
)
ちゃんの
話
(
はな
)
しぶりでも、
遠
(
とお
)
い
浜
(
はま
)
から、
町
(
まち
)
へ
出
(
で
)
てくるには、なにか
子細
(
しさい
)
があるように
感
(
かん
)
じられたのです。しかし、そのわけは、わかりませんでした。
海が呼んだ話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
必
(
かな
)
らず
深
(
ふか
)
き
子細
(
しさい
)
ありて
尋常
(
なみ
)
ならぬ
思
(
おも
)
ひを
振袖
(
ふりそで
)
に
包
(
つヽ
)
む
人
(
ひと
)
なるべし、
扨
(
さて
)
もゆかしや
其
(
その
)
ぬば
玉
(
たま
)
の
夜半
(
よは
)
の
夢
(
ゆめ
)
。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その旅館には一つの楼があって、厳重に扉を封鎖してあるので、彼は宿の主人に
子細
(
しさい
)
をたずねると、楼中にはしばしば怪しいことがあるので、多年開かないのであると答えた。
中国怪奇小説集:16 子不語(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼
(
かれ
)
は、
場所
(
ばしょ
)
がら、
真
(
しん
)
にあり
得
(
う
)
べからざる
光景
(
こうけい
)
を
見
(
み
)
るものだと
思
(
おも
)
い、
息
(
いき
)
を
殺
(
ころ
)
して、
子細
(
しさい
)
に
見
(
み
)
ていると、
小
(
ちい
)
さなかえるは、まだ
生
(
い
)
きていて、
万死
(
ばんし
)
の
中
(
なか
)
から
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
まあ
嘘
(
うそ
)
でも
宜
(
い
)
いさよしんば
作
(
つくり
)
り
言
(
ごと
)
にしろ、かういふ
身
(
み
)
の
不幸
(
ふしあはせ
)
だとか
大底
(
たいてい
)
の
女
(
ひと
)
はいはねばならぬ、しかも一
度
(
ど
)
や二
度
(
ど
)
あふのではなし
其位
(
そのくらゐ
)
の
事
(
こと
)
を
發表
(
はつぴやう
)
しても
子細
(
しさい
)
はなからう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
子細
(
しさい
)
を聞きただすと、淄青の評事の役を勤める張という人が殺されたというのである。
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
すずめさん、お
疑
(
うたが
)
いは
無理
(
むり
)
もありません。しかしこれには
子細
(
しさい
)
のあることです。あなたはあの
日輪
(
にちりん
)
が、
深
(
ふか
)
い
谷間
(
たにま
)
に
沈
(
しず
)
んでいたときのことをお
知
(
し
)
りですか。
紅すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
了簡
(
りようけん
)
一つでは
今
(
いま
)
のお
内儀
(
かみ
)
さんに三
下
(
くだ
)
り
半
(
はん
)
をも
遣
(
や
)
られるのだけれど、お
前
(
まへ
)
は
氣位
(
きぐらゐ
)
が
高
(
たか
)
いから
源
(
げん
)
さんと
一處
(
ひとつ
)
にならうとは
思
(
おも
)
ふまい、
夫
(
それ
)
だもの
猶
(
なほ
)
の
事
(
こと
)
呼
(
よ
)
ぶ
分
(
ぶん
)
に
子細
(
しさい
)
があるものか
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
子細
(
しさい
)
をきくと、或る村民の妻
徐氏
(
じょし
)
というのは平生から非常に夫婦仲がよかったが、昨夜も夫とおなじ床に眠って、けさ早く起きると、彼女のすがたは著るしく変っていた。
中国怪奇小説集:16 子不語(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
おい、
兄弟
(
きょうだい
)
、もうよく
話
(
はなし
)
がわかった。
俺
(
おれ
)
たちは、みんな
人間
(
にんげん
)
の
仕打
(
しう
)
ちに
対
(
たい
)
して
不平
(
ふへい
)
をもっているのだ。しかし、まだ、これを
子細
(
しさい
)
に
視察
(
しさつ
)
してきたものがない。
あらしの前の木と鳥の会話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
八百屋
(
やをや
)
の
吉
(
きち
)
五
郎
(
らう
)
に
大工
(
だいく
)
の
太吉
(
たきち
)
がさつぱりと
影
(
かげ
)
を
見
(
み
)
せぬが
何
(
なん
)
とかせしと
問
(
と
)
ふに
此
(
この
)
一
件
(
けん
)
であげられましたと、
顏
(
かほ
)
の
眞中
(
まんなか
)
へ
指
(
ゆび
)
をさして、
何
(
なん
)
の
子細
(
しさい
)
なく
取立
(
とりた
)
てゝ
噂
(
うわさ
)
をする
者
(
もの
)
もなし
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
老人が堀部君を歓待したのは
子細
(
しさい
)
のあることで、彼は男女三人の子供をもっているが、長男は営口の方へ出稼ぎに行って、それから更に上海へ移って外国人の店に雇われている。
雪女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
明
(
あ
)
くる
日
(
ひ
)
、
二人
(
ふたり
)
はその
袋
(
ふくろ
)
を
開
(
あ
)
けて
子細
(
しさい
)
に
見
(
み
)
ますと、
金
(
きん
)
でも
銀
(
ぎん
)
でもなければ、よごれた
貝
(
かい
)
がらでありました。
ろうそくと貝がら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
綾衣の遅いのには少し面倒な
子細
(
しさい
)
があった。駿河屋の女中は外記の顔を見ると、すぐに綾衣を仕舞いに行ったが、たったひと足の違いでほかの茶屋からも
初会
(
しょかい
)
の客をしらせて来た。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
是
(
こ
)
ればかりはと
子細
(
しさい
)
もなく、
千扁一律
(
せんべんいちりつ
)
いやいやを
徹
(
とほ
)
して、はては
世上
(
せじやう
)
に
忌
(
いま
)
はしき
名
(
な
)
を
謠
(
うた
)
はれながら、
狹
(
せま
)
き
乙名
(
をとめ
)
の
氣
(
き
)
にもかけず、
更
(
ふ
)
けゆく
歳
(
とし
)
を
惜
(
を
)
しみもせず、
靜
(
しづ
)
かに
月花
(
つきはな
)
をたのしんで
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
小僧
(
こぞう
)
さん、このすいかを
私
(
わたし
)
に
売
(
う
)
ってください。すこし
子細
(
しさい
)
がありますから。」といって、
銭
(
ぜに
)
を
払
(
はら
)
って、おじいさんの
手
(
て
)
から
奪
(
うば
)
うようにして
持
(
も
)
ってゆきました。
初夏の不思議
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いまだに
娘
(
むすめ
)
の
心
(
こゝろ
)
が
失
(
う
)
せで、
金齒
(
きんば
)
入
(
い
)
れたる
口元
(
くちもと
)
に
何
(
ど
)
う
爲
(
せ
)
い、
彼
(
か
)
う
爲
(
せ
)
い、
子細
(
しさい
)
らしく
數多
(
あまた
)
の
奴婢
(
ひと
)
をも
使
(
つか
)
へども、
旦那
(
だんな
)
さま
進
(
すゝ
)
めて十
軒
(
けん
)
店
(
だな
)
に
人形
(
にんぎやう
)
を
買
(
か
)
ひに
行
(
ゆ
)
くなど、一
家
(
か
)
の
妻
(
つま
)
のやうには
無
(
な
)
く
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それだけの話ならば別に
子細
(
しさい
)
もないが、その住居の別棟が落成した頃から、娘ふたりが今までとは生れ変ったような人間になって、眼にあまる淫蕩の醜態を世間に暴露するに至ったのは
怪獣
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
感心
(
かんしん
)
な
子供
(
こども
)
だ。かわいそうな
子供
(
こども
)
だ。これにはなにか
子細
(
しさい
)
があって、
乞食
(
こじき
)
をするのだろう。」などとうわさしあって、みんなが
銭
(
ぜに
)
をくれてゆくこともありました。
石をのせた車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
信
(
のぶ
)
さんの
下駄
(
げた
)
は
己
(
お
)
れが
提
(
さ
)
げて
行
(
ゆ
)
かう、
臺處
(
だいどこ
)
へ
抛
(
ほう
)
り
込
(
こ
)
んで
置
(
おい
)
たら
子細
(
しさい
)
はあるまい、さあ
履
(
は
)
き
替
(
か
)
へて
夫
(
そ
)
れをお
出
(
だ
)
しと
世話
(
せわ
)
をやき、
鼻緒
(
はなを
)
の
切
(
き
)
れしを
片手
(
かたて
)
に
提
(
さ
)
げて、それなら
信
(
のぶ
)
さん
行
(
いつ
)
てお
出
(
いで
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「なに、おのれはこの半九郎を江戸の侍の面汚しと言うたな。その
子細
(
しさい
)
を申せ」
鳥辺山心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一ぴきの
虫
(
むし
)
でさえ、
子細
(
しさい
)
に
見
(
み
)
れば、
見
(
み
)
るほど
美
(
うつく
)
しいのを
知
(
し
)
りました。はじめて、それに
気
(
き
)
がつくと、
雲
(
くも
)
も、
花
(
はな
)
も、すべてがおどろくばかり
美
(
うつく
)
しかったのであります。
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
折
(
をり
)
ふしの
庭
(
には
)
あるきに
微塵
(
みぢん
)
きずなき
美
(
うつ
)
くしさを
認
(
みと
)
め、
我
(
わ
)
れならぬ
召使
(
めしつか
)
ひに
優
(
やさ
)
しき
詞
(
ことば
)
をかけ
給
(
たま
)
ふにても
情
(
なさけ
)
ふかき
程
(
ほど
)
は
知
(
し
)
られぬ、
最初
(
はじめ
)
の
想像
(
さう/″\
)
には
子細
(
しさい
)
らしく
珠數
(
じゆす
)
などを
振袖
(
ふりそで
)
の
中
(
なか
)
に
引
(
ひ
)
きかくし
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
きょうの席上に新しい顔の多い
子細
(
しさい
)
もそれで
判
(
わか
)
った。主人はつづいて言った。
中国怪奇小説集:02 開会の辞
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
王
(
おう
)
さまは、お
考
(
かんが
)
えになりました。なにかこれには、
子細
(
しさい
)
のあることかもしれない。ともすると、
妃
(
きさき
)
の
魂
(
たましい
)
が、この
世
(
よ
)
に
対
(
たい
)
して、
深
(
ふか
)
い
未練
(
みれん
)
をもっているからかもしれない。
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
だんだんその
子細
(
しさい
)
を聞きただすと、列車はもうFの駅に近づいたので、三、四人の乗客はそろそろと下車の支度をはじめて、その一人が頭の上の網棚から自分の荷物をおろそうとする時に
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
夫
(
そ
)
れも
蒲團
(
ふとん
)
かぶつて
半日
(
はんにち
)
も
居
(
ゐ
)
ればけろ/\とする
病
(
やまひ
)
だから
子細
(
しさい
)
はなしさと
元氣
(
げんき
)
よく
呵々
(
から/\
)
と
笑
(
わら
)
ふに、
亥之
(
ゐの
)
さんが
見
(
み
)
えませぬが
今晩
(
こんばん
)
は
何處
(
どちら
)
へか
參
(
まゐ
)
りましたか、
彼
(
あ
)
の
子
(
こ
)
も
替
(
かわ
)
らず
勉強
(
べんきよう
)
で
御座
(
ござ
)
んすかと
問
(
と
)
へば
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこで、
二人
(
ふたり
)
は、
先日
(
せんじつ
)
おじいさんが
犬
(
いぬ
)
を
連
(
つ
)
れて
帰
(
かえ
)
ったことを、おはあさんによくわかるように
子細
(
しさい
)
に
語
(
かた
)
りますと、おばあさんは、やはり、ふに
落
(
お
)
ちぬような
顔
(
かお
)
つきをして
おじいさんの家
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その以来、ここらに報寃蛇の跡を絶ったが、その
子細
(
しさい
)
は誰にも判らなかった。
中国怪奇小説集:08 録異記(五代)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
孃
(
ぢやう
)
さまがたは
庭
(
には
)
に
出
(
で
)
て
追羽子
(
おひはご
)
に
餘念
(
よねん
)
なく、
小僧
(
こざう
)
どのはまだお
使
(
つか
)
ひより
歸
(
かへ
)
らず、お
針
(
はり
)
は二
階
(
かい
)
にてしかも
聾
(
つんぼ
)
なれば
子細
(
しさい
)
なし、
若旦那
(
わかだんな
)
はと
見
(
み
)
ればお
居間
(
いま
)
の
炬燵
(
こたつ
)
に
今
(
いま
)
ぞ
夢
(
ゆめ
)
の
眞最中
(
まつたゞなか
)
、
拜
(
おが
)
みまする
神
(
かみ
)
さま
佛
(
ほとけ
)
さま
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
細
常用漢字
小2
部首:⽷
11画
“子”で始まる語句
子
子供
子刻
子息
子規
子孫
子守
子守唄
子爵
子煩悩