元気げんき)” の例文
旧字:元氣
にいさん、この金魚きんぎょは、ほんとうにつよ金魚きんぎょですこと。たった一つになっても、元気げんきよくあそんでいますのね。」と、いもうとがいいました。
水盤の王さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
元気げんきこえをのこして、ていきました。おじいさんとおばあさんは、もんそとって、いつまでも、いつまでも見送みおくっていました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ミハイル、アウエリヤヌイチは一人ひとりして元気げんきよく、あさからばんまでまちあそあるき、旧友きゅうゆうたずまわり、宿やどには数度すうどかえらぬがあったくらい
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「ころされるかどうか、そこのところはどうもわかりませんが、とにかく、ただいまのところは、病気びょうきもせず、元気げんきでいます。」
食堂から寝室しんしつおごそかにやっていく時には、元気げんきのいい行進曲マーチそうした。時によっては、二人ふたりおとうとといっしょに行列ぎょうれつをつくった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
「ええ……そうですね。それはたしかに、あたりまえですが……そのきていたときには、元気げんきにひらひらおよいでいたといいましたから……」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
可哀かわいそうにこの子家鴨こあひるだって、もとの家鴨達あひるたちすこ元気げんきをつけるようにしてさえくれれば、どんなによろこんでみんなと一緒いっしょくらしたでしょうに!
椿つばきかげに清水しみずはいまもこんこんとき、みちにつかれた人々ひとびとは、のどをうるおして元気げんきをとりもどし、またみちをすすんでくのであります。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
さてやがて乗込のりこむのに、硝子窓ガラスまど横目よこめながら、れいのぞろ/\と押揉おしもむでくのが、平常いつもほどはだれ元気げんきがなさゝうで、したがつてまで混雑こんざつもしない。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ところで、この四にんの、大きい人たち、つよい人たち、元気げんきひとたちは、きゅうちどまります。地面じめんに一ぴきの生きものがんでいるのを見つけたのです。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
それはたいへんどくなことであった。が、うなっては最早もはや苦労くろうのしようもないから、そのうち自然しぜん元気げんきるであろう。はやくそうなってもらいたい。
二、三日しますと、ヤッローは、すっかり元気げんきになって、家じゅうを飛びまわることができるようになりました。
犬がきたので、わたしはもうすっかり元気げんきになって、おしまいにもう一ぺん、マレイをふりかえってみました。
ラランはかうこたへるやいなや、もう、はねをひろげた。ほかのからすたちはペンペを馬鹿ばかなやつだとおもひながらもヱヴェレストの頂上てうじやう目指めざしてびだす元気げんきたれた。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
あのへやの時計とけいときたら、動くのは、ちゃんとまちがいなく動くし、時間じかんだって、元気げんきよく打つんだけど、はりだけがいつも六時を指したきりなのよ。どうしたのかしら?
「おい皆、もっと元気げんきを出して頑張れ。船が沈んでしまったら、それこそ何にも取りだせないぞ」
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
元気げんきすずめは、そんなうた頓着とんちやくなしで、自分じぶんのお宿やども忘わすれたやうにゆきと一しよをどつてあるきます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
が、ぼくぼくと一しょに行った室生犀生くん画帖がじょうなどをしめし、相変あいかわらず元気げんきはなしをした。
滝田哲太郎君 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
MK私達わたしたちまえに、さきうつくしいひとならんでゐて、元気げんきよくしきり茶目振ちやめふり発揮はつきしてゐた。わたしかれくものに敬意けいいをもつてゐたがつてみるとまたくものとはちがつた、べつ意味いみしたしさがかんじられた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
おっかさんはそれが見えてくると、いつもにこにこして元気げんきよく船をおしだすのでしたが、きょうはその方を見ようともしません。下をむいたまま、たいぎそうにさおをあやつっているばかりでした。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
それを見ると、かれはふしぎに元気げんき回復かいふくするのでした。
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
「そんなよわいことでどうするんですか。わたしたちは、よくあなたにいかけられたものです。あの時分じぶん元気げんきしてください。」
木の上と下の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「まあ、元気げんきがあってよいなんておっしゃって。おんなですから、もうすこし、おとなしくしてくれるといいんですが……。」
このうたいて、大工だいくはほっとしました。そうしてかえったように、元気げんきをとりもどして、宿屋やどやかえってました。
鬼六 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それにつづいては小体こがらな、元気げんきな、頤鬚あごひげとがった、かみくろいネグルじんのようにちぢれた、すこしも落着おちつかぬ老人ろうじん
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
もう下界したても、なにもかもわからないほどだ。はじめの元気げんきもどこへやら、ペンペはむねがドキドキする。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
ははほうでもわたくし諸磯もろいそ佗住居わびずまいにくすぼりかえっていたときくらべて、あまりに若々わかわかしく、あまりに元気げんきらしいのをて、自分じぶんことのようにこころからよろこんでくれました。
元気げんきじやないよ。老人ろうじんといつしよにんでしまつた。老人ろうじんくちからきだした青酸加里せいさんかりんだのさ」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
わらつた。が、ふと、あせばんだあかがほの、元気げんきらしい、わかいのが、くちびるをしめて……真顔まがほつて
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「一月のことだったよ。ゆきのふる前の日で、おそろしくさむい日だった。ながい研究けんきゅうのつかれがでたのか、気分きぶんはすぐれず、いつものように実験じっけんをつづける元気げんきもなかったんだ」
みつは、いつもおとうと元気げんきでいるのをうれしくおもいました。そして、たえず希望きぼうにもえているのをなんとなくいじらしくおもいました。
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
(けれども、こういうことをきいては、この長崎ながさきにもいたくない。おかあさんがお元気げんきなんだから、中津なかつへかえることもない。どうすればよいか。)
それからみずませたり、ものをやったりするうちに、すっかり元気げんきがついて、しゃんしゃんあるしました。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それからずっと今日こんにちまでうまわたくし手元てもと元気げんきよくくらしてりますが、ただこちらではうまがいつも神社じんじゃ境内けいないにつながれてわけではなく、どこにってっても
いたって元気げんきな、壮健そうけんな、立派りっぱしろ頬鬚ほおひげの、快活かいかつ大声おおごえの、しかもい、感情かんじょうふか人間にんげんである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
羽搏はばた元気げんきもしだいにつて、たゞつかれはてたからだは、はげしいきりのながれにつてただよつてゐた。そのとき、ラランのわるはずつとペンペをはなれて、うへほうんでゐた。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
雨水あまみずがはいらないようにしたり、よけもつくり、ねこ用心ようじんで、金網かなあみもあつたほうがいいつてこと、注意ちゅういしておいてやつたんですが、どうしました、あの金魚きんぎょは、まだ元気げんきですか
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
見参けんざん見参けんざんなどゝ元気げんきづいて、説明せつめいつまでもない、山深やまふか岩魚いはなのほかは、かねいた姫鱒ひめますにておはすらむ、カバチエツポでがんせうの、と横歩行よこあるきしていきほひ。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひるちかくまでゆっくりねむって元気げんきをとりもどすと、研究けんきゅうに使った機械きかい道具どうぐを二度ともとにできないように、めちゃめちゃにしておき、ここからでていくじゅんびに取りかかった。
ほんとうにこのからすは、わか時分じぶんは、元気げんきのいい幸福者こうふくしゃであったのです。けれど、いまは、からすは、もうとしをとってしまいました。
一本のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
殿様とのさまはまた、れてた二ひきうまをごらんになりますと、おおきさから毛色けいろまで、うり二つといってもいいほどよくうまで、おなじような元気げんきではねていました。
姨捨山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
……そのさんに、おなごりのおことづけまでまをしました。判然はつきりして、元気げんきです。医師いしおどろいてました。まるで絶食ぜつしよくて、よく、こんなにと、りやう日前にちぜんから、はれましてな。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じめじめした、いやな天気てんきがつづきました。生活力せいかつりょくとぼしい金魚きんぎょは、みんなよわってんでしまったけれど、どじょうは元気げんきでした。
どじょうと金魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、そのあとから、かえるがぴょんぴょん元気げんきよくとんでました。かえるはずんずんへびいこして
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
イ、はじめるぞ、はゝゝはゝ駆競かけつくらのやうだの。なに前後あとさきかまひごとはねえだよ。お前様めえさま串戯じやうだんごとではあんめえが、なんでも仕事しごとするには元気げんきかぎるだで、景気けいきをつけるだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ほんとう? おねえちゃん、ぼくにぴかぴかした、シャープ=ペンシルをってきてくれる?」と、りょうちゃんは、きゅう元気げんきになりました。
小さな弟、良ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんはもうすましたもので、一生懸命いっしょうけんめい、のびたり、ちぢんだり、たてになり、よこになり、ひだりへ行き、みぎへ行き、くるりくるりとねずみのように、元気げんきよくはねまわりながら
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
現在げんざいくるしみをるおうらすくはんために製作こしらへたんです。ありつたけの元気げんきした、ちからつくした。やうがない。しかし此処こゝ貴老あなたつたのはてん引合ひきあはせだらうとおもふ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「そうだ、ぼくも、あらしなんかにけず、元気げんきよくやるぞ!」と、勇吉ゆうきちは、自分じぶんおもったくろいこいにむかって、拍手はくしゅをおくりました。
心は大空を泳ぐ (新字新仮名) / 小川未明(著)
若者わかものはそういって、みかんを三つともしてやりました。みんなはたいそうよろこんで、さっそくみかんをむいて、病人びょうにんの女にそのしるわせました。すると女はやっと元気げんきがついて
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)