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急
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きゅう
ふりがな文庫
“
急
(
きゅう
)” の例文
やがて大きなつめでひっかくような
音
(
おと
)
がすると
思
(
おも
)
うと、はじめ
真
(
ま
)
っ
黒
(
くろ
)
な
雲
(
くも
)
と
思
(
おも
)
われていたものが
急
(
きゅう
)
に
恐
(
おそ
)
ろしい
化
(
ば
)
けものの
形
(
かたち
)
になって
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「お
母
(
かあ
)
さん、
苦
(
くる
)
しい?」と、
勇吉
(
ゆうきち
)
は、
母親
(
ははおや
)
のまくらもとにつききりで、
気
(
き
)
をもんでいましたが、なんと
思
(
おも
)
ったか、
急
(
きゅう
)
に
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がって
一粒の真珠
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
。大丈夫だ。〕おりるおりる。がりがりやって来るんだな。ただそのおしまいの一足だけがあぶないぞ。
裸
(
はだか
)
の青い岩だし
急
(
きゅう
)
だ。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
全速力
(
ぜんそくりょく
)
で走ってる汽車をとめるのは、よういなことではありません。あまり
急
(
きゅう
)
にとめますと、
脱線
(
だっせん
)
してひっくりかえる
心配
(
しんぱい
)
があります。
ばかな汽車
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そして
男
(
おとこ
)
の
子
(
こ
)
が
帰
(
かえ
)
って
来
(
く
)
るのを
窓
(
まど
)
から
見
(
み
)
ると、
急
(
きゅう
)
に
悪魔
(
あくま
)
が
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
へはいってでも
来
(
き
)
たように、
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
の
持
(
も
)
っている
林檎
(
りんご
)
をひったくって
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
江戸の方では開国の
初
(
はじめ
)
とは云いながら、幕府を始め諸藩大名の屋敷と云う者があって、西洋の新技術を求むることが広く
且
(
か
)
つ
急
(
きゅう
)
である。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
けれど、その速度にも、楽器の音階のように、
徐
(
じょ
)
、
破
(
は
)
、
急
(
きゅう
)
があった。風が加われば急になり、地の雪を捲いて
旋風
(
つむじ
)
になると、破を起す。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よく
聞
(
き
)
くお
前
(
まえ
)
の
話
(
はなし
)
では、千
吉
(
きち
)
とやらいう
兄
(
にい
)
さんは、まる三
年
(
ねん
)
も
行方
(
ゆくえ
)
知
(
し
)
れずになっていたとか。——それがまた、どうして
急
(
きゅう
)
に。——」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
が
忽
(
たちま
)
ち、
何
(
なに
)
か
恐
(
おそろ
)
しいことでも
急
(
きゅう
)
に
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
したかのように、
彼
(
かれ
)
は
頭
(
かしら
)
を
抱
(
かか
)
えるなり、
院長
(
いんちょう
)
の
方
(
ほう
)
へくるりと
背
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、
寐台
(
ねだい
)
の
上
(
うえ
)
に
横
(
よこ
)
になった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
わたしは、その百姓のたがやしているのが
急
(
きゅう
)
な
山畑
(
やまはた
)
で、馬が
鋤
(
すき
)
をひいて歩くのにはつらい場所だということを知っていました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
ところで、この四
人
(
にん
)
の、大きい人たち、
強
(
つよ
)
い人たち、
元気
(
げんき
)
な
人
(
ひと
)
たちは、
急
(
きゅう
)
に
立
(
た
)
ちどまります。
地面
(
じめん
)
に一
匹
(
ぴき
)
の生きものが
跳
(
と
)
んでいるのを見つけたのです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
形勢
(
けいせい
)
の
急
(
きゅう
)
なるは、幕末の時に
比
(
ひ
)
して
更
(
さ
)
らに急なるその
内乱
(
ないらん
)
危急
(
ききゅう
)
の場合に際し、外国人の
挙動
(
きょどう
)
は如何というに、
甚
(
はなは
)
だ
平気
(
へいき
)
にして
干渉
(
かんしょう
)
などの
様子
(
ようす
)
なきのみならず
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
たまたま
斯
(
こ
)
うした
二
(
ふた
)
つの
力
(
ちから
)
が
合致
(
がっち
)
したればこそ、あのような
災難
(
さいなん
)
が
急
(
きゅう
)
に
降
(
ふ
)
って
湧
(
わ
)
いたのじゃ。
当時
(
とうじ
)
の
橘姫
(
たちばなひめ
)
にはもとよりそうした
詳
(
くわ
)
しい
事情
(
じじょう
)
の
判
(
わか
)
ろう
筈
(
はず
)
もない。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
すると
急
(
きゅう
)
に
生徒監
(
せいとかん
)
はシューラにやさしくなって、
頭
(
あたま
)
を
撫
(
な
)
でたり、
慰
(
なぐさ
)
めたり、
服
(
ふく
)
を着るのを手伝ったりした。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
こう
思
(
おも
)
ったのです。そこで、
子家鴨
(
こあひる
)
は
急
(
きゅう
)
に
水面
(
すいめん
)
に
飛
(
と
)
び
下
(
お
)
り、
美
(
うつく
)
しい
白鳥
(
はくちょう
)
の
方
(
ほう
)
に、
泳
(
およ
)
いで
行
(
い
)
きました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
博士が
透明人間
(
とうめいにんげん
)
に言って、ドアをしめようとすると、
急
(
きゅう
)
にナイト・ガウンがすーっと
近
(
ちか
)
づいてきて
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
彼らは土地より取るに
急
(
きゅう
)
にしてこれに
酬
(
むく
)
ゆるに
緩
(
かん
)
でありましたゆえに、地は時を追うてますます瘠せ衰え、ついに四十年前の憐むべき
状態
(
ありさま
)
に立ちいたったのであります。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
「この曲は五常楽じゃが、私のためには、
後生楽
(
ごしょうらく
)
じゃ、どれ今度は私が、往生の
急
(
きゅう
)
を弾こうか」
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
鉢
(
はち
)
に
水
(
みず
)
があつただけでは、
万
(
まん
)
一の
場合
(
ばあい
)
人
(
ひと
)
に
怪
(
あや
)
しまれると
気
(
き
)
がついて、
急
(
きゅう
)
に
金魚
(
きんぎょ
)
を
入
(
い
)
れることにしたが、
島本医院
(
しまもといいん
)
からは、
前
(
まえ
)
からして
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
い、
老人
(
ろうじん
)
の
挙動
(
きょどう
)
を
眺
(
なが
)
めていたものと
考
(
かんが
)
えられる。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
おまけに左膳が
顎
(
あご
)
を預けている本所の旗本鈴川源十郎があんまり頼みにならないために諸事意のごとく運ばず、乾雲は依然として左膳の手にあるものの、いまだに二剣ところを別して
風雲
(
ふううん
)
急
(
きゅう
)
を告げ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それをどうしよう、七兵衛は本当に
焦眉
(
しょうび
)
の
急
(
きゅう
)
の思いをしました。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
断
(
ことわ
)
るのもめんどうと
思
(
おも
)
って、
手
(
て
)
ににぎっていた
財布
(
さいふ
)
を、
急
(
きゅう
)
にむしろの
下
(
した
)
に
隠
(
かく
)
して、
目
(
め
)
をつぶって
眠
(
ねむ
)
ったふりをしていたのであります。
善いことをした喜び
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから
三月
(
みつき
)
ほどたつと、おじいさんのおかみさんが
急
(
きゅう
)
におなかが大きくなりました。そして
間
(
ま
)
もなく男の
赤
(
あか
)
んぼが
生
(
う
)
まれました。
雷のさずけもの
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
急
(
きゅう
)
に声がどこか別の世界に行ったらしく聞こえなくなってしまいました。そしていつか
十力
(
じゅうりき
)
の
金剛石
(
こんごうせき
)
は
丘
(
おか
)
いっぱいに下っておりました。
虹の絵の具皿:(十力の金剛石)
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「ふふふふ、
金
(
きん
)
の
字
(
じ
)
、なんで
急
(
きゅう
)
に
唖
(
おし
)
のように
黙
(
だま
)
り
込
(
こ
)
んじゃったんだ。
話
(
はな
)
して
聞
(
き
)
かせねえな。どうせおめえの
腹
(
はら
)
が
痛
(
いた
)
む
訳
(
わけ
)
でもあるめえしよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そして、なお一言、しかるに何ぞ、
猿公
(
えんこう
)
の
大欲
(
たいよく
)
の
急
(
きゅう
)
なるや。欲望の急なるところ、かならず小人の野望の乗ずるところたらん。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
急
(
きゅう
)
に
来
(
き
)
た
人
(
ひと
)
の
院長
(
いんちょう
)
だと
解
(
わか
)
ったので、
彼
(
かれ
)
は
全身
(
ぜんしん
)
を
怒
(
いかり
)
に
顫
(
ふる
)
わして、
寐床
(
ねどこ
)
から
飛上
(
とびあが
)
り、
真赤
(
まっか
)
になって、
激怒
(
げきど
)
して、
病室
(
びょうしつ
)
の
真中
(
まんなか
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
で
)
て
突立
(
つった
)
った。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
おどろいたことには、こまかいことまで、とてもはっきりと、
浮
(
う
)
かんできたのです。わたしは、
急
(
きゅう
)
にはっとして、
板
(
いた
)
の
寝床
(
ねどこ
)
の上に起きなおりました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「まア、この
罰当
(
ばちあた
)
りが!」と
魔女
(
まじょ
)
が
急
(
きゅう
)
に
高
(
たか
)
い
声
(
こえ
)
を
立
(
た
)
てた。「
何
(
なん
)
だって?
私
(
わたし
)
はお
前
(
まえ
)
を
世間
(
せけん
)
から
引離
(
ひきはな
)
して
置
(
お
)
いたつもりだったのに、お
前
(
まえ
)
は
私
(
わたし
)
を
瞞
(
だま
)
したんだね!」
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
が、その
瞬間
(
しゅんかん
)
、
私
(
わたくし
)
は
急
(
きゅう
)
に
立
(
た
)
ち
止
(
どま
)
って
了
(
しま
)
いました。それは
今
(
いま
)
まではっきりと
眼
(
め
)
に
映
(
うつ
)
っていた
良人
(
おっと
)
の
姿
(
すがた
)
が、
急
(
きゅう
)
にスーッと
消
(
き
)
えかかったのに
驚
(
おど
)
かされたからでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
見ていた子供たちは、はじめびっくりして、ぼんやりして、それから
急
(
きゅう
)
に手をたたいてほめました。
風ばか
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
これを
聞
(
き
)
くと、いままでぷりぷり腹をたてていたおかみさんが、
急
(
きゅう
)
にねこなで声で
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
また、ばたんと
機械
(
きかい
)
がまわって、ピリッピリッと
鳴
(
な
)
ると、ゴウッと
走
(
はし
)
ってきた
車
(
くるま
)
が
急
(
きゅう
)
に
止
(
と
)
まって、
止
(
と
)
まっていた
車
(
くるま
)
が
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
すのです。
はととりんご
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして
為朝
(
ためとも
)
の
御機嫌
(
ごきげん
)
をとるつもりで、
急
(
きゅう
)
に
新院
(
しんいん
)
に
願
(
ねが
)
って
為朝
(
ためとも
)
を
蔵人
(
くらんど
)
という
重
(
おも
)
い
役
(
やく
)
にとり
立
(
た
)
てようといいました。すると
為朝
(
ためとも
)
はあざ
笑
(
わら
)
って
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
するとあたりの
調子
(
ちょうし
)
がなんだか
急
(
きゅう
)
に
変
(
へん
)
なぐあいになりました。雨があられに
変
(
か
)
わってパラパラパラパラやってきたのです。
虹の絵の具皿:(十力の金剛石)
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
春信
(
はるのぶ
)
は、
鯉
(
こい
)
の
背
(
せ
)
から
眼
(
め
)
を
放
(
はな
)
すと、
急
(
きゅう
)
に
思
(
おも
)
いだしたように、
縁先
(
えんさき
)
の
万年青
(
おもと
)
の
葉
(
は
)
を
掃除
(
そうじ
)
している、
少年
(
しょうねん
)
の
門弟
(
もんてい
)
藤吉
(
とうきち
)
を
呼
(
よ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
どうしてこんなところに、やってきたのだろう。きっと、どこかほかの町から、その子をつれてきたのだが、
急
(
きゅう
)
にかげんがわるくなったにちがいない。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
『
何
(
なん
)
だと
畜生
(
ちくしょう
)
!』と、この
時
(
とき
)
イワン、デミトリチは
急
(
きゅう
)
にむッくりと
起上
(
おきあが
)
る。『
何
(
なん
)
で
彼奴
(
きゃつ
)
が
出
(
だ
)
さんと
云
(
い
)
う
法
(
ほう
)
がある、
我々
(
われわれ
)
をここに
閉込
(
とじこ
)
めて
置
(
お
)
く
訳
(
わけ
)
は
無
(
な
)
い。 ...
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
マリちゃんはその
骨
(
ほね
)
を
杜松
(
ねず
)
の
樹
(
き
)
の
根元
(
ねもと
)
の
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
へ
置
(
お
)
くと、
急
(
きゅう
)
に
胸
(
むね
)
が
軽
(
かる
)
くなって、もう
涙
(
なみだ
)
が
出
(
で
)
なくなりました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
急
(
きゅう
)
に
尻尾
(
しっぽ
)
を
巻
(
ま
)
いたようすで、あとへもどると、とつぜん
馳
(
か
)
け足になってどこかへ
姿
(
すがた
)
をかくしてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いかにも
遠
(
とお
)
い
昔
(
むかし
)
のこと、
所
(
ところ
)
の
名
(
な
)
も
人
(
ひと
)
の
名
(
な
)
も、
急
(
きゅう
)
には
胸
(
むね
)
に
浮
(
うか
)
びませぬ。——
私
(
わたくし
)
の
生
(
うま
)
れたところは
安芸
(
あき
)
の
国府
(
こくふ
)
、
父
(
ちち
)
は
安藝淵眞佐臣
(
あきぶちまさをみ
)
……
代々
(
だいだい
)
この
国
(
くに
)
の
司
(
つかさ
)
を
承
(
うけたまわ
)
って
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
透明人間
(
とうめいにんげん
)
は、その男のことを思いだしたのか、
急
(
きゅう
)
にいらいらした口ぶりになって
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
これらの
粘土細工
(
ねんどざいく
)
は、
驚
(
おどろ
)
いた
顔
(
かお
)
つきをして、
急
(
きゅう
)
に、その
仕事場
(
しごとば
)
へはいってきた
派手
(
はで
)
な
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
たお
人形
(
にんぎょう
)
を
見
(
み
)
つめているようすでした。
風の寒い世の中へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
召使
(
めしつか
)
いの
女官
(
じょかん
)
たちは
大
(
おお
)
さわぎをして、
赤
(
あか
)
さんの
皇子
(
おうじ
)
を
抱
(
だ
)
いて
御産屋
(
おうぶや
)
へお
連
(
つ
)
れしますと、
御殿
(
ごてん
)
の中は
急
(
きゅう
)
に
金色
(
こんじき
)
の
光
(
ひかり
)
でかっと
明
(
あか
)
るくなりました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
みんな、おしあいへしあいのありさまだ。だが、何か食べたいなあ。ほんの切れっぱしでもいいんだがなあ。おまけに
指
(
ゆび
)
さきまでが、
急
(
きゅう
)
にいたくなってきた。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
達二
(
たつじ
)
は思い切って、そのまん中のを
進
(
すす
)
みました。けれどもそれも、時々
断
(
き
)
れたり、牛の歩かないような
急
(
きゅう
)
な
所
(
ところ
)
を
横様
(
よこざま
)
に
過
(
す
)
ぎたりするのでした。それでも達二は
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
話しているうちに
神主
(
かんぬし
)
長谷川右近
(
はせがわうこん
)
の顔が、
発作的
(
ほっさてき
)
な病気でもおこしたように、ワナワナと
唇
(
くちびる
)
をふるわせて、まったく
土気色
(
つちけいろ
)
になってしまった。——と
急
(
きゅう
)
に
座
(
ざ
)
をたって
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを
見
(
み
)
ると、
継母
(
ままはは
)
は
急
(
きゅう
)
に
恐
(
おそ
)
ろしくなって、「どうしたら、
脱
(
のが
)
れられるだろう?」と
思
(
おも
)
いました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
しかし、
良薬
(
りょうやく
)
をもらって、その
考
(
かんが
)
えが
変
(
か
)
わりました。じいさんは、にこにことして、
急
(
きゅう
)
に
仕事
(
しごと
)
をするのに
張
(
は
)
り
合
(
あ
)
いができたのでした。
手風琴
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おとむらいがすんでしまうと、
急
(
きゅう
)
にうちの中がひっそりして、じっとしていると、
寂
(
さび
)
しさがこみ
上
(
あ
)
げてくるようでした。
娘
(
むすめ
)
はたまらなくなって
松山鏡
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
急
常用漢字
小3
部首:⼼
9画
“急”を含む語句
急遽
性急
急忙
急込
急須
危急
急激
大急
急足
急拵
早急
急流
急立
火急
急々
急歩
急使
急湍
急病
緩急
...