太陽たいよう)” の例文
しま人々ひとびとが、どちらに太陽たいようてゆくときは、どの方向ほうこうへゆくということをおしえてくれたので、それをただ一つのたよりとしました。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
目がさめたときには、すっかり夜があけ、明るい太陽たいようがさしこんでいて、出勤しゅっきんしてきた店員てんいんの話し声や掃除そうじをする音がきこえていた。
すなはつき太陽たいよう引力いんりよくによつてわが地球ちきゆうけるひづみの分量ぶんりようは、地球全體ちきゆうぜんたい鋼鐵こうてつ出來できてゐると假定かていした場合ばあひ三分さんぶんしかないのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
もうどんどんあわがあふれ出してもいいのです。青ぞらいっぱい鳴っているあのりんとした太陽たいようマジックの歌をおきなさい。
イーハトーボ農学校の春 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ねえ、ぼうや、お前がいえの中で書くものは、どれもこれも音楽おんがくじゃないよ。家の中の音楽は、部屋へやの中の太陽たいようと同じだ。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
やがあめまつたれるとともに、今度こんど赫々かく/\たる太陽たいようは、ごと吾等われらうへてらしてた。印度洋インドやうちう雨後うご光線くわうせんはまた格別かくべつで、わたくしころされるかとおもつた。
もう陽気ようきあたたかで、空はまっさおにれわたり、太陽たいようは高いところから、ぽかぽかと暖かな光りをきらめかせていましたが、わたしの心は、まっくらでした。
太陽たいようはうらうらとかがやいて、小鳥は楽しそうにさえずっていました。お姫さまは、外の景色けしきでもながめようと思って、まどの方へ歩いておいでになりました。
またいくども、ひろい試合場しあいじょう砂地すなじや、自分たちの顔に、その偉大いだい怪影かいえい太陽たいようをかすめるごとに、とおりのようなかげを投げていたのも、まったく知らずにいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
王子がをあげて見ると、もう老人ろうじん姿すがたえてしまっていました。王子はぼんやりあたりを見まわしました。あたまの上には、みきった大空と太陽たいようとがあるばかりでした。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
町人ちょうにんたちがはなしている、その少年しょうねんは、じりじりとてりつける太陽たいようにあせばんだのか、ときおり、右手みぎてで、ひたいのあせをふきながら、士族しぞくやしきへかえっていきました。
そこで、たくさんの石をつみあげて、高地をきずきあげた。つまり、こうすれば、太陽たいように近くなるから、それだけ、太陽の熱をたくさん受けられるだろうと思ったわけさ。
このすとんへんじの中央ちゆうおうつて東方とうほうながめるときは、太陽たいようるのを眞正面まつしようめんられるから、太陽崇拜たいようすうはい關係かんけいある宗教上しゆうきようじよう目的もくてきつくられたものであらうとひともありますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
そのために、若葉わかばをふいてから次第しだい丈夫じようぶにかため、なつさかりをさいはひに、どん/\太陽たいようひかりともはたらいて、あき紅葉もみぢをする支度したくや、ふゆてもこまらない、養分ようぶんたくはへをするのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
太陽たいようひかりはまぶしく、銀貨ぎんかおもて反射はんしゃしました。みんなは、このひかりをおそれるように後退あとしさりをしました。そして、をみはりました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
トーマスは、さんさんとかがやく太陽たいようの下で、いつまでも、どちらをはくかまよいつづけて、ぼんやりとくつをみながらすわっていた。
空にはうすい雲がすっかりかかり、太陽たいようは白いかがみのようになって、雲と反対はんたいせました。風が出て来てられない草は一面いちめんなみを立てます。
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
これに觀察かんさつ阿蘇山あそざん嘉元三年かげんさんねん三月三十日さんがつさんじゆうにち西暦せいれき千三百五年せんさんびやくごねん五月二日ごがつふつか)の午後四時頃ごごよじごろ地中ちちゆうから太陽たいようごと火玉ひだまみつそらのぼり、東北とうほくほうつたといふことがある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
すでに水平線上すゐへいせんじやうたかのぼつた太陽たいよう燦爛さんらんたるひかりみづおとして金波きんぱ洋々やう/\たるうみおもには白帆はくはんかげてんてんそのあひだ海鴎かいおう長閑のどかむらがんで有樣ありさまなどは自然しぜんこゝろさはやかになるほど
太陽たいようばかりは、人類じんるいのはじめから、いや、それどころか、地球ちきゅうのできたはじめから、ひかりのとどくかぎり、あらゆるものをてきました。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
重い、ほう、天びんぼうがひとりでに、磁石じしゃくのようにきみの手へいて行った。太陽たいようマジックなんだほんとうに。うまい。
イーハトーボ農学校の春 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
やがて夜がすっかり明けはなれ、明るい太陽たいようの光がまばゆくかがやきはじめると、黒馬旅館くろうまりょかんには、鍛冶屋かじやのウォッジャーズ、雑貨屋ざっかやのハクスターがよび集められた。
くるしきけて、太陽たいようはまたもやあらはれてたが、わたくし最早もはや起直おきなをつて朝日あさひひかりはいする勇氣ゆうきい、日出雄少年ひでをせうねん先刻せんこくより半身はんしんもたげて、海上かいじやうながめてつたが、此時このときたちま大聲たいせいさけんだ。
このときおこつた大氣たいき波動はどう世界せかい三週半さんしゆうはんするまで追跡ついせきられ、海水かいすい動搖どうよう津浪つなみとして全地球上ぜんちきゆうじようほとんどいたところ觀測かんそくせられた。また大氣中たいきちゆう混入こんにゆうした灰塵かいじん太陽たいよう赤色せきしよくせること數週間すうしゆうかんおよんだ。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ながあいだ自然しぜん栄枯盛衰えいこせいすいてきた、偉大いだいははである太陽たいようは、まちけて焦土しょうどとなったそのから、した見下みおろして、こういいました。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
霧がけたのでした。太陽たいようみがきたての藍銅鉱らんどうこうのそらに液体えきたいのようにゆらめいてかかりけのこりの霧はまぶしくろうのように谷のあちこちによどみます。
マグノリアの木 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ある、かわずはいけかんで、太陽たいようひかり脊中せなかしていました。そのとき、太陽たいようは、やさしく、かわずにかっていいました。
太陽とかわず (新字新仮名) / 小川未明(著)
そんなら何がその川の水にあたるかといますと、それは真空しんくうという光をあるはやさでつたえるもので、太陽たいよう地球ちきゅうもやっぱりそのなかにかんでいるのです。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そして、かれは、いつも、自分じぶんむねおもったことは、はたしていいかどうであるかたずねてみるように、太陽たいようあおいだのであります。
塩を載せた船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
よっぽど西にその太陽たいようかたむいて、いま入ったばかりの雲の間から沢山たくさんの白い光のぼうげそれはむこうの山脈さんみゃくのあちこちにちてさびしい群青ぐんじょうわらいをします。
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「このあたりのは、太陽たいようひかりよりは、かぜゆきなかそだったようなものだ。」と、おとうさんがいわれたことまでおもされたのでした。
さまざまな生い立ち (新字新仮名) / 小川未明(著)
からだをされるようにさえ思いました。はだかになって、生徒せいとといっしょに白い岩の上に立っていましたが、まるで太陽たいようの白い光にめられるように思いました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「さあ、ふたりとも、これでいいだろう。」と、太陽たいようはいって、また、むかしのごとく、まじめなかおつきにかえって、大空おおぞらかがやきました。
すみれとうぐいすの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
きりがふっと切れました。の光がさっとながれて入りました。その太陽たいようは、少し西の方にってかかり、幾片いくへんかのろうのような霧が、げおくれて仕方しかたなしに光りました。
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
いままでかがやいていた太陽たいようは、かくれてしまい、ものすごいくもがわいて、うみうえは、おそろしい暴風ぼうふうとなって、なみくるったのであります。
汽船の中の父と子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太陽たいようマジックのうたはもう青ぞらいっぱい、ひっきりなしにごうごうごうごう鳴っています。
イーハトーボ農学校の春 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
いよいよけると太陽たいようわらいました。このとき、少年しょうねんは、いままで大事だいじにしてにぎっていたいしころをつくづくとながめたのです。
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このいちいちの光るつぶがみんなわたしどもの太陽たいようと同じようにじぶんで光っている星だと考えます。私どもの太陽たいようがこのほぼ中ごろにあって地球ちきゅうがそのすぐ近くにあるとします。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
下界げかいのどんなものでも、太陽たいようのこの機嫌きげんのいいかおたものは、みんな、気持きもちがはればれとしてよろこばないものはなかったのであります。
煙突と柳 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だまってそのを聞いていると、そこらにいちめん黄いろや、うすいみどりの明るい野原のはら敷物しきものかがひろがり、またまっ白なろうのようなつゆ太陽たいようめんをかすめて行くように思われました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
とこなつのはなは、自分じぶんだけが、とくにめぐまれたわけではないけれど、太陽たいようたいして、いいしれぬなつかしさをかんじていたのです。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太陽たいようはいまはすっかり午睡ごすいのあとの光のもやをはらいましたので山脈さんみゃくも青くかがやき、さっきまで雲にまぎれてわからなかった雪の死火山しかざんもはっきり土耳古玉トルコだまのそらにきあがりました。
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ちょうど、太陽たいようが、くもかくれていてえなくても、はなは、そのほういて、太陽たいようのありかをるとおなじようなものでありました。
お母さまは太陽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太陽たいようはいつかまた雲の間にはいり太い白い光のぼう幾条いくすじを山と野原とにおとします。
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それどころか、今日きょうにでも、太陽たいよう大爆発だいばくはつをしないとかぎらない。そのときは、地球上ちきゅうじょうのものは、ことごとくけてしまうのだ。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この一年に二日しかないおそらくは太陽たいようからもゆるされそうな休みの日を外では鳥がはりのようにき日光がしんしんとった。嘉吉がもうひる近いからとおこされたのはもう十一時近くであった。
十六日 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ひるまえいていたかぜがやんで、そらは、一ぺんくももなく、青々あおあおとして、のように、かがやく太陽たいようのやけつくあつさだけでした。
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは太陽たいようでした。おごそかにそのあやしいまるい熔けたようなからだをゆすり間もなく正しく空にのぼった天の世界せかいの太陽でした。光は針やたばになってそそぎそこらいちめんかちかち鳴りました。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
きっと毎日まいにちのように、むすめさんは、きよらかなみずをいれて、風通かぜとおしのいい、また、太陽たいようのあたるところへしてくださるだろう……。
ガラス窓の河骨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふと私は私の前に三人の天の子供こどもらを見ました。それはみなしもったようなうすものをつけすきとおるくつをはき私の前の水際みずぎわに立ってしきりに東の空をのぞみ太陽たいようのぼるのをっているようでした。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)