破片はへん)” の例文
くはかついで遺跡ゐせきさぐりにあるき、貝塚かひづかどろだらけにつてり、その掘出ほりだしたる土器どき破片はへん背負せおひ、うしていへかへつて井戸端ゐどばたあらふ。
しかし、べつに、ガラスの破片はへんんでいるはしなかったので、そうでないとわかったから、そのままあちらへゆこうとしたのです。
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
私たちの乗った車は、空中にまい上ったA型人造人間の破片はへんが、まだ地上におちない先に、国境向けて、疾走しっそうを始めたのであった。
人造人間の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ガラガラとガラスの破片はへんのとびちる音が気味悪きみわるくひびいた。同時どうじにくるいたったくまは一声ひとこえ高くうなると、自分を目がけてとびかかってきた。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
もっとも墓場はかばだとか、そのほか場所ばしよ完全かんぜん土器どきうづもれてゐることもありますが、私共わたしども發見はつけんするのはおほくは破片はへんです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
書斎しょさいにかけこむと、庭にめんした三つの窓のうち二つが、めちゃくちゃにガラスをたたきられていて、ゆかいちめんに、ガラスの破片はへんがちらばっていた。
それからあな硝子がらす破片はへんでふたをし、上にすなをかむせ地面の他の部分とすこしもかわらないようにみせかける。
花をうめる (新字新仮名) / 新美南吉(著)
みじんになった陶物すえもの破片はへんを越えて、どッ、いずみをきったような清水しみずがあふれだしたことはむろんだが、ねこもでなければ呂宋兵衛るそんべえ正物しょうぶつもあらわれなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鎔岩ようがん種々しゆ/″\形體けいたいとなつて噴出ふんしゆつせられる。火山灰かざんばひほかに、大小だいしよう破片はへんされる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
さら新式魚形水雷しんしきぎよけいすいらい實力じつりよく如何いかにと、てい海底かいていりようごと疾走しつさうしつゝ洋上やうじやう巨巖きよがん目掛めがけて射出ゐいだ一發いつぱつ二發にはつ巨巖きよがんくだんで、破片はへんなみをどつた。たちま電光艇でんくわうてい甲板かんぱんには歡呼くわんここゑおこつた。
そのとき、はずみで御輿が大きく傾いたが、私は右足に鋭い痛みを感じてよろめいた。私はそこに落ち散っていた硝子ガラス破片はへんを踏みつけてしまったのである。血がなかなか止まらなかった。
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)
楽慾げうよく破片はへん砲弾たまわなゝける。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
砧村きぬたむら途中とちう磨石斧ませきふひろひ、それから小山こやまあがくちで、破片はへんひろつたが、此所こゝまでに五ちかあるいたので、すこしくまゐつてた。
すごい勢いでまわりに飛び散った艇の破片はへんによって、不幸にも漂流器をこわされ、あるいは身体に致命傷ちめいしょうをうけた人びとだった。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
突然とつぜん「ブーウ。」と、ながいうなりごえをたて、トラックが、はらっぱのなかはいってきました。いし破片はへんはこんできたのです。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ですから私共わたしども石器時代せつきじだい遺蹟いせきつても、土器どき熱心ねつしん採集さいしゆうし、ちひさい破片はへんでも見遁みのがさぬように注意ちゆういしてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「スポーツマンシップにけるようですが、お考えどおり、ガラスの破片はへんをよういさせましょう。目に見えない怪物かいぶつに、あばれられては大変たいへんですからな」
なんでたまろう、二じょう白虹はっこう、パッと火花をちらしたかと思うと、燕作の鈍刀なまくらがパキンと折れて、こおりのごとき鋩子きっさき破片はへん、クルッ——と虚空こくうへまいあがった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鎔岩ようがん破片はへん六里ろくり遠距離えんきよりばしたといふ、このてんついての記録保持者きろくほじしやである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
りますとも、だい一、品川しながはちかくでは有名ゆうめい權現臺ごんげんだいといふところります。其所そこなんぞは大變たいへんです、んな破片はへんやまやうんでります
かれは、こわれた釜のそばへかけより、ひざを折って破片はへんをひろいあつめ、むだとは知りつつも、その破片をつぎあわしてみた。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二日ふつかたっても、三日みっかたっても、せがれのったふねはもどってきませんでした。あるのこと、そのふね破片はへんなみせられて、浜辺はまべがりました。
一本の銀の針 (新字新仮名) / 小川未明(著)
私共わたしども石器時代せつきじだい遺蹟いせきさがすには、石器せつきをつけるよりも、田圃たんぼなからばつてゐる土器どき破片はへんつけることが一番いちばん早道はやみちだとおもはれるくらゐであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ケンプ博士はくしは、まだやぶられていない三つ目のまどに目をはしらせると、ピストルをぶっぱなした。ガラスはたまにちぬかれてひび割れ、三角状かくじょう破片はへんとなって内側へ落ちた。
筒の中の火薬かやく破裂はれつして、ドーン! とすさまじい火とはい炸裂さくれつした物体ぶったい破片はへんいあげた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貝層かひそうきはめてあさいが、其下そのした燒土やけつちそうつて、其中そのなかすくなからず破片はへんがある。幻翁げんおうげんると、香爐形こうろがたさう同一どういつだといふ。
不思議にも硝子の破片はへんは一向に飛んで来ません。別に何物も硝子窓にあたったように見えないのに、これは一体どうしたということでしょう。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それはそうと、なにかこのあたりで、おもしろい土器どき破片はへんか、勾玉まがたまのようなものをひろったはなしをききませんか。
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
んなことで一かう要領えうりやうず、山頂さんてうはうでは、わづかに埴輪はにわ破片はへん雲珠うず鞆等ともなど)を見出みいだしたのみ、それで大發掘だいはつくつだいくわいをはつた。
調べてみると、その窓硝子の破片はへんは、室内には一つも残らず、全部屋外おくがいにこぼれているのに気がつきました。どうして内側に破片が残らなかったか?
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なるほど、トロッコのとおるレールから、そうはなれていないが、工事場こうじばからはかなりへだたった草原そうげんなかに、いし破片はへんが、しろ小山こやまのごとくかさねてありました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わらごとではい、なにてもころだと、心中しんちういろ/\苦悶くもんしてるが如何どうない、破片はへん獸骨じうこつ、そんなところしか見出みいたさぬ。
散らばったのぼり破片はへん、まだぷすぷすといぶっている木材、なにを見ても胸がせまる。生きのこった団員は、どこにいるのであろうか。その姿が見えない。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しろいし破片はへんに、いろとまじって、ひときわしろ光沢こうたくはなち、しおなどの結晶けっしょうのようにえるのです。方解石ほうかいせきだけは、っても、っても、四角形かくけいれる特徴とくちょうゆうしていました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
破片はへんでも報酬ほうしうあたへるとつたのに、破片はへんを、彼等かれらくす必用ひつよういのだから、まつた菱沼宅前ひしぬまたくまへからは、なになかつたのであらう。
それは、たずねるマネキン人形の首の破片はへんと思われるものが、なくなった男の死体のはいっていたかんのうしろのところに、散らばって落ちていたことだ。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
つきあかるいしまでは、そのよる少女しょうじょは、うたをうたいました。そして、しまをはなれて、いく沖合おきあいには、ふね破片はへんただよい、そのうえあおとりがとまって、しおのまにまにながされていました。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
んなのがりましたとしてせるのは、彌生式土器やよひしきどき上部じやうぶ(第五圖參照)と破片はへん澤山たくさんおよぞこである。べつ貝塚土器かひづかどき網代底あじろぞこ
そのあとに、ものすごい破壊音はかいおんがつづいた。破壊音のするたびに、何物かの破片はへんが、博士のところへとんできた。その合間に、砂のようなものが、滝のように降ってきた。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
家族かぞくともあそびにつてたが、其時そのときに、いま故人こじん谷活東子たにくわつとうしが、はたけなかから土器どき破片はへん一箇ひとつひろして、しめした。
私が呆然ぼうぜんとしていますと、今度はガチャーンと物凄ものすごい音がして、あの装置が破裂したんです。真空管しんくうかん破片はへんが飛んできました。大きな廻転盤が半分ばかりもげて飛んでしまう。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
鶴見臺つるみだい各所かくしよに、地名表ちめいへうには遺跡ゐせきとして記入きにふあるが、實際じつさいおいて、破片はへん一箇ひとつ見出みいださぬ貝塚かひづかすくなくない。(大發掘だいはつくつはせぬが)
丁度ちょうどその頃、捜査本部では、雁金検事と大江山捜査課長とがむつい顔をして向いあっていた。机の上には、青竜王が痣蟹の洋服の間から見付けた建築図の破片はへんっていた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのからは、一かう珍品ちんぴんぬ。破片はへんおほいけれど、いでやうなのはぬ。中食後ちうじきごに、は、土瓶どびんくち上下うへしたに、ツリをつた破片はへんしたくらゐ
化物が硝子ガラス窓を破って外へ飛びだしたときに、剃刀かみそりよりも鋭い角のついた硝子ガラス破片はへんでわれとわが皮膚を傷つけたのです。そしてけた皮膚の一部がこの白毛しらげみたいなものなのです。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
其人そのひとうてると、自分じぶん持地もちちからは澤山たくさん破片はへんるが、たれ發掘はつくつしたこといといふ。らば近日きんじつ發掘はつくつをさしてれと其場そのば手金てきんつた。
機械人間の破片はへんは、こちらへもものすごい勢いで飛んで来たのだから、もし博士や少年たちが、機械人間の中へはいっていなければ、その爆風や断片で、大けがをしたにちがいない。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それで『んな破片はへんもらつてもえかね』とうてると『そんなものならいくらでもつてきねえ』といふ。
右足のかかと微傷びしょうを負ったが、それは折柄おりから丁度ちょうど、英軍の高射砲が襲来独機しゅうらいどくきを射撃中であって、その高射砲弾の破片はへんが、この碩学泰斗せきがくたいとの右足に当り、呪いにみちた傷を負わしめたのであった。
した破片はへんうちに、内模樣うちもやうのある土器どき内部ないぶ把手とツてゆうするのがある。これなぞも珍品ちんぴんかぞふべしだ。