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はひ
ふりがな文庫
“
入
(
はひ
)” の例文
レイクランヅはハイカラな避暑地の目録には
入
(
はひ
)
つてゐない。クリンチ川の小さな支流に臨むカンバランド山脈の低い支脈の上に在る。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
と、
息切
(
いきぎ
)
れのする
瞼
(
まぶた
)
が
颯
(
さつ
)
と、
氣
(
き
)
を
込
(
こ
)
めた
手
(
て
)
に
力
(
ちから
)
が
入
(
はひ
)
つて、
鸚鵡
(
あうむ
)
の
胸
(
むね
)
を
壓
(
お
)
したと
思
(
おも
)
ふ、
嘴
(
くちばし
)
を
踠
(
もが
)
いて
開
(
あ
)
けて、カツキと
噛
(
か
)
んだ
小指
(
こゆび
)
の
一節
(
ひとふし
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くにして
過
(
す
)
ぎ
行
(
ゆ
)
いた。
朝
(
あさ
)
は八
時
(
じ
)
に
起
(
お
)
き、
服
(
ふく
)
を
着換
(
きか
)
へて
茶
(
ちや
)
を
呑
(
の
)
み、
其
(
そ
)
れから
書齋
(
しよさい
)
に
入
(
はひ
)
るか、
或
(
あるひ
)
は
病院
(
びやうゐん
)
に
行
(
ゆ
)
くかである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
言はれて
内室
(
ないしつ
)
に
入
(
はひ
)
つて見ると
成程
(
なるほど
)
石は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
紫檀
(
したん
)
の
臺
(
だい
)
に
還
(
かへ
)
つて居たので
益々
(
ます/\
)
畏敬
(
ゐけい
)
の
念
(
ねん
)
を
高
(
たか
)
め、
恭
(
うや/\
)
しく老叟を
仰
(
あふ
)
ぎ見ると、老叟
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ニコライのドオムに面した
方
(
はう
)
の窓から私は家の中へ
入
(
はひ
)
ると云ふのでした。私は
何時
(
いつ
)
も源氏の講義をした座敷の壁の前に立つて居ました。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
彌次馬を別けて
入
(
はひ
)
つて見ると、
玉垣
(
たまがき
)
の下、紅白の鈴の緒で
縛
(
しば
)
られた堂守の死體を前に、錢形平次は腕を
拱
(
こまぬ
)
いて考へて居るところでした。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それから
足下
(
おぬし
)
、
深切
(
しんせつ
)
があるなら、
門番
(
もんばん
)
にさう
言
(
い
)
うて、スーザンとネルを
入
(
はひ
)
らせてくりゃ。(奧に向つて)……アントニー! ポトパン!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
古い
仏蘭西
(
フランス
)
の歩兵よ、老いた墓守よ、僕に取つてお前は今から墓へ
入
(
はひ
)
つたも同じだ。もう再び会ふ日は無いであらう。(二月五日)
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
籠
(
かご
)
の
中
(
なか
)
には、
青々
(
あを/\
)
とした
蕗
(
ふき
)
の
蕾
(
つぼみ
)
が一ぱい
入
(
はひ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。そのお
婆
(
ばあ
)
さんは、まるでお
伽話
(
とぎばなし
)
の
中
(
なか
)
にでも
出
(
で
)
て
來
(
き
)
さうなお
婆
(
ばあ
)
さんでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
大
(
おほ
)
きな
眼
(
め
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
襖
(
ふすま
)
の
陰
(
かげ
)
から
入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
た
宗助
(
そうすけ
)
の
方
(
はう
)
を
向
(
む
)
いたが、
二人
(
ふたり
)
の
眼元
(
めもと
)
にも
口元
(
くちもと
)
にも、
今
(
いま
)
笑
(
わら
)
つた
許
(
ばかり
)
の
影
(
かげ
)
が、まだゆたかに
殘
(
のこ
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところが、何時となしに懇意になつた近所のある商家で、「
入
(
はひ
)
りに來い。」と勸めて呉れたので、それを幸ひに貰ひ風呂をすることにした。
水不足
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
父はもう襖の外まで戻つてゐながら、室の中へはよう
入
(
はひ
)
らずに、耳を澄まして突ツ立つてゐるのが、自分にはよく分つてゐた。
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
其
(
その
)
夜
(
よ
)
與吉
(
よきち
)
は
南
(
みなみ
)
の
女房
(
にようばう
)
から
薄荷
(
はくか
)
の
入
(
はひ
)
つた
駄菓子
(
だぐわし
)
を二つばかり
貰
(
もら
)
つた。
裏
(
うら
)
の
垣根
(
かきね
)
から
桑畑
(
くはばたけ
)
を
越
(
こ
)
えて
歩
(
ある
)
きながら
與吉
(
よきち
)
は
菓子
(
くわし
)
を
舐
(
しやぶ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其中にも尤も深く予に印象を與へたものは此町に耶蘇教の
入
(
はひ
)
つて來た沿革である。初めは小さい家に日曜日の夜々赤い十字の提灯が點された。
海郷風物記
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
消えかけの火が、この長い
空虚
(
くうきよ
)
な部屋に彼女が
入
(
はひ
)
つてくるのを示した。彼女は私の
珈琲
(
コーヒ
)
とパンを持つて來てくれたのだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
しかし
足
(
あし
)
の
惡
(
わる
)
いまち
子
(
こ
)
は、すぐに
疲
(
つか
)
れるので、やがて
靜
(
しづ
)
かなカフエーかレストランドに
入
(
はひ
)
らなければならなかつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
「別にお話を聽く必要も無いが……」と三百はプンとした顏して呟きながら、澁々に
入
(
はひ
)
つて來た。四十二三の色白の
小肥
(
こぶと
)
りの男で、紳士らしい服裝してゐる。
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
それもどうも
望
(
のぞ
)
みはないらしいですがね、それよりも
金
(
かね
)
の
事
(
こと
)
ですよ。
先刻
(
さつき
)
、
僕
(
ぼく
)
が
此處
(
ここ
)
へ
入
(
はひ
)
らうとすると、
例
(
れい
)
のあの
牧師
(
ぼくし
)
上
(
あが
)
りの
會計
(
くわいけい
)
の
老爺
(
おやぢ
)
が
呼
(
よ
)
び
止
(
と
)
めるのです。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
ほんの三四品を待合式に膳に並べて、楼婢を相手に、何の変哲もない雑談半ばへ「今日は」とも何とも言はず、のつそりと無作法に
入
(
はひ
)
つて来た女は三十五六の大年増。
斎藤緑雨と内田不知菴
(新字旧仮名)
/
坪内逍遥
(著)
雪
(
ゆき
)
の
下
(
した
)
、堅い心も突きとほす
執念
(
しふねん
)
深い愛、石に立つ矢、どんなに暗い
鐵柵
(
てつさく
)
の
網
(
あみ
)
の
中
(
なか
)
へも
入
(
はひ
)
る
微笑
(
ほゝゑみ
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
お
祖父
(
ぢい
)
さんの咄で、お
祖父
(
ぢい
)
さんのお祖父さんが
此淵
(
ここ
)
へ沈んだ時は三日たつても死骸が上らず、
取
(
とり
)
に
入
(
はひ
)
つた番頭まで出られなくなつて、しまひには
如何
(
どう
)
とかして擔ぎ
上
(
あ
)
げたと聞いた。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
スタインホイザアの稿本は
散逸
(
さんいつ
)
して、バアトンの手に
入
(
はひ
)
つたものは僅かであつた。
リチャード・バートン訳「一千一夜物語」に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
老婦人 あれが何か、大きな声で、しきりにあたくしに云ひつけてをりますのが耳に
入
(
はひ
)
りながら、どうしたと云ふんでせう……あれで、一度か、二度、注意はしたと思ひますんですけれど……。
落葉日記(三場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「ございます。お
入
(
はひ
)
りになるのでしたら、今ちよつと見させますから。」
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
人の
入
(
はひ
)
られぬ樣に厚い
枳殼垣
(
からたちがき
)
を繞らして、本丸の跡には、希臘か何處かの昔の城を眞似た大理石の家を建てて、そして、自分は雪より白い髮をドッサリと肩に垂らして、露西亞の百姓の樣な服を着て
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
松村は寒さうに肩をすぼめて
入
(
はひ
)
つて来た
瘢痕
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
⦅先生 中さ
入
(
はひ
)
つてもいがべすか⦆
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
もの
優
(
やさ
)
しく
肩
(
かた
)
が
動
(
うご
)
くと、
其
(
そ
)
の
蝋
(
らふ
)
の
火
(
ひ
)
が、
件
(
くだん
)
の
繪襖
(
ゑぶすま
)
の
穴
(
あな
)
を
覘
(
のぞ
)
く……
其
(
そ
)
の
火
(
ひ
)
が、
洋燈
(
ランプ
)
の
心
(
しん
)
の
中
(
なか
)
へ、
𤏋
(
ぱつ
)
と
入
(
はひ
)
つて、
一
(
ひと
)
つに
成
(
な
)
つたやうだつた。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「酒は好きだが、勝負事は嫌ひだつたさうで、多分大きな仕事でも
請負
(
うけお
)
つて、手金が
入
(
はひ
)
る話だらう、つて居酒屋の
爺
(
おやぢ
)
は言つてましたが」
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
細君は怒つて先に部屋へ
入
(
はひ
)
つて
仕舞
(
しま
)
ふ。隣の部屋から
先
(
さき
)
の夫人のマドレエヌが
手燭
(
てしよく
)
を執つて
現
(
あら
)
はれ一人残つたモリエエルを慰める。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
僕
(
ぼく
)
は
不幸
(
ふかう
)
にして
外國
(
ぐわいこく
)
に
留學
(
りうがく
)
することも
出來
(
でき
)
ず、
大學
(
だいがく
)
に
入
(
はひ
)
ることも
出來
(
でき
)
ず、ですから
僕
(
ぼく
)
の
教育
(
けういく
)
、
所謂
(
いはゆる
)
教育
(
けういく
)
なるものは
不完全
(
ふくわんぜん
)
なものでしよう。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
丁度
(
ちやうど
)
、お
隣
(
とな
)
りで
美濃
(
みの
)
の
國
(
くに
)
の
方
(
はう
)
から
木曽路
(
きそぢ
)
へ
入
(
はひ
)
らうとする
旅人
(
たびびと
)
のためには、
一番
(
いちばん
)
最初
(
さいしよ
)
の
入口
(
いりぐち
)
のステエシヨンにあたつて
居
(
ゐ
)
たのが
馬籠驛
(
まごめえき
)
です。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何卒
(
どうぞ
)
是非
(
ぜひ
)
一つ
聽
(
き
)
いて
頂
(
いたゞ
)
きたい、と
云
(
い
)
ふのは、
實
(
じつ
)
は
然云
(
さうい
)
ふ
譯
(
わけ
)
であるから、
寧
(
むしろ
)
君
(
きみ
)
は
病院
(
びやうゐん
)
に
入
(
はひ
)
られた
方
(
はう
)
が
得策
(
とくさく
)
であらうと
考
(
かんが
)
へたのです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其晩
(
そのばん
)
宗助
(
そうすけ
)
の
夢
(
ゆめ
)
には
本多
(
ほんだ
)
の
植木鉢
(
うゑきばち
)
も
坂井
(
さかゐ
)
のブランコもなかつた。
彼
(
かれ
)
は十
時半頃
(
じはんごろ
)
床
(
とこ
)
に
入
(
はひ
)
つて、
萬象
(
ばんしやう
)
に
疲
(
つか
)
れた
人
(
ひと
)
の
樣
(
やう
)
に
鼾
(
いびき
)
をかいた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
正月六日朝早く千人風呂に
入
(
はひ
)
つて、その硝子窓から伊豆の沖の美くしい日の出を見ました。今日の快晴は疑ふべくも無い。
初島紀行
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
彼
(
か
)
れは
腕
(
うで
)
は
細
(
ほそ
)
かつたが、この
中
(
なか
)
には
南蠻鐵
(
なんばんてつ
)
の
筋金
(
すぢがね
)
が
入
(
はひ
)
つてゐると
思
(
おも
)
ふほどの
自信
(
じしん
)
がある。
其
(
そ
)
の
細
(
ほそ
)
い
手
(
て
)
の
先
(
さ
)
きに
附
(
つ
)
いてゐる
掌
(
てのひら
)
が、ぽん/\と
鳴
(
な
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
乳母 ま、
名譽事
(
めいよごと
)
といの! わしばかりが
乳
(
ちゝ
)
を
献
(
あ
)
げたので
無
(
な
)
かったなら、
其
(
その
)
智慧
(
ちゑ
)
は
乳
(
ちゝ
)
から
入
(
はひ
)
ったとも
言
(
い
)
ひませうずに。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
二個の長い
食卓
(
しよくたく
)
には、何かしら
温
(
あたゝか
)
い物の
入
(
はひ
)
つてゐる鉢から煙が出てゐた。ところが、
面喰
(
めんくら
)
つたことには、食慾を起させるどころか、大變な臭氣を發してゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
それから
此
(
こ
)
れは
傭人
(
やとひにん
)
にも
炊
(
た
)
いてやれないのだからお
前
(
まへ
)
がよければ
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
つて
秋
(
あき
)
にでもなつたら
糯粟
(
もちあは
)
の
少
(
すこ
)
しも
返
(
かへ
)
せと二三
斗
(
ど
)
入
(
はひ
)
つた
粳粟
(
うるちあは
)
の
俵
(
たわら
)
とを一つに
遣
(
や
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
多緒子は、
入
(
はひ
)
つて來た夫の手から幸子をとつて抱きしめた。幸子は大聲で泣きながら、彼女の乳をさぐつた。多緒子は涙ぐみながら、夢中になつて乳を與へた。
珠
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
『エイブラム師』は水車場の戸を押し開いて、靜かに
入
(
はひ
)
つて行つた。そして、不審さうにぢつと立ち止つた。彼は中で誰かの悲しさうな泣聲を聞いたのである。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
横井はその時分醫學專門の入學準備をしてゐたのだが、その時分下宿へ怪しげな女なぞ引張り込んだりしてゐたが、それから間もなく警察へ
入
(
はひ
)
つたのらしかつた。
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
汚い戲場と視官を刺すやうな色斑らな看板繪——大阪にはまだ淺草のやうに安いペンキ繪は
入
(
はひ
)
つて居ない——三味線、太鼓及びクラリオネツト、かくて春日座の「兵營の夢」
京阪聞見録
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
『懸けようと思つたさ。然し何しろ四間も五間も、離れてるしね。中へ入つて行かうたつて、
彼
(
あ
)
の通りぎつしりだから
入
(
はひ
)
れやしないんだ。汗はだく/\流れるしね。よく彼んな處の
中央
(
まんなか
)
へ入つてるもんだと思つたよ。』
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
すべては循環論法に
入
(
はひ
)
つてくる。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
やがて、
合方
(
あひかた
)
もなしに、
此
(
こ
)
の
落人
(
おちうど
)
は、すぐ
横町
(
よこちやう
)
の
有島家
(
ありしまけ
)
へ
入
(
はひ
)
つた。たゞで
通
(
とほ
)
す
關所
(
せきしよ
)
ではないけれど、
下六同町内
(
しもろくどうちやうない
)
だから
大目
(
おほめ
)
に
見
(
み
)
て
置
(
お
)
く。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
祖母
(
おばあ
)
さんの
鍵
(
かぎ
)
は
金網
(
かなあみ
)
の
張
(
は
)
つてある
重
(
おも
)
い
藏
(
くら
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
ける
鍵
(
かぎ
)
で、
紐
(
ひも
)
と
板片
(
いたきれ
)
をつけた
鍵
(
かぎ
)
で、いろ/\な
箱
(
はこ
)
に
入
(
はひ
)
つた
器物
(
うつは
)
を
藏
(
くら
)
から
取出
(
とりだ
)
す
鍵
(
かぎ
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
初
(
はじめ
)
の幕は文豪の書斎である。モリエエルは机に
向
(
むか
)
つて脚本「
良人学校
(
りやうじんがくかう
)
」に筆を着けて居る。
其処
(
そこ
)
へ小娘のアルマンが
入
(
はひ
)
つて来る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
血腥
(
ちなまぐさ
)
い事件の豫感に、平次は
一寸
(
ちよつと
)
憂欝
(
いううつ
)
になりましたが、直ぐ氣を變へて、ぞんざいに顏を洗ふと、
鬢
(
びん
)
を撫で付け乍ら家へ
入
(
はひ
)
つて行きました。
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
不好
(
いや
)
な
處
(
ところ
)
へいや/\ながら
出
(
で
)
かけて
行
(
ゆ
)
くのかと
怪
(
あやし
)
まるゝばかり
不承無承
(
ふしようぶしよう
)
にプラツトホームを
出
(
で
)
て、
紅帽
(
あかばう
)
に
案内
(
あんない
)
されて
兔
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
茶屋
(
ちやゝ
)
に
入
(
はひ
)
つた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
“入”を含む語句
這入
出入
入来
入用
入交
入替
収入
嫁入
入込
入牢
入費
混入
絶入
恐入
被入
侵入
御入来
入口
煙草入
押入
...