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眞暗
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まつくら
ふりがな文庫
“
眞暗
(
まつくら
)” の例文
新字:
真暗
ひとへに
寄縋
(
よりすが
)
る、
薄暗
(
うすぐら
)
い、
消
(
き
)
えさうに、ちよろ/\またゝく……
燈
(
あかり
)
と
言
(
い
)
つては
此
(
この
)
一點
(
ひとつ
)
で、
二階
(
にかい
)
も
下階
(
した
)
も
臺所
(
だいどころ
)
も
内中
(
うちぢう
)
は
眞暗
(
まつくら
)
である。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
云
(
いひ
)
にける物語
二枝
(
ふたつ
)
に
分
(
わか
)
る
不題
(
こゝにまた
)
忠兵衞は主命なれば詮方なく
最
(
いと
)
云難
(
いひがた
)
き事の由を親子の者に云傳へ
其所
(
そこ
)
をば
遁
(
にげ
)
も出せしが
設
(
も
)
し
追掛
(
おひかけ
)
らる事もやと
意
(
こゝろ
)
の恐れに
眞暗
(
まつくら
)
散方
(
さんばう
)
跡を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私は
燭
(
ひ
)
をつけて置けばよかつたと思つた。夜は物凄いやうに
眞暗
(
まつくら
)
で、私の魂は
壓
(
お
)
しつけられてしまつた。私は床の上に起き上つて、耳を澄したが、もう音は止んでゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
此時
(
このとき
)
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
に
置
(
お
)
いた
洋燈
(
らんぷ
)
の
油
(
あぶら
)
が
減
(
へ
)
つて、
短
(
みじ
)
かい
心
(
しん
)
に
屆
(
とゞ
)
かなくなつたので、
御米
(
およね
)
の
寐
(
ね
)
てゐる
所
(
ところ
)
は
眞暗
(
まつくら
)
になつてゐた。
其所
(
そこ
)
へ
清
(
きよ
)
の
手
(
て
)
にした
灯火
(
あかり
)
の
影
(
かげ
)
が、
襖
(
ふすま
)
の
間
(
あひだ
)
から
射
(
さ
)
し
込
(
こ
)
んだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
大
(
おほ
)
きい
石室
(
せきしつ
)
は
奧行
(
おくゆ
)
きが
十間近
(
じつけんちか
)
くもあり、
室内
(
しつない
)
は
眞暗
(
まつくら
)
ですから
大
(
たい
)
そう
氣味
(
きみ
)
の
惡
(
わる
)
いものでありますが、
蝋燭
(
ろうそく
)
を
點
(
とも
)
したり、
懷中電燈
(
かいちゆうでんとう
)
を
携
(
たづさ
)
へて
行
(
ゆ
)
きますと、
内部
(
ないぶ
)
の
模樣
(
もよう
)
がよくわかります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
▼ もっと見る
といふと
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
忽
(
たちま
)
ち
機嫌
(
きげん
)
麗
(
うる
)
はしく、
今
(
いま
)
私
(
わたくし
)
の
話
(
はな
)
した
眞暗
(
まつくら
)
な
道
(
みち
)
や、
危
(
あぶな
)
い
橋
(
はし
)
の
事
(
こと
)
について
聞
(
き
)
きた
相
(
さう
)
に
顏
(
かほ
)
を
上
(
あ
)
げたが、
此時
(
このとき
)
、
丁度
(
ちやうど
)
猛犬稻妻
(
まうけんいなづま
)
が
耳
(
みゝ
)
を
垂
(
た
)
れ
尾
(
を
)
を
掉
(
ふ
)
つて、
其
(
その
)
傍
(
そば
)
へ
來
(
き
)
たので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
廂の上はこれも
眞暗
(
まつくら
)
なのだ。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
眞暗
(
まつくら
)
な
夜
(
よ
)
になりましよう。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
人
(
ひと
)
の
思
(
おもひ
)
ですわ、
眞暗
(
まつくら
)
だから
分
(
わか
)
らないつてお
疑
(
うたぐ
)
ンなさるのは、そりや、あなたが
邪慳
(
じやけん
)
だから、
邪慳
(
じやけん
)
な
方
(
かた
)
にや
分
(
わか
)
りません。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
(
ひく
)
而已
(
のみ
)
か
飛石
(
とびいし
)
に迄
血
(
ち
)
の付居たるはいかなることぞと
問
(
とは
)
るゝに傳吉
答
(
こた
)
へて其夜
畑村
(
はたむら
)
へ參り河原にて物に
跌
(
つまづ
)
きしが
眞暗
(
まつくら
)
にて何か
分
(
わか
)
りませぬゆゑ早々立歸り
翌朝
(
よくてう
)
裾
(
すそ
)
に血がつき居たるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私が見上げてゐた
蒼穹
(
あをぞら
)
や、愉しく見下ろしてゐた、この
建物
(
たてもの
)
を中心にした、陽に輝いた、木立や草原や緑の丘の景色に比べると、屋根裏は、まるで地下室のやうに
眞暗
(
まつくら
)
な氣がした。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
眞暗
(
まつくら
)
になつて、
恰
(
あだか
)
も
墜道
(
とんねる
)
のやうに
物淋
(
ものさび
)
しい
道
(
みち
)
を、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
が
即座
(
そくざ
)
に
點
(
てん
)
じた
球燈
(
きゆうとう
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
てら
)
して、
右
(
みぎ
)
に
折
(
を
)
れ、
左
(
ひだり
)
に
轉
(
てん
)
じて、
凡
(
およ
)
そ百四五十ヤードも
進
(
すゝ
)
むと、
岩石
(
がんぜき
)
が
前
(
まへ
)
と
後
(
うしろ
)
に
裂
(
さ
)
け
離
(
はな
)
れて、
峽
(
けう
)
をなし
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
... ふいと
見
(
み
)
ますと、
障子
(
しやうじ
)
の
硝子
(
がらす
)
一杯
(
いつぱい
)
ほどの
猫
(
ねこ
)
の
顏
(
かほ
)
が、」と、
身
(
み
)
ぶるひして、「
顏
(
かほ
)
ばかりの
猫
(
ねこ
)
が、
李
(
すもゝ
)
の
葉
(
は
)
の
眞暗
(
まつくら
)
な
中
(
なか
)
から——
其
(
そ
)
の
大
(
おほ
)
きさと
言
(
い
)
つたらありません。 ...
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
半時間
經
(
た
)
たぬうちに、五時が鳴つた。學校は
退
(
ひ
)
けて、みんなはお茶に食堂の方へ行つてしまつたので、私は思ひ切つて降りた。
眞暗
(
まつくら
)
だつた。私は、隅の方へ引込んで、
床
(
ゆか
)
の上に坐つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
灯
(
ひ
)
一
(
ひと
)
つない
眞暗
(
まつくら
)
な
中
(
なか
)
に、
町
(
まち
)
を
歩行
(
ある
)
くものと
言
(
い
)
つては、まだ
八時
(
はちじ
)
と
言
(
い
)
ふのに、
殆
(
ほとん
)
ど
二人
(
ふたり
)
のほかはなかつたと
言
(
い
)
ふ。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
若旦那
(
わかだんな
)
勃然
(
ぼつぜん
)
として
怒
(
おこ
)
るまいか。あと
退
(
じさ
)
りに
跳返
(
はねかへ
)
つた、
中戸口
(
なかどぐち
)
から、
眞暗
(
まつくら
)
に
成
(
な
)
つて
躍込
(
をどりこ
)
んだが、
部屋
(
へや
)
の
扉
(
と
)
の
外
(
そと
)
に
震
(
ふる
)
へる
釘
(
くぎ
)
の
如
(
ごと
)
くに
突立
(
つツた
)
つて、
拳
(
こぶし
)
を
握
(
にぎ
)
りながら
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
兩側
(
りやうがは
)
に
大藪
(
おほやぶ
)
があるから、
俗
(
ぞく
)
に
暗
(
くら
)
がり
坂
(
ざか
)
と
稱
(
とな
)
へる
位
(
ぐらゐ
)
、
竹
(
たけ
)
の
葉
(
は
)
の
空
(
そら
)
を
鎖
(
とざ
)
して
眞暗
(
まつくら
)
な
中
(
なか
)
から、
烏瓜
(
からすうり
)
の
花
(
はな
)
が
一面
(
いちめん
)
に、
白
(
しろ
)
い
星
(
ほし
)
のやうな
瓣
(
はなびら
)
を
吐
(
は
)
いて、
東雲
(
しのゝめ
)
の
色
(
いろ
)
が
颯
(
さつ
)
と
射
(
さ
)
す。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
根
(
ね
)
を
拔
(
ぬ
)
いてストンと
貴女
(
あなた
)
、
靴
(
くつ
)
の
裏
(
うら
)
を
飜
(
かへ
)
して
遁
(
に
)
げた、
遁
(
に
)
げると
成
(
な
)
ると
疾
(
はや
)
い
事
(
こと
)
!……
卷狩
(
まきがり
)
へ
出
(
で
)
る
猪
(
ゐのしゝ
)
ですな、
踏留
(
ふみと
)
まつた
學生
(
がくせい
)
を
突退
(
つきの
)
けて、
眞暗
(
まつくら
)
三寶
(
さんばう
)
に
眞先
(
まつさき
)
へ
素飛
(
すつと
)
びました。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
時
(
とき
)
、
横町
(
よこちやう
)
を
縱
(
たて
)
に
見通
(
みとほ
)
しの
眞空
(
まぞら
)
へ
更
(
さら
)
に
黒煙
(
こくえん
)
が
舞起
(
まひおこ
)
つて、
北東
(
ほくとう
)
の
一天
(
いつてん
)
が
一寸
(
いつすん
)
を
餘
(
あま
)
さず
眞暗
(
まつくら
)
に
代
(
かは
)
ると、
忽
(
たちま
)
ち、どゞどゞどゞどゞどゞと
言
(
い
)
ふ、
陰々
(
いん/\
)
たる
律
(
りつ
)
を
帶
(
お
)
びた
重
(
おも
)
く
凄
(
すご
)
い
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
穴
(
あな
)
のやうな
眞暗
(
まつくら
)
な
場末
(
ばすゑ
)
の
裏町
(
うらまち
)
を
拔
(
ぬ
)
けて、
大川
(
おほかは
)
に
架
(
か
)
けた、
近道
(
ちかみち
)
の、ぐら/\と
搖
(
ゆ
)
れる
一錢橋
(
いちもんばし
)
と
云
(
い
)
ふのを
渡
(
わた
)
つて、
土塀
(
どべい
)
ばかりで
家
(
うち
)
の
疎
(
まばら
)
な、
畠
(
はたけ
)
も
池
(
いけ
)
も
所々
(
ところ/″\
)
、
侍町
(
さむらひまち
)
を
幾曲
(
いくまが
)
り、で
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
縁
(
えん
)
の
角
(
かど
)
の
柱
(
はしら
)
に、
縋
(
すが
)
りながら、
恁
(
か
)
う
一
(
ひと
)
つ
氣取
(
きど
)
つて
立
(
た
)
つと、
爪尖
(
つまさき
)
が、すぐに
浴室
(
よくしつ
)
の
屋根
(
やね
)
に
屆
(
とゞ
)
いて、
透間
(
すきま
)
は、
巖
(
いは
)
も、
草
(
くさ
)
も、
水
(
みづ
)
の
滴
(
したゝ
)
る
眞暗
(
まつくら
)
な
崖
(
がけ
)
である。
危
(
あぶな
)
つかしいが、また
面白
(
おもしろ
)
い。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
所詮
(
しよせん
)
が
嵩
(
かう
)
じて、
眞暗
(
まつくら
)
がり。
我
(
わ
)
が
掌
(
てのひら
)
は
見
(
み
)
えいでも、
歴々
(
あり/\
)
と、
影
(
かげ
)
は
映
(
うつ
)
る、
燈
(
あかり
)
を
消
(
け
)
しても
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
で。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
いつか
四谷
(
よつや
)
の
堂
(
だう
)
の
扉
(
とびら
)
をのぞいて、
眞暗
(
まつくら
)
な
中
(
なか
)
に
閻王
(
えんわう
)
の
眼
(
まなこ
)
の
輝
(
かゞや
)
くとともに、
本所
(
ほんじよ
)
の
足洗屋敷
(
あしあらひやしき
)
を
思
(
おも
)
はせる、
天井
(
てんじやう
)
から
奪衣
(
だつえ
)
の
大婆
(
おほばゞ
)
の
組違
(
くみちが
)
へた
脚
(
あし
)
と、
眞俯向
(
まうつむ
)
けに
睨
(
にら
)
んだ
逆白髮
(
さかしらが
)
に
恐怖
(
おそれ
)
をなした
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あたりは
眞暗
(
まつくら
)
な
處
(
ところ
)
に、
蟲
(
むし
)
よりも
小
(
ちひさ
)
な
身體
(
からだ
)
で、この
大木
(
たいぼく
)
の
恰
(
あたか
)
も
其
(
そ
)
の
注連繩
(
しめなは
)
の
下
(
した
)
あたりに
鋸
(
のこぎり
)
を
突
(
つき
)
さして
居
(
ゐ
)
るのに
心着
(
こゝろづ
)
いて、
恍惚
(
うつとり
)
として
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つたが、
氣
(
き
)
が
遠
(
とほ
)
くなるやうだから、
鋸
(
のこぎり
)
を
拔
(
ぬ
)
かうとすると
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
星樣
(
ほしさま
)
一
(
ひと
)
ツ
見
(
み
)
えないほど、
掻卷
(
かいまき
)
を
引被
(
ひつかぶ
)
つて、
眞暗
(
まつくら
)
に
成
(
な
)
つて
行
(
い
)
つたんです。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それもたゞ
五六人
(
ごろくにん
)
。
病人
(
びやうにん
)
が
起
(
た
)
つた。あとへ
紫
(
むらさき
)
がついて
下
(
お
)
りたのである。……
鰌
(
どぢやう
)
の
沼津
(
ぬまづ
)
と
言
(
い
)
つた。
雨
(
あめ
)
ふりだし、まだ
眞暗
(
まつくら
)
だから
遠慮
(
ゑんりよ
)
をしたが、こゝで
紫
(
むらさき
)
の
富士驛
(
ふじえき
)
と
言
(
い
)
ひたい、——その
若
(
わか
)
い
女
(
をんな
)
が
下
(
お
)
りた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
うそなもんか、
其
(
それ
)
は
眞暗
(
まつくら
)
な
時
(
とき
)
……
丁
(
ちやう
)
ど
今夜
(
こんや
)
見
(
み
)
たやうな
時
(
とき
)
なんだね。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
次第
(
しだい
)
に
夜
(
よ
)
が
更
(
ふ
)
けるに
從
(
したが
)
つて、
何時
(
いつ
)
か
眞暗
(
まつくら
)
に
凄
(
すご
)
くなつた。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
森
(
もり
)
の
下
(
した
)
に
入
(
い
)
るよとすれば
呀
(
や
)
、
眞暗
(
まつくら
)
三寶
(
さんばう
)
黒白
(
あやめ
)
も
分
(
わ
)
かず。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
向
(
むか
)
うの
二階
(
にかい
)
で、
眞暗
(
まつくら
)
な
中
(
なか
)
で
云
(
い
)
ふのを
聞
(
き
)
いた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
眞
部首:⽬
10画
暗
常用漢字
小3
部首:⽇
13画
“眞暗”で始まる語句
眞暗闇