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帯
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お
ふりがな文庫
“
帯
(
お
)” の例文
旧字:
帶
この日、夕方までロボの遠ぼえがきこえていたが、日が
暮
(
く
)
れると、その声はだんだんに近づき次第にかなしい調子を
帯
(
お
)
びてきかれた。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
そして、
年子
(
としこ
)
が、
先生
(
せんせい
)
をたずねて、
東京
(
とうきょう
)
からきたということをおききなさると、
急
(
きゅう
)
にお
言葉
(
ことば
)
の
調子
(
ちょうし
)
は
曇
(
くも
)
りを
帯
(
お
)
びたようだったが
青い星の国へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また急速に鉄道を敷設しおるが、これにも被害が
夥
(
おびただ
)
しい。
而
(
しか
)
して女子はこの種の危険性を
帯
(
お
)
べる事業には従わぬから、女子の死傷は無い。
婦人問題解決の急務
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
然
(
しか
)
も
今度
(
こんど
)
のは
半分
(
はんぶん
)
に
引切
(
ひきき
)
つてある
胴
(
どう
)
から
尾
(
を
)
ばかりの
虫
(
むし
)
ぢや、
切口
(
きりくち
)
が
蒼
(
あをみ
)
を
帯
(
お
)
びて
其
(
それ
)
で
恁
(
か
)
う
黄色
(
きいろ
)
な
汁
(
しる
)
が
流
(
なが
)
れてぴくぴくと
動
(
うご
)
いたわ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その代り食べ頃はたった一日か二日でその時食べないと
直
(
じ
)
きに腐敗しかけて
酸味
(
すみ
)
を
帯
(
お
)
びます。そうなるとモー食べられません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
よほど
深
(
ふか
)
いものと
見
(
み
)
えまして、
湛
(
たた
)
えた
水
(
みず
)
は
藍
(
あい
)
を
流
(
なが
)
したように
蒼味
(
あおみ
)
を
帯
(
お
)
び、
水面
(
すいめん
)
には
対岸
(
たいがん
)
の
鬱蒼
(
うっそう
)
たる
森林
(
しんりん
)
の
影
(
かげ
)
が、くろぐろと
映
(
うつ
)
って
居
(
い
)
ました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
間
(
たまた
)
ま
荷葉
(
かよう
)
披麻
(
ひま
)
を
作
(
な
)
すものあり、波浪を
濯
(
あろ
)
うて
以
(
もっ
)
て
出
(
い
)
ず、交替去来、応接に
暇
(
いとま
)
あらず、けだし
譎詭
(
けっき
)
変幻中
(
へんげんちゅう
)
清秀
(
せいしゅう
)
深穏
(
しんおん
)
の
態
(
たい
)
を
帯
(
お
)
ぶ。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
それからコイルの内に磁気を全く
帯
(
お
)
びない鋼鉄の棒を入れ、これを日光にさらしつつ廻して見たが、やはり結果は無かった。
ファラデーの伝:電気学の泰斗
(新字新仮名)
/
愛知敬一
(著)
墺といい、伊といい、あるいは英仏といい、みな幾分かその臭味を
帯
(
お
)
ばざるものはあらず。ただかの二国はことにそのはなはだしきを見るのみ。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
岩下佐治右衛門
(
いわしたさじうえもん
)
、
重野孝之丞
(
しげのこうのじょう
)
(後に
安繹
(
あんえき
)
)、その
外
(
ほか
)
に黒幕見たような役目を
帯
(
お
)
びて来たのが
大久保市蔵
(
おおくぼいちぞう
)
(後に
利通
(
としみち
)
)、その三人が出て来た
処
(
ところ
)
で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
と、
燕作
(
えんさく
)
はソロソロ
狡獪
(
こうかい
)
な
本性
(
ほんしょう
)
をあらわして、なれなれしく竹童の
帯
(
お
)
びている
般若丸
(
はんにゃまる
)
の
鍔
(
つば
)
や
目貫
(
めぬき
)
をなでまわしながら
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私の話しつつある間、老婦人の顔に、一種の獣性を
帯
(
お
)
んだ表情がうかびましたが、だんだんそれが露骨になって行くのを私は見のがさなかったのです。
血友病
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
五二
馬追鳥
(
うまおいどり
)
は
時鳥
(
ほととぎす
)
に似て
少
(
すこ
)
し大きく、
羽
(
はね
)
の色は赤に茶を
帯
(
お
)
び、肩には馬の
綱
(
つな
)
のようなる
縞
(
しま
)
あり。胸のあたりにクツゴコ(口籠)のようなるかたあり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
やがて注射器の
硝子筒
(
ガラスとう
)
の薬液は徐々に減ってゆきました。その代りに、兄の顔色が次第に
赤味
(
あかみ
)
を
帯
(
お
)
びてきました。ああ、やっぱり、お医者さまの力です。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
スカシユリは、ふつうに
栽培
(
さいばい
)
して花を咲かせていて、その花色には赤、黄、
樺
(
かば
)
〔赤みを
帯
(
お
)
びた黄色〕などがある。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
豊雄
一七八
漸
(
やや
)
此の事を
覚
(
さと
)
り、涙を流して、おのれ
一七九
更に盗をなさず。かうかうの事にて、
県
(
あがた
)
の
何某
(
なにがし
)
の
女
(
め
)
が、
前
(
さき
)
の
夫
(
つま
)
の
帯
(
お
)
びたるなりとて得させしなり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
その
半面
(
よこがお
)
を文三が
窃
(
ぬす
)
むが如く眺め
遣
(
や
)
れば、眼鼻口の美しさは常に
異
(
かわ
)
ッたこともないが、月の光を受けて些し蒼味を
帯
(
お
)
んだ
瓜実顔
(
うりざねがお
)
にほつれ掛ッたいたずら髪
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ただ官職を
帯
(
お
)
びて巡廻するものが、
轎夫
(
きょうふ
)
なきために一歩も進めなくては公務のために
憂
(
うれ
)
うべきことである。ゆえに公務のために自分らの労力を提供したのである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
為めに頭を
冷
(
ひ
)
やさんとするも
悲
(
かなし
)
いかな水なきを如何せん、鹽原君
帯
(
お
)
ぶる所の劔を
抜
(
ぬ
)
きて其顔面に
当
(
あ
)
て、以て多少之を
冷
(
ひや
)
すを
得
(
え
)
たり、朝に
至
(
いた
)
りて
少
(
すこ
)
しく快方に
向
(
むか
)
ひ来る。
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
外
(
ほか
)
に非常に大切な
用向
(
ようむき
)
を
帯
(
お
)
びて居るので、実は一日もここに止まって居ることが出来んのであるから、どうか私が今日ここに来て願書を出したという
書付
(
かきつけ
)
だけ下さい。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
さのみ
繁
(
しげ
)
くもない
樺
(
かば
)
のほそぼそとした
幹
(
みき
)
は思いがけずも白絹めく、やさしい
光沢
(
こうたく
)
を
帯
(
お
)
び、地上に散り
布
(
し
)
いた、細かな落ち葉はにわかに日に映じてまばゆきまでに金色を放ち
武蔵野
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
僕はひとり
言
(
ごち
)
ながらさっそく牛舎に行ってみた。熱もあるようだ。
臀部
(
でんぶ
)
に
戦慄
(
ふるえ
)
を感じ、毛色がはなはだしく衰え、目が
闇涙
(
あんるい
)
を
帯
(
お
)
んでる。僕は一見して見込みがないと思った。
去年
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
絶頂の
苔蒸
(
こけむ
)
して、
雅味
(
がみ
)
を
帯
(
お
)
んだ妙見の小さな石の祠のあるあたりには、つつじの株最も多く、現在では
蛍袋
(
ほたるふくろ
)
が
夥
(
おびただ
)
しく花をつけており、しもつけもまだ
残
(
のこ
)
んの花を見せている。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
私
(
わたくし
)
は
平生
(
へいぜい
)
の通りKと口を
利
(
き
)
きながら、どこかで平生の心持と離れるようになりました。彼に対する親しみも憎しみも、
旅中
(
りょちゅう
)
限
(
かぎ
)
りという特別な性質を
帯
(
お
)
びる風になったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其子
(
そのこ
)
の身に宿りしより常に
殺気
(
さつき
)
を
帯
(
お
)
べる夢のみ多く、或時は
深山
(
しんざん
)
に迷ひ込みて
数千
(
すせん
)
の
狼
(
おほかみ
)
に囲まれ、一生懸命の勇を
鼓
(
なら
)
して、
其
(
その
)
首領
(
しゆりやう
)
なる
老狼
(
らうらう
)
を
引倒
(
ひきたふ
)
し、
上顎
(
うはあご
)
と
下顎
(
したあご
)
に手をかけて
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
一行がこの絶頂に於て非常に驚いたのは古来いまだかつて人間の入りし事のないちょうこの山の
巓
(
いただ
)
きに多年風雨に
曝
(
さら
)
され何ともいえぬ古色を
帯
(
お
)
びた
錫杖
(
しゃくじょう
)
の頭と長さ八寸一分、幅六分
越中劍岳先登記
(新字新仮名)
/
柴崎芳太郎
(著)
其が朝露を
帯
(
お
)
びる時、夕日に
栄
(
は
)
えて白金色に光る時、人は雲雀と
歌声
(
うたごえ
)
を
競
(
きそ
)
いたくなる。五日は
檞餅
(
かしわもち
)
の節句だ。目もさむる若葉の緑から、黒い赤い紙の
鯉
(
こい
)
がぬうと出てほら/\
跳
(
おど
)
って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
一度び笑えば
百媚
(
ひゃくび
)
生ずといわれた美貌も、すっかりやつれ果て、長い黒髪をがっくり横たえて、頭を上げるのもやっとというその姿は、まさに、
梨花
(
りか
)
一枝
(
いっし
)
、
春雨
(
はるあめ
)
を
帯
(
お
)
ぶ、という風情であった。
現代語訳 平家物語:03 第三巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
さあ
大変
(
たいへん
)
と思ってタネリが
急
(
いそ
)
いで
眼
(
め
)
をはなしましたがもうそのときはいけませんでした。そらがすっかり
赤味
(
あかみ
)
を
帯
(
お
)
びた
鉛
(
なまり
)
いろに
変
(
かわ
)
ってい海の水はまるで
鏡
(
かがみ
)
のように
気味
(
きみ
)
わるくしずまりました。
サガレンと八月
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
行燈
(
あんどん
)
の
灯
(
ひ
)
が
長
(
なが
)
く
影
(
かげ
)
をひいた、その
鼠色
(
ねずみいろ
)
に
包
(
つつ
)
まれたまま、
石
(
いし
)
のように
硬
(
かた
)
くなったおこのの
髪
(
かみ
)
が二
筋
(
すじ
)
三
筋
(
すじ
)
、
夜風
(
よかぜ
)
に
怪
(
あや
)
しくふるえて、
心
(
こころ
)
もち
青
(
あお
)
みを
帯
(
お
)
びた
頬
(
ほほ
)
のあたりに、ほのかに
汗
(
あせ
)
がにじんでいた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
しかし、六尺豊な体躯を持っている赫顔白髪の老翁の太古の風貌を
帯
(
お
)
べる考えと多情多感な詩人肌の彼の考えと到底一致する筈がない。結局荘子は先哲のどの道にも
就
(
つ
)
かず、己れの道を模索し始めた。
荘子
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
御声に曇りが
帯
(
お
)
ばれて来られた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その夜は珍らしく雪が晴れて、雲間から淋しい冬の月が洩れている……
一望
(
いちぼう
)
漠々
(
ばくばく
)
たる広野の積雪は、寒い冴えた月の光りを
帯
(
お
)
んで薄青く輝いていた。
北の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
現
(
げん
)
に
只
(
ただ
)
今
(
いま
)
も
命様
(
みことさま
)
には
何
(
なに
)
かの
御用
(
ごよう
)
を
帯
(
お
)
びて
御出
(
おで
)
ましになられ、
乙姫様
(
おとひめさま
)
は、ひとりさびしくお
不在
(
るす
)
を
預
(
あず
)
かって
居
(
お
)
られます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
困惑
(
こんわく
)
の目の色がだんだんと
憤怒
(
ふんぬ
)
の光を
帯
(
お
)
びてきた。だが、今夜はそんなことで
駭
(
おどろ
)
くようなあたしじゃない。
俘囚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
桜山
(
さくらやま
)
の
背後
(
うしろ
)
に、薄黒い雲は流れたが、
玄武寺
(
げんむじ
)
の
峰
(
みね
)
は
浅葱色
(
あさぎいろ
)
に晴れ渡って、石を
伐
(
き
)
り出した岩の
膚
(
はだ
)
が、
中空
(
なかぞら
)
に
蒼白
(
あおじろ
)
く、底に光を
帯
(
お
)
びて、月を
宿
(
やど
)
していそうに見えた。
海の使者
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
葉面
(
ようめん
)
は心臓形で左右不同の
歪形
(
わいけい
)
を
呈
(
てい
)
し、他の植物の葉とはだいぶ葉形が異なっている。茎と
共
(
とも
)
に質が
柔
(
やわ
)
らかく、
元来
(
がんらい
)
は緑色なれども、赤味を
帯
(
お
)
びているから美しい。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
なかに、目立つはひとりの将、
漆黒
(
しっこく
)
の馬にまたがって身には
鎧
(
よろい
)
をまとわず、頭に
兜
(
かぶと
)
をかぶらず、白の
小袖
(
こそで
)
に、
白鞘
(
しらさや
)
の一刀を
帯
(
お
)
びたまま、
鞭
(
むち
)
を
裾野
(
すその
)
にさして、いそぎにいそぐ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白い部分は光沢を失ってやや青みを
帯
(
お
)
んでいる。引き締まった顔がいよいよ引き締まって、
眼
(
め
)
は何となし曇っている。これを心に悩みあるものと解らないようでは恋の話はできない。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
杉
(
すぎ
)
は
鳶色
(
とびいろ
)
になり、松は
微黄
(
びこう
)
を
帯
(
お
)
び、
裸
(
はだか
)
になった
楓
(
かえで
)
の
枝
(
えだ
)
には、
四十雀
(
しじゅうから
)
が五六
羽
(
ぱ
)
、
白頬
(
しろほ
)
の
黒頭
(
くろあたま
)
を
傾
(
かし
)
げて見たり、ヒョイ/\と枝から枝に飛んだりして居る。
地蔵様
(
じぞうさま
)
の影が
薄
(
うっ
)
すら地に落ちて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
先年
名佐
(
なさ
)
技師
(
ぎし
)
が
地質調査
(
ちしつてうさ
)
の為め
探検
(
たんけん
)
して之より
帰
(
かへ
)
られし処とす、衆
露宿
(
ろしゆく
)
を此に
取
(
と
)
る、人夫十数人
拮据勉励
(
きつきよべんれい
)
、大石を
除
(
のぞ
)
きて磧中を
堀
(
ほ
)
り温泉塲二ヶ
所
(
しよ
)
を
作
(
つく
)
る、泉石幾年の
苔
(
こけ
)
を
帯
(
お
)
び
汚穢
(
をくわい
)
甚しきを以て
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
卯を
兎
(
うさぎ
)
に当てた十二獣の説は、程なく
我邦
(
わがくに
)
にも入ってきてはいるが、歌にしばしば
詠
(
よ
)
まれた「神まつる卯月」稲の
種播
(
たねま
)
くこの月の名だけは、今もってウサギの月というような語感を
帯
(
お
)
びてはいない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
何故に鶏卵の古きものは新しきものより
光沢
(
つや
)
を
帯
(
お
)
ぶるや
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
まだ
青味
(
あをみ
)
を
帯
(
お
)
びた
棕梠
(
しゆろ
)
の
花
(
はな
)
が
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
彼が教壇の上に立って、讃美歌を捧げる時のその声は、高い、太い声だけれど、また
傷
(
いたま
)
しい、
悲
(
かなし
)
みを
帯
(
お
)
んだ
何処
(
どこ
)
やら人に涙を催させるような処があった。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
電波は
長波
(
ちょうは
)
、
中波
(
ちゅうは
)
、
短波
(
たんぱ
)
と、だんだん波長が短くなってきて、もっと短くなると
超短波
(
ちょうたんぱ
)
となり、その下は
極超短波
(
ごくちょうたんぱ
)
となる。そのへんになると
赤外線
(
せきがいせん
)
の性質を
帯
(
お
)
びて来る。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
葉を
検
(
けん
)
して見ると、バナナの方が
葉質
(
ようしつ
)
がじょうぶで葉裏が
白粉
(
はくふん
)
を
帯
(
お
)
びたように
白色
(
はくしょく
)
を
呈
(
てい
)
しており、そして
花穂
(
かすい
)
の
苞
(
ほう
)
が
暗赤色
(
あんせきしょく
)
であるから、わがバショウの葉の
裏面
(
りめん
)
が緑色で
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
私
(
わし
)
は
其
(
その
)
まゝ
目
(
め
)
を
外
(
そ
)
らしたが、
其
(
そ
)
の一
段
(
だん
)
の
婦人
(
をんな
)
の
姿
(
すがた
)
が
月
(
つき
)
を
浴
(
あ
)
びて、
薄
(
うす
)
い
煙
(
けぶり
)
に
包
(
つゝ
)
まれながら
向
(
むか
)
ふ
岸
(
ぎし
)
の
潵
(
しぶき
)
に
濡
(
ぬ
)
れて
黒
(
くろ
)
い、
滑
(
なめら
)
かな、
大
(
おほき
)
な
石
(
いし
)
へ
蒼味
(
あをみ
)
を
帯
(
お
)
びて
透通
(
すきとほ
)
つて
映
(
うつ
)
るやうに
見
(
み
)
えた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
竹林
(
ちくりん
)
のやみに、夜の風がサワサワゆれはじめると、昼はさまでに思えなかった
水音
(
みずおと
)
が、いちだんとすごみを
帯
(
お
)
びてくる。——ことに今夜は、小屋の
灯
(
ひ
)
をともす者もなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朱
(
しゆ
)
の
鈍
(
にば
)
み星のごと
潤味
(
うるみ
)
帯
(
お
)
び
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“帯”の解説
帯(おび、帶)とは、着物の上から腰の上に巻いて結ぶことで着物を体に固定させる幅広で紐状の装身具。道具を装用する機能も持つ。
(出典:Wikipedia)
帯
常用漢字
小4
部首:⼱
10画
“帯”を含む語句
世帯
腰帯
帯刀
腹帯
紐帯
革帯
帯革
扱帯
拐帯
世帯染
昼夜帯
携帯
痩世帯
大佩帯
飾帯
臍帯
繃帯
帯紐
兵古帯
新世帯
...