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かり
ふりがな文庫
“
仮
(
かり
)” の例文
旧字:
假
霎時
(
しばらく
)
聞かせたまへ。我今
仮
(
かり
)
に
化
(
かたち
)
をあらはして
話
(
かた
)
るといへども、神にあらず仏にあらず、もと
一〇五
非情
(
ひじやう
)
の物なれば人と異なる
慮
(
こころ
)
あり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
それは戦時中だが、長政の父久政の
仮
(
かり
)
の葬儀が営まれ、次の日にいたるまで、本丸の奥のほうで、
読経
(
どきょう
)
の声がもれていたからである。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
うちの女房は、戸籍のほうでは、三十四歳という事になっていますが、それはこの世の
仮
(
かり
)
の年齢で、実は、何百歳だかわからぬのです。
女神
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
背山の
方
(
かた
)
は
大判司清澄
(
だいはんじきよずみ
)
——チョボの太夫の力強い声によび出されて、
仮
(
かり
)
花道にあらわれたのは織物の
𧘕𧘔
(
かみしも
)
をきた立派な老人である。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
今
仮
(
かり
)
に西洋の原書を離れて、これに
易
(
か
)
うるに日本流の落語滑稽を以てせんとして、その種類を集めたらばいかなるものを
得
(
う
)
べきや。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
それは
私
(
わたし
)
の
権内
(
けんない
)
に
無
(
な
)
いことなのです。まあ、
考
(
かんが
)
えて
御覧
(
ごらん
)
なさい、
私
(
わたし
)
が
仮
(
かり
)
に
貴方
(
あなた
)
をここから
出
(
だし
)
たとして、どんな
利益
(
りえき
)
がありますか。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
さて我山中に入り
場所
(
ばしよ
)
よきを
見立
(
みたて
)
、木の
枝
(
えだ
)
藤蔓
(
ふぢつる
)
を以て
仮
(
かり
)
に
小屋
(
こや
)
を作りこれを
居所
(
ゐどころ
)
となし、おの/\犬を
牽
(
ひき
)
四方に
別
(
わかれ
)
て熊を
窺
(
うかゞ
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
豊野より汽車に乗りて、軽井沢にゆく。途次線路の
壊
(
やぶ
)
れたるところ多し、又
仮
(
かり
)
に
繕
(
つくろ
)
いたるのみなれば、そこに来るごとに車のあゆみを
緩
(
ゆる
)
くす。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
とドノバンがシャツの
袖
(
そで
)
をちぎって、くるくるとゆわえた。見る見る
鮮血
(
せんけつ
)
は
仮
(
かり
)
ほうたいをまっかに染めた。ドノバンはじっとそれをみつめた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
然
(
しか
)
も
其
(
そ
)
の
労力
(
らうりよく
)
に
仕払
(
しはら
)
ふべき、
報酬
(
はうしう
)
の
量
(
りやう
)
の
莫大
(
ばくだい
)
なるに
苦
(
くるし
)
んで、
生命
(
いのち
)
にも
代
(
か
)
へて
最惜
(
いとをし
)
む
恋人
(
こひびと
)
を
仮
(
かり
)
に
奪
(
うば
)
ふて、
交換
(
かうくわん
)
すべき
条件
(
でうけん
)
に
充
(
あ
)
つる
人質
(
ひとじち
)
と
為
(
し
)
たに
相違
(
さうゐ
)
ない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
困
(
こま
)
ったものだな。うっちゃっておくわけにもいかない。
仮
(
かり
)
にも
観音
(
かんのん
)
さまにお
願
(
ねが
)
い
申
(
もう
)
しているというのだから、せめて
食
(
た
)
べ
物
(
もの
)
だけはやることにしよう。」
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
此
(
こ
)
は
是
(
こ
)
れ馬琴が
腔子裏
(
こうしり
)
の事なりと
雖
(
いえど
)
も、
仮
(
かり
)
に馬琴をして在らしむるも、
吾
(
わ
)
が言を聴かば、
含笑
(
がんしょう
)
して
点頭
(
てんとう
)
せん。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
之
(
これ
)
が
為
(
ため
)
に無けなしの
懐裏
(
ふところ
)
を百七十円ほど
傷
(
いた
)
めて、
吽
(
うん
)
と参つた、
仮
(
かり
)
に
小文学
(
せうぶんがく
)
をも
硯友社
(
けんいうしや
)
の
機関
(
きくわん
)
に
数
(
かぞ
)
へると、
其
(
それ
)
が第七期、
是
(
これ
)
が第八期で、
未
(
ま
)
だ第九期なる者が有る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
千里
(
ちさと
)
のほかまでと思ひやるに添ひても行かれぬものなれば唯うらやましうて、これを
仮
(
かり
)
に鏡となしたらば人のかげも
映
(
うつ
)
るべしやなど
果敢
(
はか
)
なき事さへ思ひ出でらる。
月の夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その歴史がこういう歴史であったと
仮
(
かり
)
定
(
さだ
)
めてごらんなさい……この教会を建てた人はまことに貧乏人であった、この教会を建てた人は学問も別にない人であった
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
仮
(
かり
)
に盥ほどもある大きい
硝子
(
ガラス
)
の
塊
(
かたまり
)
だったとしたら、そいつは私の眼にもうつらないで、この室から外へ抛げることが出来たでしょう。その外に解きようがありません。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
田端の画室の
仮
(
かり
)
けいこ場へ登場して、御家庭にも親しんでみたいと思っておりましたが、なかなか家を出ないのがわたくしの癖で、そうしなければと思っているうちが
平塚明子(らいてう)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
○この頃の暑さにも
堪
(
た
)
へ
兼
(
かね
)
て風を起す機械を欲しと言へば、碧梧桐の
自
(
みずか
)
ら作りて我が寐床の上に
吊
(
つ
)
りくれたる、
仮
(
かり
)
にこれを名づけて風板といふ。夏の季にもやなるべき。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
(中略)
汝
(
なんぢ
)
があふて
見度
(
みたし
)
と思ふ女のねんごろにする男の
懐
(
ふところ
)
の中に入れば、その男の魂ぬけ
出
(
いで
)
、汝
仮
(
かり
)
に其男に入れかはりて、相手の女を自由にする事、又なき楽しみにあらずや
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そういうことまでを説明した書物は、まだ出ていないようであり、
仮
(
かり
)
にこういうわけだろうと言った人があったところで、たしかだと思うことができなければ役には立たぬ。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
えらびました。培養液として選んだのは第二村木液と
仮
(
かり
)
に私が命名している生理液です
人造人間
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
けだし当時の王と称する者、皆いわゆる仁義を
仮
(
かり
)
て
覇
(
は
)
を
謀
(
はか
)
る者なり。これをもってその法王に
佞
(
ねい
)
する、彼がごとくついに世を救うゆえんのものをもって、民を
土炭
(
とたん
)
に
陥
(
おとしい
)
るるに至る。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
おれにゃ、
嘘
(
うそ
)
と
坊主
(
ぼうず
)
の
頭
(
あたま
)
ァいえねえよ。——
仮
(
かり
)
にもおんなじ
芝居
(
しばい
)
の
者
(
もの
)
が、こんなことを、ありもしねえのにいって
見
(
み
)
ねえ。それこそ
簀巻
(
すまき
)
にして、
隅田川
(
すみだがわ
)
のまん
中
(
なか
)
へおッ
放
(
ぽ
)
り
込
(
こ
)
まれらァな
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そしてまた
都
(
みやこ
)
へお帰りになろうとなさいますと、その出雲の国をおあずかりしている、
国造
(
くにのみやつこ
)
という、いちばん上の役人が、
肥
(
ひ
)
の
河
(
かわ
)
の中へ
仮
(
かり
)
のお宮をつくり、それへ、
細木
(
ほそき
)
を
編
(
あ
)
んだ橋を渡して
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
この
少年
(
しょうねん
)
は、
名
(
な
)
を
知
(
し
)
られなかった。
私
(
わたし
)
は
仮
(
かり
)
にケーと
名
(
な
)
づけておきます。
眠い町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「アツセ・アングレエズ」、「サラド・ルツス」其れからサンドヰツチを油で揚げた様な物で名が
解
(
わか
)
らないから
仮
(
かり
)
に梅原が名を附けた「サンドヰツチ・ムネ・シユリイ」に「タルト」と云ふ菓子。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
すべてが
仮
(
かり
)
で、わびしく、落ち着かなかった。吉左衛門は半蔵に力を添えて、大工を呼べ、新しい母屋の絵図面を引けなどと言って、普請工事の下相談もすでに始まりかけているところであった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
色と動と音と千変万化の無尽蔵たる海洋の
辺
(
ほとり
)
。野に
饜
(
あ
)
いた彼には、此等のものが時々
幻
(
まぼろし
)
の如く立現われる。然しながら
仮
(
かり
)
にサハラ、ゴビの一切水に縁遠い境に住まねばならぬとなったら
如何
(
どう
)
であろう。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
類焼
(
るいしょう
)
の跡にてその灰を
掻
(
か
)
き、
仮
(
かり
)
に松板を以て高さ二間
許
(
ばか
)
りに五百間の
外囲
(
そとがこい
)
をなすに、
天保
(
てんぽう
)
時代の金にておよそ三千両なりという。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
鮏
(
さけ
)
こゝにいたりて
激浪
(
げきらう
)
にのぼりかねて
猶予
(
たゆたふ
)
ゆゑ、
漁師
(
れふし
)
ども
仮
(
かり
)
に
柴橋
(
しばはし
)
を
架
(
かけ
)
わたし、
岸
(
きし
)
にちかき
岩
(
いは
)
の上の雪をほりすてこゝに居てかの
掻網
(
かきあみ
)
をなす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
約束がきまって、男は三両の金を渡したので、孫十郎は
仮
(
かり
)
請取
(
うけとり
)
をかいて渡した。帰るときに、男は念を押して云った。
半七捕物帳:42 仮面
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
穴山梅雪の
仮
(
かり
)
の
館
(
やかた
)
では、もう
燭
(
しょく
)
をともして、
侍女
(
こしもと
)
たちが、
琴
(
こと
)
をかなでて、にぎわっているところだった。そこへひとりの家臣が、こう取りついできた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仮
(
かり
)
にも
先生
(
せんせい
)
と
呼
(
よ
)
んだ
貴下
(
あなた
)
に
向
(
むか
)
つて、
嘘
(
うそ
)
は
言
(
い
)
へません。……
一度
(
いちど
)
来
(
こ
)
やう、
是非
(
ぜひ
)
見
(
み
)
たい。
生
(
うま
)
れない
以前
(
いぜん
)
から
雪枝
(
ゆきえ
)
の
身躰
(
からだ
)
とは、
許嫁
(
いひなづけ
)
の
約束
(
やくそく
)
があるやうな
此
(
こ
)
の
土地
(
とち
)
です。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
君が今日家の子を
賞
(
しやう
)
じ給ふに
感
(
め
)
でて、翁が思ふ
三四
こころばへをもかたり
和
(
なぐさ
)
まんとて、
仮
(
かり
)
に
化
(
かたち
)
を
見
(
あら
)
はし侍るが、十にひとつも
益
(
やう
)
なき
閑談
(
むだごと
)
ながら、
三五
いはざるは腹みつれば
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
みんなはあの三
人
(
にん
)
のおじいさんは、
住吉
(
すみよし
)
の
明神
(
みょうじん
)
さまと、
熊野
(
くまの
)
の
権現
(
ごんげん
)
さまと、
男山
(
おとこやま
)
の
八幡
(
はちまん
)
さまが
仮
(
かり
)
に
姿
(
すがた
)
をお
現
(
あらわ
)
しになったものであることをはじめて
知
(
し
)
って、
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
いながら
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
または
亡
(
な
)
き魂の
仮
(
かり
)
の姿かもしれぬといって、いかなる
悪太郎
(
あくたろう
)
も捕獲をさし控えさせられる。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
桂木先生と誰れも褒めしが、下宿は十町ばかり我が家の北に、法正寺と呼ぶ寺の
離室
(
はなれ
)
を
仮
(
かり
)
ずみなりけり、幼なきより教へを受くれば、
習慣
(
ならはし
)
うせがたく我を愛し給ふこと人に越えて
雪の日
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そうして
死
(
し
)
が
各人
(
かくじん
)
の
正当
(
せいとう
)
な
終
(
おわり
)
であるとするなれば、
何
(
なん
)
の
為
(
ため
)
に
人々
(
ひとびと
)
の
死
(
し
)
の
邪魔
(
じゃま
)
をするのか。
仮
(
かり
)
にある
商人
(
しょうにん
)
とか、ある
官吏
(
かんり
)
とかが、五
年
(
ねん
)
十
年
(
ねん
)
余計
(
よけい
)
に
生延
(
いきの
)
びたとして
見
(
み
)
た
所
(
ところ
)
で、それが
何
(
なん
)
になるか。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
飛んだことでお気の毒だが、これア、何かお
上
(
かみ
)
の間違いに違いあるまい。お前さんのようなお人が
仮
(
かり
)
にもお奉行所へ呼び出されるなんてことは、ほんとの災難だ。——だが心配は無用にさっしゃい。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
橋流れて水流れず、橋流れて水流れず、ハテナ、橋流れて水流れず、と口の中で扱い、胸の中で
咬
(
か
)
んでいると、
忽
(
たちま
)
ち昼間渡った
仮
(
かり
)
そめの橋が
洶〻
(
きょうきょう
)
と流れる
渓川
(
たにがわ
)
の上に
架渡
(
かけわた
)
されていた景色が眼に浮んだ。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
僕
(
ぼく
)
どもは
枯枝
(
かれえだ
)
をひろひ石をあつめて
仮
(
かり
)
に
灶
(
かまど
)
をなし、もたせたる食物を
調
(
てう
)
ぜんとし、あるひは水をたづねて茶を
烹
(
に
)
れば、上戸は酒の
燗
(
かん
)
をいそぐもをかし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
あたまは、きれいに
剃髪
(
ていはつ
)
しており、それもこんどは、
仮
(
かり
)
でなく、真光寺の内で
得度
(
とくど
)
をうけていたのである。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仮
(
かり
)
に、もし、
此
(
これ
)
を
煮
(
に
)
る
事
(
こと
)
、
鋳
(
い
)
る
事
(
こと
)
、
錬
(
ね
)
る
事
(
こと
)
が、
其
(
そ
)
の
極度
(
きよくど
)
に
到着
(
たうちやく
)
した
時
(
とき
)
の
結晶体
(
けつしやうたい
)
が、
衣絵
(
きぬゑ
)
さんの
姿
(
すがた
)
に
成
(
な
)
るべき
魔術
(
まじゆつ
)
であつても、
火
(
ひ
)
に
掛
(
か
)
けて
煮爛
(
にたゞ
)
らかして
何
(
なん
)
とする! ……
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
故に今
仮
(
かり
)
に古人の言に従って孝を百行の本とするも、その孝徳を発生せしむるの根本は、夫婦の徳心に
胚胎
(
はいたい
)
するものといわざるを得ず。男女の関係は人生に
至大
(
しだい
)
至重
(
しちょう
)
の事なり。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
それから諸国をめぐりあるいて江戸へはいって来たのは、ことしの花ももう散りかかる三月のなかばであった。彼は下谷辺のある安宿を
仮
(
かり
)
の宿として、江戸市中を毎日遍歴した。
半七捕物帳:19 お照の父
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
勝連
(
かつれん
)
文化と私は
仮
(
かり
)
に呼んでいるのだが、その勝連文化と首里・那覇を中心とした文化、すなわち
浦添
(
うらそえ
)
文化とでも言うべきものとの間には、系統上の相異があったのではなかろうか。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
仮
(
かり
)
に其の詞を
容
(
い
)
れて、つらつら経久がなす所を見るに、
九六
万夫
(
ばんぷ
)
の
雄
(
ゆう
)
人に
勝
(
すぐ
)
れ、よく
士卒
(
いくさ
)
を
習練
(
たなら
)
すといへども、
九七
智を用ふるに
狐疑
(
こぎ
)
の心おほくして、
九八
腹心
(
ふくしん
)
爪牙
(
さうが
)
の家の子なし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
さりながら
是
(
こ
)
は
叶
(
か
)
なふべきことならず、
仮
(
かり
)
にもかゝる
心
(
こゝろ
)
を
持
(
も
)
たんは、
愛
(
あい
)
するならずして
害
(
がい
)
するなり、いで
今
(
いま
)
よりは
虚心
(
きよしん
)
平氣
(
へいき
)
の
昔
(
むか
)
しに
返
(
かへ
)
りて
何
(
なに
)
ごとをも
思
(
おも
)
ふまじと、
斷念
(
だんねん
)
いさましく
胸
(
むね
)
すゞしくなるは
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そんなことは
無
(
な
)
い、
例
(
たと
)
えば
御覧
(
ごらん
)
なさい、
貴方
(
あなた
)
が
中風
(
ちゅうぶ
)
にでも
罹
(
かか
)
ったとか、
或
(
あるい
)
は
仮
(
かり
)
に
愚者
(
ぐしゃ
)
が
自分
(
じぶん
)
の
位置
(
いち
)
を
利用
(
りよう
)
して
貴方
(
あなた
)
を
公然
(
こうぜん
)
辱
(
はずか
)
しめて
置
(
お
)
いて、それが
後
(
のち
)
に
何
(
なん
)
の
報
(
むくい
)
も
無
(
な
)
しに
済
(
す
)
んでしまったのを
知
(
し
)
ったならば
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
僕
(
ぼく
)
どもは
枯枝
(
かれえだ
)
をひろひ石をあつめて
仮
(
かり
)
に
灶
(
かまど
)
をなし、もたせたる食物を
調
(
てう
)
ぜんとし、あるひは水をたづねて茶を
烹
(
に
)
れば、上戸は酒の
燗
(
かん
)
をいそぐもをかし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
仮
常用漢字
小5
部首:⼈
6画
“仮”を含む語句
仮睡
仮令
仮名
仮漆
仮寝
仮托
仮面
仮寐
仮借
仮声
仮綴
仮色
仮宅
仮名遣
仮託
仮装
仮作
仮初
仮髪
仮病
...