)” の例文
旧字:
それから、小人こびとはカラスたちの食べものを七つの小さなおさらにのせ、みものを七つの小さなさかずきにいれて、もってきました。
平生へいぜいからあざけるものはあざけるが、心優こゝろやさしい衣絵きぬゑさんは、それでもどくがつて、存分ぞんぶんかしてむやうにとつた厚情こゝろざしなのであつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
多分たぶん被害者ひがいしゃは、くるしみもがき、金魚鉢きんぎょばちのところまでいよつてきて、くちをゆすぐか、または、はちなかみずもうとしたのだろう。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
*うなぎ酒はふた茶碗にうなぎの焼いたのを入れて熱い酒をかけて、茶碗の蓋をしたままむ。この場合は関西風の焼き方にかぎる。
料理メモ (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
けれど、もはやみずすら十ぶんむこともできなかったので、こののち、そんなにながいこといのちたもたれようとはかんがえられませんでした。
千代紙の春 (新字新仮名) / 小川未明(著)
って、ちゃがまに水をくみれました。すると小さなちゃがまのくせに、いきなりおけに一ぱいの水をがぶりとんでしまいました。
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「オ、とっツアん、いつものくちを、五ごうばかりもらおうじゃあねえか。くちに待っていられてみると、どうも手ぶらじゃアけえれねえや」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
指導役しどうやくのおじいさんはそんな御愛想おあいそういながら、おし少女しょうじょみずをすすめ、また御自分ごじぶんでも、さもうまそうに二三ばいんでくださいました。
それ大変たいへんだ、しかきみはまだ一めいがあるのが幸福しあはせだ、大原伊丹君抔おほはらいたみくんなど可愛想かあいそうにモルヒネを沢山たくさんませられたもんぢやから、到頭たうとう死んでしまつた。
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
代助は飲むに従つて、段々かねとほざかつてた。たゞ互が差し向ひであるが為めに、うまめたと云ふ自覚を、互に持ち得る様な話をした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「エステル工学校。ハッハッハ。素敵だ。さあどうです。一杯いっぱいやりましょう。チュウリップの光の酒。さあみませんか。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
つきゆきはなおろいぬんだとては一句いつくつくねこさかなぬすんだとては一杯いつぱいなにかにつけて途方とはうもなくうれしがる事おかめが甘酒あまざけふとおなじ。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
そうすりゃ、きみはおもてへいって、水をめるだろう。それから、枯れ草の置場おきばによじのぼって、きみのおけの中に枯れ草を投げおとしてみるよ。
周辺あたりはなしにはまれ立入たちいるのみで、質問しつもんをされたらけっして返答へんとうをしたことのい、ものも、ものも、あたえらるるままに、時々ときどきくるしそうなせきをする。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さァさた、こっちへおいで、たかやすいの思案しあん無用むよう思案しあんするなら谷中やなかへござれ。谷中やなかよいとこおせんの茶屋ちゃやで、おちゃみましょ。煙草たばこをふかそ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
千代ちいちやんひどく不快わるくでもなつたのかいふくくすりましてれないかうした大変たいへん顔色かほいろがわろくなつてたおばさん鳥渡ちよつと良之助りやうのすけこゑおどかされてつぎ祈念きねん
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
可哀かわいそうに! この子家鴨こあひるがどうしておよめさんをもらことなどかんがえていたでしょう。かれはただ、がまなかて、沢地たくちみずむのをゆるされればたくさんだったのです。
あなみにくさかしらをすとさけまぬ人をよくればさるにかもる(よく見ば猿にかも似む) (同・三四四)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
しろ公も林太郎とおなじようにまず食わずですから、もう少しでへたばりそうになっていました。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
家のひとたちのあてがうものをこころよくみして、なんのこともなく昨夜さくやまでごしてきたところ、けさは何時なんじになっても起きないから、はじめて不審ふしんをおこし
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「ばかなっ、そんなごろもがいくらのしろになると思うか。——もうよし、くどい問答は切りあげて、また出直そう」もっとねばるかと思いのほか、四郎は手下を連れて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
にわにいっぱいひとがいて、おれのふえくらいのおおきさのお釈迦しゃかさまに、あまちゃをかけておりました。おれもいっぱいかけて、それからいっぱいましてもらってました。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
目籠めかご背負せおって、ムロのおかみが自然薯じねんじょを売りに来た。一本三銭宛で六本買う。十五銭にけろと云うたら、それではこれがめぬと、左の手で猪口ちょこをこさえ、口にあてがって見せた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それ外日いつぞや友人いうじんところで、或冬あるふゆさけみながらおそくまで話込はなしこんでゐたときこと恋愛談れんあいだんから女学生ぢよがくせい風評うはさはじまつて、其時そのとき細君さいくん一人ひとり同窓の友クラスメートに、散々さん/″\或学生あるがくせい苦労くらうをした揚句あげく熱湯にえゆのまされて
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「ねえ、ケンプ。早くウィスキーをませてくれないか」
さけまで旅のなやみにひにける
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
もだしつゝ白き血
秋の一夕 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
おじいさんは、さけきでしたから、せっかくってきたものをとおもって、さっそく、徳利とくりってすぐにみはじめたのであります。
こまどりと酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それではまず客人きゃくじんたちに、わたしのすすめるさけんでもらって、それからこんどはわたしがごちそうになることにしよう。」
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
へゝゝ不断ふだんやりつけてるもんですから……(一くちんで猪口ちよこを下に置き)有難ありがたぞんじます、どうも……。小「さめないうちにおひよ、おわんを。 ...
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「うまそうないものやみものの、いっぱいならべてあるテーブルがあってな、そのまわりにどろぼうどもがすわって、ごきげんでいる。」
そのほかにほとん人影ひとかげなかつたといつてもい。——あんなのが「ましやい。」であらうと観念くわんねんしたのであつたから。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「君は三千代を三年まへの三千代と思つてるか。大分だいぶ変つたよ。あゝ、大分だいぶかはつたよ」と平岡は又ぐいとんだ。代助はおぼえずむねの動を感じた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
気楽きらくなるものは文学者ぶんがくしやなり、うらやましきもの文学者ぶんがくしやなり、接待せつたいさけまぬ者も文学者ぶんがくしやたらん事をほつし、ちたるをひろはぬ者も文学者ぶんがくしやたるをねがふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
ひとりの生徒はひどくのどがかわいていたので、水桶みずおけのところへいって、身をかがめてもうとしました。
「ぼくはね、すいとうのほかにはっかすい用意よういしたよ。すこしやろうか。たびてあんまり心持こころもちのわるいときはちょっとむといいっておっかさんがいったぜ。」
いちょうの実 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
すなわち老人ろうじんは、多分たぶんえんばなに、庭下駄にわげたをはいてこしをかけだれかとウィスキイをんでいたものであろう。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
毎日、必ずコーヒーをまねばいられぬ、というひとがいる。また、たばこを止められぬひともいる。そんなひとにコーヒーはそんなにおいしいですか、と聞いてみる。
材料か料理か (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
こう一言さけんだお政は、きゃくのこした徳利とくりを右手にとって、ちゃわんを左手に、二はい飲み三ばい飲み、なお四はいをついだ。お政の顔は皮膚ひふがひきつって目がすわった。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
わしはふもとの多摩川たまがわへ、水でもみにりるように、ななめにさがりかけたところだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふふふ、こいつァいいにおいだなァ。たまらねえにおいだ。——笠森かさもり茶屋ちゃやで、おせんをてよだれをらしての野呂間達のろまたちに、猪口ちょこ半分はんぶんでいいから、このましてやりてえがする。——
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
しるしなきものおもはずは一坏ひとつきにごれるさけむべくあるらし 〔巻三・三三八〕 大伴旅人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あるいえではクワスをませ、あるところではパンをわしてくれる。で、かれはいつも満腹まんぷくで、金持かねもちになって、六号室ごうしつかえってる。が、そのたずさかえところものは、玄関げんかんでニキタにみんなうばわれてしまう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「これからまたこの清水しみずを、ゆききのたンびにませてもらうことだて。」
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「なに、薬品やくひんでもまして、おたまをおおきくしたんだろう。」と、小僧こぞうさんが、おじいさんのいったことをけなかったようです。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それはごちそうです。失礼しつれいではございますが、わたくしどももちょうどさけってまいりましたから、このほうんでいただきたいものです。」
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
微温湯ぬるまゆだから其儘そのまゝゴツクリむと、からぱらへ五六十りやう金子かねもち這入はいつたのでげすからゴロ/\/\と込上こみあげてた。源
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「まま母はわるいみものをつくっているんですから、どんなものでものんだり、食べたりしてはいけませんよ。」
世界が今ほがらかに成つた許りの色をしてゐる。めしまして茶をんで、縁側に椅子を持ち出して新聞を読んでゐると、約束通り野々宮君が帰つて来た。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三人さんにんところに、割籠わりごひらきて、おほいくらふ。ひとげなることあだかかたはらにしたるがごとし。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)