かは)” の例文
かはつてかへつてたのはくま膏薬かうやく伝次郎でんじらう、やちぐさんだかさかむたぬき毛皮けがはそでなしをて、糧切まぎりふぢづるでさや出来できてゐる。
この世に未練は沢山有るけれど、私は早く死んで、この苦艱くげんめて了つて、さうして早く元のきよからだに生れかはつて来たいのです。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
享保きやうほはじめころ將軍吉宗公町奉行まちぶぎやう大岡越前守と御評議ごひやうぎあつて或は農工商のうこうしやうつみなるものに仰付けられ追放つゐはう遠島ゑんたうかはりに金銀を以てつみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かはり、いまね、ながらほんんでて、面白おもしろことがあつたから、おはなしをしてげようとおもつて、故々わざ/\あそびにたんぢやないか。途中とちうさむかつたよ。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其後そのごものごとにねんれて、ひに麁想そそうをせぬやうにりぬ、世間せけん下女げぢよつかふひとおほけれど、山村やまむらほど下女げぢよかはいゑるまじ、つき二人ふたり平常つねこと
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その元日も此雪国の元日もおなじ元日なれども、大都会たいとくわい繁花はんくわ辺鄙へんひの雪中と光景ありさまかはりたる事雲泥うんでいのちがひなり。
代助はだまつてあによめと入れかはつた。を見ながら、両方のゆびをしばらく奇麗にはたらかしたあと
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
芸者は始は常談じやうだんにしてゐた。けれども僕の座に坐るが早いか、「あら、ほんたうに見えるわ」と言つた。菊池や久米もかはがはる僕の座に来て坐つて見ては、「うん、見えるね」などと言ひ合つていた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
世の中はたゞ何事も水にして渡ればかはる言の葉もなし
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
養生やうじやう仕方しかたひとよるなれどこゝろとむるはたれかはらず
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
まさしくうまかはつた心地こゝちである。
徊歴くわいれき肥後國ひごのくに熊本の城下じやうかに到りぬこゝは名におふ五十四萬石なる細川家ほそかはけの城下なれば他所とはかは繁昌はんじやうの地なり寶澤は既に路用ろよう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その元日も此雪国の元日もおなじ元日なれども、大都会たいとくわい繁花はんくわ辺鄙へんひの雪中と光景ありさまかはりたる事雲泥うんでいのちがひなり。
學士がくしまゆしはめてれはこまつたもの、全体ぜんたい健康じようぶといふたちでなければ時候じこうかはなどはことさら注意ちういせねばるし、おたみどの不養生ふやうじようをさせ給ふな、さてとれもきう白羽しらはちて
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
が、ときおぼえがあるから、あたりをはらつて悠然いうぜんとしてをしへた。——いまはもうだいかはつた——亭主ていしゆ感心かんしんもしないかはりに、病身びやうしんらしい、おかゆべたさうなかほをしてた。女房にようばう評判ひやうばん別嬪べつぴんで。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かはし候由尤も其節長庵が體裁ありさま甚だ以て如何敷いかゞしき趣きに有之候旨に御座候之に依て右忠兵衞證據人に相立あひたて此段御訴訟申上奉つり候何卒なにとぞ格別かくべつの御慈悲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ほんにかは陽氣ようきわるいけれど太郎たろさんは何時いつ惡戯おいたをしてますか、何故なぜ今夜こんやれておいででない、お祖父ぢいさんもこひしがつておいでなされたものをとはれて、また今更いまさらにうらかなしく
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
またかはつててくれたのかね、あゝつてんでるのは、』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たみ此家このやに十ねんあまり奉公ほうこうして主人しゆじんといへどいまかはらず、なにとぞ此人このひと立派りつぱあげてれも世間せけんほこりたきねがひより、やきもきとむほど何心なにごヽろなきおそのていのもどかしく
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
やれ/\うしてこのおそくにたおうちではみなかはりもなしかといつかはらずもてはやさるれば、はりむしろにのるやうにておくさまあつかひなさけなくじつとなみだ呑込のみこんで、はいれも時候じかうさわりも御座ござりませぬ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
父樣とうさま母樣かあさま御褒美ごはうびいたヾくべしと威張ゐばるに、令孃ひめ微笑ほヽゑみながらいさましきをめて、そのやう大將たいしやうたまひても、わたしとはいまかはらずなかよくしてくだされや、大姉樣おほねえさま其外そのほかのおひと夫々それ/\片付かたづき
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たしとおもはゞかはごと芝居しばゐきもれかは苦情くぜうまをすべき、花見はなみ月見つきみ旦那だんなさまもよほてゝ、ともらぬるそでたのしみ、おかへりのおそとき何處どこまでも電話でんわをかけて、よるくるとも寐給ねたまはず
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さても/\のかはやう我身わがみ嫁入よめいりのうわさきこそめころから、やけあそびのそこぬけさわぎ、高坂かうさか息子むすこまる人間にんげんかわつたやうな、でもさしたか、たゝりでもあるか、よもや只事たゞごとではいと其頃そのころきしが
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
天柱てんちうくだけ地維ちいかくるかとおもはるゝわらこゑのどよめき、中之町なかのちやうとほりはにわか方角ほうがくかはりしやうにおもはれて、角町すみちやう京町きやうまち處々ところ/″\のはねばしより、さつさせ/\と猪牙ちよきがゝつた言葉ことば人波ひとなみくるむれもあり
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
現在いま旦那樣だんなさま柔和にうわさうとてはすこしもく、おそろしいすごい、にくらしいおかほつき、かたそばわたし憤怒ふんぬさうひかへてるのですから召使めしつかひはたまりません、大方おほかた一月ひとつき二人ふたりづゝは婢女はしたかはりまして
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それもあるならひなりしてやかはりたるゆきすみおろかなことくもつちほど懸隔けんかくのおびたゞしさ如何いか有爲轉變うゐてんぺんとはいへれほどの相違さうゐれがなんとしてのつくべきこゝろおに見知みししの人目ひとめいとはしくわざ横町よこちやうみち
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)