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香
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かう
ふりがな文庫
“
香
(
かう
)” の例文
晶子は三越で買つて来た
白地
(
しろぢ
)
に
香
(
かう
)
の図と菊とを染めた友禅と、京都の
茅野蕭蕭
(
ちのせうせう
)
君に託して買つて貰つた
舞扇
(
まひあふぎ
)
の一対とを夫人に捧げた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
煙草盆
(
たばこぼん
)
に
香
(
かう
)
の
薫
(
かをり
)
のみして、
座
(
ざ
)
にいまだ
人影
(
ひとかげ
)
なき
時
(
とき
)
、
瀧君
(
たきくん
)
の
此
(
こ
)
の
光景
(
くわうけい
)
は、
眞田
(
さなだ
)
が
六文錢
(
ろくもんせん
)
の
伏勢
(
ふせぜい
)
の
如
(
ごと
)
く、
諸葛亮
(
しよかつりやう
)
の
八門遁甲
(
はちもんとんかふ
)
の
備
(
そなへ
)
に
似
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
る。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女は身を
飜
(
かへ
)
すと、掛け
香
(
かう
)
を三十もブラ下げたやうな
妖
(
あや
)
しく、艶めかしい香氣を發散させて、八五郎の膝へ存分に身を技げかけるのでした。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
乞食はかう云つたと思ふと、見る見る
香
(
かう
)
の煙のやうに、
何処
(
どこ
)
かへ姿を隠してしまひました。あとには朝日の光のさした町の敷き石があるだけです。
三つの指環
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かかるけはひの、いと
香
(
かう
)
ばしくうち匂ふに、顔もたげたるに、
単衣
(
ひとへ
)
うち掛けたる几帳のすきまに、暗けれど、うち身じろぎ寄る気はひ、いと
著
(
しる
)
し。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
今度
(
こんど
)
は石を
錦
(
にしき
)
に
裹
(
つゝ
)
んで
藏
(
くら
)
に
納
(
をさ
)
め
容易
(
ようい
)
には
外
(
そと
)
に出さず、時々出して
賞
(
め
)
で
樂
(
たのし
)
む時は先づ
香
(
かう
)
を
燒
(
たい
)
て
室
(
しつ
)
を
清
(
きよ
)
める
程
(
ほど
)
にして居た。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
拾
(
ひろ
)
はれて
參
(
まゐ
)
つてから三
年
(
ねん
)
程
(
ほど
)
立
(
た
)
ちました
時
(
とき
)
、
食堂
(
しよくだう
)
で
上座
(
じやうざ
)
の
像
(
ざう
)
に
香
(
かう
)
を
上
(
あ
)
げたり、
燈明
(
とうみやう
)
を
上
(
あ
)
げたり、
其
(
その
)
外
(
ほか
)
供
(
そな
)
へものをさせたりいたしましたさうでございます。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
『
庄吉爺
(
しやうきちぢい
)
さん、
栗
(
くり
)
の
澁
(
しび
)
が
燒
(
や
)
けてそんなに
香
(
かう
)
ばしさうになるものなら、
一
(
ひと
)
つ
私
(
わたくし
)
も
燒
(
や
)
いて
見
(
み
)
て
呉
(
く
)
れませんか。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
干飯
(
ほしいひ
)
一
斗
(
と
)
、
古酒
(
こしゆ
)
一筒
(
ひとづつ
)
、ちまき、あうざし(
青麩
(
あをふ
)
)、たかんな(筍)
方々
(
かた/″\
)
の物送り
給
(
たま
)
ふて候。草にさける花、木の
皮
(
かは
)
を
香
(
かう
)
として
佛
(
ほとけ
)
に奉る人、
靈鷲山
(
れいしうざん
)
へ參らざるはなし。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
寒々
(
さむざむ
)
と揺れてゐるものは、孟宗のほづえ、ささ栗のそばの
榧
(
かや
)
の木、枯枝の桐の莟、墓原の
香
(
かう
)
のけむり。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
香
(
かう
)
の薫りが流れ、蝋燭が闇の中に輝き、水夫等の捧げた供物が聖なる壁の到る所に懸け列ねてあつた。
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫
(旧字旧仮名)
/
ピエール・ロティ
(著)
一枝は、部屋部屋を野生の草花で飾り、電気の球を変へさせ、客間には
香
(
かう
)
を焚いた。それから、湯上りの化粧を丹念にして、わざと黒つぽい単衣を軽く身につけた。
落葉日記
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
山百合
(
やまゆり
)
のマルタゴン、
黄
(
き
)
いろい眼をしたマルタゴン、
東羅馬
(
ひがしろおま
)
の百合の花、
澆季皇帝
(
げうきくわうてい
)
の
愛玩
(
あいぐわん
)
、
聖像
(
せいざう
)
の
香
(
かう
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
彼等
(
かれら
)
は
自然
(
しぜん
)
が
彼等
(
かれら
)
の
前
(
まへ
)
にもたらした
恐
(
おそ
)
るべき
復讐
(
ふくしう
)
の
下
(
もと
)
に
戰
(
をのゝ
)
きながら
跪
(
ひざま
)
づいた。
同時
(
どうじ
)
に
此
(
この
)
復讐
(
ふくしう
)
を
受
(
う
)
けるために
得
(
え
)
た
互
(
たがひ
)
の
幸福
(
かうふく
)
に
對
(
たい
)
して、
愛
(
あい
)
の
神
(
かみ
)
に一
辯
(
べん
)
の
香
(
かう
)
を
焚
(
た
)
く
事
(
こと
)
を
忘
(
わす
)
れなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
富岡は、久しぶりに文明にめぐりあふやうな気がして、
香
(
かう
)
ばしいコオヒイに唇をつけた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
味噌汁
(
みそしる
)
のことをおみおつけ、
風呂
(
ふろ
)
のことをおぶう、
香
(
かう
)
のもののことをおしんこ。‥‥
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
先程
(
さきほど
)
から
萬屋
(
よろづや
)
の
主人
(
あるじ
)
は、四
畳
(
でふ
)
の
囲
(
かこひ
)
へ
這入
(
はい
)
り、
伽羅
(
きやら
)
を
焼
(
た
)
いて
香
(
かう
)
を聞いて
居
(
を
)
りました。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
火の側の小さな圓い
卓子
(
テエブル
)
の上に置かれた陶器の茶碗や光つた
急須
(
きふす
)
が、どんなに美しく見えたらう! 飮物の
湯氣
(
ゆげ
)
や
燒麺麭
(
トースト
)
の香りが、どんなにか
香
(
かう
)
ばしかつたらう! だが、その燒麺麭は
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
その
趣味
(
しゆみ
)
の
澁
(
しぶ
)
い
例
(
れい
)
を
擧
(
あ
)
げると、
三上
(
みかみ
)
がその
著名
(
ちよめい
)
なる
東京市内出沒行脚
(
とうきやうしないしゆつぼつあんぎや
)
をやつて、
二十日
(
はつか
)
も
歸
(
かへ
)
つて
來
(
こ
)
ないと
時雨
(
しぐれ
)
さんは、
薄暗
(
うすぐら
)
い
部屋
(
へや
)
の
中
(
なか
)
で
端座
(
たんざ
)
して、たゞ
一人
(
ひとり
)
双手
(
もろて
)
に
香爐
(
かうろ
)
を
捧
(
さゝ
)
げて、
香
(
かう
)
を
聞
(
き
)
いてゐる。
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
彼は足もとから立ちのぼるその土の匂を、
香
(
かう
)
を匂ふ人のやうに官能を尖らかせて沁み沁みと味うて見た——ぢやらぢやらと涼しく音を立てて居た鍵束の音がやまつて、縁側の戸が開けられるまで。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
而
(
さう
)
して
室内
(
しつない
)
に
何
(
なに
)
か
香
(
かう
)
を
薫
(
く
)
ゆらすやうにとニキタに
命
(
めい
)
じて
立去
(
たちさ
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
髪
香
(
かう
)
たき錦に爪をつつませておふしたてられ君にとつぎぬ
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
そをだに
香
(
かう
)
の
燻
(
く
)
ゆるかと頼めるけはひ。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
絡
(
から
)
みて沈む
香
(
かう
)
の色。
ふるさと
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
衝
(
つ
)
と
港口
(
みなとぐち
)
へ
飛
(
と
)
んで
消
(
き
)
えるのを
見
(
み
)
ました……あつと
思
(
おも
)
ふと
夢
(
ゆめ
)
は
覺
(
さ
)
めたが、
月明
(
つきあか
)
りに
霜
(
しも
)
の
薄煙
(
うすけぶ
)
りがあるばかり、
船
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
に、
尊
(
たふと
)
い
香
(
かう
)
の
薫
(
かをり
)
が
殘
(
のこ
)
つたと。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
香
(
かう
)
を
品
(
ひん
)
する人のやうな態度で、相手の女房を「鑑賞した。」これは私が
殆
(
ほとんど
)
すべての女に対してする事だから、大方君にも以前に話した事があるだらう。
世之助の話
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして
日々
(
にち/\
)
飯米
(
はんまい
)
を
測
(
はか
)
つて勝手へ出す時、
紙袋
(
かみぶくろ
)
に取り分け、
味噌
(
みそ
)
、
塩
(
しほ
)
、
香
(
かう
)
の
物
(
もの
)
などを添へて、五郎兵衛が手づから持ち運んだ。それを親子
炭火
(
すみび
)
で
自炊
(
じすゐ
)
するのである。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
裏岨
(
うらそば
)
ののぼりくだりに、ほつほつと通る馬さへ時をりは青きつけつつ、
声高
(
こはだか
)
の人の話も濡れながら行けば親しき。静こころ
香
(
かう
)
をつぎつつ、さて、今日もうら安くこそ。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
茶器を引寄せ、無造作に入れて、濃く熱いやつを二人の客にも勧め、自分も亦茶椀を
口唇
(
くちびる
)
に
押宛
(
おしあ
)
て
乍
(
なが
)
ら、
香
(
かう
)
ばしく
焙
(
あぶ
)
られた茶の葉のにほひを嗅いで見ると、急に気分が清々する。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
私にしてもあの女に人を
聖
(
きよ
)
める徳なんぞがあらうとは一度だつて考へなかつたことです。それは神聖な薫りといふよりも、彼女が殘して行つた香晶か何かの
麝香
(
じやかう
)
とりうぜん
香
(
かう
)
の匂だつたでせう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
と
香炉
(
かうろ
)
を手に
取揚
(
とりあ
)
げ、
銀
(
ぎん
)
の
匙
(
さじ
)
で
火
(
ひ
)
の
附
(
つ
)
いた
香
(
かう
)
を口へ入れ、弥
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
花は薫じて追風に、不斷の
香
(
かう
)
の爐に似たり。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
懴悔の
壇
(
だん
)
の
香
(
かう
)
の
爐
(
ろ
)
に
信
(
しん
)
の心の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
春には
秘
(
ひ
)
めし、
焚
(
た
)
き
香
(
かう
)
の
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
砧
(
きぬた
)
の、
香
(
かう
)
の
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
巌
(
いは
)
の
面
(
おもて
)
に
浮模様
(
うきもやう
)
、
末
(
すそ
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
上下
(
うへした
)
に
香
(
かう
)
の
図
(
づ
)
を
合
(
あ
)
はせたやうな
柳条
(
しま
)
があり、
虹
(
にじ
)
を
削
(
けづ
)
つて
画
(
ゑが
)
いた
上
(
うへ
)
を、ほんのりと
霞
(
かすみ
)
が
彩
(
いろど
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大原御幸
(
おほはらごかう
)
のところへ行つて、少しも筆が進まなくなつて、困り果てて居るところで、そのうち、突然、インスピレエシヨンを感じて、——
甍
(
いらか
)
破れては
霧
(
きり
)
不断
(
ふだん
)
の
香
(
かう
)
を
焚
(
た
)
き
一人の無名作家
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
わが庵の竹の林にこぬか雨今朝も
湿
(
しめ
)
れり。春さきのこぬか雨なり。ふるとしも見えぬ雨なり。こぬか雨笹にこもりて、
香
(
かう
)
焼
(
た
)
けば
香
(
かう
)
もしめりて、事もなし、ただ明るけし。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
沈默
(
しゞま
)
の
郷
(
さと
)
の
偶座
(
むかひゐ
)
は
一
(
ひと
)
つの
香
(
かう
)
にふた
色
(
いろ
)
の
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
茶、
香
(
かう
)
、十
炷
(
しゆ
)
の
寄合
(
よりあひ
)
や
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白檀
(
びやくだん
)
の
香
(
かう
)
、
沈
(
ぢん
)
の
香
(
かう
)
。
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
鯛
(
たひ
)
の
味噌汁
(
みそしる
)
。
人參
(
にんじん
)
、じやが、
青豆
(
あをまめ
)
、
鳥
(
とり
)
の
椀
(
わん
)
。
鯛
(
たひ
)
の
差味
(
さしみ
)
。
胡瓜
(
きうり
)
と
烏賊
(
いか
)
の
酢
(
す
)
のもの。
鳥
(
とり
)
の
蒸燒
(
むしやき
)
。
松蕈
(
まつたけ
)
と
鯛
(
たひ
)
の
土瓶蒸
(
どびんむし
)
。
香
(
かう
)
のもの。
青菜
(
あをな
)
の
鹽漬
(
しほづけ
)
、
菓子
(
くわし
)
、
苺
(
いちご
)
。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
生徒に
大原御幸
(
おはらごかう
)
の講義をしてゐるところで、先生が、この——
霧
(
きり
)
不断
(
ふだん
)
の
香
(
かう
)
を
焚
(
た
)
き……と云ふやうな語句は、昔からその出所も意味も解らないものとされて居ると云ふと
一人の無名作家
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
わが庵の竹の林に、こぬか雨今朝も
湿
(
しめ
)
れり。春さきのこぬか雨なり。ふるとしも見えぬ雨なり。こぬか雨笹にこもりて、
香
(
かう
)
炷
(
た
)
けば
香
(
かう
)
もしめりて、事もなし、ただ
明
(
あか
)
るけし。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蘇門答剌
(
そもたら
)
の
香
(
かう
)
も及ばじ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
室
(
しつ
)
に、
玉鳳
(
ぎよくほう
)
は
鈴
(
すゞ
)
を
啣
(
ふく
)
み、
金龍
(
きんりう
)
は
香
(
かう
)
を
吐
(
は
)
けり。
窓
(
まど
)
に
挂
(
か
)
くるもの
列錢
(
れつせん
)
の
青瑣
(
せいさ
)
なり。
素
(
しろき
)
柰
(
からなし
)
、
朱
(
あかき
)
李
(
すもゝ
)
、
枝
(
えだ
)
撓
(
たわゝ
)
にして
簷
(
のき
)
に
入
(
い
)
り、
妓妾
(
ぎせふ
)
白碧
(
はくへき
)
、
花
(
はな
)
を
飾
(
かざ
)
つて
樓上
(
ろうじやう
)
に
坐
(
ざ
)
す。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
裏岨
(
うらそば
)
ののぼりくだりに、ほつほつと通る馬さへ、時をりは青きつけつつ、
声高
(
こはだか
)
の人の話も、濡れながら行けば親しよ。静こころ
香
(
かう
)
をつぎつつ、さて、今日もうら安くこそ。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「蓋棺の後」に起るものは神化か獣化(?)かの外にある筈はない。しかし何世紀かの流れ去つた後には、——その時にも
香
(
かう
)
を焚かれるのは唯「幸福なる少数」だけである。
続文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
天津日
(
あまつひ
)
に捧ぐる
香
(
かう
)
は
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
詩人
(
しじん
)
も
此
(
これ
)
では、
鍛冶屋
(
かじや
)
の
職人
(
しよくにん
)
に
宛如
(
さながら
)
だ。が、
其
(
そに
)
の
煮
(
に
)
る、
鋳
(
い
)
る、
錬
(
ね
)
りつゝあるは
何
(
なん
)
であらう。
没薬
(
もつやく
)
、
丹
(
たん
)
、
朱
(
しゆ
)
、
香
(
かう
)
、
玉
(
ぎよく
)
、
砂金
(
さきん
)
の
類
(
るゐ
)
ではない。
蝦蟇
(
がま
)
の
膏
(
あぶら
)
でもない。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“香”の解説
香(こう、en: incense)とは、本来、伽羅、沈香、白檀などの天然香木の香りをさす。そこから線香、焼香、抹香、塗香等の香り、またこれらの総称として用いられる。お香、御香ともいう。
(出典:Wikipedia)
香
常用漢字
小4
部首:⾹
9画
“香”を含む語句
香花
香物
名香
香気
薫香
香油
香料
鬱金香
麝香
芳香
香水
茴香
香炉
沈香
涙香
香煎
香箱
香染
香具
香山
...