“押宛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おしあ66.7%
おしあて33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
茶器を引寄せ、無造作に入れて、濃く熱いやつを二人の客にも勧め、自分も亦茶椀を口唇くちびる押宛おしあながら、かうばしくあぶられた茶の葉のにほひを嗅いで見ると、急に気分が清々する。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そろそろ自分も懐郷病ホームシックかかったのか、それを考えた時は実に忌々いまいましかった。どうかすると彼は部屋の板敷の床の上へ自分の額を押宛おしあてて泣いても足りないほどの旅の苦痛を感じた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
是迄は涙一滴こぼさぬでいたが、今しも粂之助の顔を見ると、こらえかねて袖を顔へ押宛おしあてて、わっとばかりにそれへ泣倒れました。
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)