“おしあ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
推当16.7%
押上12.5%
押当12.5%
推合12.5%
押合8.3%
押宛8.3%
押明8.3%
圧当4.2%
押開4.2%
推上4.2%
推啓4.2%
推開4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
南北坂梨・手野ての・豆札・尾籠・狩尾・狩集方かりたまらい、是為東郷云々、右の狩集の訓はあるいは後人の附したものだろうが、少なくとも他郷人の推当おしあてではない。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そして一時日本財界の王者的な地位まで押上おしあげられ、兎角の評判はありながらも、兎にも角にも、目ざましい成功を遂げた事は、皆様もよく御存じのことと思います。
「そんな事……だしぬけに何を言うのさ。」とびっくりした調子で女は握り合った男の手をそのまま、乳房の上に押当おしあてた。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かの者止まらず、彼に此に耳を傾け、また手を伸べて與ふればその人再び迫らざるがゆゑに、かくして身をまもりて推合おしあふことをく 七—九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
まくが動く。立見たちみ人中ひとなかから例の「かはるよーウ」とさけぶ声。人崩ひとなだれがせまい出口のはうへと押合おしあうちまくがすつかり引かれて、シヤギリの太鼓たいこ何処どこわからぬ舞台の奥から鳴り出す。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そろそろ自分も懐郷病ホームシックかかったのか、それを考えた時は実に忌々いまいましかった。どうかすると彼は部屋の板敷の床の上へ自分の額を押宛おしあてて泣いても足りないほどの旅の苦痛を感じた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
梯子を下りきった処にドアがあった。博士はドアへ耳を当てて暫く様子を窺った後、そっと押明おしあけて中へ入った、とたんに
亡霊ホテル (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ニヤニヤとまた笑ったが、胡瓜きゅうりの化けたらしい曲った刀が、剥きづらかったか、あわれ血迷って、足で白刃を、土間へ圧当おしあ蹈延ふみのばして、そりを直して、瞳に照らして、持直す。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのまゝ押開おしあけると、ふすまいたがなんとなくたてつけに粘氣ねばりけがあるやうにおもつた。此處こゝではかぜすゞしからうと、それたのみうしてつぎたのだが矢張やつぱり蒸暑むしあつい、押覆おつかぶさつたやうで呼吸苦いきぐるしい。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
左程おそれた様子もなく、チョコチョコとそばへ来て流石さすがに少し平べったくなりながら、頭をでてやる私の手を、下からグイグイ推上おしあげるようにして、ベロベロと舐廻なめまわし、手を呉れるつもりなのか
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
貫一も遂に短き夢を結びて、常よりははやかりけれど、目覚めしままに起出おきいでし朝冷あさびえを、走り行きて推啓おしあけつる湯殿の内に、人は在らじと想ひしまなこおどろかして、かの男女なんによゆあみしゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其の上からお紺が口に人の肉を咬えあごへ血を垂らしてソロソロ降りて来ると云う事だ、何分にも薄暗いから、先ず窓の盲戸を推開おしあけたが、錆附いて居て好くは開かぬ。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)