押当おしあ)” の例文
旧字:押當
左手ゆんでひじ鍵形かぎなりに曲げて、と目よりも高く差上さしあげた、たなそこに、細長い、青い、小さなびんあり、捧げて、俯向うつむいて、ひたい押当おしあ
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そんな事……だしぬけに何を言うのさ。」とびっくりした調子で女は握り合った男の手をそのまま、乳房の上に押当おしあてた。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
重太郎はお葉の枝を我が胸にひし押当おしあてた。お葉は重太郎の枝を我が袖にいだいた。重太郎の眼には涙が見えた。お葉も何とは無しに悲しくなった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)