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餘計
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よけい
ふりがな文庫
“
餘計
(
よけい
)” の例文
新字:
余計
然
(
しか
)
し
今日
(
こんにち
)
の
所
(
ところ
)
では
病院
(
びやうゐん
)
は、
確
(
たしか
)
に
市
(
し
)
の
資力
(
ちから
)
以上
(
いじやう
)
の
贅澤
(
ぜいたく
)
に
爲
(
な
)
つてゐるので、
餘計
(
よけい
)
な
建物
(
たてもの
)
、
餘計
(
よけい
)
な
役
(
やく
)
などで
隨分
(
ずゐぶん
)
費用
(
ひよう
)
も
多
(
おほ
)
く
費
(
つか
)
つてゐるのです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
開墾
(
かいこん
)
の
手間賃
(
てまちん
)
を
比較的
(
ひかくてき
)
餘計
(
よけい
)
に
與
(
あた
)
へられる
代
(
かは
)
りには
櫟
(
くぬぎ
)
の
根
(
ね
)
は一つも
運
(
はこ
)
ばない
筈
(
はず
)
であつた。
彼等
(
かれら
)
の
伴侶
(
なかま
)
はさういふことをも
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
の
恐怖
(
きようふ
)
は、
今
(
いま
)
までそこに
思
(
おも
)
ひ
到
(
いた
)
らなかつたといふことのために、
餘計
(
よけい
)
大
(
おほ
)
きく
影
(
かげ
)
を
伸
(
のば
)
して
行
(
ゆ
)
くやうであつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
新
(
あら
)
たなる
悔
(
くゐ
)
を
覺
(
おぼ
)
えた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
『
何
(
な
)
んだらう、……何を買つて來たんだらう。隱すから
餘計
(
よけい
)
見たいやうな氣がするな。……ほんとに何を買つて來たの。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
私
(
わたし
)
はいつのまにか
其
(
そ
)
のコスモポリタンになつて、
同郷人
(
どうきやうじん
)
とよりも、
他國人
(
たこくじん
)
と、
餘計
(
よけい
)
に
交際
(
かうさい
)
するやうになつてゐた。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
▼ もっと見る
「溶けたツて、
此方
(
こつち
)
の眼じアあるまいし、
餘計
(
よけい
)
なおせつかいだわ。」と輕く投出すやうに謂ツた。かと思ふと
海酸漿
(
うみほゝづき
)
を鳴らす音がする。後はまた
寂然
(
ひつそり
)
する。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
光線
(
くわうせん
)
が
成
(
な
)
るべく
餘計
(
よけい
)
取
(
と
)
れる
樣
(
やう
)
に
明
(
あか
)
るく
拵
(
こし
)
らへた
部屋
(
へや
)
の
二側
(
ふたがは
)
に、
手術用
(
しゆじゆつよう
)
の
椅子
(
いす
)
を
四臺
(
よだい
)
程
(
ほど
)
据
(
す
)
ゑて、
白
(
しろ
)
い
胸掛
(
むねかけ
)
をかけた
受持
(
うけもち
)
の
男
(
をとこ
)
が、
一人
(
ひとり
)
づゝ
別々
(
べつ/\
)
に
療治
(
れうぢ
)
をしてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
餘計
(
よけい
)
に
惡
(
わる
)
くなつて
堪
(
たま
)
るもんか、
此
(
この
)
節
(
せつ
)
あ
心持
(
こゝろもち
)
が
快方
(
いゝはう
)
だつていふけれど、え、
魚氣
(
さかなつけ
)
を
食
(
く
)
はねえぢやあ、
身體
(
からだ
)
が
弱
(
よわ
)
るつていふのに、
父爺
(
ちやん
)
はね、
腥
(
なまぐさ
)
いものにや
箸
(
はし
)
もつけねえで
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此外
(
このほか
)
に
幅
(
はゞ
)
僅
(
わづか
)
に
一二寸程
(
いちにすんほど
)
の
地割
(
ぢわ
)
れが
開閉
(
かいへい
)
したことを
記
(
しる
)
したものはないでもないが、それも
餘計
(
よけい
)
はない。
一例
(
いちれい
)
を
擧
(
あ
)
げるならば、
西暦
(
せいれき
)
千八百三十五年
(
せんはつぴやくさんじゆうごねん
)
の
南米
(
なんべい
)
チリ
地震
(
ぢしん
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
今後
(
こんご
)
外國
(
ぐわいこく
)
から
餘計
(
よけい
)
物
(
もの
)
を
買
(
か
)
へば、それだけ
日本
(
にほん
)
の
保有
(
ほいう
)
して
居
(
ゐ
)
る
金貨
(
きんくわ
)
を
以
(
もつ
)
て
外國
(
ぐわいこく
)
に
拂
(
はら
)
ふことになる。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
そして若し私がそんな感情を
表
(
あら
)
はしたなら、あの方はそれが御自身に不要な
餘計
(
よけい
)
ものであることや、私には不似合な餘計ものだといふことを、私に感じさせになるでせう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
今更
(
いまさら
)
これを
改
(
あらた
)
めて
苗字
(
めうじ
)
を
先
(
さき
)
にし
名
(
な
)
を
後
(
のち
)
にするにも
及
(
およ
)
ばない。
餘計
(
よけい
)
な
事
(
こと
)
であるといふ
人
(
ひと
)
もあるが、わが
輩
(
はい
)
はさうは
思
(
おも
)
はない。
過
(
あやま
)
ちて
改
(
あらた
)
むるに
憚
(
はゞか
)
るなかれとは
先哲
(
せんてつ
)
の
名訓
(
めいくん
)
である。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
私
(
わたし
)
が
惡
(
わる
)
う
御座
(
ござ
)
りました
免
(
ゆる
)
して
免
(
ゆる
)
してと
胸
(
むね
)
を
抱
(
だ
)
いて
苦
(
くる
)
しさうに
身
(
み
)
を
悶
(
もだ
)
ゆれば、
雪子
(
ゆきこ
)
や
何
(
なに
)
も
餘計
(
よけい
)
な
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へては
成
(
な
)
りませぬよ、それがお
前
(
まへ
)
の
病氣
(
びやうき
)
なのだから、
學校
(
がくかう
)
も
花
(
はな
)
もありはしない
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
肉の
破
(
やぶ
)
る程に打
敲
(
たゝき
)
ければ彌十は是に
堪兼
(
たへかね
)
アツと
叫
(
さけ
)
んで泣出しアヽ御
免
(
ゆる
)
し
下
(
くだ
)
されよ何事も
皆
(
みな
)
包
(
つゝ
)
まず申上ます/\と詫けるに然らば白状すべしと
責
(
せめ
)
を
止
(
とゞ
)
め猶強情に
陳
(
ちん
)
ずれば
餘計
(
よけい
)
に
痛
(
いた
)
いめを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「もう/\が
可愛
(
かあい
)
い
聲
(
こゑ
)
ですつて。それに
尻
(
し
)
つぽなんか
餘計
(
よけい
)
なものよ。」
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
イワーノウナは
何
(
なん
)
だか
嬉
(
うれ
)
しくて
堪
(
たま
)
らなくなつたと
見
(
み
)
えて
一週間前
(
いつしうかんぜん
)
に
大喧嘩
(
おほげんくわ
)
した
事
(
こと
)
ア
忘
(
わす
)
れちまつてア………フ………を
呼
(
よ
)
んで
咖啡
(
こうひい
)
なんぞを
馳走
(
ちそう
)
しながら
荐
(
しき
)
りに
色
(
いろ
)
んな
餘計
(
よけい
)
を
附
(
つ
)
けちやア
亭主
(
ていしゆ
)
の
自慢
(
じまん
)
をする
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
小豆飯
(
あづきめし
)
はどれも/\
米
(
こめ
)
が
能
(
よ
)
く
搗
(
つ
)
けてないのでくすんでさうして
腹
(
はら
)
の
裂
(
さ
)
けた
小豆
(
あづき
)
が
粉
(
こ
)
を
吐
(
は
)
いて
餘計
(
よけい
)
に
粘氣
(
ねばりけ
)
のないぼろ/\な
飯
(
めし
)
になつて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
うつゝ
責
(
ぜめ
)
とか
申
(
まを
)
すのに、どら、ねう
鉢
(
ばち
)
、
太鼓
(
たいこ
)
を
一齊
(
いちどき
)
に
敲
(
たゝ
)
くより、
鉦
(
かね
)
ばかりですから、
餘計
(
よけい
)
に
脈々
(
みやく/\
)
へ
響
(
ひゞ
)
いて、
貫
(
とほ
)
つて、
其
(
そ
)
の
苦
(
くる
)
しさつたら、
日
(
ひ
)
に三
度
(
ど
)
も
注射
(
ちうしや
)
の
針
(
はり
)
を
刺
(
さ
)
されます
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
前
(
まへ
)
のやうな
腥
(
なまぐさ
)
のお
世話
(
せわ
)
には
能
(
よ
)
うならぬほどに
餘計
(
よけい
)
な
女郎
(
じよらう
)
呼
(
よば
)
はり
置
(
お
)
いて
貰
(
もら
)
ひましよ、
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があらば
陰
(
かげ
)
のくす/\ならで
此處
(
こゝ
)
でお
言
(
い
)
ひなされ、お
相手
(
あいて
)
には
何時
(
いつ
)
でも
成
(
な
)
つて
見
(
み
)
せまする
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
而
(
さう
)
して
死
(
し
)
が
各人
(
かくじん
)
の
正當
(
せいたう
)
な
終
(
をはり
)
であるとするなれば、
何
(
なん
)
の
爲
(
ため
)
に
人々
(
ひと/″\
)
の
死
(
し
)
の
邪魔
(
じやま
)
をするのか。
假
(
かり
)
にある
商人
(
しやうにん
)
とか、ある
官吏
(
くわんり
)
とかゞ、五
年
(
ねん
)
十
年
(
ねん
)
餘計
(
よけい
)
に
生延
(
いきの
)
びたとして
見
(
み
)
た
所
(
ところ
)
で、
其
(
そ
)
れが
何
(
なん
)
になるか。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
是
(
これ
)
は
餘計
(
よけい
)
物
(
もの
)
を
買
(
か
)
へば
内地
(
ないち
)
から
金
(
きん
)
が
出
(
で
)
て
行
(
い
)
く、
外國
(
ぐわいこく
)
に
餘計
(
よけい
)
物
(
もの
)
を
賣
(
う
)
れば
外國
(
ぐわいこく
)
から
金
(
きん
)
が
這入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
て
日本
(
にほん
)
の
通貨
(
つうくわ
)
が
殖
(
ふ
)
える、さうして
景氣
(
けいき
)
が
恢復
(
くわいふく
)
する、
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふことは
即
(
すなは
)
ち
金本位
(
きんほんゐ
)
の
當然
(
たうぜん
)
の
結果
(
けつくわ
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
「
尻
(
し
)
つぽが
餘計
(
よけい
)
なものなら、
嘴
(
くちばし
)
なんかも
餘計
(
よけい
)
なものよ。」
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
泊
(
とめ
)
候ひし處
却
(
かへつ
)
て私し
親子
(
おやこ
)
の
難儀
(
なんぎ
)
の體を見兼
餘計
(
よけい
)
の
錢
(
ぜに
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
卯平
(
うへい
)
はそれと
共
(
とも
)
に
其
(
そ
)
の
乾燥
(
かんさう
)
した
肌膚
(
はだ
)
が
餘計
(
よけい
)
に
荒
(
あ
)
れて
寒冷
(
かんれい
)
の
氣
(
き
)
が
骨
(
ほね
)
に
徹
(
てつ
)
したかと
思
(
おも
)
ふと
俄
(
にはか
)
に
手
(
て
)
の
自由
(
じいう
)
を
失
(
うしな
)
つて
來
(
き
)
たやうに
自覺
(
じかく
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
……
釣
(
つり
)
には
行
(
い
)
つても、めつたにあけた
事
(
こと
)
のない
男
(
をとこ
)
だから、
餘計
(
よけい
)
に
氣
(
き
)
に
懸
(
か
)
けて
歸
(
かへ
)
りを
待
(
ま
)
つのに。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
餘計
(
よけい
)
な
世話
(
せわ
)
は
燒
(
や
)
かんでも
可
(
い
)
い。』
益〻
(
ます/\
)
荒々
(
あら/\
)
しくなる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
取次
(
とりつ
)
ぐ
母
(
はゝ
)
が
詞
(
ことば
)
も
待
(
ま
)
たず
儀右衞門
(
ぎゑもん
)
冷笑
(
あざわら
)
つて
聞
(
き
)
かんともせずさりとは
口賢
(
くちがしこ
)
くさま/″\の
事
(
こと
)
がいへたものかな
父親
(
てゝおや
)
に
薫陶
(
しこま
)
れては
其筈
(
そのはず
)
の
事
(
こと
)
ながらもう
其手
(
そのて
)
に
乘
(
の
)
りはせぬぞよ
餘計
(
よけい
)
な
口
(
くち
)
に
風引
(
かぜひ
)
かさんより
早
(
はや
)
く
歸宅
(
きたく
)
くさるゝが
宜
(
よ
)
さゝうなもの
誠
(
まこと
)
と
思
(
おも
)
ひて
聞
(
き
)
くものは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
決
(
けつ
)
して御心遣ひなく何時
迄
(
まで
)
も
緩々
(
ゆる/\
)
と御
逗留
(
とうりう
)
成れまし然ながら斯樣申せば何とも
失禮
(
しつれい
)
千萬
(
せんばん
)
なれども
永々
(
なが/\
)
の御
逗留
(
とうりう
)
と云
殊
(
こと
)
には
御良人
(
おつれあひ
)
の御病氣にて
御物入
(
おんものいり
)
も
莫大
(
ばくだい
)
ならん
縱令
(
たとへ
)
餘計
(
よけい
)
の
御貯
(
おんたく
)
はへ有とも斯して在れなば
追々
(
おひ/\
)
殘
(
のこ
)
り少なになり
旅先
(
たびさき
)
は別て
心細
(
こゝろぼそ
)
くも思ふものなり金銀は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
虎口
(
ここう
)
を
免
(
のが
)
れたる
顏色
(
かほつき
)
の、
何
(
ど
)
うだ、
北八
(
きたはち
)
恐入
(
おそれい
)
つたか。
餘計
(
よけい
)
な
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
くもんぢやないよ。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
何
(
ど
)
うしたんだね、
又
(
また
)
餘計
(
よけい
)
に
惡
(
わる
)
くなつたの。」と
親切
(
しんせつ
)
にも
優
(
やさ
)
しく
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
めて
聞
(
き
)
いた。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
うら
盆
(
ぼん
)
で
餘計
(
よけい
)
身
(
み
)
にしみて
聞
(
き
)
こえるのと、
卑
(
さも
)
しいけれども、
同
(
おな
)
じであらう。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
餘
部首:⾷
16画
計
常用漢字
小2
部首:⾔
9画
“餘計”で始まる語句
餘計者