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儀右衞門
取次ぐ
母が
詞も
待たず
儀右衞門冷笑つて
聞かんともせずさりとは
口賢くさま/″\の
事がいへたものかな
父親に
薫陶れては
其筈の
事ながらもう
其手に
乘りはせぬぞよ
餘計な
口に
風引かさんより
早く
歸宅くさるゝが
宜さゝうなもの
誠と
思ひて
聞くものは
手早く
取りてお
忘れ
遊ばしたかと
取すがりて
啼く
音に
知るゝ
燒野の
雉子我子ならねど
繋がる
縁とて
母は
女の
心も
弱くオヽお
高か
否お
高どのか
何として
此樣な
處へ
何う
尋ねて
知れましたとおろ/\
涙の
聲きゝ
附けてや
膝行出づる
儀右衞門はくぼみし
眼にキツと
睨みてコレ
何を