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其手
眼は
小さく、
鼻は
赤く、
肩幅廣く、
脊高く、
手足が
圖※けて
大きい、
其手で
捉まへられやうものなら
呼吸も
止まりさうな。
『
眞箇だ、
可厭になつちまう、さうだとも、
全くさ!』『
僕の
云つた
通りにお
爲よ、
卑怯だね!』
終に
愛ちやんは
再び
其手を
伸ばしてモ一
度空を
掴みました。
海はとゞろきわたりて、若き
牧神の
如く吹く風は、
其手に
押ゆる
衣を
剥ぎて、路上に若き女を
辱めんとす。あたゝかく、うつら/\と暮れて行く
Basque の里の夕まぐれ。