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そのて
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母が
詞も
待たず
儀右衞門冷笑つて
聞かんともせずさりとは
口賢くさま/″\の
事がいへたものかな
父親に
薫陶れては
其筈の
事ながらもう
其手に
乘りはせぬぞよ
餘計な
口に
風引かさんより
早く
歸宅くさるゝが
宜さゝうなもの
誠と
思ひて
聞くものは
頭へ
其手を
上せることは
迚も
出來さうもないので、
愛ちやんは
頭を
下げて
手に
達かせやうとして、
今度は
自分の
首が
蛇のやうに
容易に
遠くの
方へ
曲り
廻るのを
見て
大變喜びました。