證據しようこ)” の例文
新字:証拠
受け御手當金てあてきん百兩と御墨附おすみつき御短刀までのち證據しようことて下されしことちく物語ものがたればお三ばゝは大いによろこび其後は只管ひたすら男子の誕生たんじやうあらんことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
女中ねえや、お手柔てやはらかにたのむぜ。」と先生せんせい言葉ことばしたに、ゑみわれたやうなかほをして、「れた證據しようこだわよ。」やや、とみなかほる。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
證據しようこは? 證據は、親分。證據もないことを言はないで下さい。いくら錢形の親分でも、——そんなことを言はれちや、私は口惜くやしい」
その證據しようこには、婦人雜誌ふじんざつし女學校ぢよがくかう校長かうちやうせつなどをむと、色々いろ/\ほん名前なまへげてゐても、ことごとくもつともらしい出鱈目でたらめである。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
非常ひじやうなもんだよ。きみこといてくれた。おれ頭腦づなう明晰めいせきを一層確實そうかくじつ證據しようこだてる機會きくわいあたへてくれたこときみ感謝かんしやするね。ちたまへ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
老叟らうそうわらつて『さう言はるゝにはなに證據しようこでもあるのかね、貴君あなたものといふれきとした證據しやうこが有るならうけたまはりいものですなア』
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『まだ/\もつとおほくの證據しようこ御座ございます、陛下へいかよ』とつて白兎しろうさぎは、にはかあがり、『文書もんじよ只今たゞいまひろひましたのです』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それでもおまへさゝづるにしきまもぶくろといふやうな證據しようこいのかえ、なに手懸てがゝりはりさうなものだねとおきやうふをして
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こゝろのなかで、これ神經衰弱しんけいすゐじやく結果けつくわむかしやう機敏きびん明快めいくわい判斷はんだんを、すぐつくげるあたまくなつた證據しようこだらうと自覺じかくした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その證據しようこは、これから以後いご、ずっとはるかなのちまで、ほんとうに景色けしきんだうたといふものが、ないのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
婆等ばゝあら勿體もつてえねえことすつからやうねえ、いや勿體もつてえねえともこめあぶらだからこんで、それ證據しようこにやさけんだ明日あしたぢやつらあらときつる/\すつとこ奇態きてえだな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
外が外れたばかりでない、自分の技能ぎのうが自分の思ツてゐた半分はんふんも出來てらぬことを證據しようこ立てられた。此の場合にける藝術家は、敗殘困憊はいざんこんぱひ將軍しやうぐんである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
彼は實際科學の知識に明るかつた。ある朝、後日の證據しようこのために事件突發の日のままになつてゐたその室にはひつてみた。窓から明るい光線が差し込んでゐた。
探偵小説の魅力 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
その證據しようこにはそのくひのある附近ふきんつてますと、當時とうじ人間にんげんおとしたりてたりした石器せつき土器どきまでが發見はつけんされ、ものるいまでが、よくのこつてをりました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
しかるに今日こんにちまで幾度いくたび各國市府かくこくしふ日本公使館につぽんこうしくわん領事館りやうじくわんおとづれたが、一もそれとおぼしき消息せうそくみゝにせぬのは、大佐たいさその行衞ゆくゑくらましたまゝあらはれてなによりの證據しようこ
わたしのやうなきつねでもうまかはつたやうになれば、うしてやしろ番人ばんにんをさせていたゞけるのです。わたしがもうわか時分じぶんのやうな惡戯いたづらきつねでない證據しようこには、このわたしくち御覽ごらんになつても分ります。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
よそほひ諸司代屋敷へおもむきしかば牧野丹波守殿對面たいめん有て身分より御證據しようこの品の拜見もありしに全く相違なしと見屆みとゞけ京都よりも又此段を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「サア、此野郎、皆んなわかつてしまつたぞ、白状しろ、お鮒を鐵砲で撃ち殺したのはお前だらう——證據しようこは皆んな揃つたぞ」
ねがはくは陛下へいかよ』とつて軍人ネーブは、『わたしいたのでは御座ございません、その證據しようこには、しまひになにいて御座ございません』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「だツてきまりが惡いんですもの………」とうそでない證據しようこといふやうに顏をあからめ、「をとこかたツてものは、他の事を其様に根堀ねほ葉堀はほりなさるもんじやないわ。」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
つぶでがすから、わしがに相違さうゐありあんせん、彼等あつらがなんなに出來できつこねえんですから、それ證據しようこにや屹度きつと自分じぶんはたけのがなひとでもつちやねえからさつせ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
この日本製につぽんせいかゞみ和鏡わきようまをしてをります。つまりそれは日本につぽんがその時代じだいになつて、だん/″\文化ぶんかすゝんで技術ぎじゆつすぐれてつたことをしめす、なによりもよい證據しようこであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
理窟りくつへば、此方こつちにもぶんはあるが、せば、とゞのつまりは裁判沙汰さいばんざたになるばかりだから、證據しようこなにもなければてるわけのものぢやなし」と宗助そうすけ極端きよくたん豫想よさうすると
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あなかず孔中こうちゆう堂宇だうゝの二證據しようこで、石は雲飛うんぴのものといふにきまり、石賣は或人より二十兩出してかつしなといふことも判然はんぜんして無罪むざいとなり、かくも石は首尾しゆびよく雲飛の手にかへつた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それでも學生がくせいなか何人なんにんかは矢張やは筆跡ひつせき證據しようこになつて退學處分たいがくしよぶんけたんださうだが。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
一個いつこ證據しようこなく、天下てんか承認しようにんこと餘程よほど困難こんなんであらうとおもふ。
縛れば縛れる證據しようこは充分にありながら、いつもの平次の弱氣で、それをやらなかつたばかりに、飛んでもないことになつてしまつたのです。
御調べ願ひ夫の惡名あくみやうすゝぐべし忠兵衞殿には何處迄も證據しようこと成て下されとすぐにも駈出かけだすお光が氣色此有樣に忠兵衞は如何いかゞなことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『そんなものは證據しようこにはなりません!』とあいちやんがひました。『なんだかわけわからないのですもの!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「そんだつてさけつちやひとくちえるやう出來できてんだから、それ證據しようこにやらがくちえりやすぐくからろえ」かね博勞ばくらうはいつた。亭主ていしゆまた苗束なへたば香煎かうせんすこけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
第四十七圖だいしじゆうしちず)これらのものが、日本につぽんつくられたといふ證據しようこには、それをつくときもちひたいしかた發見はつけんされるのでわかるのであります。このつるぎほこるい九州きゆうしゆうもつとおほ發見はつけんされます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
このをとこくらべると流石さすがのブリダアの市人まちびと餘程よほど勤勉きんべんたみはんければならない、にしろラクダルのえら證據しようこは『怠惰屋なまけや』といふ一個ひとつ屋號やがうつくつてしまつたのでも了解わかる、綉工ぬひはくやとか珈琲屋かうひいやとか
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
お前の荷物を調べると言つたのは、何か證據しようこが欲しかつたのだ。いや、——お前の證據を隱すところを見たかつたのだ
その證據しようこにはかつこひめにくるしもだえたひとも、ときつて、普通ふつうひととなるときは、何故なにゆゑ彼時あのとき自分じぶんこひめにくまで苦悶くもんしたかを、自分じぶんうたがうものである。すなはかれこひちかられてないからである。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「お町は主人の御寵愛の深い女で、そんな事をする筈はないと思ふが、困つたことに、いろ/\の證據しようこがある」
「その證據しようこには、誰もお銀さんをだましてつれ出したといふ、好い男の惡浪人の名前を聽いた人はないでせう」
「ほかに用事がなきや、御苦勞だが淀橋まで行つて、叶屋で昨夜ゆうべのことを訊かしてくれ、金之助の言ふことに嘘はあるまいが、いろ/\の證據しようこを固めて置きたい」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「曲者は此方から忍び込んで逃げましたといふ證據しようこに、一枚雨戸をはづしてあつたか、それはだ」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
打越金彌だよ、最初は金をやつて、横井源太郎殺しを手傳はせたが、だん/\強請ゆすりがひどくなつたので、一と思ひに殺したのだ、殺された爲吉の匕首でやつたのはその證據しようこだ。
そのうちの江柄えがら三七郎は、船を何處かへ寄せて、夜中に長者町へ歸れないこともないわけですが、それはしかし、俵屋へ忍び込んで、お玉を殺したといふ直接の證據しようこにはなりません。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
俺は大方察したがお町が殺したといふ證據しようこは一つもない、それに、男に捨てられたお町の心持がいぢらしかつた——萬一自害するやうな事があつてはならぬと思ひ、それとなくいましめた上
「親分、證據しようこは揃つたぢやありませんか。お幾を引つ立てて見ませうか」
何んの證據しようこもつかめません。