トップ
>
種々
>
いろ/\
ふりがな文庫
“
種々
(
いろ/\
)” の例文
何事
(
なんに
)
も知らずに世の中へ出て来た私を仮りに生徒とすれば、その少年の生徒の前へ来て
種々
(
いろ/\
)
なことを教へて呉れた教師が誰だつたか
犬
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
此方
(
こちら
)
は
焚火
(
たきび
)
どころで
無
(
な
)
い。
汗
(
あせ
)
を
垂
(
た
)
らして
掘
(
ほ
)
り
進
(
すゝ
)
むのに、いや、
土龍
(
むぐろ
)
のやうだの、
井戸掘
(
ゐどほり
)
の
手間
(
てま
)
だの、
種々
(
いろ/\
)
な
批評
(
ひひやう
)
を
頭
(
あたま
)
から
冠
(
かぶ
)
せられる。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
行きましたともさ、すぐに行つて
種々
(
いろ/\
)
聽いてきたの。今日もちよつと行つて來たのですの。あなたは、まだ
年少
(
ちひ
)
さいから駄目なのよ。
日本橋あたり
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
種々
(
いろ/\
)
なる感想が自分の胸に
潮
(
うしほ
)
のやうに集つて来て、其山中の村が何だか自分と深い宿縁を
有
(
も
)
つて居るやうな気が
為
(
し
)
て、何うも
為
(
な
)
らぬ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
此方
(
こちら
)
には葡萄棚もあり其の他
種々
(
いろ/\
)
な
菓物
(
くだもの
)
も作ってありまして、彼是一町
許
(
ばか
)
り入ると、屋根は
瓦葺
(
かわらぶき
)
だが至って風流な
家作
(
やづく
)
りがあります。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
『
何
(
なに
)
が
何
(
なん
)
でも
望遠鏡
(
ばうゑんきやう
)
のやうに
篏
(
は
)
め
込
(
こ
)
まれては
堪
(
たま
)
らない!
些
(
ちよツ
)
と
始
(
はじ
)
めさへ
解
(
わか
)
ればもう
占
(
し
)
めたものだ』
此頃
(
このごろ
)
では
身
(
み
)
にふりかゝる
種々
(
いろ/\
)
の
難事
(
なんじ
)
を
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
何
(
ど
)
ういふ
樣子
(
やうす
)
何
(
ど
)
のやうな
事
(
こと
)
をいふて
行
(
ゆ
)
きましたかとも
問
(
と
)
ひたけれど
悋氣男
(
りんきをとこ
)
と
忖度
(
つも
)
らるゝも
口惜
(
くちを
)
しく、
夫
(
そ
)
れは
種々
(
いろ/\
)
御厄介
(
ごやつかい
)
で
御座
(
ござ
)
りました
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
種々
(
いろ/\
)
な事が書いてある。ジエンツアノの葡萄酒やピエンツアの無花果の事がある。それから例の不思議な事件の其後の成行がある。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
それより
一同
(
いちどう
)
種々
(
いろ/\
)
申
(
まを
)
して
渠
(
かれ
)
を
御前
(
ごぜん
)
にわびたりければ、
幼君
(
えうくん
)
ふたゝび
御出座
(
ごしゆつざ
)
ありて、
籠中
(
かごのなか
)
の
人
(
ひと
)
に
向
(
むか
)
はせられ、「
其方
(
そのはう
)
さほどまでに
苦
(
くる
)
しきか」
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
思
(
おも
)
ひ
竊
(
ひそか
)
に
母
(
はゝ
)
へ
委敷事
(
くはしきこと
)
を語りければ
母
(
はゝ
)
も
驚
(
おどろ
)
き今度の
御呼出
(
およびだ
)
しは吉三郎と
對決
(
たいけつ
)
させんとの事
成
(
なる
)
べければ
種々
(
いろ/\
)
御尋
(
おんたづね
)
有
(
ある
)
ならんが
其時
(
そのとき
)
委細
(
ゐさい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
俺
(
お
)
れこと
忘
(
わす
)
れたんべ
此
(
こ
)
ら、
大
(
え
)
かく
成
(
な
)
つたと
思
(
おも
)
つて
來
(
き
)
たつけが
本當
(
ほんたう
)
に
分
(
わか
)
んねえ
程
(
ほど
)
大
(
え
)
かく
成
(
な
)
つたな」
寡言
(
むくち
)
な
卯平
(
うへい
)
が
此
(
こ
)
の
夜
(
よ
)
は
種々
(
いろ/\
)
に
饒舌
(
しやべ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
仏蘭西
(
フランス
)
で見ると同じやうな
蒼
(
あを
)
い
黄昏
(
たそがれ
)
の微光は甲板上の
諸有
(
あらゆ
)
るものに、
船梯子
(
ふなばしご
)
や欄干や船室の壁や
種々
(
いろ/\
)
の綱なぞに優しい神秘の影を投げるので
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それから
種々
(
いろ/\
)
話して居たんですが、暫らくしてから、「どうだ、一週間許り待つて呉れるなら汽車賃位出來る道があるが、待つか待たぬか。」
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
阿母
(
おつか
)
さんの頭には、電車の車内広告の頭の禿げた男が、万年筆を
捧
(
さゝ
)
げ
銃
(
つゝ
)
の形にした絵が思ひ出された。それには二円八十銭より
種々
(
いろ/\
)
とあつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
楽屋には
甲冑
(
かぶと
)
、槍、面などが沢山並べてありました。私達はその中に坐つて、何とも云へぬ喜に浸りながら、
種々
(
いろ/\
)
の愉快な相談をして居りました。
泣き笑ひ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
(これにもかぎらずさま/″\の術あり)雁の
居
(
を
)
る処を
替
(
か
)
ふるは
夕暮
(
ゆふぐれ
)
夜半
(
やはん
)
暁
(
あかつき
)
也、人此時をまちて
種々
(
いろ/\
)
の
工
(
たくみ
)
を
尽
(
つく
)
して
捕
(
とら
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
此の頃先生は、西洋へ持つていらつしやる脚本を
拵
(
こしら
)
へる為に、
種々
(
いろ/\
)
材料を集めてゐらつしやいましたが、それも皆悲しい
遺品
(
かたみ
)
になつてしまひました。
忘れ難きことども
(新字旧仮名)
/
松井須磨子
(著)
負けず嫌ひの虚榮心に富んだ感情的のものであるだけ内心では
種々
(
いろ/\
)
と思ひ耽ることが多い、或は忍ぶ戀路に身を殺すなどといふやうな
類
(
たぐひ
)
もあらうし
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
町
(
まち
)
には、
病院
(
びやうゐん
)
の
新院長
(
しんゐんちやう
)
に
就
(
つ
)
いての
種々
(
いろ/\
)
な
噂
(
うはさ
)
が
立
(
た
)
てられてゐた。
下女
(
げぢよ
)
と
云
(
い
)
ふ
醜婦
(
しうふ
)
が
會計
(
くわいけい
)
と
喧嘩
(
けんくわ
)
をしたとか、
會計
(
くわいけい
)
は
其女
(
そのをんな
)
の
前
(
まへ
)
に
膝
(
ひざ
)
を
折
(
を
)
つて
謝罪
(
しやざい
)
したとか、と。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それから
二人
(
ふたり
)
種々
(
いろ/\
)
の
談話
(
はなし
)
をして
居
(
を
)
る
中
(
うち
)
に
懇意
(
こんい
)
になり、ボズさんが
遠慮
(
ゑんりよ
)
なく
言
(
い
)
ふ
處
(
ところ
)
によると
僕
(
ぼく
)
の
發見
(
みつけ
)
た
場所
(
ばしよ
)
はボズさんのあじろの
一
(
ひとつ
)
で、
足場
(
あしば
)
はボズさんが
作
(
つく
)
つた
事
(
こと
)
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
書肆は
旁
(
かたは
)
ら立派な果物罐詰類の店を出してゐる、進歩思想の商人である。此二人がプラトンに
種々
(
いろ/\
)
の葡萄酒や焼酎を勧めて、プラトンは応接に
遑
(
いとま
)
あらずと云ふ工合である。
板ばさみ
(新字旧仮名)
/
オイゲン・チリコフ
(著)
其の惑亂した心が繪に映るから何うしたツて思ふ
壺
(
つぼ
)
に
嵌
(
はま
)
ツて來ない。加之單に此の藝術上の煩悶ばかりではない。周三には、
他
(
た
)
にも
種々
(
いろ/\
)
の煩悶があつて、彼を惱ましている。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「
難有
(
ありがた
)
うよ」と老母は
瞼
(
まぶた
)
拭
(
ぬぐ
)
ひつ「
此程
(
このほど
)
も伜のことを引受けて下だすつた、弁護士の方が
来
(
いら
)
しつたんでネ、先生様の御友達の方で、——
御両人
(
おふたり
)
で
種々
(
いろ/\
)
御相談なすつて
在
(
いら
)
しつたがネ、 ...
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
女子教育上
(
ぢよしけういくじやう
)
の
意見
(
いけん
)
としては
別段
(
べつだん
)
に
申上
(
まをしあげ
)
ることも
御在
(
ござ
)
ませんが、
唯
(
た
)
だ
私
(
わたくし
)
が一
昨年
(
さくねん
)
の
春
(
はる
)
此
(
こ
)
の
女子英學塾
(
ぢよしえいがくじゆく
)
を
開
(
ひら
)
いてから
以來
(
いらい
)
、
種々
(
いろ/\
)
今日
(
こんにち
)
の
女子
(
ぢよし
)
即
(
すなは
)
ち
女學生
(
ぢよがくせい
)
に
就
(
つい
)
て
經驗
(
けいけん
)
した
事
(
こと
)
がありますから
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
それ故食堂に入つて、中に居る人、其注文の品、そんなものを観て居ると、本当に
種々
(
いろ/\
)
で、平素の生活状態や、趣味
嗜好
(
かうし
)
といふやうなものが、さながらの縮図となつて展開されて来る。
買ひものをする女
(新字旧仮名)
/
三宅やす子
(著)
其他
(
そのほか
)
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
も
隨分
(
ずゐぶん
)
あつた。
音樂會
(
おんがくくわい
)
の
翌々日
(
よく/\じつ
)
の
事
(
こと
)
で、
船
(
ふね
)
は
多島海
(
たたうかい
)
の
沖
(
おき
)
にさしかゝつた
時
(
とき
)
、
多
(
おほく
)
の
船客
(
せんきやく
)
は
甲板
(
かんぱん
)
に
集合
(
あつま
)
つて
種々
(
いろ/\
)
の
遊戯
(
あそび
)
に
耽
(
ふけ
)
つて
居
(
を
)
つたが、
其内
(
そのうち
)
に
誰
(
たれ
)
かの
發起
(
はつき
)
で
徒競走
(
フートレース
)
が
始
(
はじま
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
種々
(
いろ/\
)
それには理由があつたわけですが、要は新しい芝居の役者とさうして仕打との、すべてに於いての厚かましい、微塵遠慮といふものゝないヤリ口が、世間から愛想を尽されたのでした。
井上正夫におくる手紙
(新字旧仮名)
/
久保田万太郎
(著)
かうした
種々
(
いろ/\
)
な變化の中にも、テムプル先生は、學校の監督を續けて來てゐた。私の學び得たものゝうちで、最もよい部分は彼女の教育に負うてゐる。彼女の友情と
交
(
まじは
)
りとは、いつも私の慰めだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
と聞きましたが、お藤は更に物も云えません様子だから流れの水を飲ませ、脊中を撫り、
種々
(
いろ/\
)
介抱致して居る
中
(
うち
)
に漸く
生気
(
しょうき
)
に成って
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
世話人は
種々
(
いろ/\
)
なことを
訊
(
き
)
かれた。しかしその不思議な僧の行為の中には、あやしいやうなことは少しもなかつた。すべて自然であつた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
彼此
(
かれこれ
)
と
種々
(
いろ/\
)
優
(
すぐ
)
れた
簡便
(
かんべん
)
な
方法
(
はうはふ
)
を
稽
(
かんが
)
へては
見
(
み
)
たものゝ、
只
(
たゞ
)
厄介
(
やくかい
)
な
事
(
こと
)
には
何
(
ど
)
うして
其
(
そ
)
れを
實行
(
じつこう
)
すべきかと
云
(
い
)
ふ
名案
(
めいあん
)
を
持
(
も
)
たなかつたことです。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
実は君の叔父さんからも
種々
(
いろ/\
)
御話が有ましたがね、叔父さんも
矢張
(
やつぱり
)
左様
(
さう
)
いふ意見なんです。何とか君、
巧
(
うま
)
い工夫はあるまいかねえ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
添
(
そへ
)
種々
(
いろ/\
)
禮物
(
れいもの
)
を
贈
(
おく
)
りけるゆゑ五八は
俄
(
にはか
)
分限
(
ぶげん
)
となり何れも
其家々
(
そのいへ/\
)
繁昌
(
はんじやう
)
なせし事實に
心實
(
しんじつ
)
程
(
ほど
)
大切
(
たいせつ
)
なるものはなしと皆々感じけるとなん
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
岬
(
みさき
)
のやうな
形
(
かたち
)
に
偃
(
は
)
うて
居
(
ゐ
)
る
水田
(
すゐでん
)
を
抱
(
かゝ
)
へて
周圍
(
しうゐ
)
の
林
(
はやし
)
は
漸
(
やうや
)
く
其
(
そ
)
の
本性
(
ほんしやう
)
のまに/\
勝手
(
かつて
)
に
白
(
しろ
)
つぽいのや
赤
(
あか
)
つぽいのや、
黄色
(
きいろ
)
つぽいのや
種々
(
いろ/\
)
に
茂
(
しげ
)
つて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
其
(
それ
)
は
貴方
(
あなた
)
、
横
(
よこ
)
から
見
(
み
)
たり、
縱
(
たて
)
から
見
(
み
)
たり、
種々
(
いろ/\
)
にして
樂
(
たのし
)
みますのでございます。
妾
(
てかけ
)
などと
申
(
まを
)
しますものは、
然
(
さ
)
うしたものでございますとさ。」
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
また二人が
種々
(
いろ/\
)
な会話を取り交すところがあるのです、実はそれが悉くほんとの事で会話も二人が話した儘を私は書いて仕舞つたのです、美智子
青白き公園
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
そればかりでも
身躰
(
からだ
)
の
疲勞
(
ひらう
)
が
甚
(
はなはだ
)
しからうと
思
(
おも
)
はれるので
種々
(
いろ/\
)
に
異見
(
いけん
)
も
言
(
い
)
ふが、
何
(
ど
)
うも
病
(
やまひ
)
の
故
(
せゐ
)
であらうか
兎角
(
とかく
)
に
誰
(
た
)
れの
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
も
用
(
もち
)
ひぬに
困
(
こま
)
りはてる
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『今お聞き申して居れば、役場の方にも
種々
(
いろ/\
)
御事情がある樣でごあんすゝ、一寸お預りしただけでごあんすから、兎に角これはお返し致しあんす。』
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
疊半分以上の、そのころのものではよい
品
(
しな
)
があつたので、それに息をかけて拭きながら
種々
(
いろ/\
)
の表情をやりました。
鏡二題
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
熊の
居
(
ゐ
)
たる跡へ
坐
(
すはり
)
しにそのあたゝかなる事
巨燵
(
こたつ
)
にあたるごとく
全身
(
みうち
)
あたゝまりて
寒
(
さむさ
)
をわすれしゆゑ、熊にさま/″\礼をのべ猶もたすけ玉へと
種々
(
いろ/\
)
悲
(
かな
)
しき事をいひしに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
言語学者は早速返しの年賀状を
認
(
したゝ
)
めた。活版刷の葉書の
側
(
そば
)
に、一度親しくお目に懸つて、
種々
(
いろ/\
)
御話が伺ひたいと
添書
(
そへがき
)
までした。宛名には叮嚀に榊原政職閣下と書きつけた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
湿つた石壁に
凝
(
こ
)
つて
滴
(
した
)
たる水が流れて二つの水盤に入る。寂しい
妄想
(
まうざう
)
に耽りながら此中の道を歩く人に伴侶を与へるためか、
穹窿
(
きうりう
)
には銅で鋳た
種々
(
いろ/\
)
の
鳥獣
(
とりけもの
)
が据ゑ附けてある。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
私
(
わたくし
)
は
時折
(
ときをり
)
種々
(
いろ/\
)
な
事
(
こと
)
を
妄想
(
まうざう
)
しますが、
往々
(
わう/\
)
幻想
(
まぼろし
)
を
見
(
み
)
るのです、
或人
(
あるひと
)
が
來
(
き
)
たり、
又
(
また
)
人
(
ひと
)
の
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いたり、
音樂
(
おんがく
)
が
聞
(
きこ
)
えたり、
又
(
また
)
林
(
はやし
)
や、
海岸
(
かいがん
)
を
散歩
(
さんぽ
)
してゐるやうに
思
(
おも
)
はれる
時
(
とき
)
も
有
(
あ
)
ります。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
幻花子
(
げんくわし
)
は
此當時
(
このたうじ
)
、ぐツと
先生振
(
せんせいぶ
)
つて、
掘
(
ほ
)
りながら
種々
(
いろ/\
)
講釋
(
こうしやく
)
を
聞
(
き
)
かせるのであつた。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
と思ツて
種々
(
いろ/\
)
と考へて見たけれども、
何
(
ど
)
うも解らなかツた。それで
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
結婚の申込を
悉
(
ことごと
)
く謝絶致します所から、人を疑つて喜ぶ世間は
種々
(
いろ/\
)
の風評を立てまして——
貴所
(
あなた
)
の御名誉に関係致しまする様な記事を、
数々
(
しば/\
)
新聞の上などでも読みまする毎に、何程自分で自分を叱り
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
飯島の
家
(
うち
)
では妾のお國が、孝助を追出すか、しくじらするように
種々
(
いろ/\
)
工夫を
凝
(
こら
)
し、この事ばかり寝ても覚めても考えている、悪い奴だ。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
叔母さんのお墓へ行く途中で行き逢つた知らない顔……電車の窓から見た
種々
(
いろ/\
)
な若い人の後姿……急いで熱い往来を過ぎ行く影……あれか
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
猶
(
なほ
)
半町ほど
辿
(
たど
)
つて行くと、もう其処は尾谷川の
崖
(
がけ
)
で、石に激する水声が、今迄
種々
(
いろ/\
)
な悪声を聞いた自分の耳に、
殆
(
ほとん
)
ど天上の音楽の如く聞える。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
乃
(
そこ
)
で
種々
(
いろ/\
)
押問答
(
おしもんだふ
)
しましたが、
愛
(
あい
)
ちやんの
方
(
はう
)
でも
別段
(
べつだん
)
巧
(
うま
)
い
理屈
(
りくつ
)
も
出
(
で
)
ず、
殊
(
こと
)
に
芋蟲
(
いもむし
)
が
非常
(
ひじよう
)
に
不興
(
ふきよう
)
げに
見
(
み
)
えたので、
愛
(
あい
)
ちやんは
早速
(
さつそく
)
戻
(
もど
)
りかけました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
種
常用漢字
小4
部首:⽲
14画
々
3画
“種々”で始まる語句
種々相
種々樣々
種々雜多
種々作
種々力
種々報
種々多様
種々雑多