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其樣
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そん
ふりがな文庫
“
其樣
(
そん
)” の例文
新字:
其様
鐵車
(
てつしや
)
は
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
ではビクともしない、
反對
(
はんたい
)
に
獸
(
じう
)
を
彈飛
(
はじきとば
)
すと、
百獸
(
ひやくじう
)
の
王樣
(
わうさま
)
も
團子
(
だんご
)
のやうに
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
を
七顛八倒
(
しちてんばつたう
)
。
吾等
(
われら
)
一同
(
いちどう
)
はドツと
笑
(
わら
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此樣
(
こん
)
な時に、もし
家
(
うち
)
から誰か
迎
(
むかひ
)
に來て呉れたら、自分は
何樣
(
どん
)
なに
悦
(
うれ
)
しかツたか知れぬ。併し
其樣
(
そん
)
な事を幾ら考へてゐたツて無駄だ。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
其樣
(
そん
)
なものに
鼻毛
(
はなげ
)
よまれて
果
(
はて
)
は
跡
(
あと
)
あしの
砂
(
すな
)
の
御用心
(
ごようじん
)
さりとてはお
笑止
(
しようし
)
やなどヽ
憎
(
に
)
くまれ
口
(
ぐち
)
いひちらせど
眞
(
しん
)
の
處
(
ところ
)
は
妬
(
ねた
)
し
妬
(
ねた
)
しの
積
(
つも
)
り
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
何
(
ど
)
うして、
其樣
(
そん
)
な
所
(
ところ
)
へ
這入
(
はい
)
つたのだ。
當分
(
たうぶん
)
其所
(
そこ
)
にゐる
積
(
つもり
)
なのかい」と
宗助
(
そうすけ
)
は
重
(
かさ
)
ねて
聞
(
き
)
いた。
安井
(
やすゐ
)
はたゞ
少
(
すこ
)
し
都合
(
つがふ
)
があつてと
許
(
ばかり
)
答
(
こた
)
へたが
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いくらでも、
其樣
(
そん
)
な警句の材料にするが可いサ。」斯うA君も苦笑して、痩せた足に大きな足袋で、部屋の
内
(
なか
)
を歩いて見た。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
アヽ解つた、お前此頃
松公
(
まつこう
)
に
逃
(
にげ
)
を打たれたと云ふから、其で
其樣
(
そん
)
なに
自棄糞
(
やけくそ
)
になつてるんだね。道理で目の色が變だと思つた。オヽ物騷々々!
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
若
(
も
)
し
嬉
(
うれ
)
しい
消息
(
しらせ
)
なら、それを
其樣
(
そん
)
な
顏
(
かほ
)
をして
彈
(
ひ
)
きゃるのは、
床
(
ゆか
)
しい
知
(
し
)
らせの
琴
(
こと
)
の
調
(
しら
)
べを
臺無
(
だいな
)
しにしてしまふといふもの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
小川の橋を渡り損じて水に落つる滑稽の結局に至つた時分、オヤ、自分は今
其樣
(
そん
)
な事を想つて居る筈では無かつた。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
願ひますと云ば手先の
者
(
もの
)
何
(
なん
)
だぐず/\云ふ事たアネヘ貴樣は怪しい奴に
相違
(
さうゐ
)
ない夜中
無提灯
(
むぢやうちん
)
にて
其樣
(
そん
)
な大包みを
背負
(
せおひ
)
形容
(
なり
)
にも
似合
(
にあは
)
ぬ
鮫鞘
(
さめざや
)
の
脇差
(
わきざし
)
をさし是は大方
其處
(
そこ
)
らで盜み來りしならん殊に
草鞋
(
わらんぢ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其處
(
そこ
)
に
何者
(
なにもの
)
かゞ
居
(
を
)
るに
相違
(
さうゐ
)
ない、
人
(
ひと
)
か、
魔性
(
ましやう
)
か、
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
は
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
られぬ、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
探險
(
たんけん
)
と
覺悟
(
かくご
)
したので、そろ/\と
丘
(
をか
)
を
下
(
くだ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
一體お前さん等ア今日に限ツて何んだツて
其樣
(
そん
)
なに騷ぐんだ……人體解剖ツてものア其樣なふざけた譯のものぢや無からうぜ。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
いゝやなそれは、
出來
(
でき
)
ない
時
(
とき
)
に
調製
(
こしら
)
へて
呉
(
く
)
れとは
言
(
い
)
はない、お
前
(
まへ
)
さんに
運
(
うん
)
の
向
(
む
)
いた
時
(
とき
)
の
事
(
こと
)
さ、まあ
其樣
(
そん
)
な
約束
(
やくそく
)
でもして
喜
(
よろこ
)
ばして
置
(
お
)
いてお
呉
(
く
)
れ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『お前着物を
如何
(
どう
)
お
爲
(
し
)
なんだよ。此寒いのに、ベラ/\した
袷
(
あはせ
)
かなんかで。
其樣
(
そん
)
な
姿
(
なり
)
で此邊を
彷徨
(
うろ/\
)
しておくれでないよ、
眞實
(
ほんとう
)
に外聞が惡いから。』
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「今は
其樣
(
そん
)
な氣樂を言つてるけれど——。」とK君は大きな體躯を搖りながら笑つた。「彼時は
彼樣
(
あん
)
なことを言つたツけナア、なんて言ふんだらう。」
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
今日以後も昨日以前同樣の取扱方を吾が身に加へて居て、而して明日からは往日と異なつた結果を得ようといふ
其樣
(
そん
)
な得手勝手な注文は成り立つ道理が無い。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
は、もう
夙
(
とう
)
に
知
(
し
)
ってゐる。
婚禮
(
こんれい
)
の
事
(
こと
)
をば
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
うてぢゃ? さ、それを。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
爲
(
させ
)
て置ながら又今となり
逢
(
あひ
)
たいとは如何に
欺
(
だま
)
すが
商賣
(
しやうばい
)
でも餘りに
壓
(
おし
)
が
強過
(
つよすぎ
)
ると取ても付ぬ挨拶に吉六
暫時
(
しばし
)
呆
(
あき
)
れしが夫は長庵が一
存
(
ぞん
)
の
惡功
(
わるだく
)
みせし事ならん小夜衣さんに
限
(
かぎ
)
つては
其樣
(
そん
)
な御人じや御座りません
早速
(
さつそく
)
歸
(
かへ
)
つておいらんへ其御話しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
然
(
しか
)
し、
今
(
いま
)
は
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
を
悠長
(
いうちやう
)
に
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
るべき
塲合
(
ばあひ
)
でない。
此時
(
このとき
)
の
心痛
(
しんつう
)
は
實
(
じつ
)
に
非常
(
ひじやう
)
であつた。
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
との
約束
(
やくそく
)
の
日
(
ひ
)
は
既
(
すで
)
に
切迫
(
せつぱく
)
して
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
何故
(
なぜ
)
?………
俺
(
おれ
)
だツて
其樣
(
そん
)
なに
非人情
(
ひにんじやう
)
に出來てゐる人間ぢやないぞ。
偶時
(
たま
)
には
妻
(
さい
)
の機嫌を取ツて置く必要もある位のことは知ツてゐる。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
己
(
お
)
れは
其樣
(
そん
)
な
物
(
もの
)
は
貰
(
もら
)
ひたくない、お
前
(
まへ
)
その
好
(
い
)
い
運
(
うん
)
といふは
詰
(
つま
)
らぬ
處
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
かうといふのではないか、
一昨日
(
をとゝひ
)
自家
(
うち
)
の
半次
(
はんじ
)
さんが
左樣
(
さう
)
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
たに
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其樣
(
そん
)
な
心算
(
つもり
)
ではなかつたから、お大は
繁々
(
しげ/\
)
金
(
かね
)
へ呼出をかける。第一大切の
米櫃
(
こめびつ
)
を
亡
(
なく
)
して了つては、此先生活の道がないので、見かけによらぬ氣の小いお大は、氣が氣でない。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「僕の生涯には暗い影が近づいて來たやうな氣がするね、何となく斯う暗い
可畏
(
おそろ
)
しい影が——君は
其樣
(
そん
)
なことを思ひませんか。尤も、僕には兄が死んでる。だから餘計に
左樣
(
さう
)
思ふのかも知れない。」
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
今朝
(
けさ
)
、
東
(
ひがし
)
の
金
(
きん
)
の
窓
(
まど
)
から
朝日影
(
あさひかげ
)
のまだ
覗
(
のぞ
)
きませぬ
頃
(
ころ
)
、
胸
(
むね
)
の
悶
(
もだへ
)
を
慰
(
なぐさ
)
めませうと、
郊外
(
かうぐわい
)
に
出
(
で
)
ましたところ、
市
(
まち
)
からは
西
(
にし
)
に
當
(
あた
)
る、とある
楓
(
かへで
)
の
杜蔭
(
もりかげ
)
に、
見
(
み
)
れば、
其樣
(
そん
)
な
早朝
(
あさまだき
)
に、
御子息
(
ごしそく
)
が
歩
(
ある
)
いてござる、
近
(
ちか
)
づけば
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何
(
なに
)
己
(
お
)
れは
馴
(
な
)
れた
物
(
もの
)
だ、
斯
(
か
)
うやつて
斯
(
か
)
うすると
言
(
い
)
ひながら
急遽
(
あわたゞ
)
しう七
分
(
ぶ
)
三
分
(
ぶ
)
に
尻端
(
しりはし
)
折
(
をり
)
て、
其樣
(
そん
)
な
結
(
ゆわ
)
ひつけなんぞより
是
(
こ
)
れが
夾快
(
さつぱり
)
だと
下駄
(
げた
)
を
脱
(
ぬ
)
ぐに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
其樣
(
そん
)
なに
私
(
わたし
)
が
憎
(
にく
)
いんですか。憎いなら憎いやうに………」と
嚇
(
かつ
)
とした
躰
(
てい
)
で、突ツかゝり
氣味
(
ぎみ
)
になると
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
己
(
お
)
れはお
前
(
まへ
)
が
居
(
ゐ
)
なくなつたら
少
(
すこ
)
しも
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
くなつて
仕舞
(
しま
)
ふのだから
其樣
(
そん
)
な
厭
(
いや
)
な
戯言
(
じようだん
)
は
廢
(
よ
)
しにしてお
呉
(
く
)
れ、えゝ
詰
(
つま
)
らない
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふ
人
(
ひと
)
だと
頭
(
かしら
)
をふるに
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
其樣
(
そん
)
な
嘘
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
くもんぢやない。お
祖樣
(
ぢいさん
)
は能く知ツてゐるぞ。其の螢籠は
何
(
な
)
んだ、」
失敗
(
しま
)
ツた! 自分は螢籠を片手にぶらさげてゐた。
此
(
か
)
うなツてはもう
爲方
(
しかた
)
が無い。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
左樣
(
さう
)
であらう、
校内
(
かうない
)
一
(
いち
)
の
人
(
ひと
)
だとお
前
(
まへ
)
も
常
(
つね
)
に
褒
(
ほ
)
めたではないか、
其人
(
そのひと
)
であるから
決
(
けつ
)
してお
前
(
まへ
)
を
恨
(
うら
)
んで
死
(
し
)
ぬ、
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
はある
筈
(
はず
)
がない、
憤
(
いきどほ
)
りは
世間
(
せけん
)
に
對
(
たい
)
してなので
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
近子は輕くお
叩頭
(
じぎ
)
をして、「
何
(
ど
)
うも御親切に有難うございます。」と
叮嚀
(
ていねい
)
に
謂
(
い
)
ツたかと思ふと、「ですが、
其樣
(
そん
)
なにおひやらないで下さいまし。幾ら道具でも蟲がありますからね。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
分
(
わか
)
らぬなりに
菊
(
きく
)
の
井
(
ゐ
)
のお
力
(
りき
)
を
通
(
とほ
)
してゆかう、
人情
(
にんじよう
)
しらず
義理
(
ぎり
)
しらずか
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
も
思
(
おも
)
ふまい、
思
(
おも
)
ふたとて
何
(
ど
)
うなる
物
(
もの
)
ぞ、
此樣
(
こん
)
な
身
(
み
)
で
此樣
(
こん
)
な
業體
(
げうてい
)
で、
此樣
(
こん
)
な
宿世
(
すくせ
)
で
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平常
(
へいぜい
)
は
逢
(
あ
)
いたい
娘
(
むすめ
)
の
顏
(
かほ
)
も
見
(
み
)
ずに
居
(
ゐ
)
まする、
夫
(
そ
)
れをば
何
(
なん
)
の
馬鹿々々
(
ばか/\
)
しい
親
(
おや
)
なし
子
(
ご
)
でも
拾
(
ひろ
)
つて
行
(
い
)
つたやうに
大層
(
たいさう
)
らしい、
物
(
もの
)
が
出來
(
でき
)
るの
出來
(
でき
)
ぬのと
宜
(
よ
)
く
其樣
(
そん
)
な
口
(
くち
)
が
利
(
き
)
けた
物
(
もの
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
高
(
たか
)
涙
(
なみだ
)
の
顏
(
かほ
)
恨
(
うら
)
めしげに、お
情
(
なさけ
)
なしまだ
其樣
(
そん
)
なこと
自由
(
まゝ
)
にならば
此胸
(
このむね
)
の
中
(
なか
)
斷
(
た
)
ち
割
(
わ
)
つて
御覽
(
ごらん
)
に
入
(
い
)
れたし。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それはお
前
(
まへ
)
が
知
(
し
)
らぬから
其樣
(
そん
)
な
憎
(
にく
)
ていな
事
(
こと
)
も
言
(
い
)
へるものゝ
三日
(
みつか
)
交際
(
つきあひ
)
をしたら
植村樣
(
うゑむらさま
)
のあと
追
(
お
)
ふて
三途
(
さんづ
)
の
川
(
かは
)
まで
行
(
ゆ
)
きたくならう、
番町
(
ばんちやう
)
の
若旦那
(
わかだんな
)
を
惡
(
わる
)
いと
言
(
い
)
ふではなけれど
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
醉
(
ゑ
)
ふたらば
介抱
(
かいはう
)
して
下
(
くだ
)
されといふに、
君
(
きみ
)
が
醉
(
ゑ
)
つたを
未
(
いま
)
だに
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
がない、
氣
(
き
)
が
晴
(
は
)
れるほど
呑
(
の
)
むは
宜
(
い
)
いが、
又
(
また
)
頭痛
(
づゝう
)
がはじまりはせぬか、
何
(
なに
)
が
其樣
(
そん
)
なに
逆鱗
(
げきりん
)
にふれた
事
(
こと
)
がある
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
正太
(
しようた
)
は
何故
(
なに
)
とも
得
(
ゑ
)
ぞ
解
(
と
)
きがたく、
畑
(
はた
)
のうちにあるやうにてお
前
(
まへ
)
は
何
(
ど
)
うしても
變
(
へん
)
てこだよ、
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふ
筈
(
はづ
)
は
無
(
な
)
いに、
可怪
(
をか
)
しい
人
(
ひと
)
だね、と
是
(
こ
)
れはいさゝか
口惜
(
くちを
)
しき
思
(
おも
)
ひに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
可愛
(
かわい
)
らしき四つ
計
(
ばかり
)
の、
彼子
(
あれ
)
が
先刻
(
さつき
)
の
人
(
ひと
)
のでござんす、あの
小
(
ちい
)
さな
子心
(
こゞゝろ
)
にもよく/\
憎
(
に
)
くいと
思
(
おも
)
ふと
見
(
み
)
えて
私
(
わたし
)
の
事
(
こと
)
をば
鬼々
(
おに/\
)
といひまする、まあ
其樣
(
そん
)
な
惡者
(
わるもの
)
に
見
(
み
)
えまするかとて
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
よしや
良人
(
おつと
)
が
藝者狂
(
げいしやぐる
)
ひなさらうとも、
圍
(
かこ
)
い
者
(
もの
)
して
御置
(
おお
)
きなさらうとも
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
に
悋氣
(
りんき
)
する
私
(
わたし
)
でもなく、
侍婢
(
をんな
)
どもから
其樣
(
そん
)
な
噂
(
うわさ
)
も
聞
(
きこ
)
えまするけれど
彼
(
あ
)
れほど
働
(
はたら
)
きのある
御方
(
おかた
)
なり
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それでは
美登利
(
みどり
)
さんが
好
(
い
)
いのであらう、さう
極
(
き
)
めて
御座
(
ござ
)
んすの、と
圖星
(
づぼし
)
をさゝれて、そんな
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
る
物
(
もの
)
か、
何
(
なん
)
だ
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
、とくるり
後
(
うしろ
)
を
向
(
む
)
いて
壁
(
かべ
)
の
腰
(
こし
)
ばりを
指
(
ゆび
)
でたゝきながら
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
取
(
とり
)
たてゝ
何
(
なに
)
も
斯
(
か
)
う
自分
(
じぶん
)
ばかり
美事
(
みごと
)
な
寶
(
たから
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
るやうに
誇
(
ほこ
)
り
顏
(
がほ
)
に
申
(
まを
)
すことの
可笑
(
をか
)
しいをお
笑
(
わら
)
ひに
成
(
な
)
りましやう、だから
私
(
わたし
)
は
口
(
くち
)
に
出
(
だ
)
して
其樣
(
そん
)
な
仰山
(
ぎやうさん
)
らしい
事
(
こと
)
は
言
(
い
)
ひませぬけれど
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
外
(
そと
)
なるはおほゝと
笑
(
わら
)
ふて、お
父樣
(
とつさん
)
私
(
わたし
)
で
御座
(
ござ
)
んすといかにも
可愛
(
かわゆ
)
き
聲
(
こゑ
)
、や、
誰
(
た
)
れだ、
誰
(
た
)
れであつたと
障子
(
しようじ
)
を
引明
(
ひきあけ
)
て、ほうお
關
(
せき
)
か、
何
(
なん
)
だな
其樣
(
そん
)
な
處
(
ところ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
て、
何
(
ど
)
うして
又
(
また
)
此
(
この
)
おそくに
出
(
で
)
かけて
來
(
き
)
た
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
樣
部首:⽊
15画
“其樣”で始まる語句
其樣事
其樣子