“自棄糞”の読み方と例文
読み方割合
やけくそ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
アヽ解つた、お前此頃松公まつこうにげを打たれたと云ふから、其で其樣そんなに自棄糞やけくそになつてるんだね。道理で目の色が變だと思つた。オヽ物騷々々!
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
私は押入れを明けて氷のような蒲団ふとんの中へ自棄糞やけくそにもぐりこんで軒下の野良犬のらいぬのように丸く曲ってそのまま困睡した。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
ところで、丘を越えた葡萄畑のほうから自棄糞やけくそになって出鱈目な歌を唱っているベルナアルさんの声が春風に乗ってはっきりときこえて来るのだった。
葡萄蔓の束 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)