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飾
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かざり
ふりがな文庫
“
飾
(
かざり
)” の例文
幕が
開
(
あ
)
いた——と、まあ、言う
体
(
てい
)
でありますが、さて
唯
(
ただ
)
浅い、
扁
(
ひらった
)
い、
窪
(
くぼ
)
みだけで。何んの
飾
(
かざり
)
つけも、道具だてもあるのではござらぬ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
謎
(
なぞ
)
めいた、甘いような苦いような口元や、その夢の重みを持っている
瞼
(
まぶた
)
の
飾
(
かざり
)
やが、己に人生というものをどれだけ教えてくれたか。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
板敷の間に
七八
床畳
(
とこだたみ
)
を設けて、
七九
几帳
(
きちやう
)
、
八〇
御厨子
(
みづし
)
の
飾
(
かざり
)
、
八一
壁代
(
かべしろ
)
の絵なども、皆
古代
(
こだい
)
のよき物にて、
八二
倫
(
なみ
)
の人の住居ならず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
それから
卓
(
しよく
)
の
供物
(
くもつ
)
を
恰好
(
かつかう
)
よくして
居
(
ゐ
)
る
間
(
ま
)
に
總代等
(
そうだいら
)
は
箕
(
み
)
へ
入
(
い
)
れて
行
(
い
)
つた
注連繩
(
しめなは
)
を
樅
(
もみ
)
の
木
(
き
)
から
樅
(
もみ
)
の
木
(
き
)
へ
引
(
ひ
)
つ
張
(
ぱ
)
つて
末社
(
まつしや
)
の
飾
(
かざり
)
をした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
歳暮
(
せいぼ
)
大売出しの楽隊の音、目まぐるしい
仁丹
(
じんたん
)
の広告電燈、クリスマスを祝う杉の葉の
飾
(
かざり
)
、
蜘蛛手
(
くもで
)
に張った万国国旗、
飾窓
(
かざりまど
)
の中のサンタ・クロス
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
腕を隠せし花一輪削り二輪削り、
自己
(
おの
)
が意匠の
飾
(
かざり
)
を捨て人の天真の美を
露
(
あら
)
わさんと勤めたる
甲斐
(
かい
)
ありて、なまじ着せたる花衣
脱
(
ぬが
)
するだけ面白し。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
棺桶の前には牡丹の花の
飾
(
かざり
)
をした牡丹燈が
懸
(
か
)
けてあった。彼はぶるぶると
顫
(
ふる
)
えながら、牡丹燈の下のほうに眼を落した。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
近くの
錺
(
かざり
)
屋の主人はそう言って、「これを何かの
飾
(
かざり
)
にすると儲かるのだ。このまま、これを
膠
(
にかわ
)
で煮込むのだ。」
不思議な魚
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
その
楽譜
(
がくふ
)
は、
老人
(
ろうじん
)
の太い
書体
(
しょたい
)
で特別に
念
(
ねん
)
をいれて書いてあった。
最初
(
さいしょ
)
のところには輪や
花形
(
はながた
)
の
飾
(
かざり
)
がついていた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
相当経験があるらしく、
小銃
(
しょうじゅう
)
や
短銃
(
ピストル
)
も高価なものをもち、乗馬と二十頭の
猟犬
(
りょうけん
)
を連れていた。それで『
明日
(
あした
)
にもロボの首を取ってきて
床
(
とこ
)
の間の
飾
(
かざり
)
り物にする』
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
セエラはまた鞄の中から、古い夏帽子を見附け出し、
飾
(
かざり
)
の花を引きはがして、テエブルの上に飾りました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
硬き
鋪石
(
しきいし
)
はまたアルメオンが、かの不吉なる
飾
(
かざり
)
の價の
貴
(
たふと
)
さをその母にしらしめしさまを示せり 四九—五一
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
然
(
し
)
かもその大の方は長い脇差を刀にしたので、小の方は
鰹節小刀
(
かつおぶしこがたな
)
を
鞘
(
さや
)
に
蔵
(
おさ
)
めてお
飾
(
かざり
)
に挟して居るのだ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
時計盤を吊りあげている青銅の
飾
(
かざり
)
時計がおいてある時計屋のショウ・ウィンドウがあらわれて来た。
二つの庭
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
江戸に正月せし人の
話
(
はなし
)
に、市中にて見上るばかり松竹を
飾
(
かざり
)
たるもとに、
美
(
うつくし
)
く
粧
(
よそほ
)
ひたる娘たち
彩
(
いろどり
)
たる
羽子板
(
はごいた
)
を持て
並
(
なら
)
び立て羽子をつくさま、いかにも大江戸の春なりとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
蒼ざめた白大理石の
爐棚
(
マントルピイス
)
の上の
飾
(
かざり
)
は、きら/\と光る
紅玉色
(
こうぎよくしよく
)
のボヘミア
硝子
(
ガラス
)
で出來てゐた。そして、窓の間に、大きな鏡は、これらの雪と火の交錯をそのまゝに映した
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
その
正月
(
しやうぐわつ
)
のお
飾
(
かざり
)
を
集
(
あつ
)
めて
燒
(
や
)
く
村
(
むら
)
のはづれまで
行
(
ゆ
)
きますと、その
邊
(
へん
)
にはびつくりするほど
大
(
おほ
)
きな
岩
(
いは
)
や
石
(
いし
)
が
田圃
(
たんぼ
)
の
間
(
あひだ
)
に
見
(
み
)
えました。そこからはもう
信濃
(
しなの
)
と
美濃
(
みの
)
の
國境
(
くにさかひ
)
に
近
(
ちか
)
いのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
いつも黒い地色のスカートに、襟のあたりに少しばかりレースの
飾
(
かざり
)
をつけた白いシャツ。
吾妻橋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この奇妙な子供の玩具の小さな風車みたいな、如何にも
不味
(
まず
)
そうな煎餅は、普通に食用に供するものではなく、干菓子の中でも一番下等な焼物の一種で、所謂
飾
(
かざり
)
菓子と言う奴だ。
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
侍になることはならんと三十両の他に二十両菊に手当をして、頭の
飾
(
かざり
)
身の廻り残らず
遣
(
や
)
る
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
前に張られた七五三
飾
(
かざり
)
が、縄は見えないで、
御幣
(
ごへい
)
の紙だけ白く並んで
下
(
さが
)
って居るのが見える、社殿の後は木立が低いので空があらわれた、左右の松木立の隙間にあらわれた空の色が面白い
八幡の森
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
中の間なる
団欒
(
まどゐ
)
の
柱側
(
はしらわき
)
に座を占めて、
重
(
おも
)
げに
戴
(
いただ
)
ける
夜会結
(
やかいむすび
)
に
淡紫
(
うすむらさき
)
のリボン
飾
(
かざり
)
して、
小豆鼠
(
あづきねずみ
)
の
縮緬
(
ちりめん
)
の羽織を着たるが、人の打騒ぐを興あるやうに涼き目を
瞪
(
みは
)
りて、
躬
(
みづから
)
は
淑
(
しとや
)
かに
引繕
(
ひきつくろ
)
へる娘あり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
汝等
(
なんぢら
)
二
人
(
にん
)
の
由
(
よし
)
も
無
(
な
)
き
爭論
(
あらそひ
)
が
原
(
もと
)
となって、
同胞
(
どうばう
)
の
鬪諍
(
とうぢょう
)
既
(
すで
)
に
三度
(
みたび
)
に
及
(
およ
)
び、
市内
(
しない
)
の
騷擾
(
さうぜう
)
一方
(
ひとかた
)
ならぬによって、
當
(
たう
)
ヹローナの
故老共
(
こらうども
)
、
其身
(
そのみ
)
にふさはしき
老實
(
らうじつ
)
の
飾
(
かざり
)
を
脱棄
(
ぬぎす
)
て、
何
(
なん
)
十
年
(
ねん
)
と
用
(
もち
)
ひざりしため
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
愛
(
いと
)
しい妹カザリンよ、あなたにこの本を贈ります。この本の外側には黄金の
飾
(
かざり
)
もなく巧みな
刺繍
(
ししゅう
)
の
綾
(
あや
)
もありませんが、中身はこの広い世界が誇りとするあらゆる金鉱にも増して貴いものです。
ジェイン・グレイ遺文
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
私の父といふは三つの
歳
(
とし
)
に
椽
(
えん
)
から落て片足あやしき風になりたれば人中に立まじるも嫌やとて
居職
(
いしよく
)
に
飾
(
かざり
)
の
金物
(
かなもの
)
をこしらへましたれど、気位たかくて
人愛
(
じんあい
)
のなければ
贔負
(
ひいき
)
にしてくれる人もなく
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さうすると、だん/\に金の鍵のことも玉の
飾
(
かざり
)
の着物のこともみんなわすれてしまひました。そしてお母さまが美しい着物を着て、美しい人になつてゐるのが、うれしくてたまりませんでした。
星の女
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
どうせ思想に
囚
(
とら
)
われて活機の分らぬ人の
為
(
す
)
る事だから、お
飾
(
かざり
)
の思想を一枚
剥
(
めく
)
れば、下からいつも
此様
(
こん
)
な
愛想
(
あいそ
)
の尽きた物が出て来るに不思議はないが、
此方
(
こっち
)
も
此方
(
こっち
)
だ、
其様
(
そん
)
な事は少しも見えない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
顔が無いので、
服装
(
ふくそう
)
と持物とによって見分ける外はないのだが、革帯の目印と
鉞
(
まさかり
)
の
飾
(
かざり
)
とによって
紛
(
まぎ
)
れもない弟の屍体をたずね出した時、シャクはしばらく
茫
(
ぼう
)
っとしたままその
惨
(
みじ
)
めな姿を
眺
(
なが
)
めていた。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
飾
(
かざり
)
電気の灯火
常
(
つね
)
よりも倍したる明るさをもて海のくらがりを破るありさまは、余りなる人の子よと
竜神
(
わたつみ
)
の
怒
(
いか
)
らずやなど思ひ申し
候
(
さふらふ
)
。初めの程のピヤニストの
勝
(
すぐ
)
れたれば
声曲家
(
せいきよくか
)
は皆
色
(
いろ
)
なく見え申し
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
粗末なる彫刻にて、
衣裳頭
(
いしょうかしら
)
の
飾
(
かざり
)
のありさまも不分明なり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
御自分と
后方
(
きさきがた
)
との身をお
飾
(
かざり
)
なさいましょう。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
身の
飾
(
かざり
)
、ふさはじそれも、
終
(
つひ
)
の日の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
これ
頂
(
いたゞき
)
の
飾
(
かざり
)
なり
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
床
(
とこ
)
にも
座敷
(
ざしき
)
にも
飾
(
かざり
)
といつては
無
(
な
)
いが、
柱立
(
はしらだち
)
の
見事
(
みごと
)
な、
畳
(
たゝみ
)
の
堅
(
かた
)
い、
炉
(
ろ
)
の
大
(
おほい
)
なる、
自在鍵
(
じざいかぎ
)
の
鯉
(
こひ
)
は
鱗
(
うろこ
)
が
黄金造
(
こがねづくり
)
であるかと
思
(
おも
)
はるる
艶
(
つや
)
を
持
(
も
)
つた
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
顔ははっきり見えなかったが、
柄
(
つか
)
に
竜
(
りゅう
)
の
飾
(
かざり
)
のある
高麗剣
(
こまつるぎ
)
を
佩
(
は
)
いている事は、その竜の首が
朦朧
(
もうろう
)
と
金色
(
こんじき
)
に光っているせいか、一目にもすぐに見分けられた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
餘所
(
よそ
)
を
一寸
(
ちよつと
)
見
(
み
)
る
度
(
たび
)
に
大
(
おほ
)
きな
菅笠
(
すげがさ
)
がぐるりと
動
(
うご
)
く。
菅笠
(
すげがさ
)
は
日
(
ひ
)
を
避
(
さ
)
けるのみではなく
女
(
をんな
)
の
爲
(
ため
)
には
風情
(
ふぜい
)
ある
飾
(
かざり
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「えらいことになった、どうしたら好いだろう、それにあの女の
伴
(
つ
)
れて来る
婢女
(
じょちゅう
)
も、
藁
(
わら
)
人形だ、牡丹の
飾
(
かざり
)
の燈籠もやっぱりあったんだ、どうしたら好いだろう」
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
江戸に正月せし人の
話
(
はなし
)
に、市中にて見上るばかり松竹を
飾
(
かざり
)
たるもとに、
美
(
うつくし
)
く
粧
(
よそほ
)
ひたる娘たち
彩
(
いろどり
)
たる
羽子板
(
はごいた
)
を持て
並
(
なら
)
び立て羽子をつくさま、いかにも大江戸の春なりとぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
いつも
黒
(
くろ
)
い
地色
(
ぢいろ
)
のスカートに、
襟
(
えり
)
のあたりに
少
(
すこ
)
しばかりレースの
飾
(
かざり
)
をつけた
白
(
しろ
)
いシヤツ。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
髪を
台湾銀杏
(
たいわんいちよう
)
といふに結びて、
飾
(
かざり
)
とてはわざと
本甲蒔絵
(
ほんこうまきゑ
)
の
櫛
(
くし
)
のみを
挿
(
さ
)
したり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
私
(
わたし
)
の
父
(
ちゝ
)
といふは三つの
歳
(
とし
)
に
椽
(
ゑん
)
から
落
(
おち
)
て
片足
(
かたあし
)
あやしき
風
(
ふう
)
になりたれば
人中
(
ひとなか
)
に
立
(
たち
)
まじるも
嫌
(
い
)
やとて
居職
(
いしよく
)
に
飾
(
かざり
)
の
金物
(
かなもの
)
をこしらへましたれど、
氣位
(
きぐらい
)
たかくて
人愛
(
じんあい
)
のなければ
贔負
(
ひいき
)
にしてくれる
人
(
ひと
)
もなく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
喬介が笑いながら私の前へ差し出したのは、飛びッ
切
(
きり
)
上等の
飾
(
かざり
)
が付いた鋭利な一丁のジャックナイフだ。鉄屑の油や細かい粉で散々に
穢
(
よご
)
れているが、刃先の方には血痕らしい赤錆が浮いている。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
卿
(
そなた
)
の
戀
(
こひ
)
の
盟約
(
ちかひ
)
は
内容
(
なかみ
)
の
無
(
な
)
い
空誓文
(
からぜいもん
)
、なりゃこそ
養育
(
はごく
)
まうと
誓
(
ちか
)
うた
戀
(
こひ
)
をも
殺
(
ころ
)
してのけうと
爲
(
し
)
やるのぢゃ、
卿
(
そなた
)
の
分別
(
ふんべつ
)
は
姿
(
すがた
)
や
戀
(
こひ
)
の
飾
(
かざり
)
ぢゃが、
本體
(
ほんたい
)
が
善
(
よ
)
うないので
不具
(
かたは
)
となり、
愚
(
おろか
)
な
卒
(
そつ
)
が
藥筐
(
くすりいれ
)
の
火藥
(
くわやく
)
のやうに
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
あなた方をお
飾
(
かざり
)
申す、このケレスの賜は
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
お
神樂囃子
(
かぐらばやし
)
、
踊屋臺
(
をどりやたい
)
、
町々
(
まち/\
)
の
山車
(
だし
)
の
飾
(
かざり
)
、つくりもの、
人形
(
にんぎやう
)
、いけ
花
(
ばな
)
。
造花
(
ざうくわ
)
は、
櫻
(
さくら
)
、
牡丹
(
ぼたん
)
、
藤
(
ふぢ
)
、つゝじ。いけ
花
(
ばな
)
は、あやめ、
姫百合
(
ひめゆり
)
、
青楓
(
あをかへで
)
。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そして三
更
(
こう
)
がすぎて観燈の人も稀にしか通らないようになった時、
稚児髷
(
ちごまげ
)
のような髪にした女の
児
(
こ
)
に、
頭
(
かしら
)
に二つの牡丹の花の
飾
(
かざり
)
をした
燈籠
(
とうろう
)
を持たして怪しい女が出て来たが
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それで
歳男
(
としをとこ
)
の
役
(
やく
)
で
飾
(
かざり
)
は
勘次
(
かんじ
)
にさせた。
煤
(
すゝ
)
け
切
(
き
)
つた
棚
(
たな
)
に
新
(
あたら
)
しい
藁
(
わら
)
の
蝦
(
えび
)
が
活々
(
いき/\
)
として
見
(
み
)
えた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私はふと限りもない空の
下
(
した
)
雄大なる平原の面に唯だ一人永遠の夜明けを待ちつつ野宿しているような気がして、
閉
(
とざ
)
した
瞼
(
まぶた
)
を開いて見ると、今にも落ちて来そうな低い天井と、色も
飾
(
かざり
)
もない壁と
襖
(
ふすま
)
とが
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そこであの
飾
(
かざり
)
にあまり祝福なんぞが
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
風俗
(
ふうぞく
)
も
派手
(
はで
)
でない、
女
(
をんな
)
の
好
(
このみ
)
も
濃厚
(
のうこう
)
ではない、
髮
(
かみ
)
の
飾
(
かざり
)
も
赤
(
あか
)
いものは
少
(
すく
)
なく、
皆
(
みな
)
心
(
こゝろ
)
するともなく、
風土
(
ふうど
)
の
喪
(
も
)
に
服
(
ふく
)
して
居
(
ゐ
)
るのであらう。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
飾
常用漢字
中学
部首:⾷
13画
“飾”を含む語句
飾窓
装飾
頭飾
襟飾
粧飾
裝飾
飾棚
縁飾
服飾
葛飾
頸飾
虚飾
首飾
飾紐
髪飾
松飾
葛飾郡
飾帯
飾燈
羽根飾
...