“かざり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
53.9%
装飾18.6%
13.7%
裝飾2.9%
2.9%
粧飾2.0%
七五三1.0%
盛飾1.0%
1.0%
虚飾1.0%
1.0%
髪紐1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのなぞめいた、甘いような苦いような口元や、その夢の重みを持っているまぶたかざりやが、己に人生というものをどれだけ教えてくれたか。
この現実の灰色の亜鉛トタン屋根ばかりの、それでいて尖った旧式の装飾かざり頭をつけた棟の連続、汽船の煤煙、薄ら寒い輝かぬ海港、雲の群れて曇った空
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
番頭は下へ降りて行ったが、やがて引っ返して来て、去年の暮の二十八日に隣りちょうの豊吉というかざり職人が一度たずねて来たのを女中の一人が知っている。
半七捕物帳:28 雪達磨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そのときの彼女は、紫紺色の絹の着物を着て、兩腕と首をあらはにしてゐた。彼女の唯一の裝飾かざりは自然の捲毛のつくろはぬ美しさで、肩に波打つ栗色の房々ふさ/\とした髮であつた。
鎌倉時代に土御門通方卿つちみかどみちかたきょうが筆した『かざり抄』に、老懸古今厚薄異なるなり、古は外薄きなり、今は甚だ厚し云々と見ゆれば、仕立てに色々流行が異なったのだ。
崖下がけしたにある一構えの第宅やしきは郷士の住処すみかと見え、よほど古びてはいるが、骨太く粧飾かざり少く、夕顔の干物ひもの衣物きものとした小柴垣こしばがきがその周囲まわりを取り巻いている。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
こちらの人々の正月は旗も無ければ、お七五三かざりも無い。お酒もなければ、お餅も無い。お餅のある家は乞食の家に限つて居るので、それで無い範囲はお正月は実に殺風景である。
たとへば、吝嗇者りんしょくもののやうにたからおびたゞしうってをっても、たゞしうもちふることをらぬ、姿すがたをも、こひをも、分別ふんべつをも、其身そのみ盛飾かざりとなるやうには。
一 身のかざりも衣裳の染色模様なども目にたゝぬ様にすべし。身と衣服とのけがれずしてきよげなるはよし。すぐれきよらを尽し人の目に立つ程なるはあしし。只我身に応じたるを用べし。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
虚飾かざりだの見得みえだの外聞だの、ないしは儀礼ぎれいだのというようなものを、セセラ笑っている人間なのさ。が、他面からいう時には、浮世の下積みになっている、憐れな人間だということができる。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
身のかざりも衣裳の染色模様なども目に立たぬようにして唯我身に応じたるを用う可しと言う。質素を主として家の貧富に従うの意ならん。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
コノールは白い上衣をまとい、黄金の髪紐かざりを頭に巻き、無言のまま樫の樹によりかかっている。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)