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粧飾
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かざり
念佛の
濁つた
聲も
明るく
響いた。
地上を
掩うた
霜が
滅切と
白く
見えて
寮の
庭に
立てられた
天棚の
粧飾の
赤や
青の
紙が
明瞭として
來た。
崖下にある一構えの
第宅は郷士の
住処と見え、よほど古びてはいるが、骨太く
粧飾少く、夕顔の
干物を
衣物とした
小柴垣がその
周囲を取り巻いている。
繩には
注連のやうに
刻んだ
其の
赤や
青や
黄の
紙が一
杯にひら/\と
吊られてある。
彼等は
昨日の
内に一
切の
粧飾をして
雞の
鳴くのを
待つたのである。