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錺
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かざり
ふりがな文庫
“
錺
(
かざり
)” の例文
「この間から、それが紛失して、
錺
(
かざり
)
屋へ頼んでは居るが、お屋敷方の用事となると、うるさがつて、容易には來てくれないのぢやよ」
銭形平次捕物控:186 御宰籠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
番頭は下へ降りて行ったが、やがて引っ返して来て、去年の暮の二十八日に隣り
町
(
ちょう
)
の豊吉という
錺
(
かざり
)
職人が一度たずねて来たのを女中の一人が知っている。
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
近くの
錺
(
かざり
)
屋の主人はそう言って、「これを何かの
飾
(
かざり
)
にすると儲かるのだ。このまま、これを
膠
(
にかわ
)
で煮込むのだ。」
不思議な魚
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
案の定一見
鍛冶
(
かじ
)
屋のごとく、時計師の仕事場のごとく、無数の
錺
(
かざり
)
職の道具、
鞴
(
ふいご
)
、小型の電気炉等々、夫人の居間鏡台の陰に作られた、ドラーゲ公爵家同様
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「
錺
(
かざり
)
の職人ですよ。つまり鳶人足なんですが、今ではごたぶんに洩れず半分は失業してると同じことで……」
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
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小さな
錺
(
かざり
)
職人が必要に迫られ、小粒金を鋳つぶして材料に使うことがある、みつかれば通用金をつぶした罪で罰せられる。綿文では小僧を使って、殆んど公然と小判を削っている。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
若い人足共の喧嘩の事、人出の多かった事、二十台あまりの神輿が並んだ時の立派さ、夕日が照り返して、
錺
(
かざり
)
の金物がピカ/\と光って綺麗に見えた事などを幾度も/\繰り返した。
恭三の父
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
塗師
(
ぬし
)
、
錺
(
かざり
)
職人、
磨師
(
みがきし
)
、
石工
(
いしく
)
なども二十五人一組の定めであった。むろん一同は山へ上がったが最後、
頭
(
かしら
)
だったものは町小屋、諸職人は
下小屋
(
したこや
)
に寝とまりして、
竣工
(
しゅんこう
)
まで下山を許さないのです。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
錺
(
かざり
)
屋に金のあるのを知つて居るのは、隙間から覗く谷五郎の外になく、その上、あの娘のゆかりに當つて、ひどく父親に怒られて居るらしい
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうして、かれら七人のなかで雪達磨の一件に直接関係のあるのは、かの
錺
(
かざり
)
職の豊吉と源次と、近江屋九郎右衛門と石坂屋由兵衛との四人であることが判った。
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
仏蘭西生まれの夫人の父親は村の
錺
(
かざり
)
職であった。錺屋の父親を持っている以上、もちろん大人にも盗品の
頸
(
くび
)
飾りや
腕環
(
うでわ
)
類の分解なぞは、造作なくできるであろう。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
器用で覺えた
錺
(
かざり
)
職になり、フイゴとタガネに暮しを托して、近頃では妙に工面が良いと言はれるほどになつてゐたのです。
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
父親は村の
錺
(
かざり
)
屋、商売に失敗して村にいた
堪
(
たま
)
れなくて、リヨン市では洗濯屋をしてたはずである。食うや食わずの貧しさから、この女は十四の年から踊り子に出た。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
そのしもた屋の中に、油障子を開けると、すぐ仕事場になり、奧へ二た間續く構へが、
錺
(
かざり
)
職田屋三郎兵衞の家でした。
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それを搜し出すまでには、半日かゝりましたが、それでも竹町で
錺
(
かざり
)
職人になつてゐる、正直者らしい喜太郎に逢つた時は、平次は何んとなくホツとした心持になつてゐたのです。
銭形平次捕物控:160 二つの刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの金の環を受取った時、すぐ寸法を取って、町内の
錺
(
かざり
)
屋に頼んで手に入れたんだ。とんだ役に立ったよ。もっともあれは
金無垢
(
きんむく
)
だったが、おれは貧乏だから鉄で間に合せたよ。
銭形平次捕物控:227 怪盗系図
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
天草
(
あまくさ
)
で習ったオランダ風の
錺
(
かざり
)
を応用して、精巧な鈴を作ることを工夫し、芳村
道斎
(
どうさい
)
と名乗って江戸中の
好事家
(
こうずか
)
の人気を集めましたが、名人業であまりお宝にはならず、年中貧乏を看板に、女房一人
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
天草で習つたオランダ風の
錺
(
かざり
)
を應用して、
精巧
(
せいかう
)
な鈴を作ることを工夫し、芳村道齋と名乘つて江戸中の
好事家
(
かうずか
)
の人氣を集めましたが、
名人業
(
めいじんわざ
)
であまりお寶にはならず、年中貧乏を看板に、女房一人
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
特別に頼んで
錺
(
かざり
)
屋に打たせたものでせう。
銭形平次捕物控:216 邪恋の償ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
錺
漢検1級
部首:⾦
15画
“錺”を含む語句
錺職
錺屋
錺師
錺太夫
錺子
錺富
錺徳
錺方