生活せいかつ)” の例文
たとえ、それをおもして、なつかしいとおもっても、ただ生活せいかつのまにまに、そのそのおくらなければならなかったのであります。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある學者がくしやのごときは、土器どきらない人間生活にんげんせいかつ野蠻的生活やばんてきせいかつ土器どきをもつ人間にんげん生活せいかつ半開生活はんかいせいかつしようして區別くべつするくらゐであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
このころひとはすべて、あまり自分じぶん生活せいかつうたあらはれるといふことをきらつたので、さういふふうなのを無風流ぶふうりゆうだとしりぞけてゐました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
後世こうせい地上ちじょうきたるべき善美ぜんびなる生活せいかつのこと、自分じぶんをして一ぷんごとにも圧制者あっせいしゃ残忍ざんにん愚鈍ぐどんいきどおらしむるところの、まど鉄格子てつごうしのことなどである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
産土うぶすなかみがあって、生死せいし疾病しっぺい諸種しょしゅ災難等さいなんとう守護しゅごあたってくれればこそ、地上ちじょう人間にんげんはじめてそのその生活せいかついとなめるのじゃ。
これで若葉わかばうつくしいいろや、新緑しんりよく緑色みどりいろのこともおわかりになつたとおもひますから、ぎには樹木じゆもく生活せいかつについてすこしおはなしをしませう。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
諭吉ゆきちは、くちさきでいうだけではなく、毎日まいにち生活せいかつでも、ざいさんをわけるときにも、おとこおんなをすこしもくべつせず、まったくおなじでした。
けれども新しい生活せいかつにふみだしたいじょうは、いやでもやりぬくほかはないんだ。いまとなってはをよせる家もなければ、たよりにする人もない。
子供達こどもたちの、わけてもつとむ成長せいちやう進歩しんぽは、彼女かのぢよ生活せいかつきた日誌につしであつた。さうしていまやその日誌につしは、あたらしいページをもつてはじまらうとしてゐるのである。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
私共に代って貧乏籤びんぼうくじをひいてくれた下曾根さんは、十七年間会堂うら自炊じすい生活せいかつをつづけました。下曾根さんは独身で、身よりも少なく、淋しい人でした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「そうかも知れない。しかし観音力かんのんりきにすがるところに盲目的な強味があるとおもいますね。一時流行した覚めた人間にはああいう苦行くぎょう生活せいかつは到底出来ませんよ」
遍路 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
おそらく此後こののちからうとおもふ。いまところでは養子やうしやうともかんがへてらぬ。されば生活せいかつあまりあるときには、それをこと/″\そゝいで遺跡ゐせき發掘はつくつるのである。
そして、妹はそのまますやすやとねいってしまうのでした。これで、もしにいさんが人間のすがたでいてくれさえすれば、どんなにかたのしい生活せいかつだったことでしょう。
かれはいま、スウィスの田舎いなかしずかな生活せいかつをしながら、仕事しごとをしつづけています。そして人間にんげんはどういうふうきてゆくべきかということについて、かんがえつづけています。(訳者)
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
ところが、そういう生活せいかつは時がたつにつれて、はじめほど面白おもしろいものではなくなってきました。天気は毎日れるものではありませんし、お金はいつももらえるとはきまりません。
活人形 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
こういうひとたちも、みなごんごろがねと、えないいとむすばれているのだ。ぼくはいまさら、このおおきくもないかねが、じつにたくさんのひと生活せいかつにつながっていることにおどろかされた。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
けがれのない少年しょうねんたましいをほめたたえ、これをけが大人おとな生活せいかつみにくさ、いやしさをにくのろうソログーブの気持きもちは、レース細工ざいくのようにこまやかな、うつくしい文章ぶんしょうで、こころにくいまでにうつされている。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
しかるに戰後せんごにはみなこれ整理せいりした、國民こくみん通貨收縮つうくわしうしゆくためめに收入しうにふつたにしたがつて生活せいかつかはり、物價ぶつかさがつてしかのちきん解禁かいきん出來できたのであるからして、自己じこ戰後せんご整理せいりをやつた經驗けいけんからして
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
この不自由ふじゆうな、みにくい、矛盾むじゅん焦燥しょうそう欠乏けつぼう腹立はらだたしさの、現実げんじつ生活せいかつから、解放かいほうされるは、そのときであるようながしたのです。
希望 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれ生活せいかつはかくのごとくにしていた。あさは八き、ふく着換きかえてちゃみ、それから書斎しょさいはいるか、あるい病院びょういんくかである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私共わたしども今日こんにち生活せいかつから茶碗ちやわんつぼなどをなくしてしまつたならば、どれだけ不便ふべんなことであるかは、十分じゆうぶん想像そう/″\出來できるのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
答『竜神りゅうじんにとりて、一緒いっしょむ、まぬは問題もんだいでない。竜神りゅうじん生活せいかつ自由自在じゆうじざい人間にんげんのようにすこしも場所ばしょなどにはしばられない。』
がおとうさんおかあさんのとしごろになると、いへ生活せいかつが、よくてもあしくても、なんだか社會的しやかいてきくらしといふものが、重荷おもにかんじられてるものです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
それから、かや、まき、とべらなど常緑樹じようりよくじゆ發芽はつが最後さいご五月ごがつ上旬頃じようじゆんごろには、すべての樹木じゆもくはるつけををはつて、ついでなつ生活せいかつそなへをします。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
わたしは、役人やくにんにならないで、ほんとうに自由じゆうで、ほんとうのひとりだちの生活せいかつとは、こういうものだと、せけんの人々ひとびとに、ひろくみせてやりたいとおもうのだ。
二年三年の兵営へいえい生活せいかつで大分世慣よなれ人ずれて来た丑之助君が、羽織袴、靴、中折帽、派手はでをする向きは新調のカーキー服にギュウ/\云う磨き立ての長靴、腰のさびしいのを気にしながら
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
自分の生活せいかつのいろんな場合ばあいにあてはまる音楽をそれぞれこしらえていた。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
「それできみは、やっと人なみの生活せいかつができるようになったのだね」
おりおりまち生活せいかつもしたくなるが、うそといつわりでまるめているとおもうと、この正直しょうじきうみうえのほうが、どれほどいいかしれなくなる。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さて新石器時代しんせつきじだい人類じんるいはどういふふうな生活せいかつをしてゐたかといひますと、やはり舊石器時代きゆうせつきじだい人間にんげんおなじように、いしつたり
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
現世げんせ生活せいかつにいくらか未練みれんのこっている、つまらぬ女性達じょせいたちことをいつまで申上もうしあげてたところで、そう興味きょうみもございますまいから……。
げんえば、貴方あなた生活せいかつうものをないのです、それをまったらんのです。そうして実際じっさいうことをただ理論りろんうえからばかりしている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かういふのがよいとかんがへるのは、實際じつさい生活せいかつからはなれたところに、文學ぶんがくがあるのだとするかんがへで、もういまひととは關係かんけいのない、優美ゆうびといふ趣味しゆみであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
あのおいなりさんの正体しょうたいをみてからも、諭吉ゆきち生活せいかつには、べつだんかわったことがありませんでした。
さういふわけでなつには木々きゞは、るからに元氣げんき青々あを/\したいろをして、はちきれるような生活せいかつをします。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
小鳥ことりは、自分じぶんともだちらが、えだや、かなたのそらでないているのをきますと、そのままな生活せいかつがうらやまれたのでありました。
めくら星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これをたとき、さすがに、ぼくは、世間せけんには、こんな生活せいかつもあるのかとかんがえられて、なんとなくいたたまらない気持きもちがしました。
緑色の時計 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、わしは、もし、こえがよかったら、ほかのとりにそねまれたり、人間にんげんにねらわれたりして、安心あんしんした生活せいかつおくられないといった。
すみれとうぐいすの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これだけで、人間にんげんが、一ねんじゅうの生活せいかつをするとかんがえると、ひとつの炭俵すみだわらにも、いのちがけのしんけんなものがあるはずでありました。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
あるところに、おじいさんと、おばあさんとがんでいました。そのうちまずしく、子供こどもがなかったから、さびしい生活せいかつおくっていました。
花と人間の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ねむるようにできているのですから、不承ふしょうもなりますが、けしさんや、河骨こうほねさんなどには、この生活せいかつは、さぞくるしいことだとおさっしします。
ガラス窓の河骨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すみれは、そのころは、もういえのうちの生活せいかつにあきてしまって、ふたたび、大地だいちうえかえりたいとおもこころが、しきりにしたのでありました。
つばきの下のすみれ (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは、むしとなって、かみさまのおぼしめしにしたがって、自由じゆう生活せいかつをしたいとおもいます。かみさま、どうぞ、わたしむしにしてください!
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、それまでの、ながあいだ栄華えいが生活せいかつおもせば、わたしは、しあわせのほうで、なにも、うらむことはないのであります。
春さきの古物店 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから、いくねん……たったことでしょう。あるまちの二かいりて、としとったおとこが、とり二人ふたりでさびしい生活せいかつをしていました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
てら境内けいだいには、いくたびかはるがきたり、またりました。けれど、和尚おしょうさまといぬ生活せいかつにはわりがなかったのであります。
犬と人と花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
可憐かれんなとこなつのはなは、ほかのはなたちの生活せいかつりたかったのです。そして、自分じぶん運命うんめい比較ひかくしてみたいとおもったのです。
小さな赤い花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むすめ母親ははおやは、ながあいだまずしい生活せいかつをしてきました。それは、自分じぶんうでひとつではたらいて、たくさんの子供こどもそだてなければならなかったからです。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「たとえまち生活せいかつがどんなによくても、わたしはやはり、おかあさんとらした、やま生活せいかつがいちばんきです。」といいました。
春がくる前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
都会とかい生活せいかつ経験けいけんのない河骨こうほねは、どうして、このむすめたちのことをましょう。むすめたちがると、河骨こうほねは、自分じぶん不幸ふこうをなげいたのでした。
ガラス窓の河骨 (新字新仮名) / 小川未明(著)