トップ
>
毛
>
げ
ふりがな文庫
“
毛
(
げ
)” の例文
「たいへんに
精
(
せい
)
が
出
(
で
)
るな。」と、
月
(
つき
)
はいいました。
馬追
(
うまお
)
いはびっくりして、二
本
(
ほん
)
の
長
(
なが
)
いまゆ
毛
(
げ
)
を
動
(
うご
)
かして、
声
(
こえ
)
のした
空
(
そら
)
を
仰
(
あお
)
ぎながら
酒屋のワン公
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
目は細く、常に、日光をおそれるごとく
眩
(
まばゆ
)
そうであり、顔じゅう、茶色の
生
(
う
)
ぶ
毛
(
げ
)
を持ち、笑うと不気味な歯並びが刃物のように真白だ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女
(
おんな
)
にもしてみたいほどの
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い
児
(
こ
)
で、
優
(
やさ
)
しい
眉
(
まゆ
)
、すこし
開
(
ひら
)
いた
脣
(
くちびる
)
、
短
(
みじか
)
いうぶ
毛
(
げ
)
のままの
髪
(
かみ
)
、
子供
(
こども
)
らしいおでこ——すべて
愛
(
あい
)
らしかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
を掻き上げるか弱い手、ホッと溜息を
吐
(
つ
)
く様子までが、
跫音
(
あしおと
)
を忍ばせたガラッ八には、手に取るごとく見えるのです。
銭形平次捕物控:058 身投げする女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
又
(
また
)
その
眼
(
め
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
りさうな
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
を
拂
(
はら
)
ひ
除
(
の
)
けやうとして
其
(
そ
)
の
頭
(
あたま
)
を
振
(
ふ
)
つてる
所
(
ところ
)
を
見
(
み
)
ました——それから
又
(
また
)
一
心
(
しん
)
に
何
(
なに
)
か
聽
(
き
)
いてるやうにも
見
(
み
)
えました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
間調子
(
まぢょうし
)
に合わせて、その段の欄干を、軽く手を打ちて、機織の真似し、次第に
聞惚
(
ききほ
)
れ、うっとりとなり、おくれ
毛
(
げ
)
はらはらとうなだれつつ
仮睡
(
いねむ
)
る。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それがやや
俯向
(
うつむ
)
きになった、血色の
好
(
い
)
い頬に反射している。心もち厚い唇の上の、かすかな
生
(
う
)
ぶ
毛
(
げ
)
にも反射している。
母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
春枝夫人
(
はるえふじん
)
もいと
晴々
(
はれ/″\
)
しき
顏色
(
がんしよく
)
で、そよ/\と
吹
(
ふ
)
く
南
(
みなみ
)
の
風
(
かぜ
)
に
鬢
(
びん
)
のほつれ
毛
(
げ
)
を
拂
(
はら
)
はせながら
餘念
(
よねん
)
もなく
海上
(
かいじやう
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
女なんかでも顔はパヤパヤとした
生
(
う
)
ぶ
毛
(
げ
)
だらけで
身体
(
からだ
)
中は鳥の毛を
挘
(
むし
)
ったようにブツブツだらけでゲス。傍へ寄ると動物園臭くって遣り切れませんがね。
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
近辺の台所を脅かしていた大きな黒猫が、縁の下に竹や木材を押し込んである奥のほうで二匹の子を育てていた。一つは三毛でもう一つはきじ
毛
(
げ
)
であった。
ねずみと猫
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
白
(
しろ
)
い
手拭
(
てぬぐひ
)
とそれから
手拭
(
てぬぐひ
)
の
外
(
そと
)
に
少
(
すこ
)
し
覗
(
のぞ
)
いた
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
の
歩
(
ある
)
く
度
(
たび
)
にふら/\と
動
(
うご
)
くのもしみ/″\と
冷
(
つめ
)
た
相
(
さう
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それを事務長もどうすることもできなかった。葉子は三人の前に来ると軽く腰をまげて
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
をかき上げながら顔じゅうを
蠱惑的
(
こわくてき
)
なほほえみにして
挨拶
(
あいさつ
)
した。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
然し
乍
(
なが
)
ら
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
があつても
咎
(
とが
)
める事のない気楽な日本へ早く帰りたいと思つて居る。(八月十八日巴里にて)
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
痩せこけた頬へ櫛卷きにした髮の
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
が振りかゝつて、大きな圓い眼は血走つてゐるやうに思はれた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
お初が、怒りと恋慕とを新たにして、
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
を前歯で噛みしめたり、吐き出したりしているところへ、また、縄梯子の
軋
(
きし
)
む音がして、木ぶすまが、開け
閉
(
た
)
てされ
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
と云うのは、それが何あろうか、巧妙な
鬘
(
かつら
)
であって、下は半白の、疎らな
短
(
みじ
)
か
毛
(
げ
)
であった。そうして、屍体の手に、一枚の揉みくちゃな紙が握られていたのである。
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
鼻
(
はな
)
の下だの、
眉毛
(
まゆげ
)
の辺だのには、
逞
(
たくま
)
しいむく
毛
(
げ
)
が
茫々
(
ぼう/\
)
と生えて、人間の顔のような感じはしない。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
經文
(
きやうもん
)
の
讀誦
(
どくじゆ
)
に
抹香
(
まつかう
)
くさくなりて、
娘
(
むすめ
)
らしき
匂
(
にほ
)
ひは
遠
(
とほ
)
かるべしと
思
(
おも
)
ひしに、
其
(
その
)
やうの
氣
(
け
)
ぶりもなく、
柳髮
(
りうはつ
)
いつも
高島田
(
たかしまだ
)
に
結
(
むす
)
ひ
上
(
あ
)
げて、
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
一
(
ひ
)
と
筋
(
すぢ
)
えりに
亂
(
み
)
ださぬ
嗜
(
たしな
)
みのよさ
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
白鳥たちははね
毛
(
げ
)
をさかだて、つばさを
帆
(
ほ
)
のようにひろげて、首を高くのばしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
それと向い合って、女は
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
をかき上げて、恥かしそうに横を向いていましたが
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
どんぐり
眼
(
まなこ
)
に
団子
(
だんご
)
っ鼻、赤ら顔に縮れっ
毛
(
げ
)
、
大兵肥満
(
だいひょうひまん
)
の大女なれども鬼も十八の娘盛りとて薄黒い顔に
白粉
(
おしろい
)
をコテと塗り、太き地声を細く殺して「
伯母
(
おば
)
さん
今日
(
こんにち
)
は」と妙に気取って歩み来る。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
女商人
(
をんなあきんど
)
はかう言つて
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
を撫であげた。そして自分でも幾年か
往時
(
むかし
)
、男の膝にもたれて、「あなたが恋しいわ。」と言つた
以来
(
このかた
)
、これほど
真実
(
ほんとう
)
の事を言つた事は無かつたと思つたらしかつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
アレあの様に
乱
(
ほつ
)
れ
毛
(
げ
)
が頬に掛るところは、なんとも云えませんな。
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
むく
毛
(
げ
)
がついついとんでゆく
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
ちぢれ
毛
(
げ
)
の
痩犬
(
やせいぬ
)
見えて
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
もし、この、まつ
毛
(
げ
)
の
長
(
なが
)
い
美
(
うつく
)
しい
娘
(
むすめ
)
さんが、
自分
(
じぶん
)
を
買
(
か
)
って、どこかへ
連
(
つ
)
れていってくださったら、
自分
(
じぶん
)
は、どんなにしあわせだかしれない。
ガラス窓の河骨
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ほかに、清子の鏡とか、尊氏の
生
(
う
)
ぶ
毛
(
げ
)
だとか、肌着だとか、宝物めいた物も幾多並んでいたが、それらはみんなよろしくない。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あでやかに青年を見返りながら、小指をなんともいえないよい形に折り曲げた左手で、
鬢
(
びん
)
の
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
をかきなでるついでに、
地味
(
じみ
)
に装って来た黒のリボンにさわってみた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
其
(
そ
)
の、
膝
(
ひざ
)
に
萌黄
(
もえぎ
)
の
袖
(
そで
)
を
折掛
(
をりか
)
けて、
突俯
(
つゝぷ
)
した
方
(
はう
)
は、
絞
(
しぼり
)
か
鹿
(
か
)
の
子
(
こ
)
か、ふつくりと
緋手柄
(
ひてがら
)
を
掛
(
か
)
けた、もつれ
毛
(
げ
)
はふさ/\と
搖
(
ゆ
)
れつつも、
煙
(
けむり
)
を
分
(
わ
)
けた
鬢
(
びん
)
の
艶
(
つや
)
、
結綿
(
ゆひわた
)
に
結
(
ゆ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
生
(
う
)
ぶ
毛
(
げ
)
で包まれた赤い耳をホンノリと並べて、長い睫毛を正しく、楽しそうに伏せている少女の寝顔が、眼に見えぬくらい静かに、静かに、悲しみの表情にかわって行くのであった。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ある日妻がどうしてつかまえたかきじ
毛
(
げ
)
の子猫を捕えて座敷へ連れて来た。白い前掛けですっかりからだを包んで首だけ出したのをひざの上にのせて
顎
(
あご
)
の下をかいてやったりしていた。
ねずみと猫
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
と、そよと
吹
(
ふ
)
く
海風
(
かいふう
)
に、
鬢
(
びん
)
のほつれ
毛
(
げ
)
を
拂
(
はら
)
はせながら
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
お浜は
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
をキリリと
噛
(
か
)
み切って
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
春日
(
かすが
)
の
宮
(
みや
)
の
使
(
つか
)
ひ
姫
(
ひめ
)
、
秋
(
あき
)
ふた
毛
(
げ
)
して
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
どこの
百姓
(
ひゃくしょう
)
の
女房
(
にょうぼう
)
であろうか、
櫛巻
(
くしまき
)
にしたほつれ
毛
(
げ
)
をなみだにぬらして、
両袖
(
りょうそで
)
を
顔
(
かお
)
にあてたまま濠にむかってさめざめと
泣
(
な
)
いているようす……
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そよ
風
(
かぜ
)
が、その
人
(
ひと
)
の、
長
(
なが
)
いたもとをかえし、ほつれ
毛
(
げ
)
をふいて、いいにおいをおくりました。
子
(
こ
)
どもは、やさしいすがたが、したわしくなりました。
風七題
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
引添
(
ひきそ
)
つて、
手拭
(
てぬぐひ
)
を
吉原
(
よしはら
)
かぶりで、
艷
(
えん
)
な
蹴出
(
けだ
)
しの
褄端折
(
つまぱしより
)
をした、
前髮
(
まへがみ
)
のかゝり、
鬢
(
びん
)
のおくれ
毛
(
げ
)
、
明眸皓齒
(
めいぼうかうし
)
の
婦人
(
ふじん
)
がある。しつかりした、さかり
場
(
ば
)
の
女中
(
ぢよちう
)
らしいのが、もう
一人
(
ひとり
)
後
(
あと
)
についてゐる。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
薄霧
(
うすぎり
)
北の山の根に消えやらず、柿の実
撒砂
(
まきすな
)
にかちりと音して
宿夢
(
しゅくむ
)
拭うがごとくにさめたり。しばらくの別れを握手に告ぐる妻が
鬢
(
びん
)
の
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
に風ゆらぎて
蚊帳
(
かや
)
の裾ゆら/\と秋も早や立つめり。
東上記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そして列車が動かなくなった時、葉子はその人のかたわらにでもいるように
恍惚
(
うっとり
)
とした顔つきで、思わず知らず左手を上げて——小指をやさしく折り曲げて——
軟
(
やわ
)
らかい
鬢
(
びん
)
の
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
をかき上げていた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
そのとちゅうで
可児才蔵
(
かにさいぞう
)
は、自分の目のまえに立ってゆく、少しちぢれ
毛
(
げ
)
のある男の
襟
(
えり
)
もとを見つめながら
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なにをぼんやりしているんだい。
達
(
たっ
)
ちゃんは、
実
(
み
)
を
拾
(
ひろ
)
わないの。」と、
勇蔵
(
ゆうぞう
)
は、
棒
(
ぼう
)
きれを
枝
(
えだ
)
に
向
(
む
)
かって
投
(
な
)
げつけると、
雨
(
あめ
)
のように、
白
(
しろ
)
いうぶ
毛
(
げ
)
のある
円
(
まる
)
い
実
(
み
)
が
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
認
(
みと
)
めたが、
萎々
(
なえ/\
)
として、
兩方
(
りやうはう
)
が
左右
(
さいう
)
から、
一人
(
ひとり
)
は
一方
(
いつぱう
)
の
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うへ
)
へ、
一人
(
ひとり
)
は
一方
(
いつぱう
)
の、おくれ
毛
(
げ
)
も
亂
(
みだ
)
れた
肩
(
かた
)
へ、
袖
(
そで
)
で
面
(
おもて
)
をひたと
蔽
(
おほ
)
うたまゝ、
寄縋
(
よりすが
)
り
抱合
(
いだきあ
)
ふやうに、
俯伏
(
うつぶ
)
しに
成
(
な
)
つて
惱
(
なや
)
ましげである。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まゆ
毛
(
げ
)
の
長
(
なが
)
い、つえをついている、
白髪
(
しらが
)
の
魔法使
(
まほうつか
)
いは、うやうやしく、
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げていいますには
木と鳥になった姉妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
衣紋
(
えもん
)
を
細
(
ほそ
)
く、
圓髷
(
まげ
)
を、おくれ
毛
(
げ
)
のまゝ、ブリキの
罐
(
くわん
)
に
枕
(
まくら
)
して、
緊乎
(
しつか
)
と、
白井
(
しらゐ
)
さんの
若
(
わか
)
い
母
(
かあ
)
さんが
胸
(
むね
)
に
抱
(
だ
)
いた
幼兒
(
をさなご
)
が、
怯
(
おび
)
えたやうに、
海軍服
(
かいぐんふく
)
でひよつくりと
起
(
お
)
きると、ものを
熟
(
じつ
)
と
視
(
み
)
て、みつめて
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丁
(
ちやう
)
ど
瞳
(
ひとみ
)
を
離
(
はな
)
して、あとへ
一歩
(
ひとあし
)
振向
(
ふりむ
)
いた
處
(
ところ
)
が、
川
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
の
曲角
(
まがりかど
)
で、やゝ
高
(
たか
)
い
向岸
(
むかうぎし
)
の、
崖
(
がけ
)
の
家
(
うち
)
の
裏口
(
うらぐち
)
から、
巖
(
いは
)
を
削
(
けづ
)
れる
状
(
さま
)
の
石段
(
いしだん
)
五六段
(
ごろくだん
)
を
下
(
お
)
りた
汀
(
みぎは
)
に、
洗濯
(
せんたく
)
ものをして
居
(
ゐ
)
た
娘
(
むすめ
)
が、
恰
(
あたか
)
もほつれ
毛
(
げ
)
を
掻
(
か
)
くとて
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
白
(
しろ
)
いとげのようなうぶ
毛
(
げ
)
をもった
葉
(
は
)
がしげりあったのでありました。
遠くで鳴る雷
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ふと
明
(
あ
)
いた
窓
(
まど
)
へ
横向
(
よこむ
)
きに
成
(
な
)
つて、ほつれ
毛
(
げ
)
を
白々
(
しろ/″\
)
とした
指
(
ゆび
)
で
掻
(
か
)
くと、あの
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
が
強
(
つよ
)
く
薫
(
かを
)
つた、と
思
(
おも
)
ふと
緑
(
みどり
)
の
黒髮
(
くろかみ
)
に、
同
(
おな
)
じ
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
の
小枝
(
こえだ
)
を
活
(
い
)
きたる
蕚
(
うてな
)
、
湧立
(
わきた
)
つ
蕊
(
しべ
)
を
搖
(
ゆる
)
がして、
鬢
(
びんづら
)
に
插
(
さ
)
して
居
(
ゐ
)
たのである。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
片手
(
かたて
)
におくれ
毛
(
げ
)
を
拂
(
はら
)
ひもあへず……
頷
(
うなづ
)
いて……
莞爾
(
につこり
)
した。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
や
威
(
おど
)
し
毛
(
げ
)
ゆらり
女武者
(
をんなむしや
)
。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“毛”の意味
《名詞》
(け)鳥類や哺乳類の体表をおおう、糸状のもの。体毛。
(け)髪。毛髪。
(出典:Wiktionary)
毛
常用漢字
小2
部首:⽑
4画
“毛”を含む語句
毛布
刷毛
赤毛布
羽毛
眉毛
山毛欅
冠毛
毛氈
毛皮
白毛
捲毛
紅毛
毛髪
髪毛
毛頭
毛莨
縮毛
毛受
慄毛
古毛布
...