トップ
>
松葉
>
まつば
ふりがな文庫
“
松葉
(
まつば
)” の例文
夕飯
(
ゆうはん
)
のあとは、お
祖父
(
じい
)
さん、お
祖母
(
ばあ
)
さん、
少年
(
しょうねん
)
の三
人
(
にん
)
が、いろりのはたで
枯
(
か
)
れ
枝
(
えだ
)
や
松葉
(
まつば
)
をたき、
毎晩
(
まいばん
)
のように
楽
(
たの
)
しくお
話
(
はなし
)
をしました。
おかまの唄
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すぐ
夫
(
をつと
)
は
傍
(
そば
)
から
松葉
(
まつば
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ
上
(
あ
)
げて
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
をつつ
突
(
つ
)
いた。と、
蜂
(
はち
)
はあわてて
穴
(
あな
)
から
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たが、
忽
(
たちま
)
ち
松葉
(
まつば
)
に
向
(
むか
)
つて
威嚇的
(
ゐかくてき
)
な
素振
(
そぶり
)
を
見
(
み
)
せた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
ものの、ぼたん、ばらよりして、
缺摺鉢
(
かけすりばち
)
、たどんの
空箱
(
あきばこ
)
の
割長屋
(
わりながや
)
、
松葉
(
まつば
)
ぼたん、
唐辛子
(
たうがらし
)
に
至
(
いた
)
るまで
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
せば
節
(
ふし
)
になる。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あわてて
松葉
(
まつば
)
と
薪
(
まき
)
をくべると、ひどい
煙
(
けむり
)
の中から
炎
(
ほのお
)
がまいたって、土間の自転車の金具が炎で赤く光った。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
日蓮は鎌倉に登ると、
松葉
(
まつば
)
ヶ
谷
(
やつ
)
に草庵を結んで、ここを根本道場として
法幡
(
ほうばん
)
をひるがえし、彼の法戦を始めた。彼の伝道には当初からたたかいの意識があった。
学生と先哲:――予言僧日蓮――
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
▼ もっと見る
こぼれ
松葉
(
まつば
)
の
土
(
つち
)
になるまで
二人
(
ふたり
)
ともにと
契
(
ちぎ
)
りしものを
我
(
われ
)
ばかり
何
(
なに
)
として
後
(
おく
)
るべきと
足
(
あし
)
ずりして
歎
(
なげ
)
きしが
命
(
いのち
)
果敢
(
はか
)
なく
止
(
とゞ
)
められて
再
(
ふたゝ
)
び
見
(
み
)
んとも
思
(
おも
)
はざりし
六疊敷
(
ろくでふじき
)
の
我
(
わ
)
が
部屋
(
へや
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこへ
行
(
ゆ
)
くと
爺
(
ぢい
)
やの
伐
(
き
)
つた
木
(
き
)
がありました。
松葉
(
まつば
)
の
積
(
つ
)
んだのもありました。
爺
(
ぢい
)
やはその
木
(
き
)
を
背負
(
しよ
)
つたり、
松葉
(
まつば
)
を
背負
(
しよ
)
つたりして、お
家
(
うち
)
の
木小屋
(
きごや
)
の
方
(
はう
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
るのでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
まず※は
幾条
(
いくすじ
)
にも
割
(
わ
)
れ
裂
(
さ
)
ける、それでもって打たれるので
※
(
かわ
)
の裂目のひりひりしたところが
烈
(
はげ
)
しく
触
(
さわ
)
るから、ごくごく浅い
疵
(
きず
)
ではあるが
松葉
(
まつば
)
でも散らしたように
微疵
(
かすりきず
)
が顔へつく。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
時々は家の主も瓜の種なぞ
浸
(
ひた
)
して置く。
散
(
ち
)
り
松葉
(
まつば
)
が沈み、蟻や
螟虫
(
あおむし
)
が
溺死
(
できし
)
して居ることもある。尺に五寸の大海に鱗々の波が立ったり、青空や白雲が
心
(
こころ
)
長閑
(
のどか
)
に浮いて居る日もある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
いつもはお庭に
松葉
(
まつば
)
もは
入
(
いる
)
時分秋頃から御隱居樣のはさみの音も聞えず
うづみ火
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
手足
(
てあし
)
を
伸
(
のば
)
せば
括
(
くゝ
)
りつけた
萱
(
かや
)
や
篠
(
しの
)
の
葉
(
は
)
に
觸
(
ふ
)
れてかさ/\と
鳴
(
な
)
る
程
(
ほど
)
狹
(
せま
)
い
室内
(
しつない
)
を、
寒
(
さむ
)
さは
束
(
たば
)
ねた
松葉
(
まつば
)
の
先
(
さき
)
でつゝくやうに
徹宵
(
よつぴて
)
其
(
その
)
隙間
(
すきま
)
を
狙
(
ねら
)
つて
止
(
や
)
まなかつた。
勘次
(
かんじ
)
は
目
(
め
)
が
冴
(
さ
)
えて
畢
(
しま
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
北
(
きた
)
に
枕
(
まくら
)
して
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
当日
(
とうじつ
)
、
哲夫
(
てつお
)
は、お
母
(
かあ
)
さんにつれられていったが、
控
(
ひか
)
え
室
(
しつ
)
に
松葉
(
まつば
)
づえをついた
少年
(
しょうねん
)
が、
姉
(
ねえ
)
さんにつれられていっていました。
中学へ上がった日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が、
惡戯
(
いたづら
)
氣分
(
きぶん
)
になつて、
夫
(
をつと
)
は
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
かなかつた。そして、なほも
蜂
(
はち
)
の
體
(
からだ
)
につつ
突
(
つ
)
きかかると、すぐ
嘴
(
くちばし
)
が
松葉
(
まつば
)
に
噛
(
か
)
みついた。
不思議
(
ふしぎ
)
にあたりが
靜
(
しづ
)
かだつた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
書肆
(
ほんや
)
へ
前借
(
さきがり
)
に
行
(
ゆ
)
く
途中
(
とちう
)
ででもあつて
見
(
み
)
たが
可
(
い
)
い、
氣
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
い
嫁
(
よめ
)
が、
松葉
(
まつば
)
で
燻
(
いぶ
)
されるくらゐに
涙
(
なみだ
)
ぐみもしかねまい。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
爺
(
ぢい
)
やは
山
(
やま
)
から
伐
(
き
)
つて
來
(
き
)
た
木
(
き
)
を
木小屋
(
きごや
)
にしまつて
置
(
お
)
いて、
焚
(
たき
)
つけにする
松葉
(
まつば
)
もしまつて
置
(
お
)
いて、
要
(
い
)
るだけづゝお
家
(
うち
)
の
爐邊
(
ろばた
)
へ
運
(
はこ
)
びました。
赤々
(
あか/\
)
とした
火
(
ひ
)
が
毎日
(
まいにち
)
爐邊
(
ろばた
)
で
燃
(
も
)
えました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
あの
中島
(
なかじま
)
は、
簇
(
むらが
)
つた
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
で
雪
(
ゆき
)
を
被
(
かつ
)
いで
居
(
ゐ
)
るのです。
岸
(
きし
)
に、
葉
(
は
)
と
花
(
はな
)
の
影
(
かげ
)
の
映
(
うつ
)
る
處
(
ところ
)
は、
松葉
(
まつば
)
が
流
(
なが
)
れるやうに、ちら/\と
水
(
みづ
)
が
搖
(
ゆ
)
れます。
小魚
(
こうを
)
が
泳
(
およ
)
ぐのでせう。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、やがて
不意
(
ふい
)
に
松葉
(
まつば
)
から
離
(
はな
)
れると
蜂
(
はち
)
はぶんと
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
つた。三
人
(
にん
)
ははつとどよめいた。けれども、
蜂
(
はち
)
は
大事
(
だいじ
)
な
犧牲
(
ぎせい
)
の
蜘蛛
(
くも
)
の
死骸
(
しがい
)
を
警戒
(
けいかい
)
しに
行
(
い
)
つたのだつた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「
松葉
(
まつば
)
づえの
少年
(
しょうねん
)
は、
及第
(
きゅうだい
)
したろうか。」と、
思
(
おも
)
ったからです。どうしたのか、その
姿
(
すがた
)
は
見
(
み
)
えませんでした。このとき、
思
(
おも
)
いがけない
事件
(
じけん
)
が
起
(
お
)
こったのです。
中学へ上がった日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二時
(
やつ
)
さがりに
松葉
(
まつば
)
こぼれて、
夢
(
ゆめ
)
覺
(
さ
)
めて
蜻蛉
(
とんぼ
)
の
羽
(
はね
)
の
輝
(
かゞや
)
く
時
(
とき
)
、
心太
(
ところてん
)
賣
(
う
)
る
翁
(
おきな
)
の
聲
(
こゑ
)
は、
市
(
いち
)
に
名劍
(
めいけん
)
を
鬻
(
ひさ
)
ぐに
似
(
に
)
て、
打水
(
うちみづ
)
に
胡蝶
(
てふ/\
)
驚
(
おどろ
)
く。
行水
(
ぎやうずゐ
)
の
花
(
はな
)
の
夕顏
(
ゆふがほ
)
、
納涼臺
(
すゞみだい
)
、
縁臺
(
えんだい
)
の
月見草
(
つきみさう
)
。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これを
聞
(
き
)
くと、おじいさんは、
炉
(
ろ
)
の
中
(
なか
)
に
松葉
(
まつば
)
をたき、
上
(
うえ
)
から
釣
(
つ
)
るした
鉄
(
てつ
)
びんをわかしにかかりながら
とうげの茶屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
御神燈
(
ごしんとう
)
の
影
(
かげ
)
一
(
ひと
)
つ、
松葉
(
まつば
)
の
紋
(
もん
)
も
見當
(
みあた
)
らないで、
箱
(
はこ
)
のやうな
店頭
(
みせさき
)
に、
煙草
(
たばこ
)
を
賣
(
う
)
るのもよぼ/\のおばあさん。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
白
(
しろ
)
い
服
(
ふく
)
を
着
(
き
)
た
兵隊
(
へいたい
)
さんはベッドの
上
(
うえ
)
へ
横
(
よこ
)
になっているもの、あるいは、
腰
(
こし
)
をかけているもの、また、すわっているもの、また、
松葉
(
まつば
)
づえを
抱
(
かか
)
えて
立
(
た
)
ち
話
(
ばなし
)
をしているもの
少女と老兵士
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
肝心
(
かんじん
)
の
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひおくれた。——
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
の
赤蜻蛉
(
あかとんぼ
)
は、
殘
(
のこ
)
らず、
一
(
ひと
)
つも
殘
(
のこ
)
らず、
皆
(
みな
)
一
(
ひと
)
つづゝ、
一
(
ひと
)
つがひ、
松葉
(
まつば
)
につないで、
天人
(
てんにん
)
の
乘
(
の
)
る
八挺
(
はつちやう
)
の
銀
(
ぎん
)
の
櫂
(
かい
)
の
筏
(
いかだ
)
のやうにして
飛行
(
ひかう
)
した。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ある
日
(
ひ
)
、
兵隊服
(
へいたいふく
)
を
着
(
き
)
た、
二人連
(
ふたりづ
)
れのおじさんが、お
薬
(
くすり
)
を
売
(
う
)
りにきました。
一人
(
ひとり
)
のおじさんは、
松葉
(
まつば
)
づえをついて、
往来
(
おうらい
)
の
上
(
うえ
)
で、なにか
大
(
おお
)
きな
声
(
こえ
)
を
出
(
だ
)
して、わめいていました。
小さな年ちゃん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また
弟
(
おとうと
)
は、
炉
(
ろ
)
に
松葉
(
まつば
)
をくべたり
鉄
(
てつ
)
びんをかけたりして、
夕飯
(
ゆうはん
)
のしたくをしていました。お
母
(
かあ
)
さんがかぜをひいてねていられたので、いいつけられた
用事
(
ようじ
)
をしているのでした。
ペスときょうだい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
腕
(
うで
)
へ
來
(
く
)
る、
乳
(
ちゝ
)
へ
來
(
く
)
る。
拂
(
はら
)
へば
馳
(
はし
)
つて、
又
(
また
)
スツと
寄
(
よ
)
る。あゝ、
女
(
をんな
)
の
雪
(
ゆき
)
の
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
だと、
松葉
(
まつば
)
が
命
(
いのち
)
の
黥
(
いれずみ
)
をしよう、
指
(
ゆび
)
には
青
(
あを
)
い
玉
(
たま
)
と
成
(
な
)
らう。
私
(
わたし
)
は
酒
(
さけ
)
を
思
(
おも
)
つて、たゞ
杉
(
すぎ
)
の
葉
(
は
)
の
刺青
(
ほりもの
)
した。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
哲夫
(
てつお
)
は、お
母
(
かあ
)
さんを
残
(
のこ
)
していきかけると、
松葉
(
まつば
)
づえの
少年
(
しょうねん
)
もいっしょにいきかけました。
中学へ上がった日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
清々
(
すが/\
)
しいのは、かけ
湯
(
ゆ
)
の
樋
(
ひ
)
の
口
(
くち
)
をちら/\と、こぼれ
出
(
で
)
て、
山
(
やま
)
の
香
(
か
)
の
芬
(
ぷん
)
と
薫
(
かを
)
る、
檜
(
ひのき
)
、
槇
(
まき
)
など
新緑
(
しんりよく
)
の
木
(
き
)
の
芽
(
め
)
である。
松葉
(
まつば
)
もすら/\と
交
(
まじ
)
つて、
浴槽
(
よくさう
)
に
浮
(
う
)
いて、
潛
(
くゞ
)
つて、
湯
(
ゆ
)
の
搖
(
ゆ
)
るゝがまゝに
舞
(
ま
)
ふ。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
よく
見
(
み
)
ると、その
青年
(
せいねん
)
は、
右足
(
みぎあし
)
は
義足
(
ぎそく
)
で、
草
(
くさ
)
の
上
(
うえ
)
に、
松葉
(
まつば
)
づえがおいてありました。
托児所のある村
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
低
(
ひく
)
く
行
(
ゆ
)
くのは、
其
(
そ
)
の
影
(
かげ
)
をうけて
色
(
いろ
)
が
濃
(
こ
)
い。
上
(
うへ
)
に
飛
(
と
)
ぶのは、
陽
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に
色
(
いろ
)
が
淡
(
うす
)
い。
下
(
した
)
行
(
ゆ
)
く
群
(
むれ
)
は、
眞綿
(
まわた
)
の
松葉
(
まつば
)
をちら/\と
引
(
ひ
)
き、
上
(
うへ
)
を
行
(
ゆ
)
く
群
(
むれ
)
は、
白銀
(
しろがね
)
の
針
(
はり
)
をきら/\と
飜
(
ひるがへ
)
す……
際限
(
かぎり
)
もなく、それが
通
(
とほ
)
る。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
松
常用漢字
小4
部首:⽊
8画
葉
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
“松葉”で始まる語句
松葉杖
松葉屋
松葉牡丹
松葉燻
松葉越
松葉独活
松葉宿
松葉町
松葉形
松葉掻